市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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わからない予算書〜議員は本当に予算内容を審査してきたのか?!
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     県議会は、12〜14日の予算委員会も終わり、17日は午前10時から8つの常任委員会が一斉に開催された。私が属する県土整備常任委員会の主な議題は、/掲度の予算案、八ツ場ダム計画の工期5年延長案、だった。
    実は、予算書(概要書、予算に関する説明書、議案説明資料)を受け取り驚いた。どこを開いても事業の項目と予算額、前年度との比較がわかる程度のもので、これだけではとても県民から付託された審査などできるシロモノではない。職員からヒアリングしても不十分で、どうも職員は事業毎に詳細に作成した「個票」と呼ばれるものを持っているようだ。
    さっそく議会事務局の調査課を通じて情報提供を求めたが、書類量が膨大などという口実でなかなか出てこない。
    そこで、委員会で私は質疑のはじめに、予算の編成の手法と議員への情報提供について問うた。
    Q.私は12月議会の最終日の討論で、シーリングベースではなく、一つ一つの事業をゼロベースにして予算を組んだらどうか、という提言をした。この予算を見ると7%カットベースのシーリングで、国の補助金、交付金事業にあてはめながらつくられたという印象があるが、そういう組み立て方をしたのか?
    Q.受領した予算書では、各事業の内容を理解したり、最少のコストで最大の効果のある予算が組まれているのかを読み取ることは不可能だ。予算編成の基礎データの提供を強く求める。
    Q.各課が財政課に予算要求する段階から広く県民に公開することを検討すべきだ。
     情報提供と公開については、いずれもそれほど否定的な回答ではなかったが、議会のスタンスとしてきちんと請求してこなかったことこそ問われるべきだ。
    ●「トップは予算責任を明確にし、職員機構を補助補佐機構に純化する」
     2年前の2006年秋に、千葉市の徴税事務の不正を直接請求などで追及した「千葉市・納税者市民の会」の集会で、「市政改革への基本視点と展望」のテーマで講演した千葉大学法経学部の新藤宗幸さんは、予算書、編成のあり方、議会の役割などについて話をされた。その一部を紹介する。
    ・誰でもわかる予算書を 予算書を読める議員はいない
    「予算書のことですが、正直言って予算書を読める議員はいません。今の予算書は地方自治法施行令で様式が決まっています。様式は施行令を改めなければ改めることはできませんが、少なくとも中学生でも読めるもう一つの予算書をつくることはいずれの法律も禁止してはいません。たとえば歳出面においても予算書をながめても計画道路の範囲や構造を読み取ることは不可能です。また学校給食など一食当たりがいくらなのかということなどもわからない、今の予算書を前提に要求しても明らかになりません。」
    「要するに、政府の会計と家庭の家計の違いですが、歳出予算は何かに100万ついていたら100万まで使える権限を与えています。一方、歳入は見込み額です。だから見かけを良くしようと思えば税収を高めに見込んでおいて、年度途中になったら歳入が少ないことを理由に借金することも可能になります。誰でもわかる予算書をつくらせることによって、歳出の権限を与えていいのかどうか、歳入額(見積額)は妥当なのか、その根拠は何のかということを明確にさせる必要があります。」
    ・補助金による霞ヶ関の集権体制と地方分権一括法
    「日本のすべての補助金について霞ヶ関の精巧な集権体制ができあがっています。我々市民のコントロールがまったくきかない政治や行政の意思決定の仕組みを明治近代130年の間につくってきたということです。」
    「2000年4月の地方分権一括法の施行で、各省大臣の千葉市における下級機関という性格を払しょくしました。つまり昭和22年から続いてきた機関委任事務制度がなくなりました。この制度は、個別の仕事毎に法律あるいは政令で知事、市長、村長等を各省大臣の地方機関と位置づけて仕事を行なわせる処理方式のことです。」
    「確かに建前上は千葉市長は政治的代表機関だったが制度上ではそうではなかったということです。私たちが地方自治や自治体の政治を考える時に、きわめて基礎的な話ですが、市長、県知事は何よりも市民の政治的代表機関なんだということ、制度的にもやっとのことで保障されたんだということを大前提にしておくことが必要です。その上で、首長がすべきことは、まさにそのことを前提にして予算責任を発揮することです。」
    ・一般財源化とトップのリーダーシップ
    「職員たちは補助金があるから補助金を使わなければ損だという発想で市長や知事に進言する、議会のほうもなぜ補助金を使わないのかという話になる、最近でいうと学校の耐震工事やアスベスト工事はその典型です。補助金があるから使わなければ損、ないものについては発想が無いということで、これを多くの首長も受けてきて結構承認してしまうのです。そのことが職員の側からみるとそれによって組織が守られているんです。たとえば児童福祉課は、厚労省の補助金を使うことによって児童福祉課はなくならない。すべての国庫補助負担金約22兆円を一般財源化すれば、一番困るのは所管別の課です。」
    「今、補助金を使うにしても全体的な政策の体系をまずリーダーシップを発揮して示して、なぜ使うのかを明らかにしていこうということです。鳥取の片山さんがやりだしたことは各課とのやりとりを全部公開していること、全面的にいつでも見たい人は予算査定のやりとりを見れる、このことで、予算責任を明確にし、職員機構を補助補佐機構に純化することが可能になります。」 
    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:15 | - | - | - | - |
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