市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

「住民の安全の確保」を放棄した市議会、県議会、知事、政府 〜川内原発再稼働に鹿児島県知事が同意表明
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    「安全は、事故の前に止まること」
    「止まらないシステムは安全ではない」
    「安全は確認して改めて「安全」と認められる」
    「安全が確認できないとき(不安)、危険とみなす」
    「停止リスクで真のリスクマネジメント」
    「人間は自分の命を守る義務がある」
    「“安全確認型”が国際(グローバル)基準、しかし日本は世界に通用しない“危険検出型”」
    「シンドラーエレベータ事故 便利のために安全装置を無効にする日本」
    「混迷する日本のモノづくり、設計の一般原則の欠如 日本製だけが国際規格を無視」
    「モノづくりに、安全が教えられてこなかった」
    ・・・・。
    5日の千葉大での明治大学の杉本旭教授(安全学)の講義は「目からうろこ」でした。

    ●日本社会の構造―「安全のためにカネ儲けできないことは認めない」

    今日の朝刊「東京新聞」一面見出しは、「川内再稼働 知事が同意」「避難・設備・火山 不安残し」「事故の責任、国に」と、九州電力川内原発1、2号機の再稼働について、鹿児島県の伊藤知事が「安全性が確認された」として再稼働に同意したことを伝えています。

    伊藤知事は記者会見で「資源が限られた日本で、今の国民生活のレベルを守り、産業の活性化を図るにはどうするか。安全性がある程度約束されるなら、当分の間は原発の活用はやむを得ない」と述べ、規制委を「産業技術の最高の人たち」と表現し、事故が起きた場合の最終的な責任は「国にある」とした上で同意に踏み切りました。

    事故の前に止められない原発は「危険」そのものであり、「国が責任を負う」ということは、「国が原発を止める」こと以外にありません。
    東京電力福島第一原発事故の処理は「制御不能状態」であり何万もの人々が今も故郷を追われたままです。東京や千葉が「無人の街」になるという「最悪のシナリオ」に至らなかったのは偶然の出来事のおかげでした。未だ、事故の全容も事故原因も未解明のままです。
    一方、公表された「吉田調書」から福島事故は“accident”ではなく“injury”(=防ぐことの可能な事故)であったことがより明確になりました。
    にも関らず、未だ誰も事故の責任も問われないまま、ツケは被害者、住民、環境へとしっかりまわされています。
    そもそも地方自治体、首長の一番の任務は住民の生命、安全の確保ですが、伊藤知事はいとも簡単に自らの任務を放棄し、コアチャッチャーがないなど安全思想が欠落した日本の原発の売り込みに熱心な安倍政権に委ねてしまいました。

    また、原子力規制委員会は安全に責任を負う「認証機関」ではなく、単に審査書が(不十分きわまる)規制基準に適合するかどうかを判断する組織です。田中俊一委員長も適合の判断が「安全を保証するものではない」と明言しています。
    火山噴火の危険性については、「巨大噴火の予知は不可能」であることが火山噴火予知連絡会の見解であり、神戸大学の巽教授(マグマ学)らは、御嶽山噴火の10万倍にあたる百万立法前幣紊痢峙霏腑ルデラ噴火」が今後100年間に起きる確率を約1%とする試算をまとめました。火山、地震など、日本に原発を設けることそのものが無謀そのものであることがより明確になりました。ところが、これら指摘に対し、規制委員会は火山噴火に関する無知をさらけ出し、田中委員長は、記者会見で逆切れするという醜態をみせました。規制委員会委員の面々は、審査に不可欠な「安全学」についての知見も乏しいのは明らかですが、それぞれの「専門分野の知識」と「審査で問われる知識」がマッチングしているのかどうか検証が必要です。
    伊藤知事は規制委を「産業技術の最高の人たち」と評したその根拠を示すべきです。

    さて、死亡者40人、負傷者200人を出した2011年7月の中国温州市鉄道衝突脱線事故で、事故車両を穴に埋めて2日後に運転再開したことを杉本教授の資料では、「安全のために遅れるのは認めない 中国の安全の構造(?)」としています。
    日本では中国をタタく材料として使われたようですが、川内再稼働表明に至る経過を総括すると「安全のためにカネ儲けできないことは認めない 強欲が支配する日本の構造」といえるでしょう。

    ●愚かな政府、知事、県議会、市議会をつくった責任は有権者の責任

    過去の公害事件、自然災害事件を振り返って思うことは、自分自身や家族の生命、健康に関わることは決して国・政府、自治体、役人、有力者、専門家に委ねてはならない、自分で情報を集め、最後は自分の頭で考え判断するしかない、ということです。
    しかし、こうした問題を深く考えず、平気で「お上」に委ねて「心の平安」を保とうという人々が多数を占めるようです。

    安倍自民党、伊藤知事、再稼働を容認する県議会、市議会を選んだのは有権者一人一人です。生命や健康よりカネ儲けを優先する「愚かな地方自治体・議会、政府」をつくってしまったのは、有権者の責任です。市民が市民を問いただして「責任ある主権者として公共を担う」市民社会をつくりあげるしか方法はないでしょう。

     
    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 17:18 | - | - | - | - |
     千葉県に部分不開示決定に関して異議申し立ての意見陳述をおこなう  〜野田市産廃処分場に係る県の立入調査結果報告、パトロール報告などの文書開示請求
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      木曽の御嶽が昨日27日噴火しました。噴火発生時は警戒レベル1で、気象庁は「噴火の予測は困難だった」としています。
      以前登った、浅間山の登山口でも、登山者への注意看板で、以前の噴火は前兆なしに起こったものがあり、予測不可能な噴火が起こる可能性は常にあるとし、「自己責任」で登山して欲しい、と明記されていました。
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      鹿児島の九電川内原発の再稼働に当たり、原子力規制委員会は今月、噴火の影響は小さいとして新規制基準に適合しているとしました。今回の噴火は、それに対する自然の側からの警鐘です。

      さて、県議在職中に取り組み、白黒つかなかった課題の内、野田市にある工業団地内の産廃中間処分場周辺の健康被害の問題があります。この問題について9月25日午後、千葉県本庁舎内の会議室で、約20分ほど、千葉県に部分不開示決定に関して異議申し立ての意見陳述を行いました。
      昨年7月23日に提出した異議申立書で、意見陳述の申し出をしていましたが、1年2か月たってようやく実現したことになります。
      以下に意見陳述した内容を報告します。

      【意見陳述書】(2014年9月25日) 川本 幸立(千葉市緑区在住)

      (*当日準備した原稿を踏まえて再編集したものであり、一部、当日の陳述内容と異なる部分もある。)

      私は、建築技術者として化学プラントメーカーに約18年間勤務し、中央制御室、危険物倉庫・分析室・工業系クリーンルームなど多種多様な建築物の設計とりわけ空調・換気などの設備設計に関わってきた経歴を持ちます。また本公害事件については県議会議員在職中に現地調査、議会質問などで深くかかわった経緯がある。

      これらを踏まえて、本件の文書開示請求者として、千葉県知事の廃第333号及び694号の行政文書部分開示決定通知書2項の「非公開情報に係る部分」に関する不開示決定を取り消す決定を求める。
       (但し、「法人代表者印の印影」、「個人に関する情報であって、特定の個人を識別できる情報」については除外する)
      以下、2013年7月23日付の私自身の「部分不開示決定に関する異議申立書」について補足意見を述べさせていただきます。

      ●不服申し立ての経緯

      本件に関係する事業者つまり野田市工業団地内で操業している産業廃棄物中間処分場(柏廃材処理センター野田工場)は、2007年4月に操業を開始したものの、排ガス中の塩化水素濃度の基準超過が判明し、稼働を停止し、その後、千葉県の改善勧告が行われ、「千葉県廃棄物処理施設設置等専門委員会」において審議されたが、県未承認のまま事業者が勝手に稼働を再開した経緯がある。

      その後、事業所の周辺地域住民から被害の訴えが相次ぎ、悪臭と共に、大気汚染物質のため洗濯物が干せない、金属類がさびやすい、化学物質過敏症に類する症状がみられるなどの訴えがあり、健康影響の広がりが危惧されていた。

      2009年9月の野田市の調査の結果、のど48%、目40%、鼻36%の症状と咳・痰34%、息苦しさ20%、頭痛19%、吐き気8%など体調不具合な市民が多発していることが明らかになった。そして多くの住民から産廃110番などを通じて苦情が寄せられた。

      その主原因の一つとしてVOC(揮発性有機化合物)の可能性が指摘されている。VOCは東京都新宿区と杉並区、町田市でプラスチック主体の雑廃棄物を積み換えるごみ中継所周辺での健康被害、いわゆる「杉並」病の原因物質として注目されたものである。当時の東京都の委託分析では、3種類のイソシアネートが検出された。イソシアネートはどれでも、ごく低濃度に一時的に曝露しても、免疫メカニズムの後遺症として、過敏症を生ずるものである。

      本件では、2010年夏、2011年冬の2回VOC分析が実施された。その2回の結果をあわせると131種のVOCが検出され、その中には酸化するとイソシアネートの一種、メチルイソシアネートになる、メチルイソニトリルがあった。メチルイソシアネートとは、世界最大の化学物質公害と言われるインド・ボパール事件の原因物質である。
      その他、1種のケテンや5種のニトリルなど劇物・毒物として著しく有害なものも検出されたことが報告されている。

      これらの検出調査から、当該事業所の破砕選別棟での作業による機械的化学反応(メカノケミカル反応)とずさんな保管管理による影響の可能性、VOC化合物を無機化合物に変質できていないという不適切な焼却(燃焼温度管理)の可能性が推察された。

      当該事業所に対して、県は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条規定による立ち入り調査を行い、現場の維持管理状況を確認し、その結果を庁内で報告し、必要に応じ事業者に対し指導事項票を交付してきた。また、住民からの産廃110番などの受電で現場の監視・パトロールを実施し、その記録書兼報告書を作成してきた。
      しかし、これらの文書が住民に開示されることはなかった。

      当該施設の管理の実態、周辺住民からの産廃110番時の施設の状況、トラブルの要因、県職員の対応と事業者への指導内容、それに対する事業者の改善状況などは、健康被害などとの因果関係を含め生命、健康に関わる重要な情報であり、住民として最も関心のある情報である。

      ●廃第333号について(2013年5月)〜不開示理由の根拠

      開示請求の結果、パトロール記録書兼報告書、立入調査報告書、立入検査票、運転状況確認票、復命書が開示されたが、その実態は、

      ・パトロール記録書兼報告書は、「○時○分に通報あり現場確認」という記載を除き、その他は不開示。
      ・立入調査報告書は、日時、立入場所、立入者の記載以外は、不開示。
      ・立入検査票は、立入検査結果、総合評価(適・不適)、各項目毎の評価が不開示、
      ・指導事項票は肝心の「指導・指示事項」が不開示、写真も非開示、運転状況確認票も不開示
      といういわゆる「黒塗り」の文書開示であった。

      これでは、当該施設の管理の実態、周辺住民からの産廃110番時の施設の状況、トラブルの要因、県職員の対応と事業者への指導内容、それに対する事業者の改善状況など、健康被害などとの因果関係を含め生命、健康に関わる重要な情報が一つも提供されないことになる。

