市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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「病院局」(11月08日)
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〜議会改革の動きに鈍感な自民会派 >>
TPPに対する知事、民主党の呆れた姿勢 09年度決算の不認定を主張
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    30日より12月県議会本会議質疑が始まった。菅直人首相が10月1日の所信表明演説で突如取り上げたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)について各会派が取り上げているが、昨日1日は一般質問で民主党のT議員が千葉県の高品質の農産物を森田知事のトップセールスでアジア諸国に輸出して儲けろと主張し、知事と「意気投合」していた。

    この主張は、農業ジャーナリストの大野和興氏が指摘(「週刊金曜日」825号)するように、外国の金持ちに日本のおいしく見栄えの良い農産物を食べてもらい、日本の大衆市場は海外農産物に明け渡し、代わりに自動車を売るという戦略である。日本のブランド農産物を支えているのは多くの場合、中国人研修生という。その収奪の上に成り立つ「ブランド農産物」を“強い農業”と持ち上げ、自由化戦略の核に据える。その見返りは、地域の解体、自然環境の崩壊、食糧危機、膨大な失業者、財政破綻である。

    「千産千消」はどこへいったのか?! 森田知事といい民主党といいこのままでは千葉県を一層疲弊させ、地域を解体させるつもりのようだ。

    農業ジャーナリストの大野氏は前掲書でさらに次のように指摘する。
    TPPに参加する9カ国のうち、日本はシンガポール、ブルネイ、チリ、ベトナム、マレーシアと経済連携協定(EPA)を結んでおり、ペルーとも近く合意の見込みだ。豪州は市場として小さく、豪州が日本に輸出する天然資源はすでに関税ゼロ。日本にとっては畜産、酪農製品、麦、ナタネ(しかも遺伝子組換え)が流入するという意味しかなく、ニュージーランドはその小型版でしかない。となると残りは米国だけとなる。
    日本にとってTPPとは日米自由貿易協定(FTA)の別名に他ならない。
    一方、韓米FTAが締結されたが、韓国国会で批准ができず、すでに3年間塩漬けの状態で、批准がいつになるかメドさえ立っていない。韓国がいまさらTPPに参加することは考えられない。

    民主党やCIAの代理人とも指摘される「朝日新聞」主筆の船橋洋一らが、TPPによる地域の解体、自然環境の崩壊、食糧危機、膨大な失業者の発生などの問題を無視してTPP参加を主張するのは、結局「米政府の利益のため」ということになる。

    ●決算審査特別委員会で09年度決算の不認定を主張(11月30日)

    30日午後、決算審査特別委員会が開かれ、賛成多数で09年度決算が認定された。
    私は、次の8点を挙げて09年度決算の不認定を主張した。

    1.不正経理
    (1)09年度においても、一部不適正な経理処理が行われていた。

    2.公共事業
    (1)北千葉道路の21年度の支出は69億9千万円、いつ開通するかも不明でその効果も定かではない。喫緊の事業ではないにもかかわらず他の事業より優先される根拠はない。

    (2)21年度の直轄事業負担金について、東京外郭環状道路が約33億5千万円、首都圏中央連絡自動車道が56億1千万円などだが、事業実施の根拠となる首都圏中央高速道路などの国土交通省が算定したB/Cは走行時間短縮便益の過大評価などずさん極まりないもので、それを元に工事が進められている。

    (3)成田スカイアクセスについて、わずか、上野〜成田空港間が10分短縮のために千葉県も総額200億円投入した。本来、国が支払うべきもので県が負担する必要はないものだ。

    (4)公共事業の評価
    公共事業を評価する委員会が以下のようにその任務を果たしていない。
    ‖茖横渦鵑痢惺餮吠篏事業評価監視委員会』の審議結果の妥当性に関して、国道409号線、茂原一宮道路残事業、野田市の連続立体交差事業のB/Cについて、その根拠をチェックしていない。走行時間短縮便益の過大評価が疑われ、事業継続の判断そのものに信頼性がない。
    ∪虱娶公共事業評価委員会第28回農林委員会で『根形地区』一般農道整備事業の事後評価が行われ、3Aの評価を受けている。しかし、農道そのものについてその目的に合致した評価が行われていない。

