市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

県立浦安南高校の液状化被害で問われる県有施設・財産の維持管理のあり方
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      選挙中、大震災について、
    …拘的な放射能汚染に対して、私達の生命、健康を第一に考え(風評被害対策にもなる)、
    ・徹底した情報公開を行うこと。そのためにきめ細かな放射能測定(測定ポイントの増、風向き、降雨、測定値)とリアルタイムの公表が不可欠であること。
    ・食の安全を確保し、学校や住宅の耐震化を推進すること。
    復興財源の確保では、まず圏央道や北千葉道路などムダ(明確な事業根拠がないこと)な公共事業を中止すること。次に所得税増税、輸出大企業の法人税増税で確保すること。間違っても消費税増税では対応しないこと。
    そのためにも、水面下の取引や中央のトップダウンの指揮命令に従うだけの現況の県議会を変えなければならないこと。
    などを訴えました。
     
     一方、浦安市の埋立地にある県立浦安南高校が液状化による地盤沈下でインフラ機能を喪失で、しばらく施設が利用できないことを知りました。
     浦安南高校と言えば、2年前の09年1月29日に視察し(http://yukitatu.kawamoto.main.jp/?month=200901)、09年の2月13日の県議会予算委員会で取り上げた施設です。

    09年の予算委員会で私は、
    「埋立地にある学校は地盤が1メートル近く沈下し、くいで支えられた構造物と地盤との間のすき間も観察されました。これではコンクリート破片落下による事故、雨漏り、大地震等時における液状化やくいの破壊による上部構造物の大規模な被害が危惧されます。改修できない理由はただ1つです。予算がないと。」
    「冒頭で触れました高校、1校1億円費やせば当面の処置は私はできると思うんですね。無駄な酒々井インターチェンジ4億円、これをやめればできるんですよ。最初に指摘した学校施設の状態というのは、財源不足で放置されているんですよ。事故が起きれば、管理者はその責任が問われるんですよ。そのことをきちんと胸に刻み込んでいただきたい」
    などを指摘しました。(詳細は以下【参考】議事録抜粋参照)
    今回の施設の機能不全は「天災」よりも「人災」ではないかと思いました。

     議員の任期は4月29日までです。
     そこで、昨日(22日)は午前中、「大気および千葉県産の農水産物の放射能測定」について県農水部、環境生活部からヒアリングをし、午後は施設閉鎖中の県立浦安南高校を視察しました。

     浦安南高校(1984年竣工)の敷地は今回の液状化でさらに約60cm沈下したそうです。グラウンドや建物周辺に細砂が吹き上げた液状化の痕跡が随所に観察できます。杭で支持された建物は敷地内にある排水処理施設や受水槽施設などとともに被害はなかったようですが、外部の雨水排水、生活排水の枡や配管、が大きく破損し、正門の門扉が傾いています。

     近くにある私立高校では、液状化被害がありながらも迅速に改修し予定通り生徒たちは通っているようです。県の場合は所定の入札手続きを経るためすぐには工事に着手できないとのことですが、浦安南高校の場合、9月から予定通り生徒たちが安心して通える状態になるかどうか不透明です。
    液状化対策のみならず今まで放置してきた通常の地盤沈下への対応も必要です。通常の地盤沈下の放置が、今回の液状化による被害をより大きなものにしたと考えます。
    県は、県有施設・財産の維持管理を後回しにするという姿勢を根本から考え直す必要があります。

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    【参考】県議会予算委員会(09年2月13日)質疑議事録から
    〜県立高校など県有施設・財産の維持管理

    【川本】1月末に私は、昭和49年から51年に建設されたといいますから、築35年近く経過しました県立高校、これを数校視察しました。一般に建築物は、鉄筋コンクリート造の場合、耐用年数60年とされ、長寿命化のため外壁塗装、あるいは屋根防水の全面更新が少なくとも15年から20年で行われるもので、30年経過すれば大規模な改修が必要とされます。
     私が訪ねた県立高校、35年近いにもかかわらず、そうした更新は一度も行われず、鉄筋のさびが外壁に浮き出、はりや壁のクラックも目にして、埋立地にある学校は地盤が1メートル近く沈下し、くいで支えられた構造物と地盤との間のすき間も観察されました。これではコンクリート破片落下による事故、雨漏り、大地震等時における液状化やくいの破壊による上部構造物の大規模な被害が危惧されます。改修できない理由はただ1つです。予算がないと。
     そこで県有施設全体についてお伺いします。床面積ベースで約395万平方メートルの県有施設の4割が築30年以上経過し、10年後には8割に達するということです。これらの大規模改修に要する費用の総額は幾らか。新年度予算案ではどの程度実施されるのか御質問します。

    【松原総務部長】 本県の場合は首都圏に位置するということから、高度成長期の人口急増に伴う行政需要に対応するために、学校を初めとするさまざまな公共施設を整備してまいりました。今後、これらの施設の改修や改築の需要が増加すると見込まれますので、将来の財政負担の抑制と平準化、これが重要な課題だと考えております。このため、行政改革推進本部のもとに設置いたしました県有財産活用戦略会議で検討を加えながら、県民ニーズの変化を踏まえた県有施設の見直しを図るとともに、建物の長寿命化や利活用の一層の推進に努めるために、その方針を策定したいというふうに考えております。
     今御指摘の費用の総額ということでございますが、今後、そういう見直しを行うことによりまして施設の統廃合等もございます。そのようなことから施設数に変動がございます。さらには施設の劣化状況、これがそれぞれ異なるということでございまして、現段階で試算を行うことは困難だと考えてございます。
     それと21年度の予算につきましては、委員からも御指摘ございましたが、緊急に対応すべきものを主に計上してございます。
     以上でございます。

