市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

後藤健二さんの願いを踏みにじる安倍首相の「復讐の誓い」発言〜「ダイヤモンドより平和がほしい〜子ども兵士・ムリアの告白」(汐文社)を読んで
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    安倍首相は、「日本人も血を流さなければアメリカと対等な関係にはなれない」と、米国のために自衛隊や私たちの子ども、孫たちから戦死者が出ることを待望し続け、戦死者を出すための施策を着々と進めています。

    2月1日、後藤健二さん殺害に対する声明で「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせる」と表明したことから、安倍首相の発言は「復讐の誓い」として世界に波紋をよんでいます。こういう場合は、「日本国憲法の非軍事主義の立場から、生命の権利を尊重し、人道主義にのっとって対応する」と表明するのが日本のトップとしての作法でしょう。
    憲法九条を武器に、対話による平和の土俵をつくるために世界で中心的役割を果たすことこそが日本国憲法が求める「積極的平和(=非軍事)主義」です。

    私は、安倍首相は「犠牲になった後藤健二さんはどう思うだろうか」など考えもしなかっただろうと思いながら、今朝は、起きてすぐ後藤健二さんの「ダイヤモンドより平和がほしい〜子ども兵士・ムリアの告白」(汐文社)を読みました。

    世界で一番品質がいいと言われるダイヤモンドの産地である西アフリカのシエラレオネで10年近く続いた内戦では、反政府軍は抵抗する人たちをとらえ、手や足を切り落とす残虐な行為を繰り返し、その兵士の中には10才〜16才の子ども兵士も多数いました。ダイヤモンドを売った利益は武器購入など戦争の費用にあてられました。
    このシエラレオネを後藤さんが子ども兵士を取り上げた番組をつくるため2004年末〜2005年はじめに訪ね、反政府軍の子ども兵士に襲われ右手、両耳を切り落とされた被害者の男性や元・子ども兵士らを取材してできたのがこの本です。

    「もし今、目の前に子ども兵士がいたら、言いたいことは何かありますか?」という後藤さんの問いに、被害者男性は、自分たち一人一人が、今とこれからのためになにをするかが大事だとし、「何も知らずに兵士として使われたんだろう。もし、その子がおれの目の前にいたとしてもおれは彼を責めない」「おれはこの国に平和がほしいんだ。何よりも平和なんだ。それがすべてさ」「彼らを許さなきゃならない。でも絶対に忘れることはできない。もともとおれには二本の手があったんだ。」と話しています。

    この話を後藤さんから聞いた元兵士の少年は、「たとえば、今もしあなたの言うその人がぼくの家族を殺したとしても、ぼくは許す。なぜなら、まだ戦争は続いていて、だれの家族だって殺されるかもしれないんだ・・・」「ぼくたちは誘拐されて、好きで兵士になったわけじゃない・ぼくたちを許してほしい。あの時は・・・自分が何をしていたのか・・・わからなかったんだ。」と語ります。後藤さんは最後に、この元・子ども兵士が、自分が他の人の家族を殺して傷つけるような恐ろしさと痛みの中で生きていかなくてもいいんだ、ということを知り、今、生まれて初めて自分のために生きていく喜びを感じていると、結んでいます。

    政治家の役割、大人の役割は、子どもたちに戦争の不安なく希望をもって生きていく喜びを与えることです。後藤さんは、安倍首相の言葉に、深い悲しみと怒りを感じていることでしょう。

     
    Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 22:09 | - | - | - | - |
    国内でのBSL4施設稼働は、エボラ出血熱などの早期診断、侵入防止とは直接の関係はなく、バイオハザード(生物災害)の危険が増すだけ〜原発と同様、安全神話(HEPAフィルタ、キャビネット)に依拠し、施設の立地・欠陥を無視
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      私が所属しているバイオハザード予防市民センター(略称:バイオ市民センター)の取り組みの紹介です。

      エボラ出血熱騒動で、全マスメディア、日本学術会議、長崎大学らが設置、稼働を強く求め、アベも国会で設置するとの答弁をしたBSL4施設ですが、今やBSL4施設の設置は「国策」と化している観があります。

      こうした権力とマスメディア、学者らの同盟(共犯)関係により、異論が排除される中、80年代前半から、国立感染研武蔵村山庁舎のBSL4施設の稼働に、武蔵村山市では市、議会が一体となって反対し阻止してきましたが、昨年11月、塩崎厚労大臣と市長が「稼働に向けて協議する」ことで合意しました。
      (バイオ市民センターでは昨年12月14日(投票日)に武蔵村山市でシンポを地元の方と協力して開催しました)

      これに対して、バイオ市民センターは昨年8月に日本学術会議に意見書を提出し、昨年12月14日(選挙の投票日)には、武蔵村山市で地元の方々と協力してシンポジウムを開催しました。そして、今月は、厚労大臣と国立感染研所長、武蔵村山市長あての要望書を提出しました。

      以下の文書をバイオ市民センターのHPにアップしていますのでご覧ください。
      ・武蔵村山市長あて要望書(2015年2月12日)
      ・厚労大臣、国立感染研所長あて「「国立感染研村山庁舎BSL4施設を稼働しないこと」を求める要望書(2015年2月2日)
      ・日本学術会議の「BSL4施設の必要性について」に対する意見書(2014年8月28日)」

      なお、国立感染研(村山庁舎、戸山庁舎)の安全管理の実態については、情報公開法に基づき、一昨年から昨年にかけて30件近い「行政文書開示請求」を行い、入手した約4千枚の文書内容を分析、検討しました。
      その一部を会報に報告しましたので、以下に貼り付けます。

      ■バイオハザード予防市民センター会報第83号(2014/1/21発行)から
      〜国立感染症研究所(戸山庁舎・村山庁舎)開示文書検討報告

       
      感染研は、HEPAフィルタ、バイオハザード対策キャビネットについて
      「責任ある管理」を行っているか?

      川本幸立(幹事、建築技術者・電気管理技術者)
       
      はじめに

      2001年4月に情報公開法が施行されて約13年となります。当時、私たちは同法施行と同時に国立感染症研究所戸山庁舎に安全管理の実態を示す多数の文書の開示請求を行い、膨大な量の公開文書を分析し、戸山庁舎で日常行われていた杜撰な管理の実態について、裁判等を通じて明らかにしてきました。
      昨年2013年5月に、感染研戸山庁舎・村山庁舎の安全管理の最新の実態を把握しようと、文書開示請求をし、同年6月に以下の文書の写しの交付を受けました。

      表1:2013年6月、国立感染症研究所開示文書一覧
      No. 開示文書名 枚数他
      • H24年度P2実験室バイオハザード対策用クラス競ャビネット点検報告書(戸山・村山)
      • BSL2実験室安全キャビネット定期点検業務仕様書
      680
      H24年度P3実験室バイオハザード対策用キャビネット点検報告書(戸山) 318
      H24年度P3フィルタ交換作業報告書(戸山) 285
      H2412月(P3)点検報告書(戸山) 326
      H24年度保守点検報告書(村山6号棟(P3))の給気HEPAフィルタ,キャビネット 437
      H24年度保守点検報告書(村山9号棟(P3))の一次側HEPAフィルタ,排水処理設備、安全キャビネット 628
      感染研病原体等安全管理規程第28条2によるH21~23年度の事故記録(戸山・村山) 65
      感染研病原体等安全管理規程第29条によるH20~24年度の報告記録 存在せず
      バイオリスク管理委員会のH20~24年度議事録 14
      10 高度封じ込め施設運営委員会H23年度議事録 2
      11 バイオリスク管理運営委員会H20年度議事録 5
      12 病原体等取扱安全監視委員会H20~23年度議事録 89
      13 各委員会規程 8
      14 感染研病原体等安全管理規程第42条に基づく報告H20~24年度 存在せず
      15 H24年度設備保守管理日誌(戸山) 365
      16 H24年度設備保守管理日誌(村山) 365