      県によれば、不開示の理由は、千葉県情報公開条例第8条第3号イ、第5号及び第6号に該当というもの。
      つまり、公にすることにより、
      ・当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
      ・率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、
      ・不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれ
      ・特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
      ・当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
      に該当するというものだった。

      しかし、県は不開示の具体的根拠理由を何ら示さないばかりか、これらの情報が異議申立人が開示を求める根拠としている、第8条第2号ロ、第3号の、「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」に該当するかどうかの具体的な検討・判断を一切していない。これは明らかに、職務怠慢に他ならない。

      ●廃第694号について(2014年7月)〜一部開示情報を検討する

      今年7月になって、不開示情報の一部が開示された。不開示決定後の時間の経過の中で、この間すでに公になった情報については開示することにしたという旨の口頭説明を受けた。

      この7月に一部、開示された情報は、
      ・「パトロール記録書兼報告書」の主要な文(但し、一部不開示)
      ・「立入検査票」の検査結果の一部、総合評価の一部、各項目毎の評価
      でした。

      しかし、
      ・事業所内で撮影した写真
      ・肝心の「指導事項票」の指導・指示事項
      ・「立入調査報告書」の一部
      ・「立入検査票」の一部
      は不開示のままだった。

      そこで、まずこの一部開示された情報について検討した。
      ・さきほど挙げた2つのポイント、つまり廃棄物の保管・管理の実態、燃焼温度管理の実態の面から検討結果を指摘します。
      まず、破砕選別棟や保管庫での空気の漏出防止(換気設備など陰圧状況、ドラム缶の密閉など廃棄物の保管状況、出入り口の閉鎖)などの状況がどうなっているかということですが、
      廃棄物の管理・保管の実態では、
      保管庫のシャッターが一部開状態を含めて頻繁に開状況放置が報告されている
      作業も頻繁にシャッターを開閉して実施せざるをえないこと。
      保管庫シャッター故障(シャッター開状況)の放置、
      保管庫内で処理したばかりのドラム缶が口を開けたまま保管、ドラム缶から強い溶剤臭
      屋外保管場所以外での廃棄物保管(廃洗剤、廃ウェスなど入った)
      屋外で廃洗剤を缶からドラム缶への移し替え作業の実施を現認した
      場内での異臭⇒改善の必要有と指摘
      ばいじん保管庫からばいじんの漏出
      H22.6.2 火災通報で現場確認。保管庫の中で、爆発音確認。


      燃焼温度管理では、基準を満足しない800度未満の状態が頻繁
      炉内温度:H23.9 675℃、697℃、
      H24.5.3 708℃
      ⇒「新たな廃材を入れた際、一時的に温度が下がる」ことが明記
      二次燃焼室温度:H23.2.9 792℃、795℃
      H22.7.13 731℃
      H23.9 751℃、791℃

      ・また「現認」(=現場確認)事項では、
      ばいじん測定口が腐食により塞がり、ばい煙測定ができなかった。塩化水素濃度及びばい煙濃度故障、パソコントラブルにより、炉の温度、CO等の記録が6日間記録されていなかった⇒保守管理が不十分
      H22.4.24 建屋上部に粉じんがただよっていた。
      H22.6.5 計器の建物の中は堆積物が多く堆積しており、かなりの異臭があった。
      H22.6.17 建物の中の堆積物はかなりの異臭があった。
      H23.2.9 バグフィルタから煙突への煙道において、上記の漏えいを確認した。周囲でHCLと思われる刺激臭を感じた。
      H23.6.16 焼却前の状態で倉庫に保管されている廃棄物に強度の異臭が認められた。
      H24.6.24 4件の産廃110番で現場急行、現場近くの国道16号を走行中に若干の異臭、200m離れた場所ではかなりの異臭が感じられた(パトロール記録書・報告書)

      つまり、廃第694号で一部開示となった情報を検討した結果、

          開示された情報は、第8条第2号ロ、第3号の、「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」に該当する情報にほかならないこと

          事業者の破砕選別棟や保管庫での空気の漏出防止(換気設備など陰圧状況、ドラム缶の密閉など廃棄物の保管状況、出入り口の閉鎖)状況、焼却設備の燃焼管理がきわめて杜撰であること。さらに火災事故の発生、計器類・シャッターの保守管理のずさんさが頻繁で、事業者としてのコンプライアンスへの姿勢、周辺環境・住民への配慮の姿勢、つまり事業者としての根本姿勢に疑問を抱かせるものであること。

          これらの情報を当初、千葉県情報公開条例第8条第3号イ、第5号及び第6号の規定を元に不開示の理由とした県の判断が不当であること。また例えこれらの規定に該当するとしても頻繁な不祥事、事故が多発する事業場に関しては、比較衡量の結果、当然第8条第2号ロ、第3号の、「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」として間違いなく公開されるべきものであること。

          未だ不開示とされている、県から事業者への具体的な指導内容である「指導事項票」の全面開示、及び事業所内の管理状況並びに不適切な実態を示す写真すべての全面開示が一層求められること。

      が誰の目にも明らかになった。
      是非、全面公開し、県として的確な指導を行ってきたことを、県民に明らかにしていただきたい。

      なお、非開示写真の「撮影内容」覧の記述からいくつか指摘すれば、
      H24.1.31に「撮影内容」として「セメンダインのような臭いのする紛体」の説明のある写真、H24.3.8「灰出し室前面⇒あいじん等が流出」とある写真、H24.3.14「測定口1開けた際は酸臭がかなりあった」、「測定口1に付着していた物質」の写真、H24.11.29「有機溶剤臭のする液体(破砕選別棟の床)、H22.6.2[現場の状況(この倉庫の中で爆発音あり)]「現場の状況(12:40火災発生、13:38鎮火)、H22.6.9「赤コンテナは、許可証に記載されていない」「ばいじん保管庫、内部から埃(ほこり)状のものがでていた」、H22.6.28「保管庫内から洗浄水が流出していた」、H22.7.13「熱交換器上部。白煙が認められた」
      などがある。
      これらは開示されるべきである。

      また、「運転状況確認票」の記載について一言申し述べたい。
      「確認票」によれば、炉内温度、二次燃焼室温度で「基準値800℃以上」とし、測定値が800℃以上あれば問題なしとしているようであるが、「炉内の温度分布があるなかで最も低い個所が800℃以上」を意味するとすれば炉内の温度分布の実態を把握することなしに判断はできないはずである。測定ポイントが800℃あれば問題なしとする根拠を伺いたい。
      次に、異臭については、たびたび現認されているが、異臭の原因物質の特定がなされていない。少なくとも記載がない。現認後にどのような分析など要因追求がなされたのか伺いたい。
      さらに保管庫の密閉状況、減圧状況を確認しているが、具体的にどのような測定具あるいは数値上の計算を行ったのか?保管庫の排気量、開口部・すきま面積などから簡易な計算により「減圧状況」の概要が把握できます。問題なしとした場合の根拠を伺いたい。

      ●不開示情報は、生命・健康に関わる情報であり、著作者人格権は不開示の理由にはならない〜大阪府高槻市のJT(日本たばこ)医薬総合研究所の建築確認申請図書(設備関係)の情報公開訴訟」(以下「JT裁判」という)の確定判決から

      最後に、私が建築技術者として、情報公開に関わる住民訴訟に関与し、その結果、勝訴した大阪府高槻市のJT(日本たばこ)医薬総合研究所の建築確認申請図書(設備関係)の情報公開訴訟」(以下「JT裁判」という)の確定判決内容を紹介したいと思います。

      原告は高槻市の住民で高槻市情報公開条例に基づき公開を求めたが高槻市は不開示決定をし、異議申し立てた審査会でも請求を棄却する決定を下され、そこで、裁判に至ったが、2005年に原告勝訴が確定し500枚以上の設計図書が全面公開となった。

      裁判の争点は、当該設計図書が、々眥仍埔霾鷂開条例第6条第1項第2号の「法人に関する情報」の「公開することにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの」に該当する不開示情報にあたるのか、△修良坡示情報にあたるにしても「但書ア、人の生命、身体又は健康を害するおそれのある事業活動にある情報」に該当し、不開示情報から除外されるのか、「但書ア」に該当しても著作権あるいは著作者人格権(公表権)の法による権利を条例により制限することになり、第6条第2項「実施機関は、法令又は条例の規定により公開することができない情報については、公開しないものとする」に照らして許されるか、というものであった。

      確定判決となった大阪高裁判決の趣旨は、
      当該設計図書は、
      「公開することにより 当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるもの」に該当すること。
      Jt研究所が行っている遺伝子組み換え実験等の事業活動は、「人の生命、身体又は健康に害するおそれのある事業活動」であり、「但書ア」に該当するとし、そして「おそれのある事業活動」とは、「その活動によって、人の生命、身体又は健康を害する可能性があり、特別な安全対策なしには社会的に存立が許されない事業活動」であると規定した。
      また、著作者人格権についてはそれを認めた上で、公開によりJTらが被る不利益の程度は、公開によって回避しうる被害に比べはるかに小さいと認めるのが相当であるとし、
      著作者人格権を根拠に当該文書の公開を拒むことは権利の乱用であり、高槻市の条例第6条第二項は適用されない
      とした。


      県情報公開条例は、前文で「地方自治の本旨」(=住民の意思で事柄を決めること)にのっとった県政運営を基本とすること、そのために県民の「知る権利」を尊重することをうたっている。そして原則公開とし、原則公開の適用除外項目については同条例第8条に規定があるが、第8条第2号ロ、第3号で、「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」については、たとえ不開示情報に該当しても公開するものとしている。

      この確定判決の趣旨を本件に適用すれば、
      そもそも当該施設の事業活動は厳格な燃焼条件、フィルターの設置など特別な安全対策なしには社会的に存立が許されない事業活動であり、そのことから「人の生命、健康、生活又は財産を害するおそれのある事業活動」と言える。

      当該廃棄物処理施設について頻繁に立入調査が行われているのは、当該施設周辺で多数の健康被害を訴える声や産廃110番通報が寄せられるなど、公害源と公害因子の特定、根絶対策をとることが県に緊急に要請されているからであり、かつ過去に当該施設を発生源とした公害問題が起こった経緯があるからである。
      すなはち、当該事業活動により人の生命、健康、生活又は財産を害する現実的な可能性があると認められる。

      非公開部分が公開されることにより、当該事業所の安全管理の実態を住民も知ることとなり、それにより事業者も徹底した安全施策の実行が求められることとなることが期待される。その際、著作者人格権は障害とはならない。

      なお、今回開示を求めている産廃関係の写真を含めた情報は、少なくとも奈良県、福岡県などは個人情報などを除外して公開されていると聞き及びます。

      以上、全面開示を求めて意見陳述をおわります。

       
      Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 10:48 | - | - | - | - |
      「偶然の出来事」なければ、千葉市全域も「無人の街」になっていた 〜東電「吉田調書」から読み取るべきこと
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        1977年9月27日、横浜市緑区(現青葉区)に米海軍厚木基地を飛び立った米軍ファントム戦闘機が墜落し、巻き添えの母子3人が死亡する事故が起きました。本日は、この悲惨な事故から37年となります。パラシュートで脱出したパイロットらは日米地位協定で不起訴となり、米軍の賠償も認められませんでした。
        ちょうど、事故多発の米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが各地に飛来していることから墜落事故の危険は37年前と変わることはありません。

