市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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千葉の教育を問う
〜09年度県議会決算審査特別委員会詳細報告
「教育庁」
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    経済協力開発機構(OECD)の09年度データによると、対GDP比の教育支出は、OECD平均4.9%に対して3.3%で28か国中ワースト2位、すべての公的支出に占める教育費の割合はOECD平均13.3%に対し9.5%で27か国中最下位だ。

    小学校の一学級あたりの児童数生徒数は07年で28.2人で23か国中ワースト2位でOECD平均の21.4人を7人近い差がある。中学校は33.2人でOECD平均(23.9人)を10人近く上回った。

    これはこの10年の間に、世界的に質の高い教育への需要が劇的に高まり、日本以外の諸国が「将来に向けて教育への投資」を重視し、教育以外の分野を優先させる政策をとってきた日本が遅れをとっていると指摘されている。

    学力向上だけでなく、いじめや不登校対策など、きめ細かい指導をするためにも少人数学級つまり、教員一人当たりの生徒数を少なくするのは効果があるのは誰しも認めることだ。
     
    世界的に教育支出の少なさと一学級あたりの児童数・生徒数の多さではきわだっている日本において、千葉県の教育支出は少なく、一学級あたりの児童数・生徒数は多い。
    教員一人当たりの生徒数の少なさ(21年5月1日現在)は、小学校18.5人で41位、中学校は15.4人で41位、在学者一人当たりの教育費(20年度会計年度)は、小学校797千円で42位、中学校1031千円で23位である。

    一方、団塊の世代の教員の大量退職などにより、県内の公立学校小・中・高・特別支援学校で非正規雇用(臨時的任用講師、非常勤講師)の教員が急増している。非正規雇用数のH17年度とH21年度の経年変化の学校種別の比較では、小学校は99人増で8%のアップ、中学校が335人増で57%のアップ、高校が92人増で13%アップ、特別支援学校が176人増で97%のアップである。
    正規雇用教員はH21年5月1日の時点で35548人、非正規教員は3382人で教員の約8.7%が非正規だ。

    ●09年度県議会決算審査特別委員会詳細報告「教育庁」(11月08日)

    質疑項目は、
    1.教育支出について
    2.非正規雇用の職員について
    3.全国学力調査結果から明らかになった課題と対策について
    4.県立高校の中途退学者数の経年変化と対策について
    5.施設整備について
    6.セクハラの実態と対策について
    7.教育委員会会議について
    である。

    1、教育支出について

    【川本】
    教員1人あたりの生徒数、少ない方から小学校41位、中学校の41位ということですが、これは基本的に教育支出が少ないということなのか、他に要因があるのか。

    【伊東教育政策課長】
    「県の財政の教育支出決算総額は、別の内閣府の社会生活統計指標によると、2007年度のデータによると、千葉県は31.9%で、多い方から3番目となっています。

    【川本】
    ――意見
    教育支出は(県財政支出に占める教育支出の割合では)全国で3番目(に多い)というが、子ども一人ひとりに対してどうなのかということです。一人当たりの教育支出について、教育支出が少ないということも理由ではないかと指摘をしておきます。

    2、非正規雇用の教員について

    【川本】
    “鸚亀雇用の教員(臨時的任用講師、非常勤講師)が急増しており、教育現場で格差を生むから好ましくないということですが、こういう形で臨時的任用講師などが増加するというのは教育指導上も好ましいと考えておられるのか、どうか。
    同じく、非正規雇用の教員の問題に関して、なかなか数が把握できないということを言われますが、定年退職者数は把握できます。子どもの数は大体わかる。そうであれば必要な教員の数もわかるはずです。最初からこうした事態を容認していたのか。現況の新規正規雇用教員の採用ベースを続けた場合、今後必要な非正規雇用教員の割合、見通しはどうなのか。
    さらに、大量退職の穴をすべて正規採用で埋めると、今後、少子化の中で「教員余り」を招きかねないから、非正規雇用教員で大量退職時代、いわゆる団塊の世代を乗り切ろうという思惑が県教委にはあるという指摘もあるが、事実でしょうか。

    【渡邊教職員課長】
    非正規雇用の現状について、どのように考えているのかというご質問だったと思いますが、もちろん正規雇用で埋めていくことが原則であるということは事実であろうかと思いますが、先ほど来説明させていただいておりますように、退職するとか 定年退職は含めますが、早期退職とか、定期退職の中の再任用が何人いるのか、基本的に希望すれば雇用するこの制度の中で考えると、現実としてあるが、非正規雇用者を活用していかなければならない状況があるのが事実でございます。
    委員ご指摘のように県の大量退職ですが、何年も経ちますと職員の退職者数も少なくなる時期も、これは千葉県の教員の(不明)をみると明らかですが、そうした教員のことを先を考えて、計算してというようなご指摘がありましたが、私どもは現実として、今、いる子どもたちにどう対応するかということで、毎年、毎年、教員採用の枠を確保しているところです。

