市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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「千葉県体育・スポーツ振興条例案」に対する質疑を行う
〜議会改革の動きに鈍感な自民会派
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    昨日7日の県議会で一般質問終了後、自民党が12月県議会に提出してきた「千葉県体育・スポーツ振興条例案」に対する質疑を行った。

    質疑のポイントは、
     1961年に制定された「スポーツ振興法」を抜本的に見直し「スポーツ基本法」を制定する動きが本格化している。世界や日本のスポーツ関係法制の動向を踏まえた内容なのか。
    ◆121億円を投入した千葉国体や県スポーツ施策を検証したのか。
     住民参加を基軸とした地方議会改革を推進する立場から、議会組織として県民など当事者からパブリック・コメント手続きを行うべきではないか。
    というものだ。

    提出者の答弁は、
    ・ 国体で盛り上がったこの時期に迅速に策定することに意味がある。
    ・ 自民党会派として「パブリック・コメント」を実施し、関係者からの意見収集を行った。
    というもので、条例案が上記の 銑のどれも満たしていないことが明らかになった。

    鹿児島県では、「スポーツ振興かごしま県民条例」が議員立法で今年6月策定されており、その過程で、パブリック・コメントと団体等との意見交換が実施されている。鹿児島県議会に問い合わせたところ、今回の千葉県議会自民党のように一つの会派が単独で水面下で策定し、議会に突然提出するのではなく、

    ‐鯲祕討鮑鄒するために全ての会派から選出された議員8名で構成される「スポーツ振興条例案作成委員会」を設け、7回開催した。
    ∋堋村やスポーツ関係団体などから骨子案の段階から意見を聴取し、さまざまな意見を反映した。
    8民からパブリック・コメントを約1ヶ月間受け付けた。
    ぁ屮好檗璽朕橋祝 廚鮓直し「スポーツ基本法」を制定する動きについても、国会の議員立法案内容を踏まえた内容となっている。
    というものだ。

    自民党には、地方議会は本来、住民参加を基軸に運営しなければならないという基本原則をまったく理解していない。抜本的な県議会改革が必要。

    ●発議案「千葉県体育・スポーツ振興条例」に対する質疑(12月7日)

    市民ネット・社民・無所属の川本幸立です。
    発議案第2号「千葉県体育・スポーツ振興条例」について提出者(自民・民主・公明)に質疑を行います。

    11月30日の趣旨説明で示された条例制定の目的を私なりに解釈すれば、国民体育大会・全国障害者スポーツ大会が終了した直後のこの時期にこれらを「一過性のイベント開催」におわらせず、千葉県の「人づくり」「地域づくり」につながる継続的な取組としたいことにあるというものでした。
    確かに、121億円を投入したイベントが「一過性」であれば、国体そのものの存在意義が厳しく問われることとなります。

    さて、条例策定にあたり、少なくとも世界や日本のスポーツ関係法制の動向を踏まえる必要があります。

    国際的なスポーツ法の動向はどうか。
    1978年にユネスコ第20回総会で採択された「体育・スポーツ国際憲章」は第2条で「体育・スポーツは教育と文化の不可欠の要素」と規定し「スポーツそれ自体が文化」であること、第1条では「体育・スポーツの実践はすべての人にとって基本的権利である」とし、「スポーツ権は基本権」であると宣言をしています。
    また国際オリンピック委員会の「オリンピック憲章」2007年版の「オリンピズムの根本原則」の第4項では「スポーツを行うことは人権の一つである。各個人はスポーツを行う機会を与えられなければならない」とし、「スポーツ権」の保障を規定しています。

    一方、国内のスポーツ法の動向はどうか。
    発議案の上位法は1964年の東京オリンピック開催を控えて1961年に制定された「スポーツ振興法」ですが、この「スポーツ振興法」にかわる「スポーツ基本法」制定に向けて国会では超党派の国会議員で構成されるスポーツ議員連盟が「基本法案」内容を議論し、2009年、2010年には議員立法として衆議院に提出しました。今年8月には、文部科学省が「スポーツ立国戦略〜スポーツコミュニティ・ニッポン」を発表し、「新たなスポーツ文化の確立」に向けて「スポーツ振興法」に代わる「スポーツ基本法」を視野に入れる方針を明確にしました。