        昨日26日朝の土気駅での「とけ・九条の会」の活動で、私はこのことに触れながら、政府が、木更津をオスプレイ整備拠点として検討していることから千葉県も他人事ではないこと、さらに26日「東京新聞」朝刊が、「オスプレイ整備拠点として防衛省から木更津市に説明があったこと、防衛省幹部は市長に対し、『米軍が行う整備の国際入札に、日本企業が参加してもらいたい、落札したら木更津駐屯地に誘致したい』と説明した」と報じていることを取り上げ、住民の安全より、軍需産業の拡大と金儲けを優先させるものであり、オスプレイ配置、整備拠点ノー!の声を挙げようと訴えました。

        米国の「核の傘」に依存し、「核廃絶」政策を排除してきた歴代の政権、その中でも、人類の手におえない原発の輸出や再稼働を推進し、「武器輸出三原則」を放棄して破壊と殺人を目的とする武器の輸出や軍需産業に、カネ儲けや地域経済をゆだねる路線まっしぐらの安倍政権です。その先にあるのは、核が拡散し、国家・民族の対立が煽られ肝心な情報が切断され人々が相互に監視する社会、その一方で、途方もない格差と貧困の中で、軍隊に「希望」をゆだねざるを得ない若者を作り出す社会に他なりません。

        ちょうど、25日夜7時半からのNHKのクローズアップ現代では、子どもの「食の貧困」を特集していました。一日の食費が300円台、まともな食事は学校給食だけ、生きるエネルギー喪失の危機にある多くの子ども達の実態に改めて驚かされました。2012年度の子どもの貧困率(18歳未満の貧しい子供の割合)が16.6%と最高となり、40人学級で換算すると一クラスで6人〜7人が貧困状態にあるといいます。
        私たち主権者が取り組むべきことは、要は「若者が幸せな社会」をつくること、であると強く感じます。私も何か具体的に実践したいと思います。

        【とけ・九条の会ニュース第50号から】
        「我々のイメージは東日本崩壊ですよ」 〜東電「吉田調書」から読み取る

        9月11日、政府は東電福島第一原発事故をめぐる政府事故調査・検証委員会が実施した故・吉田昌郎元所長(2010年6月〜所長、昨年7月死去)ら19人の聴取結果書(調書)を公開しました。

        この「吉田調書」によれば、1,3号機が水素爆発し、2号機が打つ手なしの状況が続き、核燃料の膨大な放射性物質が全て流出する最大の危機を迎える中、吉田氏は「本当に死んだと思った」「最悪の事故ですから(旧ソ連の)チェルノブイリ級ではなくて、チャイナシンドロームの状況になってしまう」「我々のイメージは東日本崩壊ですよ」と振り返っています。
        この2号機の危機は、地下の圧力抑制室が損傷して圧力が抜けるという偶然の出来事で注水ができるようになり最悪の状況(千葉市域も住めない地域となる)は避けられました。

        ●慢心と「カネ」の出し惜しみ〜08年試算15m津波への備えも訓練もなし

        また、2008年に東電が三陸沖地震で福島第一に「15.7m」の津波が来る可能性があるとの試算をし、国との勉強会で津波による全電源喪失の危険性があると報告したにもかかわらず対策を講じなかった理由について、当時、原子力設備管理部長だった吉田氏は「当然のことながら一番重要なのはお金。対策費用の概略をずっと(社内幹部に)説明していた」と、対策費用の出し惜しみをしていたこと、そして3.11前に事前の備えも訓練もなかったことについては、「やはり(津波は)来ないと思っていたからだ」「スイッチを押せばその通りに動いてくれるという前提でのマネジメント。オールジャパンどこでもそうだと思う」と答えています。人類の手に負えない原発の再稼働を画策すること自体が誤りであることを、「吉田調書」から読み取る必要があるでしょう。

        ●政府が、木更津を墜落事故多発のオスプレイ整備拠点として検討

        米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に所属する垂直離着陸輸送機オスプレイの定期整備拠点として陸上自衛隊木更津駐屯地(木更津市)を政府内で検討していることが報道されています。オスプレイは、開発段階の1991年〜2000年で4回の墜落事故を起こし30人が死亡、実戦配備後もアフガニスタン、モロッコ、米フロリダ州で事故が相次ぎ、構造的欠陥が指摘されています

        ●経済同友会専務理事が「貧困徴兵制」を提案?!

        文科省は8月末、大学生の経済支援に関する報告書をまとめました。
        その中で文科省の有識者会議「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」で、メンバーの経済同友会専務理事の前原金一氏が、「奨学金返還の延滞者に防衛省でインターンシップ(就業体験)をさせたらどうか」と発言していたことが報道されています。(「東京」9月3日朝刊)

        ところで、米国の兵士の数は約140万(他に州兵40数万、予備役120万)です。「志願制」とはいうもののその実態は「貧困徴兵制」と呼ばれています。
        学歴社会の米国で仕事を得るには大学卒業資格は必須です。格差社会の底辺から、「大学へ行くため」「技術を身につけるため」「医療保健のため」若者たちは軍隊を選ぶのです。
        軍隊では人殺しの為、「命令には、疑問を持たずに、直ちに、正確に従う」人格づくりが行われます。米国では国民の100人に1人、300万人がホームレスだといわれますが、その内の3人に1人は帰還兵といいます。

        米軍、帰還兵を取材した映画監督の藤本幸久氏は次のように指摘します。
        「取材してわかったのは、途方もない格差社会であり、途方もなく貧乏で救いのない人たちがいないと、戦争をできる軍隊はつくれないということです。」「軍隊に希望を感じてくれるような、格差社会の底辺の若者をたくさん生み出さなければ、憲法だけ改正して軍隊を作っても機能しない、と思っている人たちがいるんじゃないか」
        「要するに若者が幸せにならないとだめなんです。今の若者たちの苦難を何とかしなければ、戦争をなくしていくことにはならない」(「アメリカ取材リポート」発行:影山あさ子事務所)

        ●朝日新聞「吉田証言」誤報を
        「慰安婦はねつ造」にすり替えて、世界から孤立する安倍政権とメディア


        「慰安婦」とは、日本軍が設置した軍人軍属専用の慰安所で性的「慰安」を強制された女性で、植民地下の朝鮮半島や台湾のみならず、中国、フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレーシア、ビルマ、タイ、カンボジア、グアム、南西諸島に及び、その数は、5万とも10万とも言われています。

        そもそも「慰安婦」問題がクローズアップされたのは、91年8月の元「慰安婦」金学順さんの名乗り出と提訴・証言、中央大学の吉見義明教授らによる軍関与を示す資料(陸軍、米国、豪)の発見でした。93年の「河野談話」は、これらを踏まえ、軍の要請と関与、本人たちが意思に反して集められたこと、軍慰安所での強制を認め、歴代内閣は「河野談話」を継承してきました。河野談話後も、東京裁判記録、米国、中国、オランダのBC級戦犯裁判記録、オランダ政府による公文書調査など、「慰安婦」の強制連行を示す公文書が数々発見されてきました。

        さて、朝日新聞が8月5,6日朝刊で、91年頃の「慰安婦」問題の自社の報道で、済州島で「慰安婦狩り」をしたと主張していた吉田清治氏の証言に依拠した報道について「裏付け得られず虚偽と判断」したことなどを認めました。これを利用して安倍政権や読売、産経らは「河野談話の、慰安婦が強制連行されたとの主張の根幹はもはや崩れた」と「慰安婦はねつ造」だと詭弁を弄しています。そもそも、前出の吉見教授を含め、研究者の間では「吉田証言は証拠として採用できない」とい立場が一般的でした。河野談話「作成過程」検討チームが6月に発表した「報告書」も「吉田証言」を無視しているように、吉田証言の誤りは「河野談話」に影響を与えるものではありません。

        8月29日、国連人種差別撤廃委員会は、日本政府による実態の認識や被害者への謝罪、補償が不十分であることに懸念を表明し、慰安婦問題を否定する試みの糾弾、を求めました。このままでは安倍政権、メディアは世界から孤立してしまうのは間違いありません。

         
        Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 10:42 | - | - | - | - |
        九州電力川内原発1,2号機の新規制基準による審査結果案についての意見を提出〜九州電力が人格権を最大限尊重する組織なのかどうか評価すべき
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          15日を締切日とする九州電力川内原発1,2号機の新規制基準による審査結果案についての意見書を14日に提出しました。
          基準地震動、火山の巨大噴火リスク、住民の避難計画についてはすでに様々な角度から指摘されています。
          私は、科学論、人格権を柱として、以下の4点の意見を提出しました。

          1.    発電用原子炉の設置及び運転のための技術的能力 組織の評価について

          ●事業者が原発の安全性を判断するに値する組織・見識を備えているかどうかを検証すべき

          原子力規制庁は「新規制基準を満たした原発でも事故は起きます。この基準は最低のもので、あとは事業者の責任です。放射能の拡散シュミレーション・モデルにも限界があります。その結果どうするかは自治体と住民、および事業者で判断してください」とし、田中俊一規制委員会委員長も、「現行の規制基準に適合しているかどうかだけで判断しているのであって、絶対安全という意味で安全ということを言われるのでしたら、私どもは否定しています」としている。
          つまり、今回の審査結果で、当該申請が、原子炉等規制法第43条の3の6第1項第2号(技術的能力に係るものに限る。)、第3号及び第4号に適合しているものと認められる判断されても、 嶌把禊霆燹廚箸いΑ嵒要条件」を満たしていることに過ぎず、十分条件ではあり得ないこと、∈2鵑凌該困派埖する項目についての施策及び妥当性の判断は、自治体、住民、事業者に委ねている。
          このことは、原子力規制委員会設置法第1条(目的)、第3条(任務)、第4条(所掌事務)に照らして、規制委員会が今回の審査で、少なくとも事業者が△量魍笋魏未燭垢砲佞気錣靴ち反イ任△蠍識なのかを判断する必要があることを示している。

          ●科学は人格権の尊重のもとに成り立つもの〜原発事故の悲惨さと福井地裁判決

          規制委員会は、今回のパブコメで「科学的・技術的意見」を募集するとしているが、肝心の「科学とはなにか」についての見識を示してはいない。人権論、科学論、科学方法論の研究者であった哲学者の故芝田進午氏は、次のように指摘している。
          ― 科学が成立する前提は、近代の人権宣言が基本的人権の筆頭に位置づける「人間の生命(健康を含む)、自由、幸福追求の権利」、すなわち「人格権の集合としての公共の福祉への権利」が保障されていなければならない。科学は、そのような人格権をよりよく保障し、実現するために営まれる創造的な精神的な活動である。科学は、広義には人間の権利、狭義には人格権から切り離して論じてはならないものである。
          (「人権論と科学論」芝田進午(「芝田進午の世界〜核・バイオ時代の哲学を求めて」桐書房))

          今年5月21日に福井地裁が下した関西電力大飯原発差し止め判決は冒頭、「ひとたび深刻な事故が起これば、多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである」と指摘し、憲法に保障された人格権(13条、25条)は「人に生命を基礎とするもの」「これを超える価値を見出すことはできない」と強調し、コスト低減、二酸化炭素排出を理由に国民の生命・健康よりも原発再稼働を優先する事業者(関西電力)の主張をきっぱり退けた。
          大飯原発差し止め訴訟は「科学裁判」の性格を持つものであるが、福井地裁判決は、科学裁判に相応しい人格権を根底に据えた判決であると評価される。