      すでに新井代表幹事が当会報81号(2013年10月1日)で、表1のNo.7の「事故記録」を分析検討した結果を報告していますので、本報告は「開示文書検討報告◆廚箸靴董表1のNo.1~6について特にHEPAフィルタ、バイオハザード対策キャビネットの安全管理の最新の実態について分析した結果を中心に報告させていただきます。
      なお、残りの開示文書(No.9〜13、15~16)については次号で報告を予定しています。

      1.334台のバイオハザード対策用クラス競ャビネットの管理実態は?
      〜技術基準(JIS)に適合していない?!(表1の文書No.1・2・5・6から)


      2007年に施行された感染症法第56条24では、特定病原体を所持するものは技術基準(JIS K 3800:2009「バイオハザード対策用クラス競ャビネット」)に適合するよう維持しなければならない、とされています。つまりJIS に基づき、バイオハザード対策用クラス競ャビネット(以下「クラス競ャビネット」という)は年1回以上の現場検査(密閉度試験、HEPAフィルタ透過率試験、気流バランス試験など)の実施が義務付けられています。

      クラス競ャビネットは、病原体を外部に漏出せず、実験者感染を防止する第1次のバリアーと位置付けられます。そのためには”存饗里100%捕捉するHEPAフィルタの性能、▲ャビネットの密閉度、A位務口部の微妙な気流バランスの確保、き 銑を確認するための適切な現場検査、ヅ切な実験操作、θ鷯鏤(地震、火災、停電など)対応・対策、が不可欠です。

      感染研は、実験差し止め訴訟の「裁判書証」で、「バイオハザードの最も一般的なものは実験室感染であり、安全キャビネット(川本注:正式名称「バイオハザード対策キャビネット」)が導入された1970年代後半から実験者、周辺者を含めて全く発生していない。施設から排出された病原微生物を含むエーロゾルが直接外部に拡散する事態が生じることはほとんど知られていない。HEPAフィルタと安全キャビネットの設置により、周辺住民への感染の可能性はほとんど皆無に等しい。実験室内での感染を防止することが基本的な要件だ」と述べていました。
      であれば、感染研は、HEPAフィルタ、クラス競ャビネットの性能を現場で厳しく点検する意義は百も承知の筈です。

      今回の開示文書によれば2012年時点で、感染研の戸山庁舎のP3実験室には26台、P2実験室には149台設置され、村山庁舎のP3実験室には11台、P2実験室には148台が設置されており、戸山・村山の2庁舎をあわせると334台(その他ハンセン研に15台程度)設置されています。

      1−1.HEPAフィルタの性能の点検が杜撰きわまりない?!

      HEPAフィルタは0.3μmの単分散粒子を99.97%以上捕集する効率を持ちます。しかし、この99.97%の効率は、「610×610mm角のフィルタで、直径約6mm(6000μm)の穴があいていても検査に合格する」(JIS K 3800:2009規格の「解説」)ものです。これでは病原体は容易にフィルタをすり抜けてしまいます。そこで、大きな穴が開いていないことを確認するためにJISでは原則として「走査試験」の実施が定められています。

      戸山庁舎、村山庁舎にある334台の「クラス競ャビネット」が、すべてJISで定める現場検査を合格した「適合品」なのかということを開示文書を元にチェックしました。
      その結果は次の通りです。

          報告書には準拠すべき法令や技術基準が記載されていない。つまり何に基づいて適合・不適合を判断したのか不明である。
          HEPAフィルタに大きな穴が開いていないことを確認するための走査試験について、詳細要件(漏れを検出する管の吸引口をフィルタ表面から25mm以内に保ち、移動速度は5cm/秒以下で検出管と走査域が重なるように、ろ材全面、フィルタ継ぎ目、及びフィルタの枠について走査する。その場合、フィルタからの気流と検出管の吸引速度が等しいこと。)を遵守したのか不明である。
          とりわけ、610×610mm角のHEPAフィルタの走査時間に要する時間は吸引量25.3l/分の検出管では計算上5分とされるが、報告書に記載の走査時間は2分が最も多いことから検査そのものが不十分であったことが推察される。
          上流側のエアロゾル供給量は0.3〜0.5μmにおいて1000万個/分以上が望ましいとされるが、実際は60〜80万個/分しかなく相当な誤差を考慮する必要がある。

      以上より、技術基準に不適合な手法で点検が実施されたものと推察されることから、HEPAフィルタの性能(HEPAフィルタのすべての箇所における最大透過率が0.01%を超えない)について未確認状態にあると言えます。

      1−2.P2実験室の5台に一台は不良品(不合格・基準値範囲外のもの)

      P2施設内設置のクラス競ャビネットについて、報告書(表1のNo.1)によれば、戸山庁舎30台、村山庁舎35台が不良品(不合格あるいは基準をはずれているもの)です。つまり両庁舎のP2施設内に設置されているクラス競ャビネットの約5台に一台が不良品です。
      詳細は以下の通りです。
      【戸山庁舎】
      ・ウイルス第二部2台、・細菌一部5台、・寄生動物部2台、
      ・感染病理部6台(内、不合格1台⇒流入開口部風速不足で、3年連続で不合格)、
      ・免疫部2台、・生物活性物質部3台、・細胞化学部4台、・昆虫医科学部2台、
      ・動物管理室1台、・エイズ研究センター2台、・バイオセーフティ管理室1台、
      【村山庁舎】
      ・ウイルス2部1台、・血液安全性研究部2台、
      ・ウイルス第3部5台(内、1台不合格⇒開口部風速・排気風量)、
      ・細菌第二部3台、病原体ゲノム解析研究センター1台(不合格⇒開口部風速・排気風量)、
      ・動物管理室5台(HEPAの迅速な交換・総合的なメンテ要求されている、内、1台不合格⇒製造後24年経過)、
      ・エイズ研究センター3台不合格(開口部風速・排気風量不足)
      ・村山研修5台、・感染病理室2台不合格(開口部風速・排気風量不足)、
      ・感染症情報センター2台、
      ・共通検定室2台(開口部風量オーバー⇒本来「不合格」にすべきでは)、
      ・インフルエンザウイルス研究センター3台(内、1台不合格⇒開口部風速・排気風量不足)、
      ・3号棟BSL3実験室1台(開口部風速・排気風量超過)、

      2.P3実験室の給排気用のHEPAフィルタの現場試験について
      (表1の文書No.3から)


      戸山庁舎のP3施設の給排気用のHEPAフィルタは2012年度は13室で交換され、交換後に、現場で性能試験が行われました。

      その報告書(表1のNo.3)によれば、
          クラス競ャビネットのHEPAフィルタについてJISが求めているような技術基準がないことから、走査試験は実施されていない。
           二次側で大きなサイズ(0.5〜3μm)の粒子をカウントしているにもかかわらず、何の根拠も示さず、「一次的にカウントされる再現性のないカウントは、計測器自身の電気ノイズ、サンプリングチューブ回路などから偶発的に剥離した塵によるものでリークではない」と断定して無視している。走査試験を未実施ということは大きな穴の有無のチェックをしていないことになり、フィルタをすり抜けてきた可能性を否定できない。
           検出口の配置等(HEPAフィルタやダクト面からの距離など)詳細が不明である。
      ことが指摘されます。

