市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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一大事!米国政府の圧力と日本の金融庁による日本の共済制度存亡の危機  韓国からのレポート〜BSE問題でマスコミが火消しキャンペーン
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      日本政府に対する「年次改革要望書」(PDF)が始まった1994年から、米政府は米国の投資家が日本で儲ける環境整備の一つとして公的医療の抑制を求めてきた。一方、日本経団連も03年に発表した「奥田ビジョン」で、2010年までに医療費を5兆円削減(年金は2兆円削減)し、企業の社会保障負担を軽減し(目標は企業負担ゼロ)、削減分を消費税で賄うことを求めてきた。(「新版・医療構造改革と地域医療」日野秀逸著、自治体研究社) 
    「後期高齢者医療制度」の導入と自民党・マスコミなどの消費税アップ大合唱はこの米政府と日本経団連の一致した「要望」(=金儲け)がその源だ。
    30日夜、千葉市内で開かれた「共済の今日と未来を考える千葉懇話会」の集会で、本間照光さん(青山学院大学教授・保険論)の講演「自主共済存続は日本の未来〜“ドアノック”の圧力に対し、協同の力が試されます〜」を聴く。日本の生命保険収入保険料の世界シェアは24.79%(01年)を占める。在日米商工会議所(ACCJ)とその意向を受けた日本の金融庁によって、「無認可保険問題」がすり替えられて共済制度を日本から無くす保険業法の改正が行われてしまった。それにより自主共済は現在存亡の危機にあるが、今後、組合の共済や公益法人の共済が廃止の対象となる。お互いに助け合う共済制度をなくしてお金を保険業界に流し、将来の生活不安を煽って日米の業界の金儲けにすることが狙いだ。共済制度という草の根のセーフティネットがなくなれば日本の格差社会は益々深刻なものになる。一番大事な生命の問題が金儲けの対象となることが問題だ。まだまだこうした驚くべき事実が知らされていない。
    ●韓国からのレポート
     6月10日、ソウルで70万人・韓国全土で100万人の大ローソク集会
     バイオハザード予防市民センターの幹事の岡田卓巳さんは大学教員として韓国に滞在している。BSE問題をめぐる韓国内の様子について6月29日夜メールで報告があったので以下に紹介する。
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    〔岡田卓巳さんからの報告〕
     今、脱稿した原稿です。
     韓国では、大手新聞による、火消し大キャンペーンが展開中です。
     それについては、直接Webページをあたり、お読みください。
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     昨年12月19日投票の大統領選での、ハンナラ党・李明博(イ・ミョンバク)(得票率48.7%)で、2位の盧武鉉政権を引き継ぐ、統合民主党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)(同、26.1%)を引き離し圧勝。さらに、今年4月9日の国会議員選挙(比例区54議席、地方区(一人区)245議席の計299議席)で、与党ハンナラ党の圧勝(112→153議席)、という結果を見て、これで、韓国の政治状況は、日本の小泉流の「構造改革・民営化」路線がしばらく続くだろうと、思っていた。しかし今回、私の予想は完全に覆された。
     李明博大統領は4月18日、韓米協商会議に基づく米国産牛肉の輸入再開を決定した。その直後、MBC・KBSなどのテレビ局は「米国産牛肉は安全か」についての報道特集を放映しした。そして、5月2日から「ロウソク集会」が始まった。これに対して、政府は警官隊を動員して、多数の市民を逮捕・連行した。しかし、この模様もMBC・KBS・OBS京仁TVなどで、警官隊が捕まえた市民を、何回も足で蹴りし続けるシーンなどが、詳しく報道されていた。他方、朝鮮日報・中央日報・東亜日報などの大新聞は、米国産牛肉の安全性についてキャンペーンをくりひろげた。しかし、「ロウソクの灯」は衰えるどころか、1ヶ月以上に渡り、連日さらに大きく燃え広がり続けた。
     これに先だつ、4月23日、李明博大統領は、青瓦台(大統領官邸)に在外公館長を招き、「青瓦台に閉じこもることなく、変化に向けて直接国民との疎通をはかりたい」との所信を述べ、さらに、ロウソク集会が続く5月中旬には、「国民との意思疎通が足りなかった」と「反省」していた。
