市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

少年少女オーケストラは県の貧困な文化行政を隠すいちじくの葉?! 〜生物多様性シンクタンクの充実と「文化の地産地消」を
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      25日夜は、千葉テレビで千葉県少年少女オーケストラの18日の演奏会を楽しみました。レベルの高い演奏を聴きながら、ニューフィル千葉や3年前の関西視察で兵庫県や大阪府のオーケストラ事情を調査したことを思い出しました。日本のクラシックオーケストラ・演奏家を取り巻く貧困な環境を考えると、この少年少女たちの「未来」について複雑な気持ちになります。

     ところで演奏会が行われた18日午後は、千葉県立中央博物館1階講堂で開かれたNPO法人千葉まちづくりセンター主催(協力:千葉県立中央博物館、千葉県生物多様性センター)のシンポジウム「生物多様性保全シンクタンクと博物館〜行財政改革から10年、博物館「冬の時代」を打開するために」で私は、9年前に博物館の統廃合に反対し「県立博物館県民提言」を行った立場から、「10年間の振り返り、評価、今後の話題」を報告しました。

     行財政改革の結果、県立博物館はこの10年間で10館11施設体制から5館8施設となり、予算ベースで約4割減、全体の博物館員数は3分の2になりました。財政状況が厳しいとは言うものの、博物館予算の県全体に占める割合は0.1〜0.2%で、県全体や教育庁の予算総額の減少割合が数パーセントであることを考えると、博物館の削減の割合は異様とも言えるものです。「房総文化憲章」は無いに等しく、県幹部らの文化行政に対する熱意の無さを象徴しています。

     県立中央博物館の自然誌系専門職員の採用も1999年以後なく、満足な調査研究活動や次の世代への引継ぎの困難さは容易に予想されます。県生物多様性センターがさまざまな課題解決のシンクタンクとしての役割を発揮するには、財政面・人材面での充実が不可欠です。しかし、博物館内部からこうした危機を指摘する声は一部を除きあまり聞こえてきません。

     鳥取県知事当時の片山善博氏は、「文化の地産地消」を唱え、「県外の一流のものに触れる機会は大切ですが、自分のところでオリジナルでユニークな文化を育てる、実践する力を持つということも必要です」「地域全体で楽しめる文化を実践する人たちを養成することは、住民にとっても必要だし、地域の魅力、地域の誇りになります。ところが日本ではこれまで全部それを捨ててきています」(「自治と分権」2003年10月、自治労連・地方自治問題研究機構)と語っています。

     少年少女オーケストラは「ニューフィル千葉」や博物館に見られる県の貧困かつ空っぽな文化行政の実態を隠すイチジクの葉のように思えます。
     博物館職員が声を出せないなら、主権者である県民が声を出すしかありません。18日のシンポジウムを踏まえて、博物館行政に対する新たな県民提言を策定する予定です。

    Posted by : 川本幸立 | 文化行政 | 02:10 | - | - | - | - |
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