          ●九州電力が人格権を最大限尊重する組織なのかどうか評価すべき

          以上より、今回の審査では、「科学」の観点から、事業者(九州電力)が、人格権(人の生命を守ること)が、何よりも優先されるとの立場を鮮明にし、かつ組織文化として確立しているかどうかということがまず第一に検証されねばならない。しかし、この審査はなされてはいない。

          では、人格権を尊重する組織文化が根付いているかどうかどう判断するのか?人権の尊重、職場内民主主義の徹底、労働組合結成の自由、賃金差別がないこと、労働時間・被曝労働での法令順守、住民、国民への姿勢(生命・健康にかかわる安全情報の徹底した公開と対話する覚悟、主権者の信頼を確保するため不明な点、今後の課題を正直にすべてオープンにする姿勢)、次世代への使命(負の遺産を残さない)、などの観点から評価すべきである。

          2.その他人為事象に対する設計方針 航空機落下について

          ●少なくとも米軍機の飛行を日本政府がコントロールできない以上、オスプレイを含む米軍機の原子炉建屋への直接落下のケースを設計上考慮すべきである。

          原子炉建屋への航空機の直接落下のケースを確率が低いという理由で無視している。可能性がゼロでない以上、設計上考慮すべきである。
          一方、機体の安全性で懸念されている米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイの全国での飛行が政府によって容認されている。開発段階の1991年〜2000年で4回の墜落事故を起こし30人が死亡、実戦配備後の2010年アフガニスタンで墜落し4人が死亡、2012年4月、モロッコで軍事演習中に4人が死傷している。同年6月米フロリダ州で訓練飛行中に5人が負傷している。垂直離着陸モードから固定翼ボードへの転換時の構造的欠陥が指摘されている。
          日米安保条約、日米地位協定により米軍機には航空法など国内法の適用はされず、米軍機は日本側に飛行内容を通告する義務もなく市街地で低空飛行などの訓練を含めて自由に行うことができる。
          安全性が確立されていないオスプレイの配備で、日本政府がコントロールできない米軍機の落下の危険性が一層大きくなった。原発を仮想目標とする訓練の実施もありうる。
          米軍機の飛行を日本政府がコントロールできない以上、オスプレイを含む米軍機の原子炉建屋への直接落下のケースを設計上考慮すべきである。そして、その結果を踏まえ、米軍機の飛行ルートの制限を要請すべきである。

          3.大規模な自然災害又は故意による大型航空機その他テロリズムへの対応について

          ●武力攻撃、テロにより、「発電用原子炉が平和の目的以外に利用されるおそれがある」

          事業者による具体的な検討、対策結果が示されていない。これは重大事故等防止技術的能力基準2.1項が「適切に整備される方針がある」ことで事足れりとしているからであり、当該基準は欠陥基準である。具体的な対策もない故に具体的な審査もなされていない。

          「ひとたび武器を使用した紛争に日本が巻き込まれたら最後、(日本の)原発が武力攻撃をされる可能性を覚悟せざるを得ない。その場合でも、原発を安全に護ることは不可能である」
          「原発に対する武力攻撃には、軍事力などでは護れないこと。したがって、日本の海岸にならんだ原発は、仮想敵(国)が引き金を握った核兵器であること」
           「一たび原発が武力攻撃を受けたら、日本の土地は永久に人が住めない土地になり、再び人が住めるように戻る可能性がない」と指摘されている(たんぽぽ舎メール)。集団的自衛権の解釈改憲容認でその危険性は現実のものとして緊急に検討し必要な対応を実施すべき課題となりつつある。
          原子炉等規制法第43条の3の6(許可の基準)は「発電用原子炉が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと」(同第1項の1)を許可の基準とし、適合していない場合は許可してはならないとしている。
          発電用原子炉が武力攻撃の対象となることは、「平和の目的以外に利用されるおそれ」そのものであり、許可基準の根幹に関わるものである。テロあるいはミサイル攻撃による影響を具体的に解析することを求める。

          4.審査結果について

          ●新規制基準及び審査結果の限界と課題を併記すること

          原子力規制庁は「新規制基準を満たした原発でも事故は起きます。この基準は最低のもので、あとは事業者の責任です。放射能の拡散シュミレーション・モデルにも限界があります。その結果どうするかは自治体と住民、および事業者で判断してください」とし、田中俊一規制委員会委員長も、「現行の規制基準に適合しているかどうかだけで判断しているのであって、絶対安全という意味で安全ということを言われるのでしたら、私どもは否定しています」「(再稼働癌の判断は)事業者と地域住民、政府と言う関係者が決めるもの、私たちは関与しない」としている。
          つまり、今回の審査結果で、当該申請が、原子炉等規制法第43条の3の6第1項第2号(技術的能力に係るものに限る。)、第3号及び第4号に適合しているものと認められる判断されても、1.「最低基準」という「必要条件」を満たしていることに過ぎず、十分条件ではあり得ないこと、2.今回の審査で不足する項目についての施策及び妥当性の判断は、自治体、住民、事業者に委ねている。

          一方、政府は、欧州のようにコアキャッチャー(原子炉圧力容器外に流出した溶融炉心を格納容器内に貯留する設備)や、二重の格納容器などが、審査の要件になっていないなど炉心溶融に備えるより根本的な改善策をもとめず、最低の基準にすぎない新規制基準を根拠もなく「世界一厳しい基準」とし、規制委員会が新規制基準に適合していると判断すれば「安全」だと強弁している。

          福島第一原発3号機ではメルトダウンにより、核燃料のほぼすべてが溶け落ちた可能性が高いとする解析結果を東電が8月6日に発表した。これにより廃炉作業がますます困難視されるとともに、炉心溶融対策強化のため規制基準の見直しが求められる。

          原子力規制委員会設置法第一条(目的)には、「中立公正な立場で独立して職権を行使する」とある。この立場を堅持し、政府の詭弁を許さず国民の誤解を招かないためにも、新規制基準が「世界一厳しい基準」ではなく「最低の基準」に過ぎないこと、規制委員会の「新規制基準に適合」という判断は、「安全」を保障するものではなく、「新規制基準を満たした原発でも事故は起きる」こと、規制委員会が「審査外」として審査していない主要項目(避難計画など)を、この「審査結果」に併記すべきである。

           
          Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 20:42 | - | - | - | - |
          福島・富岡町、楢葉町〜高い空間線量と3年間時間が停止した無人の街に驚く 〜国家は戦争、天災、公害、原発人災で国民、被害者、被災者を切り捨てる
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            24日に八千代の市民団体主催の福島原発事故被災地・現地視察に参加して、日帰りで福島県の富岡町、楢葉町を訪ね、現地の方々にご案内いただきました。
            福島を訪ねるのはちょうど3年ぶりです。

            東電福島第一原発の事故後、20膳内が警戒区域、20膳外が緊急時避難準備区域に指定された福島県内の12市町村では、多くの住民が市町村外に避難しました。震災前はあわせて約21万人が居住し、約8千の企業・個人事業者が存在し約6万人が働いていましたが、把握されただけでも8万人以上が避難したと言われます。
            2011年12月17日の「収束宣言」以後2つの区域は、帰還困難区域(12年3月から5年以上戻れない地域、50mSv/年超)、居住制限区域(数年での帰還を目指す地域、20超〜50mSv /年)、避難指示解除準備区域(早期帰還を目指す地域、20mSv/年以下)の3区域に再編されました。

            この内、避難指示解除準備区域について、「指示解除」に伴い、被災者に帰還が強要されつつあります。
            ちょうど今朝の「東京新聞」朝刊が、「拒めば自主避難 棄民化の策」「賠償打ち切り 帰還を強要」「原発事故の避難区域解除で被災者に生活苦」「年金生活の高齢者⇒家壊れ畑荒れ除染・医療に不安⇒「戻れないから戻らない」」「仮設延長は自治体次第」「金銭支援惜しむ政府⇒公的保険減免や高速・医療費無料も風前」の見出しで報じています。
            ― 仮設住宅の使用期限は来年3月まで、解除の一年後には月額10万円の精神的障害賠償が打ち切られる、チェルノブイリ原発事故で、旧ソ連は年間積算線量1〜5mSvの区域を「移住権利ゾーン」と設定し、住民が移住を選択した場合、住民が失う家屋などの財産を保証した。日本では、20mSv以下の地域で帰還をを促し、もしも拒否すれば、その後の生活は自己責任とされてしまう・・・。(「東京」5月27日朝刊)

            24日は、参加者が持参した測定器による空間線量は、富岡駅前で0.6μSv/時(行政が設置した表示計は0.363)、福島第二原発を望む小浜地区の地面で8μSv/時、楢葉町の避難指示解除準備区域で高い値は0.8μSv/時でした。
            空間線量値ひとつとってもこれではとても安心して生活できません。

            楢葉町は今週中にも「避難指示」を解除する時期を示す予定ということですが、同町の宝鏡寺の早川篤男住職(いわき市に避難中、74歳、反原発運動歴40年、避難者訴訟原告団長)は、寺を訪れた私たちに、ご自身は「避難指示解除」されれば寺には戻るとしつつ、「楢葉町では大半の人は戻らないだろう、汚染による健康被害や原発事故の危険があり孫たちは安心して暮らせない、若い人は戻らない、地域は消滅してしまう」「原発事故は起こるべくして起こされたもの、事故後の対策も言葉だけのもので、何も変わってはいない」と話されました。

            お寺の本堂で以下の書を目にしましたので紹介させていただきます。

            「鏡に照らして白髪を見る
            宿昔 青雲の志
            蹉跎たり 白髪の年
            誰か知らん明鏡の裏
            形影 自ら相憐れまんとは」

            「日月や四季は次々と交替をくり返す。
            だが、人の送る生涯は
            風に吹かれる地上の塵のようである」

            【参考】たんぽぽ舎メールより
            【TMM:No2179】2014年5月24日(土)


            ◆ 「子どもの鼻血は放射線に由来する」
            「放射線とがん」の第一人者が断言 3万人の患者を診た専門家が一刀両断


            政府と一部メディアが大騒ぎした漫画「美味しんぼ」の鼻血描写に対する大バッシング。政府は「風評被害」と決め付け、鼻血と原発事故の因果関係の否定に躍起だが、好み方に真っ向から反論しているのが国立病院機構北海道がんセンター(札幌市)の西尾正道名誉院長(66)だ。(中略)
            昨年3月に定年退職するまでの40年間、放射線治療医として3万人のがん患者を診た。いわば、放射線とがんの関係を知り尽くした第一人者だ。(中略)「鼻血は花の局所にベラボーに放射性物質が当たったから。放射線に由来する」 (中略)
            指弾されるべきは御用学者
               「そもそもICRPは原子力政策を推進する溜の物語を作成しているNPO団体。ICRPはシーベルト単位の被曝でなければ鼻血は出ないというが、その場合は(急性被曝にみられる)深刻な状況で、鼻血どころではなく、歯茎からも出血し、紫斑も出る」と説明。長崎・広島でみられた外部被曝による急性被曝の重い症状と、いまだに不明な部分が多い低線量被曝症状をごちゃ混ぜに論じる無意味さを強調した。その上で、被曝が及ぼす鼻血の可能性について、「事故で放出されたセシウムが、ちりなどに付着して人体に吸い込まれた際、鼻などの粘膜に付いて局所的に放射線を出すことになる.準内部被曝的な被曝となる」(中略)
            批判されるべきは、漫画の描写ではなく、国や、原発の安全神話を振りまいてきた御用学者たちだろう。「今の日本は法治国家ではない.科学も金儲けになっている」。西尾氏の指摘に国や自治体は真摯に耳を傾けるべきだ。
                                  (5月26日号 日刊ゲンダイより抜粋)