     6月10日は、87年6月抗争の21周年記念日であり、延世大学学生イ・ハンヨル氏が警察の催涙弾の直撃をうけ、死亡した日でもある。そこで、この日「狂牛病対策国民会議」(約1700の市民団体が加盟)が呼びかけた「100万ロウソクの灯大行進」は、韓国の歴史上最大規模の結集が予想された。ところが、「疎通」を約束していた李明博政府は、6月10日昼頃から、世宗路(セジョンノ:ソウル駅・南大門方面から景福宮の光化門へ通じる大通り)の李舜臣将軍(イ・スンシン:秀吉を打ち破った)の銅像の前に、何台ものコンテナを重ねてバリケードを構築し交通を半ば遮断、集会に集まった市民たちが、景福宮の裏にある青瓦台へ向かえないようにした。これを見たソウルっ子たちは、あきれかえって前で写真をとっていたし、「この壁は市民を遮る壁ではなく、李明博の行き詰まりを示す壁だ」などとインタビューに応える市民の姿がニュースで報道されたりした。
     こうして、この日の夕方のロウソク大行進は、南北に景福宮から市庁前を抜けてソウル駅・南大門までが市民で埋まる大集会となった。
     集会には多様な市民たちが集まった。女子中学生たちは紙コップで作ったチョップル(ロウソクの灯)を市民たちに配り、小さな子供や乳母車を連れた母親たち、僧侶や修道女たちも参加。さらに、軍服姿の若い兵士たち(国防相は軍服での参加自粛声明)も参加。高校生たちは、携帯電話(メール)で仲間を呼び集め、中年の父親も87年6月抗争を思い出し、娘を呼び寄せた。夜勤の女子職員は聞こえてくる市民の声に、いてもたってもいられなくなり、近くの友人を職場に呼び寄せ急遽集会に参加。さらには、チャング(鼓)などで伝統農楽を奏でる団体や、暖かい飲み物や純豆腐(スンドゥブ)を無料で配る団体もあった。
     この模様はオーマイニュースやハンギョレ新聞などのウェブサイトで、ずっと実況中継された。市民たちも、3人くらいのグループ(カメラ・マイク・パソコン)を組み、自ら実況中継。この集会は、市民自らがインターネットで、全世界に向けて現場の状況を直接発信する初めての試みだったのではないか。
     中央の大ステージでは、まず、「牛肉輸入反対、李明博退陣、非正規職員導入撤廃」を叫んで焼身抗議した公共労組のイ・ビョンニル氏への黙祷、そして各界からの演説とともに、軍事独裁政権に反対する集会でよく歌われた名曲「朝露」をヤン・ヒウン氏が市民とともに大合唱、労働歌手のアン・チファン氏は、『遺言』という歌で「私が狂牛病にかかり、病院に行けば、健康保険民営化で治療も受けられず、そのまま死ねば、土地もお金もないので、どうか火葬にして、遺骨を大運河にばらまいでくれ」と歌った。集会司会者が100万人を超えるオンライン(インターネット)参加者に、「青瓦台に抗議の声を届けるため、青瓦台のサイトにアクセスしよう」と呼びかけると、その1分後に、青瓦台のサーバーはダウンした。
     夜10時過ぎ、行進が始まると、市民が持つロウソクの灯りは西方向には西大門を超え独立門まで、東には東大門まで広がり、ソウルの四大門の内側、つまりソウルの中心街はすべてロウソクの灯で埋めつくされた。
     深夜になると、路地ごとには、小さなブースが設けられ、自由に発言し討論も行われた。中でも、「コンテナ」(市民によって「明博山城」と命名)前では、「コンテナの上に登るかどうか」の討論が、明け方まで行われた。結論がつかないまま、未明に発泡スチロール箱を重ねて「階段」を作り、まず学生たちが「登城」。コンテナの上には、市民・労働・学生団体の旗、それに混じって太極旗(国旗)もかざされ、「疎通の政府、これが李明博式の『疎通』なのか!」という、大きな横断幕も広げられた。愛国歌(国歌)も歌われるなど、日本の運動からは想像できない「民族的」場面も見られた。
     集会は、平和的な示威行動を願う人々によって支えられた。鉄パイプで警官隊に立ち向かう集団もいたが、彼らはすぐに、その直前まで警官と一緒にいた者たちであることも、インターネットで証拠写真付きで公開された。
     市庁前広場では、ロウソク集会に抗議する団体(ニューライト全国連合・国民行動本部)の集会が数百名規模で開催、主に年配者がMBCやKBSの報道を批判したり、米国産のソーセージなどを食べて気勢をあげていた。
     一方、ロウソク集会側は、朝鮮日報・中央日報・東亜日報の安全キャンペーンを批判。特に朝鮮日報本社前では「朴正熙・全斗煥軍事政権を作った新聞、金大中・盧武鉉政府を空白の10年と言った新聞、朝鮮日報は廃刊しろ」とのシュプレヒコールがあびせられた。他方、ハンギョレ新聞(87年6月抗争直後、軍事政権下で職場を追われた記者たちが集まって発行)は、ウェブページによると、新規購読申込者が殺到。解雇された放送労働者と市民との協力によって作られたテレビ局、OBC京仁TV(昨年10月末より放送開始)も世論形成の大きな力になった。
