市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

2月県議会県土整備常任委員会報告
〜社会保障としての住宅政策を
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      昨年の県の行政改革推進委員会で、外部委員が、もはや住宅を県が扱う時代はおわった、民間にまかせるべきとの発言をした。しかし、価格・広さ・立地の3点が適切な住宅のストックが足りているのか、民間に任せると言っても「民間活力」の導入の実態はどうなのか不明だ。

     日本の借家率は34%だが、その内、社会住宅の割合は5分の一で大半が民営である。公的住宅手当などの住宅に関する社会保障は無いに等しい。(「若者たちに「住まい」を!」日本住宅会議編、岩波ブックレット)
     そこに小泉構造改革が行われ、国の公営住宅への交付金はそれまでの補助金の10分の一に減らされ、自治体に住宅政策から手を引くことを促がした。

     ネットカフェ難民など住まいの貧困問題が大きくクローズアップされている今、住宅政策をまず社会保障として位置づけなければならない。
     2月県議会の県土整備常任委員会(3月16日)で、県の住宅政策を質したので以下に概要を報告する。

    ・ストックは満たされているのか?

    【川本】県の地域住宅計画(H17年度〜22年度)では、「住宅戸数が世帯数を上回っており、非成長・成熟社会においてストックの有効活用が住宅政策において重要な事項」とある。しかし、老朽化、最低必要面積に達しないなどの劣悪なもの、家主に貸す意思がないなど今すぐ住めない住宅などが相当数あると考えるが、そういう実態を踏まえた上で本当に居住可能という点で判断したとき、千葉県の住宅は量では確実に満足しているのか伺う。

    【酒井住宅課長】20年の住宅土地統計調査では、本県の空き家率は13.1%となっています。これで見る限り量的に住宅数は充足していると考えられます。
    しかし、構造、古さ、価格、広さ、立地等の面での情報は持ち合わせていません。
     千葉県住生活基本計画の中で、その解消を目指している、十分な居住面積水準に達していない住宅に居住している方々が、15年の調査ですが約4%ほどいることが確認できていますので質的に十分な住宅が充足しているとは言い難い状況であると考えています。

    ・地域住宅計画の目標達成状況は?

    【川本】県の地域住宅計画では新年度を目標年度とする目標値がいくつも設定されているが、現状での達成状況と目標達成のための今年度の事業内容は?

    【住宅課長】地域住宅計画の指標の達成状況は、現時点において9つの指標があります。このうち住宅に関する満足度、リフォーム窓口を設置した市町村数、既存県営住宅の更新の3つの指標についてはすでに達成できています。
    それから、既存県営住宅の安全性確保・住居環境向上改善率、既存県営住宅の高齢者対応改善実施率の2つの指標については、22年度が終了年度ですが、ほぼ達成できるものと考えています。その他に22年度の住生活総合調査の結果により確認できる指標が2つあります。しかし、市町村住生活基本計画策定市町村数については目標28市町村に対して、現在策定済は3市となっています。21年度末で策定予定になっているのが2市あるので5市、22年度末に策定予定が3市あるので22年度末では8市となる予定です。
    いずれにしても、市町村に対して、あらゆる会議を通じて基本計画の策定を要請していますし、来年度も要請していきたいと考えています。

    ・民間活力の導入でうまくいくのか?

    【川本】また計画には「NPO等との連携や借り上げ方式など民間活力の導入による住宅整備等についても検討していく」とあるが、検討状況、課題はどうか?

    【住宅課長】民間活力の導入については、例えば、民間の住宅を借り上げる借上方式は、初期投資が少ないことから、財政状況の厳しい現在において新規建設に替わる事業手法として一部の自治体で実施されています。しかしながら、一定の借上期間が終了した際に入居者の転居先の確保の問題などがあります。そういったような検討すべき課題がまだ多くあると認識しており、すぐに具体化できるまでにはいたっていません。

    ・削減された住宅予算の大幅増額を国に求めるべき

    【川本】公的賃貸住宅特措法で公営住宅に交付金制度が導入され、補助金が大幅に削減された。自治体に公営住宅の新規供給を進めやすくするため予算の大幅な増額を国に求めるべきと考えるが如何か。

    【住宅課長】交付金の問題については、住宅課にかかる22年度当初予算で公営住宅整備事業の増などもあって、国庫支出金が約3億円増の15億7千万円を計上しています。今後とも県営住宅の整備及び改修等に関して必要な交付金が確保できるように国に働きかけてまいりたいと考えています。

