市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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暫定税率期限切れ間近 自公提出意見書への21日の質疑
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      ガソリン暫定税率の維持を盛り込んだ政府の租税特別措置法改正案の年度内成立が困難な中、暫定税率が3月末で期限切れとなりガソリン125.1円の値下げの可能性が大きくなった。期限切れとなれば、国・地方あわせて年間2兆6000億円の税収減となり、千葉県の道路整備費は07年度612億円が08年度288億円と324億円の減額が見込まれる。
     21日に可決された県08年度予算の道路関係経費は、
    歳入                                 1258億円
      一般財源:                        167億円、
        特定財源:                        470億円(暫定税率分218億円)、
      国庫補助金:                     111億円
      地方道路整備臨時交付金:     74億円
      地方自立活性化交付金:          2億円
      その他特定財源(負担金等):  90億円
      地方債:                           344億円
    歳出                                 1258億円
       道路新設改良:                  382億円
      直轄負担金:                     173億円
      街路・区画整理:                 174億円
      農道ほか:                          27億円
      公債費:                           501億円
    である。
     歳入の4割約500億円を一般財源と借金で確保し、歳出で同額が過去の道路建設の借金返済に消えている。
    地方自治体の財政難には、「政府は、バブル崩壊後の景気対策のため、地方には国の補助金を受けずに自治体が独自に行う事業を奨励した。事業費の4分の3を借金で賄い、それを返す費用の一部も地方交付税で補う仕組み。手元資金が乏しくても実施できるおいしい話だった。自治体は次々と飛びつき、各地に『ハコ物』が林立することになった。」(毎日新聞3月24日)という国の「オイシイ話」にのった地方の「モラルハザード」がある。
    千葉県も92年から98年にかけて多額の建設地方債を発行し、この時期に1兆円借金を増やした。そのつけとも言える過去の道路建設の借金500億円、国主導の道路建設の負担金(直轄負担金)173億円で歳出の半分を占める。
     今後2020年までの道路予算の見通しはどうか。平成17年度の国土交通白書で示されている試算によれば、公共事業予算が国交省分毎年3%、地方分5%削減されれば、2020年には既存施設の維持更新すら賄えなくなるという。一方、道路をつくればその分維持管理・補修更新費は確実に増加する。
     千葉県における直轄道路事業負担金(平成20年度〜10年間)の見込みは、
            圏央道      770億円
            外環道      490億円
            北千葉道路   80億円
            その他      460億円
             計       1800億円
     で年間180億円である。
     2008年度の歳出予算から公債費を除けば700億円、2020年には予算削減で400億円台を余儀なくされるとすれば、県管理分道路修繕費・安全対策・更新費、直轄負担金すら賄えなくなる可能性が大きい。
     10年先を見通して、暫定税率期限切れのこのタイミングで、圏央道、北千葉道路、外環道路、銚子連絡道路、酒々井ICなど高規格道路建設計画を抜本的に見直せばどうか。
    ● 道路特定財源をめぐる自民・公明会派への質疑
    さて、21日の議会最終日には、自民・公明両会派提出の発議案「地方自治体の安定的財政運営と道路特定財源の確保を求める意見書」の質疑を行ったので以下に掲載する。
    質疑に対するかみ合った答弁はなかったが、公明党議員の答弁要旨については当日傍聴した福谷章子千葉市議のブログに質疑答弁とも要領よくまとめられているのでそちらをご覧いただきたい。
      
    (3月21日 県議会質疑)
    ・質疑1回目
    千葉市緑区選出、市民ネットワークの川本幸立です。
    発議案27号、「地方自治体の安定的財政運営と道路特定財源の確保を求める意見書案」について、質疑を行わせていただきます。
    19日に福田首相は「全額一般財源化も視野にいれて検討していく」と表明しました。
    この点も踏まえて、発議案提出者におかれましては率直な答弁をお願い申し上げます。
    1.まず、17日の千葉日報は、共同通信社による世論調査で、ガソリン1箸△燭衞25円を上乗せしている揮発油税の暫定税率の撤廃賛成が61%、暫定税率継続が29%と報じています。
    また、3日の毎日新聞朝刊が報じた世論調査でも、暫定税率撤廃賛成66%、継続が27%、10年間で59兆円を必要とする「道路整備の中期計画」に「賛成」19%、「反対」75%でした。
     そこで伺います。
     発議案がよって立つ立場は世論調査の結果と相反すると思われますが、この世論調査結果についてどう受け取っておられるのか伺います。