     李明博政府は、この事態に、青瓦台の高級官僚を総入れ替え、一部閣僚のすげ替えを予定するなど、トカゲの尻尾切りに終止する中、6月21日、異例の米国との追加交渉で「(米国業者が)月齢30ヶ月以上の牛肉の輸出を自粛、それを政府間で保証」などとする内容で合意。6月26日には政府の「指針」が官報で発表され、輸入再開がなされた。この日の前後には、中央日報・朝鮮日報・東亜日報では、「4月27日に放映されたMBC局の『PD手帳』が、国民を恐慌に陥れた『主犯』」などとし、大キャンペーンを展開。「ダウナー牛(立てなくなった牛)を、BSEと断定して報道」、「ヤコブ病で死んだ米国女性を、解剖結果を待たずにBSEに起因する新ヤコブ病と断定」など、意図的な誤訳が行われたとしている。また朝鮮日報では、「いまだに残る、狂牛病デマ」(上・下:「最初に軍と学校に使われる、というデマ」には笑わされる)との記事や「小学校で、教師が授業中に見せた狂牛病のVTRによって、女子生徒が登校ができなくなり親が抗議」などとする囲み記事を3回にわたって掲載、東亜日報で、「『牛肉』消耗戦に疲弊する『経済』」(26日)とする社説を掲載し、ロウソクの灯の火消しに終止している。
     しかし、運輸労働者は26日当日、輸入禁止以前に輸入され倉庫に保管されていた牛肉の運送を拒否、現在に至っている。
    ※※※(6月29日記)
    東亜日報の昨日の社説、内容はとても信じられないものです!!!!
    「『暴徒と化したデモ隊』にいつまで踏みつけられるのか」(28日社説)
    もし、本当に運動側が行っているのなら、運動の弱い面の証、信じられない!、日本語なので直接見てください。この「デモ隊」の行動は権力によって組織されたとしか考えられない?それとも、日本の左翼運動の敗北から、なにも学んでいない人たち?
    東亜日報は「デモ隊の行動」を「批判」し、狂牛病対策国民会議指導者の逮捕を主張!)
    http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2008061897358
    上は、18日社説(KBS局とMBC局批判は右翼団体と声を合わせすさまじい)
    http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2008061634308
    上は、16日社説
    http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=101447&servcode=100&sectcode=110
    上は中央日報、本日付、要は大手新聞の火消し大キャンペーン
    言論闘争(メディア戦)に打ち勝ち、市民側の「理性」、「非暴力・平和行動と不服従」をどれだけ広げられるかが、今後の韓国政局の鍵となるでしょう。
    もしも、否定的な行動が、左翼運動の弱さから来ているならば、日本の左翼運動の敗北の歴史と、CSのような信頼回復のための模索の運動を伝えることは、韓国民主主義発展のためにも有益でしょう。
    ※※※
     87年6月抗争では、全斗煥の退陣と選挙での盧泰愚大統領の就任をもたらし、04年の盧武鉉弾劾に抗議するロウソク集会では、直後に行われた選挙で、開かれたウリ党の大勝利とハンナラ党の敗北をもたらした。今回はこのような、国民が選挙で直接意思表示する機会はなく、一時、ロウソクの灯は下火に向かうだろう。
    しかし、李明博が大統領選時に公約した、税金の大量投入と自然破壊そして李明博の出身母体である大建設会社だけに大利益をもたらす「韓国縦断大運河」計画に対しては国民の80%が反対し、李明博は事実上断念、医療保険をも含む「行政改革と民営化」に対しても、市民の厳しい批判が続くものと思われる。李明博政府の前途は多難である。
     今回の市民による大示威行動は、決して韓国国民の「熱しやすい性格」などではなく、軍事独裁政権下での民主化運動、そして6月抗争を経て市民自らが「民主主義革命」を成し遂げた運動が、地域に根付きながら継続していることを示している。そこにおける、労働者と市民、そして学生の連帯と信頼関係の運動構造こそ深く分析されなければならない。しかし、韓国社会に深く根付いていない私にとって、まだその分析ができていないことが歯がゆいばかりである。今回の報告も、表面的な事柄に終止していることをお詫びして報告を終える。
    Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 13:48 | - | - | - | - |
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