    ・地域住宅政策における自治体の責任を問い直す

    【川本】県の行政改革推進委員会で、外部委員が、もはや住宅を県が扱う時代はおわった、民間にまかせるべきとの発言をした。しかし、実態はストックが足りているのかどうか不明であり、民間に任せると言っても「民間活力」の導入でも様々な課題があることが先ほどの答弁からも明らかだ。
     つまり、民間に任せるどころか、本来は公営住宅の充実こそが切実にもとめられている。
     新年度は住生活基本計画の見直しが行われるが、住宅ストックの実態をきちんと調査し、地域住宅政策における自治体の責任を問いなおしてもらいたい。住生活基本計画見直しにかける意気込みはどうか。

    【住宅課長】住生活基本計画については、今、基礎調査で20年の住宅土地統計調査の分析を行っています。その結果を踏まえながら、千葉県としてこうあるべきだというような計画を作っていきたいと考えています。

    【川本】県の住宅政策の拡大充実を要望する。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)2010年02月定例 | 10:33 | - | - | - | - |
    2月県議会県土整備常任委員会報告
    〜海洋土木に要注目
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        11日の「毎日」朝刊は、「マリコン」と呼ばれる海洋土木業者の政治団体「さんそう会」(71年発足)と国土交通省所管の社団法人「日本埋立浚渫協会」(61年設立、27社加盟)の一体化(事務所、会計責任者)の疑惑を報じている。

      一体化は、\治団体が特定議員(自民党旧二階派や旧運輸省OBの同党議員)に献金、議員は省庁の受発注などに影響力を行使、省庁幹部は公益法人に天下り、という「政官業」癒着の温床と指摘されている。
       
      海洋土木と言えば、千葉県には海岸整備事業がある。
      九十九里浜はここ30年の土木事業による人為的改変により侵食が進み、効果の疑問視される養浜事業と称する土木事業で景観を含め海岸の破壊がさらに進んでいる。
       3月16日の県土整備常任委員会で九十九里浜の海岸整備事業について質した。

      ・ヘッドランドや養浜事業に効果はあるのか?

      【川本】東京湾アクアライン活用戦略にも、海岸整備事業として一宮海岸、南九十九里海岸のヘッドランド整備、養浜、休けい施設などで新年度3億5700万円が計上されている。そこで、3点伺う。
      〆宿佑凌賛を防ぐため整備事業個所についての事業毎の内容と予算額と今までの投入額、今後投入する額について伺う。
      ▲悒奪疋薀鵐匹簍槁融業などの侵食防止事業の効果はどうか?
      7粉冖漫∪限峽呂僕燭┐覬洞舛鬚匹ι床舛靴討い襪里。

      【荒木河川整備課長】
      九十九里浜においては、砂浜の浸食を防ぐ海岸保全を目的にヘッドランドを主体とする侵食対策を1980年代から実施してきております。
       平成22年度当初予算では、海岸高潮対策事業により、北九十九里海岸で1億6800億円、ヘッドランド約70m、海岸侵食対策事業により一宮海岸で2億9800億円、ヘッドランド約80mと養浜工を実施する予定です。
       これまでに侵食対策に要した費用は、北九十九里海岸で約82億円、一宮海岸で約64億円であり、進捗率は55%です。
       また、残事業費は、北九十九里海岸で約70億円、一宮海岸で約50億円を見込んでいます。
      主体となって行ってきたヘッドランドの整備効果は沖側に向かう離岸流を抑制し、沿岸漂砂量の7〜8割程度を制御し、砂浜の浸食速度を低減させることが目的です。
      一宮海岸ではヘッドランドの縦堤を10基全て着手しており、横堤部が完成した2−3号ヘッドランド間では基部に砂の堆積がみられ、安定化してきています。
       しかし、ヘッドランド間の中央部では充分な砂浜の回復が見られないことから、平成21年3月に策定した「南九十九里浜養浜計画」に基づき、片貝漁港や太東漁港の堆積している土砂などをサンドリサイクルし、砂浜を回復するための養浜工を進めることとしています。
      海岸侵食対策として昭和50年代までは、離岸堤や緩傾斜護岸などを実施してきましたが、これらを比較すれば、ヘッドランドは設置間隔が約1劼塙いことや砂浜を護岸で覆ってしまうこともないことから、景観や生態系に与える影響は少ないと考えています。一宮海岸では、平成17年度からヘッドランドと併せて養浜の試験施工を行った結果、そのモニタリング調査では生態系への影響を与えていないことが確認されており、平成21年度のモニタリング調査でもダンベイキサゴ(通称ナガラミ)が増えたことが確認されました。
      今後もモニタリングを継続し、事業の効果及び生態系に与える影響を検証するとともに、地元の方々や海岸利用者など関係者と話し合いながら、侵食対策を進めてまいりたいと考えております。