            140525-4放置されたままの住居(富岡町)
            140525-3商店が軒を連ねる通り(富岡町)
            140525-2富岡駅
            140525-1福島第二原発の遠望
            Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 20:13 | - | - | - | - |
            生命と環境を至高の価値と位置付けた「科学裁判」に相応しい福井地裁判決 〜原発再稼働・輸出を至高の価値として詭弁と棄民、言論統制をすすめる安倍首相
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              関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じた福井地裁判決を読んで、同様に「人格権」を争点にした東京都新宿区の国立感染症研究所戸山庁舎(感染研)の実験差し止め訴訟(1989年-2005年)の東京地裁判決(2001年)、同高裁判決(2003年)を思い出しました。病原体を扱う研究施設を発生源とするバイオハザード(生物災害)の未然防止を求めてP2・3施設の実験差し止めを求めた科学裁判でしたが、判決は原告側の全面敗訴でした。

              私も建築技術者として支援活動に加わり、法廷証言、感染研への膨大な情報開示請求(2001年情報公開法施行後)とその分析、準備書面作成などを通じて、感染研の具体的な危険性(法の未整備、耐震基準違反、建築基準法違反、多くの施設トラブルが発生するなどの杜撰な管理の実態、非常時対応の不十分さ)を指摘しました。
              しかし判決は、原告側の指摘と向き合うことなく、「こうした危険性があったとしても感染の具体の危険があるとは言えない」との「屁理屈」で訴えを切り捨てました。

              弁護団長だった島田修一弁護士は、
              「科学裁判でもっとも大事なことは、「異なる主張のうち一方を採用する場合には、明確かつ合理的な根拠が必要」である。安全か否かが激しい対立点となっている場合、「安全」を認定するには安全でないと指摘する者に対し、明確かつ合理的な根拠を示さなければならない。これが提示できなければ安全性は極めて疑わしいこととなる」とし、18年に及ぶ裁判の成果として、「この国における生物災害の恐怖と現実的可能性を警告し、生命と環境という至高の価値を守り抜く人権闘争であった。敗訴はしたが裁判を通じた真実の解明、すなわち感染研には生物災害対策の学問的研究はなく、安全性の科学の思想も持ち合わせておらず、安全対策は極めて不十分であることが明らかとなった。」と評価しました。(「予研=感染研裁判18年の記録」予研=感染研裁判の会、2005年)
              感染研裁判では司法は非科学的な安全判断を下しましたが、今回の福井地裁判決は「生命と環境を至高の価値と位置付ける科学裁判」と評価できるでしょう。

              以下に、生命と環境を至高の価値とする立場から「美味しんぼ」騒動を科学的にとらえた「たんぽぽ舎メール」3つを貼り付けます。福井地裁判決による断罪で「世界で最も厳しい水準の規制基準」がウソであることが世界に発信された安倍首相です。この原発再稼働・輸出を至高の価値として詭弁と棄民、言論統制をすすめ、「ファシストごっご」やTPP・基地問題では「売国ごっこ」、海外漫遊旅行にふけるこの愚かな男を一日も早く首相の座から引きずりおろしたいものです。


              【参考】たんぽぽ舎メールより
              ■【TMM:No2174】2014年5月20日(火)

              鼻血は、ベータ線被曝の結果
              | ベータ線は、鼻腔の粘膜を小範囲で高密度に被曝させ、粘膜が破られて鼻血となる。 広島と長崎の被曝者は鼻血で苦しんだ。
              └──── 槌田敦(元理化学研究所研究員)   

                             
              ○美味しんぼの連載記事「福島の真実」(週刊ビッグコミックスピリッツ誌)が大問題になっている。石原環境大臣が「不快だ」といい、安倍首相が「根拠のない風評」としたことで政治問題となった。政府の介入は、発行元小学館を震えあがらせ、詫び状を書かせた。
              放射能と鼻血の問題は、原爆症に始まる。広島で被曝治療をしてきた肥田医師は、「福島の真実24」で述べていられるが、広島と長崎の被曝者は鼻血で苦しんだ。しかし、占領軍は、その因果関係の発表を許されなかった。そして、この方針を引き継ぐ日米合作の放射線影響研究所も、原爆と鼻血の因果関係をタブー視し、原因不明とする。
              この流れをくんで、放射線防護学の御用学者たちは、1シーベルト以上被曝すると血液中の血小板が減り、鼻血が出やすくなるが、それ以下では鼻血は出ないと主張する。
              福島原発事故で多数の鼻血患者が出たのは事実である。しかし、被曝線量が少ないので、御用学者にはこの事実を説明できない。そこで彼らは自ら説明できないことにいらだって、事実そのものを「科学的にありえない」と否定することになる。

              ○事実を説明しなければ科学者として失格である。ところで、これら失格御用学者のいう被曝とは、ガンマ線被曝であって、その範囲ならば彼らの言う通りかも知れない。しかし、矢ケ崎琉球大学名誉教授も「福島の真実24」で述べていられるが、物理学者ならば放射線にベータ線(電子線)があることに注目する。
              セシウム原子などを含む土埃が風で運ばれてこれを吸い込むと、鼻腔に沈着しベータ線を放出する。ベータ線は飛行距離が短く、鼻腔の粘膜を小範囲で高密度に被曝させることになり、粘膜が破られて鼻血となる。
              この症状は、日光による紫外線被曝と似ている。まず、皮膚が日焼け状態となり赤くなり、次にただれる。粘膜ならば破れて鼻血になる。この症状には個人差があり、赤くなっても回復することがある。
              その場合は、耐性ができて次の被曝があっても赤くはならず、黒ずむだけである。その人は幸福であって、その後は鼻血はない。現在の福島県民の多くはこの状態にあると思われる。しかし、この事実にはふたつの重要な問題がある。

              ○ひとつは、この耐性のない子供や福島を訪問する県外の者の危険である。外出するときは、セシウムを含む土埃を吸わないように、四季を問わず花粉マスクが必要である。そして子供のいる家庭の居間、学習室、寝室には、空気清浄器が必須であろう。その費用は東電に請求する。ホテル滞在の場合は空気清浄器の有無を確かめるとよい。
              もうひとつは、鼻にはいったセシウムは肺に流れ込み、血液で全身に配られ、内部被曝の原因となる。福島の人達は、食事だけ被曝管理しても無駄であることを理解する必要がある。これは風評被害ではない。土壌の高汚染地域という事実の問題である。
              最後に、福島と鼻血について、武田中部大学教授のショート論評(5月10日)を全面的に支持する。小学館は美味しんぼ連載最終打ち切りの「福島の真実24」(5月19日発売)で、武田教授に詳細な論評をなぜ求めなかったのか、おおいに疑問である。

              ■【TMM:No2175】2014年5月21日(水)
              ショート論評−「鼻血」問題に見る日本人の魂の喪失
              | 第一に、軽度の被曝によって鼻血がでたのは事実であり小学校でも記録
              | されている
              | 税金で研究している国立環境研究所などはいったい何をしているのか?
              └──── 武田邦彦(中部大学)


              あるマンガに福島の被曝地帯で鼻血が多かったという内容があり、これに対して、こともあろうに大臣が「不快だ」と言い、地元が「差別」と言って、漫画の作者を非難した。まさに現代の社会「悪者が良い人をバッシングする」という典型例である。

              ○ まず第一に、軽度の被曝によって鼻血がでたのは事実であり、小学校でも記録されている。原発事故直後、子供も大人も鼻血で悩まされた。50歳の男性が今まで人生で一度も鼻血を出さなかったのが、大量の鼻血が突然出たのでびっくりした人など、枚挙にいとまがない。
              これは、重度の被曝で骨髄に損傷を受けて出血するのとは原因も現象も違う。それなのに、御用学者は事実を認めずに、インチキを言ってごまかそうとしている(専門家は軽度の被曝の鼻血と、重度の被曝の鼻血の差を知っているのに、知らないような説明をしている)。

              ○ 第二に、漫画に登場した「鼻血がでた」と言っている前町長は、「実際、鼻血が出る人の話を多く聞いている。私自身、毎日鼻血が出て、特に朝がひどい。発言の撤回はありえない」と言っている。またさらに石原伸晃環境相がマンガに不快感を示したことについて「なぜあの大臣が私の体についてうんぬんできるのか」と厳しい。

              ○ それよりも何よりも、福島原発事故が起こり、汚染状態も時々刻々と変化しているはずだし、森林の状態がどうなっているかも気がかりだ。田畑の汚染、セシウムの沈下速度、ストロンチウムの存在、セシウムの再飛散など、私たちが子供や自分自身の健康を守るためにどうしても必要なデータである。
              さらに農作物、加工品、魚貝類、乳製品などの汚染や、海で潮干狩りをしたり、海水浴をしたりする危険性、はるか遠くの海やハワイなどをどのぐらい汚染したか、どれをとっても大切なことだ。
              私は事故直後から、起こってしまったことは仕方がないが、原子力関係者は深く反省して、国民が必要なデータを力を合わせて発表していきたいと呼びかけたが、むしろ今回の鼻血のように、「隠す方向」=「野蛮な社会」へと進んでいる。税金で研究している国立環境研究所などはいったい何をしているのか?

