市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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残土、産廃問題などをなぜ地元県議が取り上げないのか?!
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      27日午後1番で、同僚の大野博美さん(佐倉市選出)の一般質問が行われた。現地調査、市民との連携、関連文書の検討、担当職員からの何回ものヒアリングを踏まえたもので、おねだり・懇願・リップサービスなど一切ないこれぞ議会質問と言えるものだった。八ツ場ダム、遺伝子組換え作物指針では県は国・政府にひれ伏すだけの存在であること、農業法人かずさ風の丘、金谷の残土(=産廃)問題では法令の不備を口実として県が残土埋め立て推進役であること、茂原市少年えん罪事件では県警と公安委員会の一体性を聴くものに強く印象づけた。
    大野博美さんは1回目の質問を、冤罪で48日間も過酷な取調べを受け、心身ともに深く傷つき自殺未遂を起こした少年(茂原市少年えん罪事件被害者、当時14歳)の母親の次の言葉を紹介して締めくくった。
    「冤罪は裁判で無罪となっても、そこで終わりとはなりません。当事者の苦しみは一生消えることはありません。一度犯人として烙印を押されたら、世間の目は冷たいものです。国家権力の真綿で包まれている警察官は、冤罪がどれほどの悲劇を生むか、人の一生を潰してしまうかを自覚して、善良なる市民を無実の罪に陥れないように、職務に就いてもらいたいと願ってやみません」
     県警も公安委員会も是非この言葉を胸に刻みつけて欲しい。
    ところで、県の答弁には、21世紀に相応しい地方分権改革の視点も地方自治体としての使命も感じられない。地方分権改革とは「単に国と自治体との関係を正すだけでなく、自治体と住民との関係を正常化する改革でもなければならない」し、そのためには「ズレた首長を取り替えやすくするとか、巨額の借金をする際には住民投票によって住民自身がその是非を判断するなど、住民による自治体の「規律づけ」を強化する手立てが必要」である。(片山善博『日本を診るА戞崟こΑ08年7月号)
    今後、この「規律づけ」の手立てをつくりたいと思うし、来春の知事選ではこうした「分権改革」を推進する人の当選を実現したいものだ。
    ● 「政治的支持がない」から地元県議は取りあげない?
     今回の大野博美さんの質疑を聴いていてもう少し質問時間があればと思うのは私一人ではないだろう。一方、考えてみれば残土、産廃問題などの問題が発生している地元県議がこうした問題を取り上げないことのほうが不思議だ。もちろん県議は全県的な視野で取り組むことが使命であるし、残土・産廃問題は全県的な問題でもある。しかし、道路事業などに露骨とも言える執念で地元(部分)益にこだわる自民党会派などがとりあげないのだ。今回の質問で言えば、残土問題では木更津市、富津市、少年冤罪事件では茂原市選出の議員であり、彼らが所属する会派の姿勢が問われる。
     なぜ、取り上げないのかを考えてみるに「利権とシガラミ」しかその理由が思い当たらない。日ごろの情報源を県行政に依存していることや調査分析力、感性など議員としての能力・力量の問題とともに、取り上げても議員や会派に直接の利益がないことや、県行政、警察官僚、業界との日常の「関係」を優先することがその理由だろう。
     ちょうど美浜のTさんから送っていただいた「すばらしきアメリカ帝国」(ノーム・チョムスキー、集英社)を読み終えたところであるが、米国内の国民医療保障の充実を求める圧倒的多数の国民世論に反して共和党、民主党が反対する理由は「政治的に不可能」「国民のほとんどが賛成しているだけで、政治的支持が得られていない」ことだという。「「政治的支持」とは、保険業界、金融業界、HMO(健康維持機構〔会員制の医療団体〕)、製薬産業の後ろ盾を意味」し、国民世論結果も米国内では報道されない構造にある。(同書136頁)  どうやら日本、千葉県もこれと同じ構造にある(後期高齢者医療制度をめぐっても同様)ようだ。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:47 | - | - | - | - |
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