    【川本】 要は一方で大きな借金をして大規模な公共事業を推進しながら、今後の県財政負担のシミュレーションに不可欠な大規模改修費の試算はこれからということは、これは非常に驚きです。新年度予算といっても、それは恐らく耐震改修ですよね。大規模改修ではないわけですよ。本来、予算に計上すべき項目が入っていないということですから、今、財源不足と言いながら、規模は本当はさらに大きくなるはずなんですね。それがどの程度なのか。
     以前、議会答弁で県は、築40年で建てかえをすると、今後30年間で1兆円以上の費用が見込まれるとしています。単純に年平均すると年間400億円ですよ。道路予算ですよね、これね。建てかえではコストがかかるということで、長寿命化への取り組みが各地方自治体で行われているということですが、今も長寿命化という話、しましたけれども、温暖化防止策にも配慮した県有施設の維持管理、長寿命化計画の策定状況はどうなのかお伺いします。

    【松原総務部長】 先ほども御答弁させていただきましたが、これから県有財産活用戦略会議のもとで方針を立てていくところでございます。その際には、委員御指摘のとおり、地球温暖化防止、これに配慮することも大変重要であると考えてございますので、環境の視点もその中で重視をしていきたいと考えております。

    【川本】関連質問ですけど、青森県では、2003年ですから、今から6年前にファシリティマネジメントを活用した県有施設の効果的な管理運営手法の導入に関する調査研究が実施されているんです。財政負担のシミュレーションもきちんと行われている。そもそも県有財産を、財源を確保しながら安全に維持管理していくことは県の使命じゃないですか。千葉県で検討がおくれたのはなぜか。また、いつまでに財政負担のシミュレーションを維持するつもりなのかお伺いします。

    【松原総務部長】 他県との比較の御質問でございますけども、私どもの千葉県では、先ほど申し上げましたが、高度経済成長期の人口急増、これに対応するために施設整備を行ってまいりましたが、大体この建物の建設のピークが昭和50年代半ばとなってございます。今御指摘のございました先進的に取り組んでいる青森県などと比べますと、5年程度、このピークが本県の場合は遅くなっているということがございます。また、自治体ごとに保有する施設等の状況、あるいは県民ニーズも千差万別でございますので、そういった先進自治体の取り組みなんかも今後参考にさせていただきたいというふうに考えております。
     それと、いつまでにということでございますけども、まずは現在のところ、建物の利活用状況の調査、それと劣化状況の把握を行うために調査を進めておりますが、その調査結果を踏まえまして、県有財産の転用や共用、売却、貸し付けなどの利活用に係る見直し方針の方向性、これをまず出したいと思っておりますが、これについては21年度の後半には取りまとめを行いたいというふうに考えております。

    【川本】 非常に私は怠慢だと思いますね。そういう間に大規模改修すべき建物をしない、県民の財産そのものの寿命がどんどん短くなる。冒頭で私が行きました学校のようなものが出てくるわけなんですよ。それは、今年4月出された未利用地県有財産の管理についての行政監査結果報告書では、監査対象財産の約6割で測量経費などを要するとの理由で境界確定がされていないことが指摘されているんですよ。これを考え合わせると、県有財産を維持管理するという姿勢そのものがやっぱり乏しいんじゃないかということを言わざるを得ないと思います。
     先ほどの青森県の報告書、これ、見ますと、面積ベースではちょうど千葉の半分なんですね。長寿命化費用は30年間の累計で3,200億円としてる。要件も違いますけども、その倍の規模では30年間で5,000億から6,000億かかる。ということは、年平均2,000億円(川本注:200億円の間違い)程度となるんですね。ちょうど千葉で言うと道路直轄事業分ですよ。その程度かかるということなんです。
     そこでお伺いしますけど、県有施設は本来、毎年数百億規模の維持管理更新費用が必要であると、私はそう思うんですけども。それから、07年度決算でも経常収支比率100%超えましたね。さらに、これに入ってないものでこれから算定するというのは流域下水道施設の今後の更新費ですよ。そういうのを考慮すると、千葉県は高規格道路や大規模開発など、新たな公共事業を行う財政的な余裕などないのが実態だと思うんですが、どういうふうに思われますか。

    【松原総務部長】 確かに財政状況、厳しいのは事実でございますが、その厳しい中であっても、県民が真に必要とする事業については予算措置をしていかなければならないと考えております。

    【川本】 真に必要な大規模改修というものの予算措置がおくれているのが、財政負担のシミュレーションを実施してないことが要因じゃないですか。さっき冒頭で触れました高校、1校1億円費やせば当面の処置は私はできると思うんですね。無駄な酒々井インターチェンジ4億円、これをやめればできるんですよ。最初に指摘した学校施設の状態というのは、財源不足で放置されているんですよ。事故が起きれば、管理者はその責任が問われるんですよ。そのことをきちんと胸に刻み込んでいただきたいと思います。

    Posted by : 川本幸立 | 県有施設・財産の維持管理 | 17:51 | - | - | - | - |
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