    3.契約
    (1)農水部では契約変更により入札差金は0、あるいは予定金額をオーバーする件数が多い見られた。

    (2)県土整備部では、一般競争入札→指名競争入札→随意契約となるにつれて落札率が高くなっている。一般競争入札の範囲の拡大が求められているにも関わらず、範囲の拡大について厳密な検討が行われてはいない。

    4.教育庁
    (1)世界的に教育支出の少なさと一学級あたりの児童数・生徒数の多さではきわだっている日本において、千葉県の教育支出は少なく、一学級あたりの児童数・生徒数は多い。
    その改善されてはいない。

    (2) 正規雇用教員はH21年5月1日の時点で35548人、非正規教員は3382人で教員の約8.7%が非正規だ。正規職員を確保することを怠ってきた。

    (3)学力テストの評価
    学力テスト結果で示された課題を直視し、対応していない。未だ、秋田の経験や19年度の報告書内容について検討中だという。これでは学力テストを実施する意味はない。やめるべきだ。

    (4)県立学校の老朽化への対する大規模改修、更新が遅れている。本来、県有財産を管理し教育環境を充実することが県の使命であるにも関わらず、それを果たしていない。

    (5)教育委員会会議は17回開かれたということだが、
    21年度における教育庁提案の議案がすべて一切修正されずそのまま採択され、委員が提案した議案はゼロだ。その一方、教育支出、非正規職員、学級崩壊、学力テスト結果について会議で議論がなされていない。
    レイマンコントロールという使命をもった教育委員会会議が実質的に機能しておらず、その使命が果たされていない。

    5.総合企画
    (1)昨年度は中長期的視点に立った県政全般に係る最上位の基本的かつ総合的な計画である千葉県総合計画「輝け!ちば元気プラン」が策定されたが、策定にあたり、不可欠な1950年からの京葉臨海開発、1983年の千葉新産業三角構想に基づく上総・幕張・成田の拠点開発について統計データの分析を踏まえた検証がおこなわれてはいない。
    その結果、1950年からの60年間の中央依存の拠点開発がもたらしたものは、膨大な借金であり、生活基盤整備の遅れ、乱開発と自然破壊であり地域経済の疲弊であることを直視できず、過去の開発構想を無批判に引き継いだ。
     
    (2)知事の政策アドバイザーについて
    知事の政策アドバイザー2名に対して、具体的なテーマで依頼をしているわけではなく、指揮命令系統もはっきりしておらず、実績も定かでない。知事室、東京事務所で処理できる業務内容だ。県民への説明責任が果たされておらず、政策アドバイザーを配置する必要はない。

    6.健康福祉
    (1)がんセンター研究所と衛生研究所合築事業が白紙化したというが、21年度決算では9410万円が支出されている。白紙化により設計費2億円がムダになるにもかかわらず、そのことについての説明責任〜経緯・理由・検証・責任などがまったく果たされていない。

    7.総務
    (1)今年1月の第三セクター(株)かずさアカデミアパークの経営破たん、公社等外郭団体の不正経理への対応をみても、県幹部OBの天下りが1年〜2年の腰掛人事に過ぎず改革の阻害要因になっており、県自ら掲げる公社等の自立経営を目指す「改革」が進んでいない。県OBの公社等の天下り、渡りを廃止すべきだ。

    (2)繰り越し手続き漏れ問題、長期の精神性疾患者(知事部局で1月以上の療養休暇取得者及び休職者)の増加(H12年度38人→H21年度99人)なども、業務量と人員配置の適正さの観点から検証が必要だが、それが行われてはいない。職員が抱える業務量をしっかり把握し、まず人員削減ありきの「行政改革」を根本から見直すべきだ。

    (3)過去3年間における県土整備部の取引上位10社に、21年度県退職者が再就職し、役職についている。天下りポストと公共事業の受発注関係は「県幹部主導の官製談合」の疑念を県民に抱かされるものである。県土整備部のみならず県庁組織全般について、退職者に再就職先を紹介すること自体を見直すべきだ。

    8.三番瀬再生
    (1)ラムサール条約登録について前進がみられなかった。その要因は県のリーダーシップ不足そのものにある。

    以上

    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 15:31 | - | - | - | - |
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