      3.国立感染研は、業者に現場試験を投げし、試験内容についても無知
      〜質問状に対する感染研の回答(2013年12月26日)から


      あまりにもずさんな報告書でしたので、現場検査の詳細を確認するために感染研の戸山庁舎に出向き、直接担当者に質問状(2013年11月29日付)を手渡しました。その回答(同年12月26日付)が昨年末に届きました。質問と回答を比較表にしてみましたので表2を参照ください。

      表2の感染研の回答をご覧になればわかる通り、無回答に等しいもので、感染研が現場検査の内容に無知で、検査業者に丸投げで何ら関与していない実態が推察できるものです。
      感染研にはバイオリスク管理委員会、高度封じ込め施設運営委員会、病原体等取扱安全監視委員会などの委員会がありますが、議事録をみてもこうした報告書内容について真摯に検討したあとはみられません。そもそも、キャビネットやHEPAフィルタの安全管理について自らの責任と認識しているのか、また専門的知見を有しているのか非常に疑わしく思われます。本来、実験者は自ら使用する設備、器具の安全性についての専門家であることが求められますが、そうした「責任ある管理」を感染研は研究者に求めていないようです。

      まとめ

      以上を踏まえて、私の感想などを簡単に記します。

      (1)2001年の開示文書で、当時、感染研戸山庁舎においてP3施設に設置したキャビネットのHEPAフィルタの走査試験で上流側に試験エアロゾルを供給することなく実施していたことが判明しました。また、2005年の調査でも、他の施設でも一次側の試験エアロゾル量の不足、検査条件の不明瞭が目につきました。(「バイオハザード対策の社会システム構築のための提言活動」報告書、バイオ市民センター、2005年)
      感染症法で技術基準(JIS)の遵守が定められたにも関わらず、相変わらず法を無視した杜撰な管理が今現在も日本全国の研究所で行われているだろうことが、今回の感染研の開示文書からも推察されます。つまり責任を負うべき当事者による「責任ある管理」の不在という相も変らぬ実態です。これではP4施設云々は少なくとも時期尚早です。

      (2)感染研には十数年以上昔のクラス競ャビネットが多数あるようです。
      次の指摘に感染研はどうこたえるのでしょうか?
      「ここで注意して欲しいのは、それぞれの時期に制作されたキャビネットは、それぞれの時期の仕様書に基づいて制作、認定されているので、古いキャビネットを新しい基準に照らして検査することはできない」(「ウイルス学分野のバイオハザード対策、キャビネットを中心として」(「ウイルス第56巻、第2号、日野茂男」)

      (3)技術基準(JIS)がいい加減なことです。JISには「走査試験によってHEPAフィルタのすべての箇所における最大透過率が0.01%を超えないこと」という規定がある一方、「走査試験のできない構造のキャビネットは、0.005%以下とする」との「例外」規定を設けています。つまり、大きな穴のチェックを行う必要がないとする規定です。なぜ0.005%なのかについて何の説明もありません。「安全よりも研究」を優先するということでしょう。そもそも、「最大透過率が0.01%を超えないこと」という規定自体も、HEPAフィルタに直径0.25mm(250μm)の穴の存在を許容するものです。

      (4)HEPAフィルタ、排気、「責任ある管理」に関する提案として、
      ・前項の例外規定を削除すること、
      ・実験室の給排気系統に設置されるHEPAフィルタも走査試験の対象とすること
      ・キャビネットの排気は直接屋外に排気することは許さず、実験室内に排気することとする。
      ・技術基準を遵守しない研究所は実験の実施を認めないこととする。
      ・厳格な安全監査のための「第三者機関」を設置するなお、新たな法を整備する。
      (2005年の当センターの法試案参照)
      以上



       
      Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 19:46 | - | - | - | - |
      米国はなぜ8月6日に原爆を日本に投下したのか?!
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        先日、約10年ぶりに父母、祖父母らが眠る広島の墓参りをしました。
        その折、初めて広島平和記念資料館を訪ねました。1945年8月6日午前8時15分、米国によって人類史上初めて投下された原爆(ウラン235)により、広島市では1945年12月末までに約14万人(誤差±1万人)が死亡したと推計されています(当時、広島には35万人前後の人々がいたと考えられています)。爆心地近くに住んでいた親せき(私の祖母の姉)が亡くなりました。この親せきを捜して叔母は8月7日に、父もその数日後、市内に入ったそうです。晩年、父は「被曝による後遺症を心配した」と語っていました。

        ■敗戦が確実な日本に、しかも8月6日になぜ米国は原爆を投下したのか?

        資料館の展示では、
        「1944年9月、ルーズベルトとチャーチルは今後とも原爆開発については最高機密とし、爆弾が完成すれば慎重に考慮したうえで日本に対して使用することを決めた」
        「アメリカは、無線の傍受や暗号解読によって、日本がソ連を通じて和平工作を試みていたことを知っていた。またアメリカは、原爆の使用により日本を降伏させることができれば、戦後ソ連の影響力が東アジアに及ぶのを避けられると考えた」
        「実験成功から9日後の7月25日、原爆投下の命令が下された。翌7月26日、日本に無条件降伏を要求するポツダム宣言が発表されたが、日本政府はこれを受諾せず、原爆投下は確実なものになった」
        とあります。

        私の手元にある「原子力の政治経済学」(川上幸一著、平凡社、1974年)によれば、
        1945年2月、ヤルタ会談で、米英の要請により、ドイツ降伏後、3か月以内にソ連が対日参戦することをスターリンが約束し、その交換条件として、南樺太の返還、千島の領有、大連、旅順、満州鉄道に関する利権など、日露戦争で日本が獲得したものにほぼ相当する要求をもちだした。その一部については中国との同意が必要なため、文書による協定には至らなかったが、ルーズウェルトはソ連の要求を受け入れた。
        1945年5月7日、ドイツ降伏(⇒ソ連の対日参戦時期が8月7日か8日と予想)
        1945年7月16日、アメリカ原爆実験(ニューメキシコ州のアラモゴルド)成功
        1945年7月26日、米・英・中三国による対日降伏勧告=ポツダム宣言が日本に向けて打電。勧告のコピーを受け取ったソ連・モロトフ外相は、勧告を2.3日おくらせるよう強く申し入れたが、時すでに遅かった。
        1945年7月28日、スターリンは、日本から新提案を受けたことを告げた。天皇から特別の指示を受けた近衛文麿を、特使として派遣するというものだった。
        1945年7月29日、日本、ポツダム宣言拒否
        1945年8月6日、広島に原爆投下
        1945年8月8日、ソ連軍、満州へ進入
        1945年8月9日、長崎へ原爆投下
        1945年8月10日、日本、天皇大権を損なわないことを降伏条件として提示
        1945年8月11日、アメリカ、日本の条件を受け入れると回答
        1945年8月14日、日本、御前会議で降伏決定
        1945年8月15日、終戦、鈴木内閣総辞職
        1945年8月16日、アメリカ、日本占領は米・英で行うと声明。ソ連、これに反対声明。
        とあります。
        つまり、原爆実験成功後の米戦略の柱は、ソ連の対日参戦の阻止であり、原爆投下はそのために日本を早期終戦に持ち込むためのものだったというものです。原子力を対ソ外交の「武器」として使おうという思想も指摘されています。

