市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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議会・議員の思考停止と「会派拘束」
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    昨日21日のNHKニュースで、全国47都道府県議会で、去年1年間に知事が提案した「条例案」2387件の内99.7%にあたる2380件が、「予算案」2133件の内2131件が原案のまま可決され、「決算」も373件すべてが認められていることを報じています。

    ニュースの中で、大森彌東京大学名誉教授は「議会が政策提案をほとんどせず、チェック能力が不足していることを示している。議会と知事側との関係は住民からは見えにくく、議会でオープンに議論することが今後求められている」と指摘しています。

    このことを千葉県に置き換えると、県議会で絶対多数の6割を占める自民党が、森田知事の提案する「条例案」「予算案」のチェックもせず、そもそも議員個々にその能力もなく、住民からは見えない議場の外で有力者が知事側と取引して100%知事提案を丸のみしている、ということです。

    ニュースを見ていて、「税金泥棒」と言われて当然の自民党が支配する千葉の「八百長と学芸会」県議会を変えることが今度の選挙の争点になればと思いました。
    ニュース内容で不満な点は、「地方議会に本来ないハズの与党会派の存在」「議員を思考停止にする会派拘束」を指摘しないことです。

    議会の本来の姿は、
    仝当局(執行機関)と毅然と対峙し、オープンな議場で真剣勝負する、
    (実態:議場の外で、行政官僚と議会多数派の有力議員らが手打ちをして決めている?!)
    県民参加を推進し、県民と一緒に議会で議論する、
    (実態:請願提出者の意見陳述の機会を認めないなど、県民を排除するのが「慣わし」となっている)
    5聴同士が議論する、
    (実態:議案そのものに深い調査研究をしていないので、議論にならない。また、発議案について発議した会派に質疑しても、中央からのトップダウンの発議内容のため、まともに答えられない)
    というものです。

    この障害となっている要因の一つに「会派拘束」(組織として議案の賛否を決めておき、所属議員の投票行動を拘束すること)があります。本来、二元代表制の地方議会に与党野党の区別はないにも関わらず、与党会派=自民党は「会派拘束」で質疑も批判もせず、ただ賛成するだけです。議員活動の責務を最初から放棄しています。

    ●「会派拘束」は議員の権利を侵害するもの

     昨年の12月県議会で、私が所属する4人の会派で、ある議案に対する賛否がわかれました。結成時の「会派確認書」の共通理念として「同志的集団として、原則、会派拘束をしない」ことを確認していますので、本会議の採決時も賛否が会派の中で分かれました。
    もちろん、会派内において徹底した討論と熟議により、一致するよう最大の努力をした上でのことです。

    一方、議会運営委員会の場で、民主党や共産党の委員より、「会派内の不一致はオカシイ」「会派拘束が当然」という意見が出されました。

    会派代表者会議では、「会派内の賛否が分かれたこと」について、議会事務局の報告を踏まえ、少なくとも今年度は「先例もあることや、国会においても、同一会派の議員の賛否が割れる例もあることから現状のとおり、原則として、賛否は、会派内一致とするが、やむを得ない場合は、会派賛否に反する場合も認めることとする」ことが確認されました。

    私は、
    (1)議会事務局の聞取り調査で、6つの近都県の内、4都県(東京・神奈川・栃木・埼玉)で同一会派内で賛否が分かれる事例があり、採決では参加・欠席・退席などまちまちの対応であること。
    (2)地方議会研究会の「議員・職員のための議会運営の実際」によっても、
      ゝ腸颪聾饗Г箸靴撞聴を単位として構成され、会派は議会運営や活動を行うための手段であること。住民は会派を選挙しているのではないこと。
     ◆_馭匹所属議員に対し、質問、質疑、討論、表決等で拘束するかどうかは会派によって異なることとし、
       顱紡崚拮縮世狼聴個人
       髻鵬馭氷澗は会派内の問題であること
      とされていること。
    (3)会派拘束の動向では、
      ゝ脹‘盂媽である国会においても「党議拘束」が緩和される傾向にあること。
     ◆…樟槎閏臉=住民参加が求められる二元代表制の地方自治においては、国会以上に「拘束」の緩和が今後進むことが予想されること。また、会派拘束は議員立法の妨げとなること。
    (4)県議会議会運営委員会で一部委員が求めた「会派拘束」の厳格化は、
         顱紡崚拮縮世狼聴個人、
         髻鵬馭氷澗は会派内の問題、に抵触し、議員の権利を侵害するものに他ならないこと。
    から、少なくとも会派拘束は会派外から強制されるものではなく、会派内においても政策集団として徹底した討論と熟議により一致するよう最大限の努力が行われたうえで不一致であれば、個々の議員の権利が優先されるべきであると考えます。会派拘束の弊害を直視すべきです。

    Posted by : 川本幸立 | 地方自治 | 08:45 | - | - | - | - |
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