市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

オリンピックを招致する資格がない安倍政権、東京都、JOC 〜「オリンピック憲章」の対極にある暴力行為の蔓延と好戦国家への動き
0
      「日本維新の会」の石原慎太郎代表の手下で、都の尖閣諸島購入にあたって寄付をつのるアイデアを出し日中戦争勃発の危機的状況を招いた張本人といわれる猪瀬直樹東京都知事(「週刊金曜日」2013.1/18)は、9兆円規模の東京再開発プロジェクトの旗印に百億円単位の税金を使って「2020年オリンピック招致」を目指しています。
     
     本来、憲章で「平和の祭典」を標榜するオリンピックを、「戦争を志向」する猪瀬と猪瀬を支持し知事に選んだ433万人余の有権者がいる東京都が招致できると思うこと自体がおかしなことです。

    そもそも東京都の有権者の多くは、ヒットラーを「ぼくはある意味で評価する」「つまり、彼のものの考え方」と評価した石原慎太郎(「竹中平蔵こそ証人喚問を」佐高信、七つ森書館)を知事に選び続けました。石原は「週1度しか登庁しない知事」としても有名でしたが、「積極的非暴力平和主義」と「人間の安全保障」を先取りして「世界中の人類の幸福」を訴える人類と日本の英知が結集した日本国憲法を、「占領憲法」と呼び、「廃棄」を叫んでいます。
     そして憲法違反の選挙制度・1票の不平等で多数をかすめとった安倍自民党政権は、自民党の憲法改正草案の中身(天皇国家元首化、国防軍の創設、個人の尊重の否定、集団的自衛権の行使など)を隠して、憲法96条の改正発議要件を2/3から過半数へ変えようと画策しています。米の属国として戦前のファシズム国家を目指しています。これは世界から日本孤立化の道に他なりません。
     憲法九条を改悪して好戦国家化を歩もうとする日本に、そのプロパガンダの場としてオリンピック開会を認める程、甘くはないと思います。

     1月31日の「毎日新聞」朝刊は、「東京五輪『賛成』7割超」との見出しで、五輪招致委員会が都内在住の18歳以上400人に電話で聞いた結果を報じています。招致推進の立場にある組織がわずか400人から電話で聞いた結果から「賛成7割超」と報じるメディアのヨイショぶりに驚かされます。
     
     さて、柔道女子の園田代表監督(辞任)が、選手に暴力やパワーハラスメントをふるまっていたことが明らかになりましたが、猪瀬知事は1日の定例会見で、オリンピック招致レースへの影響について、「英BBCなどの報道を見たが、女子柔道に限定した表現になっている。全体には影響ない」「こんなばかげたことが二度三度と起きたら影響するでしょう」と述べたことが報じられています。

    しかし、周知のように高校の部活動、相撲界、プロ野球界などでの暴力行為に関する報道をみると暴力行為は日本のスポーツ界に蔓延するもののように思います。

    オリンピック憲章には、「IOC(国際オリンピック委員会)の使命と役割」として「スポーツにおいてフェアプレーの精神が隅々まで広まり、暴力が閉め出されるべく努力すること」とあります。

    4日に出された15人の柔道女子選手の「声明文」では、「選手の声が全日本柔道連盟の内部で封殺され、日本オリンピック委員会(JOC)に告発したが、声は十分に拾いあげられなかった」とJCOも「訴え封殺」に加担したことが指摘されています。

    猪瀬知事が言うような女子柔道に限定される問題ではありません。だいたい猪瀬氏は、肝心の「オリンピック憲章」を熟読したとは思われませんし、「個人の尊重」を根本価値とした日本国憲法尊重擁護義務(第99条)が自らにあることをまったく理解していないようです。

    もっとも、私は今のオリンピックが憲章に合致したものだとは思いませんし、国家間の競争と化し巨大な利権のからむオリンピックは中止すべきだとずっと考えてきました。それはまた別の機会に述べたいと思います。

    ● オリンピック憲章の「オリンピズムの根本原則」(抜粋)
    〜安倍政権、石原慎太郎、猪瀬直樹が目指す国家ファシズムの対極にあるもの


    1.オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化と教育と融合させることで、オリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、社会的責任、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重に基づいた生き方の創造である。

    2. オリンピズムの目標は、スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。

    3. オリンピック・ムーブメントは、オリンピズムの諸価値に依って生きようとする全ての個人や団体による、IOC の最高権威のもとで行われる、計画され組織された普遍的かつ恒久的な活動である。それは五大陸にまたがるものである。またそれは世界中の競技者を一堂に集めて開催される偉大なスポーツの祭典、オリンピック競技大会で頂点に達する。そのシンボルは、互いに交わる五輪である。

    4. スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず、それには、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる。

    5. スポーツが社会の枠組みの中で行われることを踏まえ、オリンピック・ムーブメントのスポーツ組織は、自律の権利と義務を有する。その自律には、スポーツの規則を設け、それを管理すること、また組織の構成と統治を決定し、いかなる外部の影響も受けることなく選挙を実施する権利、さらに良好な統治原則の適用を保証する責任が含まれる。

    6.人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない。

    Posted by : 川本幸立 | オリンピック・スポーツ | 20:22 | - | - | - | - |
    TOP