        また、昨年8月に資料館を訪問した映画監督オリバーストーン氏は、
        「1945年に日本が降伏しようとしていた大きな要因はソ連の侵攻にあったことなどが、米国の学校で子どもたちに説明されることはまずありません。長崎への原爆投下によって第二次世界大戦が終わったという話は、真実ではないのです。
        米国による広島・長崎への原爆投下の本当の目的は、皮肉にも、第二次世界大戦後の米国の勢力圏を守るという時には米国は歴史上最も残虐な行為も厭わないということを、ソ連に知らしめることでした。
        2つの都市に落とされた原爆の意味を区別することは、建設的ではないと思います。1つでも落とされたことが大問題なのです。広島(への原爆投下)は、戦争を終わらせるためだとしても、実にひどいやり方でしたし、このドキュメンタリーでは主要テーマとしませんでしたが、原爆は軍事的にも戦略的にも投下する必要がありませんでした。投下しなくてもよかったのです。戦時であれ国際法に違反すれば制裁が科されますが、米国だけは広島に原爆を投下したにもかかわらず、それをとがめられないという、非常に重大な前例ができてしまったのです。誰も米国に異を唱えようとはしませんでした。抗議の声は挙がりましたが、罰を受けずにすんだのです。責任を逃れられるとなると、隠蔽や不当な工作が次々に行われるようになってしまいます。
        その後、米国は他の国々に対して何度も核の脅威を利用しています。ベトナムや朝鮮で。ベトナムでは、もう少しで核を使用するところでした。フランスに対して脅しとして利用したわけです。ラテン・アメリカでの戦争にもこれを利用しました。中東にもロシアに対しても、何度も繰り返し利用しています。おかげで米国は強気に出ることができたのです。米国の立場からすれば、長崎への原爆投下は、(広島と)何も違わないということです。」
        http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95425
        と語っています。
        ■核、アメリカ帝国主義、憲法9条
        1996年7月、国際司法裁判所(ICJ)は、「核兵器の威嚇または使用は、一般的に、武力紛争に適用される国際法、とりわけ人道法の原則及び規則に違反する」との判断を下しました。(http://home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/JNL/shinodaj23.pdf

        「政治的な国家主権に手を触れることなく、経済的には自由貿易を通じて帝国主義支配を行う可能性が「自由貿易帝国主義」に開かれているのである。このような帝国主義概念の拡張と刷新を通じて、旧来のような植民地をもたない帝国主義、自由貿易のグローバル・スタンダードを押し付けることで支配を行なう帝国主義、自らが帝国主義であることを認めようとしない帝国主義の本質をつかみとることができる。まさにこの新たな本質を示すのがアメリカ帝国主義である。」(「アメリカ帝国主義とはなにか」レオ・パニッチ、サム・ギンディン著、渡辺雅男訳、こぶし書房)

        この「アメリカ帝国主義」を確立、維持するために、国際法、人道法に反する核兵器が使用され、その脅威が利用されてきたといえます。
        そう考えると、「アメリカ帝国主義」に対抗するものとして憲法9条の意義がますます光ります。

        140710
        7月4日:広島平和記念公演
         
        Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 22:03 | - | - | - | - |
        理研STAP細胞問題〜背後にある「科学技術立国」という愚かな国策による研究費バブル時代と研究者の退廃
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          理化学研究所(理研)の小保方晴子氏が、英科学誌ネイチャーに掲載したSTAP細胞に関する主要論文を撤回することに同意したことが今日(5日)の朝刊で報じられています。
          これにより理研と文科省は事態の早期収拾を図り、理研は組織改編に着手し、政府は今国会で見送られた理研を特定国立研究開発法人に指定する法案を秋の臨時国会に提出する意向とのことです。
          これでは「科学技術立国」という愚かな国策を優先し、臭いものに蓋をするだけの話で、科学技術研究に名を借りた税金の搾取と研究者の道徳的退廃に歯止めがかかることはなさそうです。

          国立感染症研究所の名誉所員の本庄重男氏は2003年にこの研究費バブルと研究者の道徳的退廃について次のように指摘していました。
          ―以前、生物系の研究者が得る研究費はせいぜい10万円単位か100万円単位の額が普通でしたが、今では1000万円単位の額となり、時に億単位にさえなるということを得々と語る人もいます。そして、研究費をたくさん確保すればするだけ必然的にその研究者の社会的地位も高まるというわけです。それにともなって、甚だ残念なことですが、研究者相互間での研究費の獲得合戦や、地位・権力を巡る争いなども、時に華々しく時に陰湿極まりなく起きています。甚だしい場合には、特殊法人の某研究所で相次いで発生した研究者同士の殺人事件や毒殺未遂事件などの例のような極端に退廃した状況も見られます。(中略)現実の科学技術は上のような状況の中で進んでいるのです。そして、良心的な反骨精神の強い研究者の批判と抵抗がなければ、ますますとんでもない方向に進むことでしょう。市民の皆さんは納税者の眼でバブル研究費の使われ方を監視し、平和と安全・健康と福祉に役立つ化学技術の必要を強く求めていくべきです。(「教えて!バイオハザード」バイオハザード予防市民センター、緑風出版、2003年5月)

          特定国立研究開発法人とは〜東電福島第一事故の収束を最優先に取り組むべき!

          特定国立研究開発法人とは、「20 年以上も続く低迷する我が国経済を再興するためには、科学技術イノベーションの創出を通じて新たな成長分野を切り開いていくことが不可欠である。このためには、国際競争の中で、科学技術イノベーションの基盤となる世界トップレベルの成果を生み出すことが期待される創造的業務を行う国立研究開発法人(仮称)を特定国立研究開発法人(仮称)として位置付け、総合科学技術会議、主務大臣及び法人が一体となって取り組んでいくことが必要であり、この趣旨は、平成25 年12 月24 日に閣議決定された「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」においても確認されたところである。」(「特定国立研究開発法人(仮称)の考え方について(案)」、H26年3月12日、総合科学技術会議)とあるように、日本の科学技術イノベーションの研究開発現場におけるけん引役として世界に誇ることのできるシステムを創り上げ、国際競争を勝ち抜く国力を培うことが期待されています。

          具体的には理研(独立行政法人、3400人、年間予算850億円)と産業技術総合研究所(産総研)(独立行政法人、経産省所管、3千人、年間予算1千億円)の2つを法人候補としています。
          1917年に日本初の研究機関として設立された理研は、戦争中、東条内閣下、陸軍航空本部の後押しで仁科芳雄氏を中心に原爆開発に取り組んだことは有名です。(「日米同盟と原発〜隠された核の戦後史」中日新聞社会部編、発行・東京新聞、2013年)
          一方、産総研は放射性物質除染効果や地震や火山災害予測、グリーンイノベーションの評価・管理技術、ロボット開発など研究をしています。

          今、日本国民が直面している一番の問題は、東電福島第一事故の収束と原発事故を二度と起こさないことです。汚染水対策、労働者や住民の被曝、デブリを含む放射性廃棄物処理、地震や火山災害予測など、この2つの研究機関こそ主権者である国民としっかり向き合い、これらの課題を最優先に取り組むべきでしょう。