              ○ もし、隠さなければならないほど原発や被曝が怖いなら、原発の再開などありうるはずもない。「風評」の専門家は「風評が起きるのはデータ不足から」と言っているが、風評を作り出しているのは、政府、環境省、自治体、そしてマスコミであり、国民は情報が提供されれば正しく冷静に判断するだろう。
              今回の鼻血の件も「悪人が善人をバッシングする」と言う現代日本の悪弊が表面化した一つの例になった。今、甲状腺がんは100倍とされ、思春期の子供の急性白血病が増加していること、二本松市の死亡者数が20%以上も増大していることなど、日本人として関心を持たざるを得ないことが起こっている。
              私たちは何のために政府を雇い、国立研究機関にお金を出しているのか。データを出す必要がないというなら、なぜないのかについて誠意をもって説明してもらいたい。 (平成26年5月10日)

              ■【TMM:No2176】2014年5月22日(木)
              ┏┓
              ┗■放射線管理区域(4万Bq/平方m)に数百万人が、普通に暮らす−
              | という違法状態を直視すべき
              | 「美味しんぼ」へのバッシング
              | 科学的とは、全ゆる可能性を検証する態度
              └──── 小出裕章(京大原子炉実験所) (上・2回連載)


              編集部(人民新聞編集部)…『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載されている「美味しんぼ」が論争の種になっています。
              小出…つい先日、編集部から問い合わせがあり、私の見解を伝えました。
              猛烈なバッシングを受けているのは、「福島で鼻血が多発している」という井戸川・元双葉町々長の証言を描いた部分です。批判者たちは、「被曝と鼻血に因果関係はなく、極めて非科学的」「風評被害を煽るものだ」と批判しています。
              事故後の福島の被曝線量と鼻血の因果関係は、現段階では立証されていません。 ただし、「立証されていない」ことと「因果関係はない」こととは、イコールではありません。科学とは、丹念に事実を調べ、論理を組み立てていくことです。 従来わからなかったことが、研究の蓄積によってわかるようになることが、科学の本質です。「わからない=ない」という論理自体が、科学的ではないと思います。
              被曝によってどんな症状が出るか?という研究において、最大のデータベースは、ABCC(米軍・原爆傷害調査委員会)による広島・長崎の調査です。しかしこの調査は、1950年に開始されたものです。つまり、原爆投下後5年間のデータは、空白なのです。原爆投下・敗戦という大混乱の中で、どれだけの人が鼻血を出したか?のデータは、記録されていません。
              つまり、被曝と病状の因果関係を立証するための「研究データがない」というのが現状です。症状を訴える人がいるなら、被曝と因果関係がないか調べるという態度こそが大切で、最初から「因果関係がない」と言ってはいけないと思います。
              今の私には、被曝と鼻血との因果関係を立証する力はありません。しかし、被曝によって人体にはあらゆる病状が起こりうると思っていますので、あらゆる可能性を排除しないで、調査するのが、科学的な態度です。

              汚染地域ではあらゆる病状が起こりうる

              編集部…東京を含む関東地域の被曝程度は?
              小出…日本が法治国家だというなら、東京都の一部を含む広大な地域が、放射線管理区域に指定されるべき汚染地である、という現実を直視しないといけません。
              放射性物質を取り扱うことができる場所は、日本の法律によって特定の場所に限定されています。それが放射線管理区域です。一般の人が立ち入ってはいけない場所であり、私だってここに入れば、水を飲んでも食事をしてもダメです。管理区域から外に出る時には、汚染検査をしなければならないのですが、その基準値が4万Bq/平方mです。私の体のどこかに4万Bq/平方mを超える部分があれば、除染しないかぎり外へは出られないのです。
              管理区域から4万Bq/平方m以上の汚染物=実験着などを持ち出すことも、禁止されています。人間の住むところに4万Bq/平方m以上の汚染物があってはならないというのが、日本の法律です。私はこれを守り、汚染物を外に出さないように細心の注意を払ってきたつもりです。
              ところが、原発事故で4万Bq/平方mを超える汚染が、広大な地域に広がってしまいました。東京の一部も6万Bq/平方mを超えています。
              地図上の4の地域は、60万Bq/平方mを超えている地域です。強制避難区域に指定され、10万人以上の人々が故郷を奪われました。濃いグレー3の地区は、10万Bq/平方m以上、次に濃いグレー2は、6〜10万Bq/平方mの地域です。最も薄いグレー1は、3〜6万Bq/平方mで、この地図は、政府発表のセシウムによる大地の線量図です。
              私のような人間しか入っていけない上に水すら飲んではいけない場所に、一般の数百万人が普通に生活をしている、という異常な状態であることを、はっきり認識してほしいと思います。このことが被曝の議論から抜け落ちていることが、まず不思議です。
              緊急時だからということで、なし崩しに放置されていますが、現在の日本は、違法状態が続いていることを、まず確認すべきだと思います。
              健康被害については、そういう汚染地の中ですから、さまざまな病状が出ると思います。どんな症状が出るかといえば、疫学調査もデータも不足しているので言い辛いのですが、必ず出るとされているのが、ガンと白血病です。どんな低線量被曝でもガンと白血病は発病する、というのが現在の科学の到達点です。
              ただし、ガンと白血病は、被曝をしなくても発症する病気なので、その因果関係を立証するのは、たいへん困難です。そのためには、綿密な疫学調査計画を立てて調査し続けることが必要です。ところがこの国の政府は、被害を隠そうとしていますから、綿密な疫学調査は行われないのではないかと危惧しています。

              「避難指示解除」は到底許されない

              編集部…避難指示区域の解除と帰還方針について。
              小出放射線管理区域の中でも作業者が容易に触れることができる表面は、40万Bq/平方mを超えてはいけない、と定められています。つまり、放射線管理区域の中でも、40万Bq/平方mを超える物体があってはならないのです。
              ですから、60万Bq/平方mを超える地域というのは、私にとって想像もできない場所です。さすがにこの地域は帰還困難地域ですが、そのすぐ外側の59万Bq/平方mの汚染地域住民には、帰還しなさいと言っているのです。住民には、赤ちゃんも子どもも含まれてしまいます。
              そもそも放射線管理区域(4万Bq/平方m)は、18才未満の者が立ち入ってはいけない地域なのです。こんな場所に子どもを含めて帰すなどということは、到底ありえない施策です。
              表面汚染=60万Bq/平方mの基準は、年間被曝量に換算すると、概ね20ミリSv/年となります。これは、放射線業務従事者という特殊な仕事をする人だけに許した基準です。それを一般の人、赤ん坊や子どもにも許すという政策なのです。
              民主党政権時代に、「20ミリSv/年までは我慢させる」という方針が打ち出された際、内閣府参与だった小佐古敏荘さんが、涙の辞任会見をしました。彼は私の論争相手で、あちこちで「被曝なんて怖くない」と言い歩いていた人です。
              その小佐古さんが「自分の孫をそんな目にあわせるのは絶対いやです」と泣きながら訴えるくらいの被曝量なのです。放射能を取り扱う人間にとっても高い基準だし、子どもには決して許してはいけない基準です。そんなところに子どもたちを帰すなど、到底あり得ない政策です。
              原発に反対する人たちの中にも、「美味しんぼ」での鼻血の記載を非難する人たちがいますが、些末なことに目を奪われず、現在進行している犯罪行為そのものに向き合ってほしいと願います。〔(下)に続く〕
              (5月15日人民新聞通巻1515号より。)


               
              Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 21:44 | - | - | - | - |
              武器商人・原発商人の掌の上で、安倍一派が進めるクーデター〜ウソの上塗り、棄民政策と言論封殺
              0
                「たんぽぽ通信」が16日のメールで、2012年3月の第180回国会で、自民党の3人の国会議員、が出血(鼻血)などの内科的症状が多くみられることから放射能被曝との関係を危惧する質問をしたことを報じています。「鼻血問題」はチェルノブイリのみならず、当初から公に指摘されていたことです。

                「愚かな坊ちゃん」の言論封殺宣言

                ところが、なぜか「美味しんぼ」の連載が中止になったとのこと。
                安倍首相は17日、福島県立医大を視察した後、「美味しんぼ」騒動について、「放射性物質に起因する直接的な健康被害の例は確認されていないということだ」「根拠のない風評には国として全力を挙げて対応する必要がある。払拭するためには正確な情報をわかりやすく提供する。今までの伝え方で良かったのか全省的に検討する」と述べたそうです。(「東京」朝刊5月18日)

                これでは「愚かな坊ちゃん総理」による言論封殺宣言そのものです。
                振り返れば、これもIOC総会で、全世界に自らが発信してしまった大嘘=「状況はアンダーコントロールだ」をとりつくろうためのウソの上塗り発言にほかなりません。

                福島 子どもの甲状腺がん50人に増加

                ちょうど今朝の朝刊に、県が事故発生当時18歳以下の約37万人を対象に実施した甲状腺検査で、対象者の約8割の結果がまとまり、甲状腺がんの確定者が50人(今年2月公表時より17人増)、疑いが39人であることが報じられています。手術で「良性」と判明した一人を加えた90人の内、34人は2011年3月11日から4か月間の外部被ばく線量が推計でき、最大で2瀬掘璽戰襯醗幣2.5瀬掘璽戰襯般にで、21日が1瀬掘璽戰襯般にでした。(「東京」朝刊5月18日)
                国立がん研究センターによれば、十代の甲状腺がんは百万人に1〜9人程度とされてきました。これではとうてい「放射性物質に起因する直接的な健康被害の例は確認されていない」とは断言できません。

                第三者委員会が関与する常設の健康支援センターを国の責任で設置すべき

                ウソの上塗りと「言論封殺」で「健康被害をないことにする」のではなく、「原発ゼロ社会への道〜市民がつくる脱原子力政策大綱」(原子力市民委員会)に提言されている通り、「健康被害の未然防止の為の医療保健支援、子どもの定期的な保養や移動教室の制度を整備・拡充する。各種健康調査および検診のデータ等を一元的に管理するために、常設の健康支援センターを国の責任で設置する。このセンターの運営にあたっては、専門家に加えて多様な市民(原発事故影響地域の住民を含む)の参画を前提とした第三者委員会を設け、科学的かつ倫理的な検討のもとに推進する」(同6頁)ことにつきます。

                安倍政権=違憲違法政権打倒を!〜憲法に基づく「抵抗権」の行使を

                今回の震災、原発事故とその対応で、政府は被災者住民の健康、生活救済を最優先に取り組まず、原発利益共同体の利益、財政負担の軽減を最優先することが明らかになりました。
                安倍首相を先頭に放射能汚染区域への帰還を推進する姿勢は、まさに「棄民」そのものです。こうした「棄民」をすすめる政府だからこそ自らの権力を維持するためにメディア(読売、産経グループ、NHKら)と一体となって「愛国心」を口実に国家権力への盲従と強要して言論封殺に走るしかないのでしょう。

                これに対してどうするか?!
                憲法前文、11条、12条、99条から、国家権力の違憲違法な行使に対して国民が合法的な救済手段を尽くしても権力の不法がやまないときは、国民が実力をもって抵抗し、憲法あるいは人権を守ることができる権利として、「抵抗権」があると解釈できます。
                この抵抗権を行使して安倍違憲違法政権を打倒しましょう。
                以下に憲法前文1段を示します。

                憲法前文1段
                「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
                そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その権利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」

                【参考】第180回国会で3人の自民党議員が明らかにした「鼻血」症状
                〜たんぽぽ舎5月16日メール【TMM:No2171】から


                マンガ「美味しんぼ」の「鼻血問題」について
                │ 自民党国会議員の発言:3人の紹介
                └────(渡辺秀之 たんぽぽ舎ボランティア)


                マンガ「美味しんぼ」の「鼻血問題」。3人の自民党議員が国会で発言した
                「鼻血」に関する記録を紹介します。

                [1]第180回国会 予算委員会 第8号:H24年3月14日(水)
                自民党:熊谷大議員の細野豪志国務大臣への質問:

                大きな不安はないというふうにおっしゃっていますが、ほかの県南の地区も、
                これ、保健便り、ちょっと持ってきました。ある小学校の、(宮城)県南の小
                学校の保健便りです。
                四月から七月二十二日現在の保健室利用状況では、内科的症状で延べ人数
                四百六十九名。内科的症状では、頭痛、腹痛、鼻出血、これ鼻血ですね、順
                に多くということ、これ結果で出ているんですね。これ、県南でもやっぱり
                こういう症状が出ると心配になるんですよ。それにどういうふうに、本当に
                不安はないと言えますか。

                [2]第180回国会 文教科学委員会 第3号:H24年3月22日(木)
                自民党:熊谷大議員の平野博文文部科学大臣への質問:

