市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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まち壊しと憲法
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    おゆみ野の低層住宅街に隣接して計画された十数階建ての高層マンション、同じくおゆみ野の近隣商業地域で建設が始まった化学物質分析施設、産廃最終処分場跡地や不法投棄場を施行区域内に含む西八千代北部特定土地区画整理事業、土気東区画整理事業の不調でグランドの3分の一が削られる土気高校などの問題に対し、現在、健康被害や住・教育環境の悪化を懸念する人々が異議申し立てをしている。

    それらの詳細については、今後改めて報告するとして、これらに共通するのは当事者の異議申し立てにも関わらず、問答無用のコミュニティ破壊がまかり通っていることである。ここにも基本的人権を規定した憲法の空洞化が見られる。今後、憲法を「日常的に行使」する立場から、まちづくりの有り方を問うていきたいと思う。

    参考までに以下に、建築ジャーナル05年6月号に寄稿した一文を紹介する。

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    建築ジャーナル05年6月号
    「人権論に基づき建築のあり方を問い直す」
    川本幸立

    私が10年近く原告住民の支援活動をしてきた2つのバイオ施設(危険な病原体や遺伝子組換え微生物を扱う実験研究施設)を巡る訴訟で、今年に入り相次いで最高裁の決定が下った。
    一つは大阪・高槻のJT(日本たばこ)医薬総合研究所の建築確認申請図書(設備関係)の情報公開訴訟であり、500枚以上の設計図書が全面公開となった。もう一つは、東京・新宿の国立感染症研究所の実験差止などを求めた訴訟で、住民側の敗訴が確定した。
    いずれも周辺住民が、都会の住宅密集地に立地する施設からのバイオハザード(生物災害)の発生を危惧し異を唱えたものの建設が強行され、やむにやまれず裁判に訴えたものだった。
    裁判で原告住民は、研究業務による「生命、健康、自由、幸福追求の権利」(人格権)並びに公共の福祉(憲法13条)の侵害を訴え、施設の立地、耐震安全性、設備の信頼性などをめぐり全面的に争い、科学的な安全性を問うた。建築を巡る「人権裁判」であり、「科学裁判」でもあった。
    さて、市民の使用頻度の高い公共施設については、「市民参加」で進める風潮が高まりつつあるように見える。だが、バイオ施設、廃棄物処理施設、地下室マンションなどの安全性や環境影響の点で危惧される施設については、法の未整備状態が放置されたまま、建設が強行されるケースが大半である。「公共性」を独占する「政府・行政」、環境安全を行政に担保し利益確保(事業推進)を最優先に建設を強行する「事業者」という構図が強固に存在している。「市民参加」が行政の許す範囲で都合良く使われているのが現状と言えよう。
    本来、「市民参加」の根拠となる「市民的公共性」は人格権の尊重を前提とする。そうした目で本誌今年4月号の「建築への参加」特集記事を眺めると、人格論を踏まえた「参加論」は見当たらない。「建築の社会化」は、人権論に基づき建築のあり方を問い直すことからはじまる。
    Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 13:32 | - | - | - | - |
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