          研究費バブル時代と退廃

          一方、組織改編とは、理研の改革委員会とSTAP論文についての懲戒委員会の結論を踏まえて、取り組むということですが、大学を含めた研究機関の不正(科学研究費など公費不正使用、データ改ざん・ねつ造)は目を覆うばかりの状況です。研究費が不足しているのかというとそうではなく、内閣府「科学技術関係予算の推移」をみるとまさに「研究費バブル時代」が継続しています。

          「科学者の国会」とも言われる日本学術会議も2013年には、2006年の声明「科学者の行動規範」の改訂版会長談話を出さざるを得ない状況です。

          2008年5月まで、バイオハザード予防市民センター会報の編集を担当していましたが、会報に研究機関・研究者の不正情報の一部を一時期(2004年〜2008年)会報に掲載していました。この中から、理研、産総研に関わる情報を以下に記します。(カッコ内は新聞報道された年月)

          理研の不祥事
          ・研究チームリーダー(40歳代)が部下に指示してデータの一部を除外し、別のデータを加えて再解析し論文を発表していた問題で、理研は、論文不正など不祥事全般を扱う「監査・コンプライアンス室」を4月に新設。秋までに不正防止策を作る。不正行為を研究する山崎茂明・愛知淑徳大学教授は、不正が起きる構造について「ボスは部下にプレッシャーを与えて研究成果をあげ、論文を書いて生き残る時代になった。不正が起きれば、それは個人の問題というより研究室全体の問題だ」と指摘する。(2005.8)
          ・旅費2重請求の東大大学院元教授、起訴猶予。理研の非常勤主任研究員だった02~03年、3件の海外出張で招待先と理研に旅費を請求、計190万円を搾取した疑い。(2005.6)
          ・理研理事が200万円流用。仁科記念賞を受賞した理研前理事が研究費の目的外使用と研究室内の研究環境を阻害する「環境型セクシャルハラスメント」行為を重ねていたことがわかった。前理事は依願退職をしており目的外使用は200〜300万円にのぼるとみられる。(2004.1)

          産総研の不祥事
          ・病原体約300株を内規に違反して十分な感染防止設備がないにも関わらず受け入れ、その事実を知らせずに非常勤職員に取り扱わせ、かつこれらが問題であることを知りながら公表しないばかりか隠ぺい工作まで行っていた。(2007.10)
          ・正規の手続きをしていない放射性物質を区域外で保管(2007.1)
          ・遺伝子組換え生物不適切使用(2006.9)

          この2つの研究所の特定国立研究開発法人化は、「国策」という圧力のもと、一層のバブル化と退廃を推し進めることになるでしょう。
          Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 21:15 | - | - | - | - |
          学校自治・市民自治を敵視する独裁者・橋下 〜脅しに屈した市教委、一体、教育委員会会議や議会は何をしているのか?
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              大阪市立桜ノ宮高校の部活顧問の体罰による生徒の自殺問題で、大阪市教委は橋下市長のゴリ押しに屈し、体育系2科の募集と入試の中止を決めたことが今朝の朝刊で報じられています。

             学校の主役は生徒、教員です。生徒たちは、「市長から入試中止について納得できる説明はなかった。もっと私たちの声を聞いてほしい。何の関係もない中学生が巻き込まれることに納得できない」と話し、受験生は「合格したら、自分たちも一緒になって新しい学校を作っていきたい」と話しています。しかし、こうした訴えに対し、橋下は「子どもは問題を分かっていない」と切り捨てたといいます。(「毎日新聞」1月22日朝刊)

             それにしても橋下に屈した自浄力のない市教委はだらしないの一言です。私は、一連の出来事について、教育委員会会議、議会の責任がなぜ問われないのか不思議でなりません。

             県議時代に、喫緊の課題(教育費の支出の問題、非正規雇用教員の増加の問題、老朽化した施設の深刻化、学力テスト結果、性虐待事件など)について何一つまともな審査もせず、ひたすら追認機関と化し形骸化した教育委員会会議の問題を取り上げました。

              以下に紹介します。

            ●6月県議会一般質問(2010年6月4日)
            〜浦安市立小学校に係る性虐待事件について

            ・高裁判決をどう受け止めているのか?

            【川本】浦安市立小学校に係る性虐待事件について伺います。
            03年の4月〜7月、当時小学6年の知的障がいを持つ少女が教諭から性虐待を受けたとして、損害賠償を求めた控訴審で、3月24日、東京高裁は1審の千葉地裁判決が認めた被害にさらに3件被害を認定し、県、浦安市に330万円の支払いを命じる判決をだしました。
            浦安市は判決が認定した性的虐待の事実を認めない姿勢のまま、3月29日に上告断念を発表し、県はそれを受けて3月30日に上告断念を発表した。
            そこで以下伺う。
            この高裁判決の特徴は、知的障がいのある児童の供述特性及び性的被害を受けた児童の心理特性を十分踏まえて、被害供述に高い信用性を認め、かつ事実を丁寧に精査し、加害教諭の自白の信用性を認めて、性的虐待の事実を一審認定以上に拡大しました。知的障がい及び児童虐待に関する海外の最先端の研究を踏まえた専門家の意見書を尊重し、「日時や回数に関する記憶が正確でなかったとしても、被害を受けたとの供述の信用性は否定されない」と判示しました。
            そこで、教育長に以下伺う。
            1点目に、県は高裁判決を「真摯に受け止める」としたが、柱となるこの判示部分についてどのように精査し、かつ受け止めているのか?

            【鬼澤教育長】高裁判決については、判決文を精査しましたが、「少女の供述の信用性は否定されるものではない。」という判示部分についても、真摯に受け止めております。

            ・高裁判決が認定した被害事実を認めるか?


            【川本】2点目に、高裁判決が認定した被害事実について当然認める立場だと考えるがどうか?

            【鬼澤教育長】民事高裁判決において、認定された被害事実については、真摯に受け止めております。

            ・教育委員会委員協議会での意見は?

            【川本】次に、教育委員会委員協議会が3月30日に開催され、「判決を受け入れ、上告しないことを全員一致で了承された」としたというが、委員協議の場で各委員からどのような意見が出されたのか?委員長に伺う。

            【山田純子・教育委員長職務代理者】
            委員協議会では、事実認定をめぐって、法律審である最高裁で争うことは困難であると考えられ、判決を受け入れ、上告しないことを全員一致で了承しました。
            その際、委員から、
            1 知的障害者が事件に巻き込まれた場合は、事実判定を正確に行うための配慮をする必要がある。
            2 控訴時と同様に、県の対応の判断時期が、市とずれたことは遺憾である。
            3 県と市の関係においては、県がしっかりとしたリーダーシップをとる必要がある。
            などの意見が出されました。

            ・責任の所在は?

            【川本】私たちは浦安市教育委員会の責任者からも話を聞きましたが、今回の責任の所在はどこにあるのかと尋ねた折、「人事権は県教委にある」ということを言っていました。あたかも責任は県にあるという口ぶりでした。今回のこの事件の責任の所在はどこにあると考えているのか伺います。

            【鬼澤教育長】高裁判決で認定された不法行為の責任については、まず、行為を行った当該教諭にあるものと考えますが、同時に、当該教諭の服務監督権を有する浦安市教育委員会にも責任があるものと考えます。

            ・被害少女のケアは?