      【川本】一宮海岸を昨年視察して、2基あるヘッドランドの効果をこの目でみたが、侵食対策として確実なものではなく、親水空間としても危険ですらあり相応しくないことを感じた。そもそも侵食の要因は、ここ30年前後の間に行った人為的改変が根本的な要因である。ヘッドランドも含めてまだ実験段階であり、海岸侵食対策として不十分だと理解しているのかどうか。

      【河川整備課長】ヘッドランドは縦堤を施工しており、部分的に横堤を着手しており、整備率は55%です。しかしながら、ヘッドランドの整備だけでは砂浜の回復はできないことから、養浜を始めています。ヘッドランドと養浜をうまく組み合わせて効果を見ながら事業を進めていきたいと考えております。

      ・生態系に与える影響は?

      【川本】生態系に与える影響についてだが、アオウミガメの上陸や産卵への影響はどうか?
       また、ヘッドランドでできた砂浜の生態系はどうか?モニタリングは行っているのか?

      【河川整備課長】養浜材は片貝漁港、太東漁港から持ってくる砂であり、もともと九十九里浜にある砂であることから、生態系へ大きな影響は与えないと考えています。
       新たに砂の付いた部分のモニタリングは実施していませんが、今後検討していきたいと考えています。

      ・セットバック(土地利用等の後退)を検討すべきでは?

      【川本】保安林の過剰な前進に伴う海浜地の喪失の事例が南九十九里浜であり、海岸を含む土地管理システムが侵食問題の解決を妨げているという指摘もある。
        ヘッドランドによる侵食対策、養浜事業を、生態系の面でもしっかり評価し、抜本的に見直し、「南九十九里浜養浜計画」に記述されているセットバック(土地利用等の後退)を含めて検討すべきと考えるどうか。

      【河川整備課長】砂浜を回復するために、まずは沿岸域での土砂の流れの回復を図ることが重要であると考えていることから、保安林との調整については、養浜の効果を検証後に必要に応じて行っていきたいと考えています。
      セットバックにつきましても、養浜計画の中には今後検討をしていきたいとありますが、当面は養浜のモニタリング調査を確認しながら、侵食対策としてヘッドランドと養浜を進めてまいりたいと考えております。

      【川本】セットバックについて、景観面からも検討すべきである。
      Posted by : 川本幸立 | ◆)2010年02月定例 | 10:36 | - | - | - | - |
      2月県議会県土整備常任委員会報告
      〜道路は維持修繕に予算を
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         前原国交大臣は9日、高速新料金と高速道路の再検証結果を発表した。
        千葉関連では、館山自動車道4車線化(総額280億円)が決定し、アクアライン社会実験の今年度(国15億円、県15億円)の継続が発表された。
        高速新料金は、料金の上限を2000円(普通車)としたことで「無料化」の予算が大幅に削減され、料金割引の財源のうち1.4兆円を高速道路建設に回すという。
        恩恵を受けるのは高速道路建設業者と長距離利用者となる。

        どのような検証を実施したのか、詳細を前面開示してもらいたい。
        新たな高速道路建設は凍結し、既存道路の維持管理・安全対策に重点を移す一方、疲弊にあえぐ公共交通機関の支援を行うべきだ。
        道路特定財源が一般財源化されたが、県全体の道路予算のレベルに変化は見られない。

         さて、千葉県の新年度予算の道路直轄事業の事業費は345億円、内県負担は116億円で、内訳は以下の通り。
         
                 事業費     県負担
        圏央道     144億円    48億円
        外かく道路   80億円     27億円
        北千葉道路   25億円     8億円
        国道357号   16億円     5億円
        国道51号    3億円     1億円
        その他改築    4億円      1億円
        維持・修繕   44億円     13億円
        その他     28億円     13億円

         一方、道路を造れば当然、維持管理・修繕をおろそかにしてはならない。
        1.舗装道路修繕は、地域センター要望で476か所80億円に対して、2月補正を加えて新年度予算では52億円261か所で、額で65%、箇所で55%
        2.交通安全対策箇所は、要望箇所・歩道192か所、交差点改良で39か所・74億円に対し、62億円、歩道116か所、交差点改良29か所
        3.橋りょう修繕箇所は、22億円、112か所に対し、15億円、61か所

        これらは100%つけるべきで、そのためにはあと47億円必要だ。
        道路の維持修繕費で年間200億円は必要だ。

        以下に3月16日の県土整備常任委員会での「道路行政」に関する質疑概要を紹介する。

        ・特定財源の一般財源化で道路予算は?