                そういった状況で、官房長官は、人体に影響がないということを繰り返し発
                表をしておりました。
                この前、予算委員会でも紹介させていただきました保健便り、ある県南の、
                宮城県の南部の学校、小学校が出した保健便りの一節ですね。(中略)
                四月から七月二十日現在の保健室利用状況では、内科的症状で延べ人数
                四百六十九名が利用しました。内科的症状では、頭痛、腹痛、鼻出血の順に
                多く、鼻出血というのはこれ鼻血のことですね、外科症状では擦り傷、打撲、
                虫刺されが順に多かったということで書いてありますが、平野大臣、この
                事実もう一度、どのようにお考えになりますでしょうか。

                [3]第180回国会 憲法審査会 第4号:H24年4月25日(水)
                自民党:山谷えり子議員の発言

                井戸川町長が雑誌のインタビューでこんなことを言っていらっしゃいます。
                (中略)それから、国、東電は、止める、冷やす、閉じ込めると言い張って絶
                対に安全だと言ってきた結果がこれで、我々は住むところも追われてしまっ
                た。放射能のために学校も病院も職場も全て奪われて崩壊しているのです。
                私は脱毛していますし、毎日鼻血が出ています。この前、東京のある病院に
                被曝しているので血液検査をしてもらえますかとお願いしたら、いや、調べ
                られないと断られましたよ。我々は被曝までさせられているが、その対策も
                ないし、明確な検査もないという。本当に重い発言だと思います。

                [4]第180回国会 東日本大震災復興特別委員会 第8号:H24年6月14日(木)
                東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を
                守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案
                の草案の審議
                自民党:森まさこ議員の発言

                先ほど言ったように、様々な声がありまして、これから子どもが結婚適齢期
                になったときに、二十代、三十代のときに、もし病気になったらどうするん
                ですかというような心配する親御さんの声があります。これに関しては、今
                までのこの国会での政府答弁ですと、残念ながら、大臣は東京電力に裁判し
                てくださいということでした。それですと、被害者の方が、子どもたちの方
                が、この病気は原発事故によるものなんですよということを立証しなければ
                いけない。これはほとんど無理でございます。そういったことがないように、
                この法律で守っていくものというふうに私は理解しています。

                例えば、具体的にこんな心配の声をお寄せいただいています。子どもが鼻血
                を出した、これは被ばくによる影響じゃないかと心配なんだけれども、それ
                を診察してもらった、検査してもらった、そのお金はどうなるんですかとい
                うことです。

                -----これらの議事録はインターネットで検索できます。
                「国会会議録検索システム」→(選択閲覧)「参議院」→「180回」を
                選んで、各委員会の名称をクリックしてください。-----
                Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 22:56 | - | - | - | - |
                漫画「美味しんぼ」騒動〜「原発再稼働・輸出」の障害となる事実をすべて隠ぺいしたい原発利益共同体の狼狽と臆病者たち(=事実を受け止める勇気のないヘタレ達)
                0
                  市民社会フォーラム主催の昨年8月の吉井英勝氏の講演『福島原発事故の検証と教訓から〜再生可能エネルギー普及と地域再生へ〜』をU-TUBEを視ながら、昨日は改めてさまざまなことを考えさせられました。

                  吉井氏は、規制委員会などの専門家たちは「原発利益共同体」が経営している「家畜小屋」に住んでいる「原発豚」に過ぎない、「再稼働・輸出」「我が国の安全保障」の根拠となっている原子力基本法、原子力規制委員会設置法をつくらせた原発利益共同体そのもの、その根底にある日米安保条約(日米軍事経済同盟)を直視しなければならないと指摘します。

                  ●原発再稼働・輸出推進のために被曝情報を隠ぺいし、村民の被曝に加担した政府・福島県

                  3.11の東電福島第一原発事故後、約2か月たってようやく全村的な避難が始まった福島県飯館村、この避難の遅れつまり村民の被曝に加担したのが政府・行政の遅れた避難判断(韓国フェリー事故で乗組員が再三「船室に留まるように」と放送して、乗客の脱出の機会を奪ったことと同じ)、被曝隠し、そして県放射線健康リスクアドバイザーの大学教授らです。アドバイザーらは2011年3月末から村内で「心配することはない」と触れ回りました。ところがその裏付けとなる一番重要な初期被曝の全容は不明でした。

                  住民の行動記録と汚染地図を組み合わせた事故後4か月間の外部被ばく線量(村民の平均値)の推計は福島県(国測定の線量データ利用)が3.6ミリシーベルト、2011年3月28日の段階で村に入っていた京大原子炉実験助教・今中哲二氏らの調査チーム(米核安全保障局情報、採取した土壌サンプルデータ利用)が7ミリシーベルトでした。県発表値と2倍の違いがあります。
                  今中氏は「県の調査はかねて不透明さが指摘されてきた。使っているデータも私たちと県では違う。行政から独立した立場の専門家として推計を出したことに私たちの調査の意義がある」と強調します。村民(酪農家)の一人は県の調査に応じない理由を「行政側は自らの責任回避のために事故の影響を小さくみせたがる。県に行動記録を提供しても、まともに計算するとは思えない。原発の危険性を冷静にみつめてきた今中先生の方が信用できる。深刻な数値が出たとしても、事実としてそれを受け止めるしかない」と語ります。
                  (「東京」朝刊2014年5月12日)

                  ●「風評被害」の一言で臭いものに蓋をしようとする反省無き福島県知事

                  政府、福島県は村民の信頼を失っています。ところで今、漫画「美味しんぼ」の鼻血、疲労感の描写が「問題」視されています。元二葉町長や取材協力の医師らの発言は「問題」視されるようなものではありません。逆に、住民の生命の安全・健康を将来にわたり最優先すべき佐藤雄平福島県知事が、「風評被害を助長するような印象で極めて残念」「安心で安全だという正確な情報を流すと同時に、われわれもトップセールスに歩くことが大事」とし、臭いものに蓋をする姿勢が露骨です。

                  有効な「風評被害」対策とは、まず情報を隠ぺいせず都合の悪い情報も含めてすべてオープンにすることにつきます。佐藤知事がやるべきことは、「原発豚」として原発再稼働・輸出にまい進する原子力利益共同体の片棒をかつぐのではなく、前掲した情報隠ぺいと御用学者を通じて根拠のない「安全デマ」を発信した犯罪行為を深く反省し県民に心から謝罪することです。その上で、鼻血、疲労感と被曝の関連をチェルノブイリ事故調査報告なども踏まえて、行政から独立した今中氏らを含めた専門組織で調査すべきでしょう。

                  ちょうど、愛読している「たんぽぽ舎」のメールで漫画「美味しんぼ」騒動に関する話題がありましたので以下に貼り付けます。

                  【参考】たんぽぽ舎【TMM:No2169】2014年5月14日(水)から

                  1.美味しんぼ騒動についてDAYS JAPANから知性的な反論(広瀬隆)

                  2014年5月13日 株式会社デイズジャパン
                  「チェルノブイリ子ども基金」前代表 広河隆一

                  *チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた
                  *2万5564人のアンケート調査で判明


                  『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に掲載中の漫画「美味しんぼ」の「福島の真実」篇に多方面からの抗議が寄せられているという。問題になったのは次の2点である。
                  ・原発を訪れた主人公が鼻血を出すシーン
                  ・そして疲労感を訴えるシーン
                  特に鼻血が「ありえない」 「不安をあおる」といった抗議を受けた。
                  疲労感については、福島原発事故の後に私自身が経験している。2011年3月13日朝から原発周辺での取材を繰り返した後、持っていた測定器が振り切れるという経験をして、その後4月に突然非常な疲労感と下痢が襲ってきた。被曝と疲労感が関係あるのかどうか、あとで数字を見てもらう。
                  鼻血はどうか。私自身は鼻の粘膜の異常を感じることはよくあった。しかしはっきり流れるほどの鼻血は経験していない。
                  私は2012年7月に沖縄県久米島で福島の子どもたちの保養施設「沖縄・球美の里」を設立し、運営している。ここにこれまで訪れた保護者たちから、鼻血の話題はよく聞いた。 福島でも聞いている。だから誰でも知っていることかと思っていた。だがこれほど大騒ぎになって、「ありえない」とか「事実無根」とか聞くと、 そんなに完全に打ち消そうとするということは、どのような意図が働いているせいかと疑ってしまう。これほど大きく問題にすると、かえって「住民の不安をあおる」ことになってしまうではないかと思う。鼻血は出ると訴えている人がいることを認めた上で、それが大きな病気に結びつくのを防ぐためにはどうすればいいのかを話す方が建設的ではないかと思う。
                  私は1986年のチェルノブ イリ原発事故以降、50回を超えて現地での取材と救援活動を続けている。そしてこの3月、映画取材班とともに、チェルノブイリを5年ぶりに取材した。ウクライナの高濃度汚染地域であるナロジチ地区のナロヂチ市中央病院の副院長に、日本では福島原発事故の後、鼻血がでた子どもが増えたという声を聞くが、チェルノブイリで はどうだったのか、と聞いた。すると副院長は「チェルノブイリでも事故の後、鼻血が増えた」と答えた。被曝によって血液系統の病気が増えた。鼻血もそうだが、貧血も増えたということだった。白血病の前段階の症状も増えたという。
                  1990年、IAEAはチェルノブイリの調査団を派遣し、翌年、健康被害の不安を打ち消す報告書を発表している。その報告に疑問を持った私たちは、広河事務所とチェルノブイリ子ども基金(当時は私が代表だった)共同で、現地NGOの協力を得て、1993年8月から1996年4月まで、避難民の追跡調査を行ったのだ。
                  調査項目は数百にのぼり、アンケート形式で本人あるいは家族に書いてもらった。回収できたアンケートは2万5564人分である。チェルノブイリ 避難民のこれほど大掛かりなアンケート調査は、ほかにはないと思われる。私たちにそれができたのは、これが救援目的におこなった調査だからである。人々の健康状況を把握できなければ、どのような救援を行っていいのかわからないからだ。
                  アンケート調査は困難だったが、私たちにはIAEAにはない強みがあった。それはそれまでの救援活動の実績と現地の人々との信頼関係、チェルノブイリ支援の現地NGOとのつながり、である。ほかならぬ被災者に会うことが、私たちの仕事だったということも ある。
                  この報告書は日露版の冊子の形で発行され、この3・11後にその一部を『暴走する原発』(小学館)に収録した。
                  その結果から、鼻血と疲労に関する数字を中心に見ていきたい。ただ人々を襲ったのはもっと多様な症状だったので、それらも記載しておきたい。(中略)

                  ●チェルノブイリ市(原発から約17キロ)の避難民のアンケート回答者2,127人
                  (人々は事故からおよそ8〜9日後に避難した)


                  「事故後1週間に体に感じた変化」

                  頭痛がした 1,372人 64.5%           吐き気を覚えた 882人 41.5%
                  のどが痛んだ 904人 42.5%                肌が焼けたように痛んだ 151人 7.1%
                  鼻血が出た 459人 21.6%                  気を失った 207人 9.7%
                  異常な疲労感を覚えた 1,312人 61.7%
                  酔っぱらったような状態になった 470人 22.1%
                  その他 287人 13.4%