            【川本】被害少女は今でもPTSDで苦しんでおり、状況が悪化することはあっても完治することは難しいと主治医が述べているといわれます。平成11年に策定された「県職員と幼児・児童・生徒、保護者との間におけるセクシュアルハラスメント防止についての指針」では、「被害を訴えた児童生徒の救済と心のケアを最優先に対応し、必要に応じて専門機関との連携を図る」とあります。県はこの指針に従い、被害少女のケアについてどのように考えているのか。

            【鬼澤教育長】セクハラ事故が起こった場合に、被害児童生徒の人権を十分に尊重しながら、学校全体で適切に対応することとしています。また、必要に応じて、スクールカウンセラーやスーパーバイザーを派遣したり、専門の医療機関等を紹介するなど、児童生徒の心のケアに努めております。
             この事件の少女については、既に学校を卒業していることから、本人の希望により、県の「子どもと親のサポートセンター」を窓口として、様々な相談に応じてまいります。

            ・再発防止策として第三者機関などの設置は?

            【川本】再発防止策について伺います。
            性虐待行為の被害者が若年者、障がい者の場合、相談者には様々な専門的な知見が求められます。
            また学校における教職員による子どもへの暴行やわいせつ行為等の虐待を防止・救済する法制度はないのが現実だ。
            一方、千葉県人権施策基本指針には、「人権侵害の被害について直接訴えられるオンブズパーソンの設置や第三者機関等により、住民との協力体制のもとに子どもの人権を擁護するためのシステムづくりを推進します」とある。この指針に従い、オンブズパーソン制度や第三者機関の整備が必要と考えるがどうか。

            【鬼澤教育長】現在、県内の法務局の人権相談所、千葉県警察が行っているヤングテレホン及び女性被害110番等の機関は、第三者機関として、セクハラ被害等の相談ができるようになっております。
            また、「千葉県男女共同参画苦情処理委員制度」も公正・中立的な立場を持つ第三者機関としての機能を有し、学校におけるセクハラ等の人権が侵害された場合の相談や調査も扱っています。
             県教育委員会としましては、再発防止の観点からも、被害者やその関係者がいつでも相談できるように、これら第三者機関の周知に努めてまいります。

            ・11年前に策定された県セクハラ防止指針の見直しは?

            【川本】また、先ほどあげた県のセクハラ防止指針は平成11年以降、改訂されてはおらず、内容も現場職員がまず対応することになっており、防止にあたってのきめ細かな配慮に欠け、障がい者への対応では児童生徒の特性を理解できる専門家チームの対応の規定もない。この指針を今回の教訓を生かして見直すべきと考えるがどうか。

            【鬼澤教育長】指針は、セクハラに対する基本的な考え方や、防止対策の原則について示したものであり、現時点で、見直しは考えておりません。
              今後とも、この指針に基づき、セクハラ実態調査方法の改善やリーフレットの改訂など、実態に応じた対策をしてまいります。

            【川本】セクハラ防止の指針の改正について、委員長は、どのように考えるか。

            【山田純子・教育委員長職務代理者】
            指針は、セクハラに対する基本的な考え方や、防止対策の原則について示したものであり、現時点で、見直しは考えておりません。
              今後とも、この指針に基づき、セクハラ実態調査方法の改善やリーフレットの改訂など、実態に応じた対策をしてまいります

            ・被害者や家族への謝罪は?

            【川本】県は、被害少女とその家族に謝罪しないのか。

            【鬼澤教育長】判決については、真摯に受け止めています。このような事件が起きたことは、遺憾であると思っております。
             また、少女及び保護者への謝罪につきましては、直接の服務監督権者の問題と考えています。

            ・加害元教諭への求償権の行使は?

            【川本】また、加害元教諭に対する求償権の行使についてどう考えるのか?伺います。

            【鬼澤教育長】
            国家賠償法に基づいて公共団体が損害を賠償した場合において、公務員に故意又は重大な過失があったときは、公共団体はその公務員に対して、求償権を有するとされています。
            本事案においては、高裁判決に基づき、浦安市が損害賠償金の全額を支払ったことから、県は求償権を有していません。
            なお、元教諭に対する求償については、浦安市において検討していると聞いています。


            ●2010年11月8日県議会決算審査特別委員会・教育庁
            〜教育委員会会議での教育庁提案の議案採択状況と会議のあり方について


            【川本】
            教育委員会会議がレイマンコントロールに相応しく機能しているのかどうか、私は機能していない実態を本会議で指摘してきたところです。
            21年度は教育委員会会議は17回開かれたということだが、
             21年度における教育庁提案の議案の内、一部修正されたものはあるのかどうか。すべて提案どおり採択されたのかどうか。議案採択状況についてお伺いします。
            委員が提案した議案はあるのかどうか。

            【重栖教育総務課長】
            (神21年度の教育委員会会議における教育庁が提案した議案は118件で、全て提案どおり、可決されています。
            委員が議案として、提案したものはありません。

            【川本】
            教育費の支出の問題、非正規雇用教員の増加の問題、老朽化した施設の深刻化、あるいは、学力テスト結果についての解析の深い検討などは当然喫緊の課題として、教育委員会会議で議論されるべきだと思うが、こうした議論はしたのか、お伺いします。

            【重栖教育総務課長】
            会議では、もちろん議論していますが、重要な方針や施策等については、立案の段階からいかに教育委員があるいは委員長が関わるか、それが大切だと思い、委員勉強会、委員協議会、委員懇談会等でそれを補完してやっているところです。

            【川本】
            教育委員会会議を傍聴している人物がいるが、聞きますと少なくとも会議では、今回喫緊の課題としてでているものについて、深い議論は、全く行われていないという報告を聞いております。
            もう1つ指摘したいのは、浦安事件、上告をしないということを 何故、教育委員会会議で確認しなかったのか、教えてください。

            【重栖教育総務課長】
            教育委員会会議に掛ける議案については、教育委員会の行政組織規則の中に議決事項として定められていて、訴えを提起する場合、あるいは、それを取り下げる場合並びに和解に関することについては、議決すべきとなっているが、判決そのものを受け入れる場合は、議決事項になっておりません。

            【川本】
             ̄紺損件について上告しないということは、確か、委員協議会で決められたということだが、そこで伺いたい。委員協議会は物事を合議する、決める場なのかどうか。
            △發1点、控訴をするということは、会議の中で決める要件であると思うが、控訴段階では教育委員会会議は控訴を追認したが、浦安事件では性的虐待を何故未然に防止できなかったのかということが問われたが、そういう事実(性的虐待)はなかったということで控訴を追認した。ところが実際は、東京高裁で県敗訴の判決が出た。控訴を追認した教育委員会会議は、高裁判決を受けて、実際どうなったかということを、開かれた場できちんと県民に説明責任を果たす役割があると思う。そのために、県教育委員会会議で上告をするかどうかということをきちんと話し合う、合議するそういう必要がある議題ではなかったのかということを伺いたい。

            【重栖教育総務課長】
            ^儖協議会については、教育委員会会議とは違って、意思決定機関ではありません。
            控訴に当たっての会議ですが、教育長の臨時代理という制度があり、日程調整等をしたのですが、教育委員会会議を開くいとまがなかったことから、その臨時代理という制度を利用し、直近の教育委員会会議で県民に公にさせていただいた次第です。