        【川本】H22年度当初予算における自動車関係税は約482億円。H21年度から一般財源化された。一般財源化による新年度予算における道路整備財源の影響はどうか。H20年度、21年度と比較してどうか。

        【大竹県土整備政策課長】平成20年度の道路整備関係経費は公債費を含めて、自動車関係税約470億円に対して、約1133億円です。
         また、平成21年度の道路整備関係経費は公債費を含めて、自動車関係税約445億円に対して、約1239億円です。
         平成22年度の自動車関係税は市町村への交付分を除いた約383億円ですが、公債費を含めると、道路整備関係経費は、自動車関係税を大きく上回っている状況です。

        ・道路の維持管理、安全対策の進捗状況は?

        【川本】道路特定財源が一般財源化したが、道路関係予算は減少していないといえる。千葉県は「道路特定財源について」文書において、暫定税率廃止による道路への影響(H19年度当初予算による試算)を明らかにしている。
        この中で、平成19年度時点で、緊急に行う施策として、
        ゞ杁泙紡从が必要な踏切133か所
        ▲譽奪疋勝璽鵤隠苅械韻所の改善
        バリアーフリー化率30.8%の改善
        し設後50年を超える橋梁数約220、10年後には約650橋この維持管理・更新
        ヂ竸綿箒256橋
        κ涸道路の修繕 H18年度は沿道住民からの苦情箇所1767件
        があるとしている。
         これらの項目は、現状ではどの程度改善されているのか。また、新年度に必要な予算と、どの程度これが改善されようとしているのか。

        【金谷道路計画課長】
        仝内で緊急に対策が必要な踏切は133か所あり、平成21年度までに37か所の対策が完了しています。改善度として割り返すと28%となっています。
        また、新年度につきましては29か所において事業を予定しており、うち16か所が完了します。それを改善度にしますと40%を見込んでいます。 
         また、予算については、133か所には市町村の事業も含まれていますが、その中で、平成22年度の県事業は29億円となっています。

        【安室道路環境課長】
        ▲譽奪疋勝璽鵑砲弔い討蓮13年度から16年度の事故データによって算出したもので、1431か所ありますが、現在、事故危険個所を指定して対策を行っており、平成20年度から21年度の2カ年でレッドゾーン32か所を含む145か所の対策を行ったところです。
        平成22年度については、約61億8300万円で145か所の整備をすることとしており、このうちレッドゾーンについては26か所となっています。
        レッドゾーンの解消については、交通安全対策事業だけでなく、道路改良やバイパスの整備による交通の分散、交通管理者による対策などと併せ、相互に連携して総合的に対策していくことが、必要であると考えています。今後も連携を図り、対策に努めていきたいと考えています。

        バリアフリー法に基づいて、市町村が策定する基本構想における特定道路のバリアフリー化率については、今年度はまだ集計していませんが、平成20年度末は、特定道路延長に対して35.9%となっています。
        平成22年度は基本構想策定済みの市域における県管理道路の特定道路のうち0.4劼7400万円で実施する予定であり、県管理道路の特定道路においては、船橋市と市原市の2市が完了となる予定です。

        な神18年度から20年度に橋梁点検を実施しており、補修等の対策を行っています。対策については、建設後50年を超える橋梁に限らず、損傷度の激しいものから補修を行っており、平成22年度は当初予算8億円と平成21年度2月補正予算と合わせて10億3千万円で57橋の対策を行う予定です。なお、平成20、21年度の2カ年で94橋の対策を実施しております。現在「長寿命化修繕計画」を策定しているところであり、策定後はこの計画に基づき、対策を実施していくこととしています。