    また、日本スポーツ法学会では先ほど挙げたユネスコや国際オリンピック委員会の憲章を踏まえて、97年に「スポーツ基本法」要綱案を、2007年には「スポーツ基本法PT仮案」を発表しています。
    さらに日本弁護士連合会も今年8月に「スポーツ基本法の立法に向けての意見書」を発表しています。この日弁連の意見書では、「スポーツ権」の明記とともに、不正、暴力、セクハラ、薬物、連帯責任などに対するコンプライアンスの適正さなどスポーツに法支配が主張されています。

    そこで、まず1点目に、
    上位法である「スポーツ振興法」が「スポーツ基本法」へと、法の位置づけを含めて抜本的な見直しの動きがある中で、発議案策定にあたりこうした動向を検討したのか、また、その結果は、発議案にどのように反映されているのか、伺います。

    次に、発議にあたり、上位法の動きのみならず、千葉国体・全国障害者スポーツ大会を含め今までの千葉県のスポーツ施策の評価・検証も行う必要があると考えます。
    県では2007年度〜2011年度の千葉県体育・スポーツ振興計画を策定しています。計画では、「子どもの体育・スポーツと生活習慣」「県民の健康づくりと運動習慣」「スポーツにおける地域づくり」の3つの課題を設定し、それぞれの課題達成をめざす「5つの戦略」により、目的とする成果を獲得する計画としたとあります。

    そこで、質疑の2点目として、
    発議案策定にあたり、千葉国体などの結果および県スポーツ振興計画実施状況を検証したのか。また、その検証結果はどのように反映されているのか?伺います。

    3点目の質疑ですが、発議案は、県民の健康・福祉と密接に結びつく内容です。地方自治体は国政の議院内閣制と異なり、二元代表制を採用し、首長も議会もそれぞれ競って住民の意向を反映することが求められています。地方自治の原則から住民が積極的に参加することが前提であり、住民参加を基軸とした地方議会を構築することが求められています。そこで伺います。

    住民参加を基軸とした地方議会を構築することが求められる中で、県民など当事者からのパブリック・コメント手続きをとるべきと考えるがどうか?

    以上で、1回目の質疑をおわります。

    【2回目の質疑】
    答弁ありがとうございました。
    積極的に基本法の基本理念を取り入れること、そして会派としてではなく議会組織としてパブリック・コメント手続きをとることが重要であることを指摘します。

    先月11月に全国都道府県議会議長会主催の第10回研究交流大会が行われ、私も参加しました。分科会のテーマの一つが「議会と住民参加」でした。
    この大会で配布された事務局作成の「都道府県議会における改革の取組状況」という調査結果によれば、議員・委員会提案条例の作成に関しての住民意見の聴取・意見交換の事例は昨年10月から今年9月までの1年間で、21府県にあること、そしてスポーツ関係では、鹿児島県で、「スポーツ振興かごしま県民条例」が今年6月策定されており、その過程で、パブリック・コメントと団体等との意見交換が実施されたということでした。

    さっそく鹿児島県議会事務局に問い合わせました。
    その結果、
    ‐鯲祕討鮑鄒するために全ての会派から選出された議員8名で構成される「スポーツ振興条例案作成委員会」を設け、7回開催したこと。
    ∋堋村やスポーツ関係団体などから骨子案の段階から意見を聴取し、さまざまな意見を反映したこと。
    8民からパブリック・コメントを約1ヶ月間受け付けたこと。
    ぁ屮好檗璽朕橋祝 廚鮓直し「スポーツ基本法」を制定する動きについても、国会の議員立法案内容を踏まえた内容となっていること。
    というものでした。

    17条で構成される鹿児島県の条例にあって、今回の発議案にないものは、「スポーツは、人類共通の文化の一つである」ではじまる「前文」であり、「スポーツに親しむ機会の確保」などを記した「基本理念」条項です。また、「基本方針の策定にあたっては、スポーツ振興審議会の意見を聴かなければならない」「スポーツ選手の健康の保持、安全の確保及びドーピングの防止」などの規定です。

    これらは上位法の動向の検討、パブリック・コメントや関係者との意見交換、会派の枠組みを超えて議会として取り組むことの成果であると考えます。

    そこで、以下2点伺います。
    ,海Δ靴深児島県議会での取組についてどう考えるか。
    ∈8紊竜聴立法のあり方として、住民参加を基軸とした地方議会の構築が求められる中、
    ・鹿児島県議会で「条例案策定委員会」を設けたように、会派の枠組みを超えて、議会として組織的に取り組むこと、
    ・議会としてパブリック・コメント、関係団体と意見交換するという手続き
    を積極的に取り入れることを考えるべきと思うが提出者のご見解を伺う。

    以上で、今回の質疑をおわります。

    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 15:24 | - | - | - | - |
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