            【川本】
            委員協議会が物事を決定する機関でないというなら、上告しないということも教育委員会会議として、意思決定ではないですか。何故、会議の場できちんと決めなかったのか。
            さきほど、言いましたように、控訴を追認した、その責任について きちんと、上告断念の際に、県民に説明責任をはたすという、きちんと会議で報告をする。それを明確にする必要があるのではないかと思うが、先ほど、この点を問うたことに答弁がないので、お答えいただきたい。 

            【重栖教育総務課長】
            委員協議会の内容については、会議録等詳しいものはないが、それはオープンにしている状態です。それは、県民に知らされているものと考えております。

            【川本】
            まともな答弁ではないですね。委員会会議で議論するというのは、オープンな場で意思決定の経過も含めて議論する。それが県民に対して説明責任を果たすということです。
            委員協議会は必ずしも議事録に残されないし、全くオープンではない。
            協議会という会議は、そういう意味では 全く位置づけが違うと思う。
            委員協議会で是とするということにならないと思うが、どうですか。

            【栖教育総務課長】
            委員協議会は、確かに調査・研究の場であり、会議とは異なる性格を持っています。この場合の協議会の扱いについては、委員協議会においてどの委員からも判決を受け入れるという意思表示があったので、会議にはかけなかった。
            もし、そこで会議できちんとやるべきであるといういろんな意見が出ていれば、当然、会議は直後に開く予定で準備をしていた。

            【川本】――要望
            ということは、教育委員の皆さんが、オープンな場で 会議で これをやる必要がないと、協議会で十分だということを判断したということですね。
            これについては、一言申し上げますと、協議会というのは、調査・研究をする場であって、協議会会議としての意思決定機関でないということからすると、これは全く不当なことだと思う。
            それから、控訴段階において、会議として追認したということについて、県民に対して説明責任を果たしていないというとんでもない話だと思う。今日、いろいろな喫緊の課題が話されましたが、それについてまともな議論がされていないと、県民から見ると、全く形骸化した教育委員会会議、このままでは間違いなく、このままでは県民は間違いなく見放すであろうと思うので、根本的な改革を求めます。

            〜要望〜
            【川本】
            県教委と市町村教委の関係ですが、互いに尊重しながら、しかし しっかりと情報を共有して連携をしていただきたい。

            Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 22:26 | - | - | - | - |
            私たちは日本と世界の平和、憲法九条についてこう考えます
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              121212-3

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              Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 10:20 | - | - | - | - |
              とけ.9条の会 第40号
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                米原子力空母ジョージ・ワシントンの画像
                <HP雑談日記より>
                基地に苦しめられる沖縄の画像
                <市民団体冊子より>

                <画像を左クリックで拡大>
                Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 09:37 | - | - | - | - |
                八ツ場ダム建設地再訪〜川原湯温泉の魅力
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                  政権にしがみつくだけの「嘘つき」民主党政権の象徴とも言える八ツ場ダム事業の建設地(群馬県吾妻郡長野原町)を訪ね川原湯温泉で一泊(25・26日)してきました。建設地を訪ねるのは3回目ですが、ゆっくりと湯につかり源頼朝ゆかりの800年の歴史を誇るという温泉場としての魅力(新緑・ひなびた風情・弱アルカリ性の湯・鳥のさえずり)を味わうのは初めてです。残念ながらムササビには出会えませんでしたが・・・。

                   八ツ場ダム計画については4年間の県議時代、とりわけ治水について議会のたびごとに取り上げてきましたが、県土整備部の答弁からは「国が進める事業だから」という「居直り」を常に感じました。今回の私の関心は、宿や住民の方々の移転など代替地の状況、今後の地域づくりの見通しはどうなのかということでした。

                   「やんば館」で県職員からダム関連工事の概要説明を受けた後、車で道路工事や代替地整備・移転の進捗状況について説明を受けました。人口減少社会に入りかつ大地震動の時代、持続可能な地域社会を考えたとき、この地域の課題の一つは代替地への移転後、新たな川原湯温泉がその魅了を今と同じように発揮できるかどうかということでしょう。
                  ムササビがすみ鳥のさえずりが絶えない豊かな緑に囲まれ、斜面地を生かしたすばらしい眺望の露天風呂、ひなびた温泉街としての魅力などはどうなるのでしょうか・・・。

                  ともかく、原発事故でも明らかになった歴代自民党政権が推進してきた東京一極集中による「地域振興策」の失敗を直視し、新自由主義的な国家政策を「分権型福祉国家による内発的発展の道」(「地域経済学」宮本憲一他編、有斐閣ブックス、1997年)に向けて転換させることが喫緊の課題であり全国に共通する課題であると改めて考えさせられました。

                  今からでも遅くない、ダム工事をやめて800年の歴史のある川原湯温泉を今の場所で営業することが一番の「地域育て」となり未来の世代へのすばらしい遺産になると思います。

                  【参考】2011年3月11日の2月県議会本会議の最終日討論から
                  2点目に八ツ場ダム事業です。
                  新年度予算では本体工事の予算がつけられています。私達は治水、利水に八ツ場ダムは無用であることを一貫して主張してきました。
                  問題はダム予算に巨額の公費を投入してきたしわ寄せで、利根川の堤防強化対策がおろそかにされていることです。09年10月の1都5県の知事声明では「利根川の堤防や堤防下の地盤からの漏水がいたるところで発生しており、そのまま放置すれば堤防決壊につながる可能性がある」と指摘していますが、堤防の強化対策はダムではなく、堤防と地盤の強化工事による対策しかありません。
                  昨年9月1日の防災の日に、NHKが「首都水没」という番組を放送しましたが、そこでは堤防の安全基準を満たしていないものが利根川で57%、荒川で62%などあり、堤防が決壊し最悪の場合は死者が6300人、孤立者110万人になるという内容でした。
                  流域住民の安全を確保することを一番に考えれば、県は八ツ場ダム事業を推進するのではなく、国に対してダム偏重施策を改め、河川改修、堤防の強化をこそ求めるべきです。

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                  川原湯温泉
                  120528-o01
                  120528-o02
                  営業を続ける山木館
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                  露天風呂
                  120528-o04
                  宿泊施設からの眺め
                  120528-o05
                  共同湯の裏手
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                  現在の源泉
                  120528-o08120528-o07
                  温泉宿の移転後
                  120528-o09
                  温泉街への道
                  120528-o10
                  JR川原湯温泉駅
                  120528-o13120528-o11120528-o12
                  川原湯温泉代替地
                  120528-o14
                  対岸の代替地から川原湯温泉を望む
                  120528-o15
                  代替地の移転した民家
                  120528-o16
                  民家の移転した跡。赤い紐は伐採の目印

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                  ダム関連工事
                  120528-d01120528-d02
                  不動橋(2号橋)
                  120528-d04120528-d03
                  (一号橋)
                  120528-d05
                  崩れたのり面の補修
                  120528-d06
                  丸岩大橋(3号橋)と丸岩
                  120528-d07
                  建設中の新JR

                  Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 20:03 | - | - | - | - |
                  千葉の凋落のはじまり?! 〜故・沼田武元知事時代の愚策(=「千葉新産業三角構想」)の抜本的見直しを
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                      2017年にピークを迎えると推計していた県の人口が、昨年、1920年の統計開始以来初めて減少したことから「千葉離れ」「千葉の凋落の始まり」などという言葉が囁かれているといいます。千葉は放射能のイメージが強くて子供を連れてきたがらず、千葉に転勤する場合、単身赴任が増えている、また、首都圏の家探しも東京→神奈川→埼玉→千葉の順だそうです。(「毎日」千葉版21日朝刊)