        ヂ竸綿箒については、平成21年度末で176橋が完了しており、平成22年度は、14橋を予定し、当初予算7億2300万円を計上しております。

        κ涸に関する苦情については、他機関との調整を要するものや、年度末に寄せられたもの以外は、年度内に対応してきているところです。
          苦情については、年々減少しているところであり、今年度については、2月末で1300件あり、このうち95%に当たる約1200件について、対策を実施しています。
          平成22年度については、当初予算43憶3700万円で2月補正予算と併せ52億3700万円にて、舗装の修繕を実施し路面の管理に努めます。

        Posted by : 川本幸立 | ◆)2010年02月定例 | 10:39 | - | - | - | - |
        2月県議会県土整備常任委員会報告
        〜アクアライン社会実験と木更津市の地域振興
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            9日朝刊は、神奈川県の不正経理問題で、神奈川県警が県税務課の元職員2名を4千万円の詐欺容疑(預け→プール金の私的流用)で逮捕したことを報じている。

           一方、千葉県の不正経理4月1日のブログで、内部告発に基づき県職員生協(理事長は県総務部長)に「供給未収金(請求控)」の写しの提供を求めたことを記したが、6日夕、生協副理事長の須藤英徳氏より、「生協内で検討した結果、生協は民間業者と違いはないので開示はできない」との返事があった。

           県生協に派遣された2人の給与は県の一般会計から支出されており、その点からも県職員生協の事業に公務労働の側面が皆無ということはないと思う。オープンにして疑念を払拭すべきだ。

          ●アクアライン社会実験と活用戦略

          木更津市の最新(98年見直し)の目標人口は、2015年に17万人(1973年の当初は34万人)、それに対し、10年2月現在の人口は、127826人(04年122807人)である。人口が増加しているというが、97年12月アクアライン開通時(122000人)と比較すると6000人程度増加したに過ぎない。

           アクアラインが開通した97年と5年後の02年の比較では、木更津市の卸売・小売業は年間販売額で540億円減16%減となっている。「半島性の脱却」政策が木更津の優位性を失わせ商圏の縮小を招き、アクアラインによるストロー効果により、対岸の川崎に事業所が吸収統合化されていく。(「東京湾横断道路の木更津市地域経済への影響に関する実証分析」川村久幸、安田八十五、関東学院大学「経済系」第223集、2005年4月) 

          金田地区への三井不動産による全国最大級のアウトレットパーク(敷地21ha、12年春一部開業)進出計画について、木更津市長は「地域の活性化につなげたい」と張り切っているというが中心市街地の一層の疲弊が進みことが容易に推測され、周辺地域ではアウトレットパークそのものも過剰気味である。地域振興も外部資本頼みの「競争」信仰から「共生」へと頭を切り替える必要がある。中心市街地は文化継承の中心地でもあり地域文化そのものが衰退する。

           2月県議会の県土整備常任委員会で、アクアライン社会実験と活用戦略について質したので以下に質疑概要を紹介する。
           
          ・アクアラインの交通量はすでに飽和状態ではないか?

          【川本】15億円を財政調整基金から海のものとも山のものとも不明な社会実験投入することの問題点、地方財政法上の疑義、23年度はどうするかなどの課題については、すでに代表質問、予算委員会などで指摘された。 一方、社会実験の結果が確定したものが出されていないにもかかわらず「料金引き下げの効果を県経済の活性化や地域振興に確実に結び付けていくため」として、行動計画が示され、その中に県土整備部所掌の様々な新年度事業が列挙されている。そこで、社会実験とその活用戦略について伺う。
           アクアライン料金値下げ社会実験の中間報告についてどう評価するのか。

          【金谷道路計画課長】中間報告に向けて協議会の中で議論しております。データを含めてとりまとめている最中ですが、社会実験の成果については、交通、観光、企業立地、物流、環境の観点から検証することとしており、この中で年度内に定量的に効果が把握できるものについて中間とりまとめを行っていきたいと考えております。
          まず、交通分野では、社会実験開始から2月末までのアクアラインの交通量が前年比で5割増加、特に大型車が倍増しているなど大変順調に推移しています。
          アクアラインの上下線別の利用状況として、木更津側への下り線と、川崎側への上り線の午前中における交通量の比率が、小型車・平日で約6・4、休日で約7・3となっております。木更津側への比率が大きいことから、対岸川から千葉県に来られる方が多いと推測されます。
          また、観光分野では、千葉県に旅行した方へのアンケート調査によれば、約4割の方が千葉県への旅行頻度が増加する、または、増加したと回答し、アクアラインを利用した方の約半数が、料金値下げ分で飲食代やおみやげ代を増やしたと回答しており、一定の経済的な効果が現われているものと考えています。