                    「現在の健康状態」

                  健康 58人 2.7%                          頭痛 1,587人 74.6%
                  のどが痛む 757人 35.6%              貧血 303人 14.2%
                  めまい 1,068人 50.2%                 鼻血が出る 417人 19.6%
                  疲れやすい 1,593人 74.9%           風邪をひきやすい 1,254人 59.0%
                  手足など骨が痛む 1,361人 64.0%  視覚障害 649人 30.5%
                  甲状腺異常 805人 37.8%              白血病 15人 0.7%
                  腫瘍 80人 3.8%                          生まれつき障害がある 3人 0.1%
                  その他 426人 20.0%
                  (後略)


                  2.井戸川前町長の発言は「風評」の問題ではない
                  | 井戸川前町長の被曝は「風評」ではなく測定上の事実である
                  | 合計すると短期間で数十mSvの被曝に相当する可能性がある
                  └──── 上岡直見(環境経済研究所)


                  漫画「美味しんぼ」の井戸川元町長のコメントに関して、被曝と健康被害を否定する主張がなされている。しかし事故当時の現地の異常な状況を考える必要がある。下図は筆者が作成したものであるが、単に福島県の公開データから双葉町内の空間線量率と累積線量(表示はGy)を示したものである。データの欠落もあるが値は空間線量率のみで、原発に近く粒子状物質の懸濁が多かったはずの現地では呼吸経由の被曝も同程度の寄与の可能性がある。
                  http://homepage3.nifty.com/sustran-japan/datafile/futaba.pdf
                  井戸川前町長は、住民や福祉施設入所者の避難のためにみずから屋外を奔走していたことが文献(『避難弱者』東洋経済新報社)に記録されている。防護服は着ていたようであるがマスクもなく、高線量下では効果は乏しい。漫画については、現在の福島第一原発を短時間見学しただけで、直ちに健康被害が出るとは関連づけられないという評価はあるだろうが、それを逆手に取って井戸川前町長の健康被害まで風評扱いするのは筋違いである。
                  事故直後の空気中の放射性物質濃度(Bq/m3)はもはや測定しようがなく、またGyとSvの換算のところでも不確実性があるが、合計すると短期間で数十mSvの被曝に相当する可能性がある。一般に微粒子は気流に乗って空気と同じ挙動を示すが、原発の至近距離では大きな粒子が飛んで、MPではわからない局所的な高濃度が出現した可能性もある。諸々の不確定要素が大きな方に作用した場合には、一般に言われるICRPの基準を適用するとしても、日常生活とは桁ちがいの被曝であり、健康影響との因果関係が否定できない領域になる。
                  井戸川前町長の被曝は「風評」ではなく測定上の事実である。町長と行動を共にしていた職員や、避難の遅れた住民も、同等の被曝をしていると考えられる。被曝と健康影響が関係ないと主張する者は何を根拠にしているのか。そもそも「風評」の原因を作ったのは誰か。漫画に乗じて井戸川前町長の発言を風評扱いするのは、福島事故をなかったことにするために、議論そのものを無視しようとする悪質な世論操作である。

                   
                  Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 22:25 | - | - | - | - |
                  脱原発に向けてパブリックコメント提出 〜「エネルギー基本計画」の見直しについて
                  0
                     安倍自民党政権は、既得権益を守りたい官僚と電気事業者・産業界の言うがまま、原発再稼働、輸出のゴリ押しにまい進しています。8割以上が原発ゼロを選択した2012年の「国民的議論」を無視し、原発推進派の委員が圧倒的多数を占める審議会を立ち上げました。
                     
                     「エネルギー基本計画」の見直しについて、パブリックコメントが募集(締切1/6)されていますので、以下のコメントを資源エネルギー庁長官官房総合政策課パブリックコメント担当宛に提出しました。
                     
                    【意見】
                    1.原発と基本的人権・安全は両立しない。
                    「安全性を前提」とするなら、原子力の利用そのものは不可能である。
                    福島事故の汚染水問題、最終処分問題、プルトニウムの処理など、最新の「科学技術」をもってしても、安全確保は不可能である。そもそも「科学技術」のレベルは未だその程度のものである。
                    また、被曝に安全量はない。原発稼働は非常時のみならず通常時も常に被曝労働を前提としており、その点で生命の権利を侵害するものである。つまり原発は生命の尊厳とは相いれないものである。
                     
                    2.温暖化問題は、エネルギーを浪費する社会構造の問題である
                    化石燃料や原子力の燃料となるウランは、何億年もの経過の中でつくられた希少な再生不可能な資源である。温暖化問題の本質はエネルギー浪費社会からの脱却である。問題とされる炭酸ガス放出量は電力、民生、交通、工業などが占めているが、高速道路、空港建設やリニアモーターカー、五輪などの大規模プロジェクトなど交通、工業により吐き出される炭酸ガス量は発電所から出される量の比ではない。原発そのものがウラン採掘、建設の段階から膨大な化石燃料を浪費する構造の中にあり、発電時に炭酸ガスを放出しないに過ぎない。本気で温暖化問題を考えるのなら、リニアモーターカーや大規模プロジェクト、自動車交通などの抜本的に見直しこそ第一に検討すべきである。
                     
                    3.脱原発と再生可能エネルギーへの転換こそが、経済を活性化する。
                    マクロ経済動学を専門とする小野善康・大阪大教授は、「エネルギー転換の経済効果」(岩波ブックレット、2013年1月)で、脱原発と再生可能エネルギーへの転換こそが長期不況下にある日本全体の雇用拡大をつくり、経済活動を刺激する役割を果たし、電気集約産業から電気節約産業への産業構造の転換を促す。これによる経済全体の負担は生じず、あるのは再分配に伴う利害対立だけ」、と指摘している。つまり、構造転換⇒電気料金の値上げ⇒国際競争力が下がる⇒円安の進行⇒電気節約産業の競争力アップ・電気集約産業の競争力ダウン、となる。これに抗して政治的圧力を利用して既得利権を維持しようとすれば、自らの利益分よりも多くの犠牲を全体に強要することとなる。(前掲書60頁)
                     
                    4.原発は割安ではなく、莫大な金のかかる危険なもの。ツケは結局国民に転嫁されるしかないなら、原発関連の不良債権は税金で処理することとし、脱原発に向け迅速に取り組む
                    福島賠償と除染、廃炉、汚染水対策だけでも、政府は低く見積もっても20兆円かかると試算している。一方、事故が起こった場合の数十兆円レベルのツケは、民間保険の引き受け手がないため、電気料金あるいは税金として最終的に国民に転嫁される。であれば、脱原発で負債を抱え込む故に「命よりカネ」とばかりに脱原発に抵抗している電力会社を既得利権から「解放」し、脱原発に向け迅速に取り組むために、この不良債権分を税金で賄うこととする。
                     
                    5.電気料金が上がっても円相場と比較すれば、国際競争力のダメージは少ない
                    10電力会社の企業向け電力売上高は2006〜2010年度の5年間の平均で約7兆5600億円で、同時期のGDPの493兆円の1.5%に過ぎず、電気料金が1.5倍になった場合、製品価格は平均で0.75%の上昇、2倍の場合は1.5%の上昇であり、1ドル80円の円相場が79円40銭、78円80銭になった程度である。再生可能エネルギーへの転換に必要な費用で企業が負担する分を0.5〜1.5兆円とすれば、企業の負担増は0.3%程度で、80円の円相場が79円80銭になった程度にすぎない。(前掲書20頁)
                     
                    6.エネルギー基本計画は、日本国憲法に基づく、平和主義、基本的人権、地方自治・市民自治、国民主権の観点から検討すべきものだ。情報公開・共有、住民対話、決定への主権者参加(住民投票制度など)がしっかりと位置づけられねばならない。

                     
                    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 18:31 | - | - | - | - |
                    「命よりカネ」のアベコベ政権に原発ノーを! 〜原発の新規制基準案に意見書提出
                    0
                        5月10日締め切りの原発新規制基準案に以下の意見書を提出しました。 

                      機チ竿
                      (意見)規制基準策定は時期尚早である。
                      (理由)
                      1.未だ福島事故の全貌と原因は解明されておらず、廃炉と除染への道筋は不透明で「収束」も見えない状況にある。つまり基準を策定する際の前提条件・判断基準が出そろってはおらず時期尚早である。

                      2.原子力利用の基本を定める原子力基本法が、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全を最優先するという規定になっていない。国の基本法である日本国憲法に合致するよう、まず原子力基本法を抜本的に見直すべきである。

                       原子力基本法第一条(目的)の「原子力利用の推進」という文言が見直されないばかりか、第二条(基本方針)で、原子力利用の基本方針として「我が国の安全保障に資すること」が付け加えられた。
                      最高裁は、原発の安全性の審査について「多方面にわたるきわめて高度な最新の科学的、専門技術的知見にもとづく総合的判断が必要とされる」から「内閣総理大臣の合理的判断にゆだねる」(1992年伊方原発訴訟判決)として、政府・行政官僚に無条件に従ってきたが、安全保障についても「安保条約など高度の政治性を有するものは司法審査権の範囲外にある」(1959年砂川事件最高裁判決)として、日本国憲法の上位にあるものと位置付けてきた。
                       このままでは原子力利用が一層、治外法権化され、司法が日本国憲法の理念を守るための「最後のとりで」としての役割を果たせないことになる。
                       安倍首相はこの大型連休中、トルコ、アラブ首長国連邦で、原発輸出に必要な原子力協定の署名で合意したが、その際、「事故を経験したから安全技術が高まった」などとの詭弁で「命よりカネ」のため原発輸出を進める考えを示した。首相に「合理的判断をゆだねる」のではなく、主権者である国民が判断の主体であるべきだ。
                       まず、原子力基本法から「原子力利用の推進」「我が国の安全保障に資すること」という文言を削除すべきである。

                      3.原子力規制委員会に規制基準を策定する資格はない。
                       原子力規制委員会は原子力規制法第三条の二に基づき設置され、原子力規制委員会設置法の第一条(目的)、第三条(任務)は、原子力基本法第二条(基本方針)と同一である。つまり原子力規制委員会は専門外である「我が国の安全保障に資すること」を判断基準とすることを義務付けられている。これは結局、政府・行政官僚に委ねることに他ならない。
                      原子力規制委員会設置法の抜本的な見直しも必要である。

                      4.原発事故の事業者責任を問い、被害者を救済する環境法令が未整備である。
                       環境基本法では放射性物質の適用除外がようやく改められたが、肝心の大気汚染防止法、土壌汚染対策法、水質汚濁防止法では未だ「放射性物質については適用除外」のままである。事業者は除染も賠償もする義務はなく被害者は泣き寝入りしかない。

                      5.福島事故の全貌と原因の解明もなされず「収束」も見えない状況にあるなかで、公害輸出をしないという立場から原発の海外輸出に歯止めとなる仕組みを策定すべきである。

                      6.日米地位協定により、米軍機には日本の国内法(航空法など)は適用されない。原発を標的にした演習もあり得ない話ではない。日米地位協定の抜本的見直しで「治外法権」状態を正すことが先決である。

                      .発電所の位置、構造及び設備の基準を定める規則
                      1.第4条(別記2)
                       「地震力に十分に耐える」とは「おおむね弾性範囲の設計がなされる」とあるが、コンクリート耐震壁の地震時の変形量は第一折点(弾性範囲限界の変形量)以内に収まるものとし、変形の目安値を0.25×1/1000とすること。
                      以上

                      Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 20:07 | - | - | - | - |
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