                     そこで、森田知事は県庁内に新組織を設けて、「人口減少によって生じる課題を整理したり、経済や産業面などで県が従来通りの活力を維持するための方策を再検討する」ことにしたそうです。
                     東電福島第一原発事故による放射能汚染については文部科学省による航空機モニタリングによっても柏・流山などの一部地域で一般人とりわけ乳幼児などが生活すべきではない管理区域相当の数値が計測されています。 
                     知事は「従来通りの活力」と言いますが、3.11以前にそれほどの活力があったのか?!の検証が必要です。本来、「従来の方策」についての検討は2年前の県総合計画策定時に行うべきことでした。

                    そもそも「千葉の原風景」は干潟・九十九里など海岸と海であり、谷津田・里山です。千葉県の「活力の源」はこの豊かな生態環境、自然環境に依存した一次産業のハズです。
                     実際、前掲の「毎日」記事は、食王国・千葉の豊かさを絶賛しています。
                    国の開発計画に忠実な1950年代からの臨海開発、1980年代からの千葉新産業三角構想(成田空港、上総アカデミアパーク、幕張新都心の拠点開発と高速道路ネットワーク、内陸部開発)事業が進められる中、一次産業は衰退し、県内の地域格差は広がりました。
                     これは原発が過疎地に立地された構造と根は同一です。「復興のまちづくり」などと言われていますが、原発に頼らざるを得ない状況に立地自治体を追い込んだ国の地域振興策の根本的な見直しが不可欠であり、平時において過去の振興策・事業の評価と見直しの方策が検討されてしかるべきでした。

                    2007年に「私が目指す千葉県像」で私は以下のことを指摘しました。
                    −県基本施策で一番に是正すべきものとして、幕張・上総などの「外来型の拠点開発」と県都1時間構想による「高規格道路ネットワーク」事業が挙げられます。これらは県財政の2兆数千億円にのぼる借金の主要な要因の一つとなり、後者は「ストロー効果」による地域の疲弊を加速します。国の補助金目当てに開発型公共事業を推進する県行政、それらに依存する地方、という構図ではいずれ破たんすることは明らかです。
                     一方、少子高齢化や過疎化の中でも元気な地域に共通するのは、伝統文化や自然環境などの地域の資源を活用し、住民自ら工夫して新たな「個性」を創出していることです。トップダウンの「外来型開発」から、住民が主役で中小零細業者を含め地域が元気になる「まち育て」へと公共事業、地域振興のあり方を根本から見直す時期です。

                     しかし、森田知事は毅然とした放射線被ばく防止方針もなく、アクアラインマラソンや「カジノ施設構想」(昨年11月にはシンガポール訪問)の推進しか目がないようです。
                    知事は県庁の職員の方々がささやいている通りの「二分三行」のひとです。
                    かといって今の県幹部たちも故沼田武元知事時代に端を発した県庁不正経理問題を「見逃し」た程ですから元知事時代(オガタ氏やカツマタ氏に代表される県の経済界も関与)の愚策の見直しなどはできそうにありません。

                    下手をすれば不要不急の公共事業の推進などで一層の県財政の悪化も危惧されます。
                     来年は知事選です。「県民レベルに相応しい知事だ」と冷めた目でみている訳にはいかないようです。

                    Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 14:12 | - | - | - | - |
                    ニューギニアで戦死した叔父と遺骨を放置する日本政府
                    〜NHKの「戦争証言プロジェクト」の
                    「証言記録 兵士たちの戦争」
                    0
                        19日に「証言記録『兵士たちの戦争』NHK「戦争証言」プロジェクト」(NHK出版、2011年3月)を読みました。私の叔父の川本恒雄は篠山連隊に招集されニューギニアで「戦死」しました。戦地に赴く前に叔父が残していった「遺書」や爪、髪の遺品は今も残されています。しかし、親戚の話ではニューギニア北西部のビアク島だということですが、実際はどこでどういう最期を迎えたのかハッキリしません。もちろん遺骨の返還すらありません。
                       
                       そこでニューギニアでの戦争体験の情報収集をしていたところ、NHKの「戦争証言プロジェクト」の「証言記録 兵士たちの戦争」を知った訳です。すでに書籍として発刊された中で、
                      ・西部ニューギニア「見捨てられた戦場」
                                  〜千葉県・佐倉歩兵第221連隊(1巻)
                      ・東部ニューギニア「絶望の密林戦」
                                  〜宇都宮・歩兵第239連隊(2巻)
                      ・ニューギニア・ビアク島「幻の絶対防衛権」
                                  〜岩手県・歩兵第222連隊(3巻)
                      ・ポートモレスビー作戦「絶対ニ成功ノ希望ナシ」
                                  〜陸軍・南海支隊(5巻)
                      がニューギニアに関係するものです。

                      まともな事前調査、地図も補給計画もないポートモレスビー作戦失敗では、辻正信ら軍上層部の責任が問われることはなく、結局、昭和17年から終戦までの3年間でおよそ20万人の若者たちがニューギニアに送られ、18万人を超える人々が命を落としました。
                      人肉を食べるしか生き延びる術がなかった兵士たち・・。

                      「残虐だよ。虐殺だよ。・・・本当に、このときの大本営だとか方面軍とかのあれ(上層部)を恨むよ。特に高級司令部のいい加減なね、やり方」(前掲書、65頁)という22歳でポートモレスビー作戦に参加し、多くの部下を失った当時機関銃中隊長の67年後の怒りの言葉です。

                      9月に訪米した折、私は米国政府が朝鮮戦争、ベトナム戦争の戦死者の遺体収集・戦死体処理を未だに行っているという話を聞きました。
                      朝鮮戦争で三千体もの米兵遺体の個別識別を行った人類学者の埴原和郎氏は次のように語っています。
                      「かつての戦場には、おびただしい数の日本兵の遺骨が残されていると聞く。遺骨収集団が派遣されているとはいうものの、その規模においても、処理の科学性においても、日本と米国の間には残念ながら雲泥の差があるといわざるをえないのである。戦争をおそれにくむばかりが能ではない。過去の戦争の犠牲者に対して人道をつくすこともまた、平和を願うわれわれに課せられた義務ではないだろうか。」(「骨はヒトを語る」(講談社+α文庫)

                      映画で話題となった硫黄島の戦い、日本軍守備隊2万1千人のうち、2万人を超える将兵が命を落とし、多くの遺骨が今も収集されぬまま硫黄島の地下壕に眠っています。
                      (「兵士たちの戦争ァ廖

                      3年前に「とけ・九条の会」の平和・バスツアーで靖国神社・遊就館を訪ねましたが、まさか日本政府は靖国神社にA級戦犯らとともに奉っているから将兵の遺骨収集は不要と思っている訳ではないでしょうね〜?!
                      過去の戦争の国内外の犠牲者に対して人道をつくすよう日本政府に働きかけることは国民としての責務だと思います。

                      亡父も生前、パラオ、ラバウルの話をしていました。私もパラオ、ラバウル(ニューブリテン島)とともに叔父の最期の地ニューギニアを慰霊のために訪ねたいと考えています。

                      Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 08:30 | - | - | - | - |
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