          【川本】アクアラインは土日と盆休みで4万5千台では渋滞が発生しており、平日は2万6千台程度に落ち着いている。
          片側2車線でスムーズに走れるのは4万台から5万台が限界ではないか。平日は増える余地はあるものの、全体としてアクアラインの交通量の大幅な増加は見こめないのではないか。

          【道路計画課長】今後の交通量の予測は、道路だけで交通量を議論するのは難しく、むしろ千葉県側の観光、企業立地動向などに左右されるものでして、議論は控えたいと思います。
          一方、アクアラインの渋滞について、日交通量が45000台などになり連休中で渋滞が発生していることは事実です。日交通量についてもデータをとって分析しているところですが、時間ごとの交通ピークに注目すると1時間あたりで2500台集中しますと速度が低下して渋滞が発生するというメカニズムが見えてきています。
          今までも渋滞対策として海ほたるでの駐車場を拡大したり、トンネン内でも速度低下しないように注意喚起をしたりしておりますが、これらのデータをもとに発生するメカニズムについて、社会実験協議会のメンバーと調整し、今後に備えて効果的な渋滞対策を検討してまいります。

          ・湾岸からのシフトは?交通需要のコントロールを

          【川本】 湾岸からのシフトと渋滞解消、大気環境の改善が国の協力の大きな前提だった。しかし、全体として湾岸(東関道と京葉道)の交通量が2%台の減ということだが、これで、今回の社会実験が湾岸へのシフト、大気環境の改善に効果があるといえるのか。
          むしろ、社会実験が公共交通の利用から車利用を促しているのではないか?

          【道路計画課長】 湾岸部について、効果を期待しており、ETCデータで過去に湾岸部を通った車両がアクアラインに転換したことなど、車両等を特定してデータの分析を行っているところです。
           また、アンケート調査ではアクアラインを利用した方が、従来は湾岸ルートを利用していたがアクアラインルートへ転換したと回答を得ています。
           ETCデータ等を用いた分析により、アクアラインへの交通の転換と湾岸部の交通との関連について調査しているところであり、これらの分析・調査を深めながら、交通転換が湾岸部の渋滞緩和や環境改善にどの程度寄与しているか、把握してまいりたいと考えております。

          ・金田地区開発は住宅地供給過剰に拍車をかける

          【川本】11年度以降、国策として800円化を求めるのであれば、「無政府的な車需要」ではなく、交通需要をコントロールする施策が求められることを指摘しておく。
           次に、アクアラインの活用戦略の一つである金田地区開発事業と木更津地域の地域振興について伺う。
          金田東と西あわせて2万戸の住宅地を造るとしており、アクアライン社会実験の効果で高まる土地需要の受け皿になる用地を早期に確保する必要があるとあるが、そもそも木更津市の住宅地の供給需要はひっ迫しているのか。

          【松井都市整備課長】 木更津市においては、木更津駅の東側を中心に21地区で区画整理により整備が進められ市街地が形成されているところですが、現在施行中の地区は金田2地区を含め3地区となっています。
           金田地区については、羽田・横浜・東京に近いということから、広域性の高い交通利便性を活かした商業や流通機能などが集積する拠点の形成を目指して整備を進めているところです。
           金田の住宅用地については、アクアラインの着岸地としての高いポテンシャルや対岸地に無い自然環境が豊かであるなどの地域特性に加え、東京方面への高速バスターミナルを利用できるということで新たな土地需要が見込まれると考えています。

          【川本】住宅需要がひっ迫しているかについては回答がなかったが、木更津の既存の区画整理事業23地区の計画人口は13万8千人で、以前からの6万3千人を加えるとだいたい20万人となり、2月時点の市の人口が12万8千人であることを考えると今回の金田地区がなくとも十分余る。その辺にもチェックを入れてバランスを取った上でやらないと、社会実験だからいいというものではない。

          【都市整備課長】既存の内陸部での開発は完成していますが、入居の状況は良いとは言い難いと思います。ただし、金田地区はアクアライン着岸地としての場所・地域特性を活かした開発と考えています。

          【川本】金田地区開発は住宅地供給過剰に拍車をかけるものだ。
          Posted by : 川本幸立 | ◆)2010年02月定例 | 10:43 | - | - | - | - |
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