    2.2点目に、中期計画の妥当性について伺います。発議案によれば「今後の具体的な道路整備の姿を示した中期計画において、真に必要な道路の整備・管理に必要な事業量を確保すること」とあります。02年の交通量の推計を基につくられた中期計画については、2030年の交通量について02年推計値より8.7%も減少するとした07年の推計値で見直すべきといわれています。また、交通量の減少により高速道路網187区間の内、68区間で経済効果が整備費用を下回る可能性を指摘する試算もあります。
     そこで、伺います。
     10年間59兆円の中期計画については、少なくとも07年3月の推計値や費用便益分析をめぐる議論を踏まえて、まず中期計画そのものを再評価する必要があると思いますが如何か。
     また真に必要な道路をどのように評価し判断するのかお伺いします。
    3.3点目に、道路特定財源の利用実態とその妥当性について伺います。
    発議案によれば
    道路特定財源の利用実態を是とした上で、暫定税率の延長を求めているように読み取れます。
    しかし、特定財源の支出実態について、数千億円単位の河川整備や地下鉄建設への転用、公務員宿舎の建設、レクレーション費用など国土交通省の裁量による流用が目立ち、国交省の都合のよい「財布」になっている実態が明らかになっています。
    また、発議案にある「地方道路整備臨時交付金制度」は道路整備特別会計からの支出であり、この道路整備特別会計から国交省は自由に道路以外の公共事業にも支出してきました。そこで伺います。
    道路特定財源といいながら国交省の「一般財源」となりさらに天下り先の確保などに使われているという実態をまず正すことを求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
    4.4点目に、道路特定財源の一般財源化について伺います。
     発議案によれば一般財源化は考慮の外にあるようですが、2000年4月に施行した地方分権一括法で、地方自治体は各省大臣の下級機関という性格を払しょくしたはずです。地方分権の時代、当然、財源の使い道は自治体の首長と議会が決めるもので、『特定財源』として国から使い道を指定されないと駄目だというのでは、地方分権に逆行するものです。
    そこで伺います。
    地方分権の観点からも国に対しては道路特定財源の一般財源化をこそ求めるべきと考えますがいかがか。
    5.5点目に先ほどの討論で触れましたが、「県都1時間構想」に基づき、千葉県では高規格道路の建設が行われてきましたが、この構想の妥当性についてどのようにお考えか伺います。
    ・2回目
     ご答弁ありがとうございました。
     2回目の質疑を行います。
    1.世論調査結果についてどう受け取っておられるのか答弁がありませんでしたので、再度お伺いします。
    2.暫定税率撤廃や中期計画反対の世論調査結果から読み取れるのは、払った税金の使途が不透明、不公正であるという不信感を多くの国民が持っていることです。
     福田首相も中期計画について「新需要予測データ等を基礎に計画の期間を含め見直す」意向を示しました。今、県民の中で何が何でも道路をつくれという世論が多数を占めるとは思えません。そこで伺います。
    県議会として政府に求めることは、特定財源の維持や確保ではなく、国民の不信感を払しょくする施策や制度を実現することだと考えますがいかがでしょうか。
    2.「暫定税率を延長すること」を求めておられますが、そもそも暫定税率はオイルショックの74年に2年間の臨時措置として導入されたもので、これを08年度からさらに10年間延長することの妥当性は乏しいものです。必要というのであれば本則の税率に変えなければならないと思います。
    そこでお伺いします。
    暫定税率の延長はいつまでなのでしょうか。
    3.千葉県財政は将来とも厳しい状況にあります。福祉、教育、医療分野も予算が不足しています。平成19年第34回世論調査の「県政への要望」でも1位から5位は災害安全、福祉、医療、教育、であり、県民の県政に対する世論調査をみても、「道路の整備」は15番目です。道路だけを特別扱いする余裕はないと思います。
    そこで伺います。道路も一般財源の中で地域のニーズに応じてまかなえば何の支障もないと思いますが如何か。
    4.道路以外の物に使うと「受益と負担」の原則を崩すという議論があります。
     しかし、クルマ利用に伴うクルマの社会的費用を適切に負担していない。
         ほとんどの国民がクルマに乗り、また乗らなくてもタクシーの利用などで間接的に負担している。
     などを考慮すると、国民全体が負担していると考えられます。
    道路特定財源を一般財源化しても「受益と負担」を崩すものではないと考えるがいかがか。
    5.道路は地域を活性化するというが、地方を疲弊する要因ともなっています。
    道路計画においてきちんと事業評価が必要と考えるがいかがか。
    ・3回目
     19日に福田首相は「全額一般財源化も視野に」「中期計画の見直し」「予算の厳格化、透明化」を表明しました。
     また分権化することと、特定財源を求めることは相反することです。
     こうした点でこのタイミングでこの意見書を県議会として提出することは好ましくないと考えるがいかがか。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:17 | - | - | - | - |
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