    【川本】
    非正規雇用について教育指導面で好ましいと考えているかどうか、教育長にお尋ねします。

    【鬼澤教育長】
    「千葉県の教育を支えていく、あるいは、(不明)正規の優秀な教員を確保していくことは、極めて大事なことだと思っています。ただ、様々な雇用があり、その中には臨時的任用講師には、大変優秀な教師もいるので、そういう先生方に頼っていかざるを得ないこともあるとは思っております。また、正規職員をしっかり将来にわたって確保していく事は大事なことであると私自身も認識しております。
                                
    【川本】
    非正規の教員の問題、将来を考えて調整していないということですが、再任用を早めに確認をして、職員はきちんとカバーするという取り組みができるのではないですか。きちんと計画を立てて、正規採用で埋めるということが原則であれば、計画的にやれるはずだと思います。教員採用計画が非常にずさんではないかと思う。それに対して、いや、退職者がそれを上回るものがあったんだということであればきちんと理由を示しながら県民に説明すべきだ。正規職員の新規採用で対応いただきたい。そのことを要望しておきます。

    3.全国学力調査結果から明らかになった課題と対策について

    【川本】
    H22年3月の千葉県学力向上専門委員会による「21年度全国学力・学習状況調査分析結果報告書」によれば、小学校6年国語AB/算数AB、中学校3年国語AB/数学ABとも、ほぼ全国平均だった。全国平均だったら、これでいいというのか、それとも何らかの課題と対策が必要だと認識されたのか。
    21年度全国学力調査結果から明らかになった千葉県教育の課題と対策をどう認識されているのか簡潔にお願いします。

    【吉開指導課長】
    全国学力・学習状況調査の成績結果ですが、ほぼ全国平均です。課題意識としては、本県は「物事を筋道立てて考え、表現すること、動機的思考力」と あるいは、「問題を粘り強く解こうとする意欲」といったところに課題があると分析しています。
    対策としては、まず、教師の指導力向上、授業改善というところです。本年度から「魅力ある授業づくりの達人」という制度も設けていますが、とにかく、様々な研修と授業公開を進めていくと言うのがまず1点。
    それから、中学生を対象とした「ちばのやる気学習ガイド」という学習冊子を作成中でして、そういったものを用いながら、(不明)あるいは、生徒の学力状況を把握することで、学習上のウィークポイントを伸ばしたいと考えます。
    それから、学習意欲を高めるには、読書活動とか、体験的な学習も重要だということで、そういう指導事例の収集・提供、こういうところに力を尽くし、また、家庭での勉強も大事ですから、そういうことから 家庭での望ましい学習習慣を身に付けさせる取り組みをしたいということです。 

    【川本】
    今の答弁を聞くと、学力調査結果は全国平均で、可もなく不可もなくというようだが、私もこの結果を読みまして、目に付いたことが2つあります。1つは、全国に比べて、家庭学習を全くしない割合が高い、もう1つは、全国と比較すると塾に通う児童生徒の割合がたかい。中学生では、学習塾に通っていないというのが、全国平均では36.7%、千葉が31.5%で、大体5ポイントぐらい少ないです。その分、割り引いて考える必要があると思う。というのは、08年度の全国学力テストの、文部科学省から委託され調査した御茶ノ水大学の耳塚さんの研究グループの調査によれば、学力と親の年収は比例傾向があり、小6の全国テストの正答率は年収1200万円台と200万円台では最大23ポイントの差があると。年収による差が明確であるということ。もう1つは、塾や習い事など学校外教育への支出額と学力にも相関があったことが報告されている。千葉県では、学習塾に通う割合が5ポイントぐらい全国と比較すると高い。実態は全国レベルというのは、学校での指導力不足、学力をつけるということの不足分を塾で補って、ようやく平均レベルに達していると捉えるべきだと思うが、どう捉えているのかお尋ねしたい。 

    【吉開指導課長】
    先ほど申し上げましたように、子どもの学力向上の一番のポイントは学校で、実際に指導に携わる教師だと、その指導力向上、これに尽きると思いますので、その対教師に対する研修等のあり方を様々検討しています。それから、各学校においても研修や授業公開を推進する施策を重層的に実施していく考えです。

    【川本】
    私は学力テストは必要ないと思っているが、しかし、やった以上その成果をきちんと分析して、役に立てないと何の意味もないです。きちんと分析をされてきたかということをお尋ねしています。この8月に秋田県庁を視察した折に、教育の取り組み内容について伺いました。10年間ぐらい取り組んでこられたが、その特徴は3つあり、
     峺弔鳳じた指導」=少人数学習(30人程度の少人数学級と20人程度の少人数授業)の推進(H13年度から、10年間の累計で約65億円を費やしている)・きめ細かな支援・補充的・発展的学習、教科指導に卓越した教諭を複数の学校に活用するスーパーティチャー制度
    家庭学習の充実。先ほど千葉県でも生徒・児童で家庭で全く学習していない割合が高い。そこで家庭学習での充実への具体的な手立てとして、放課後学習や自由勉強、授業と放課後・家庭学習のつながりのある学び
    3かれた学校づくり。学校公開するだけでなくて、保護者による学校評価です。
    こういう秋田の取り組みは、単に場当たり的にやっているのではなく、千葉の課題の解決に共通するものと考えるが、どうですか?
    先ほど、教師の研修だと言われましたが、まさに 個と向かい合う教育、家庭学習を促す、それをカバーするための放課後学習、それをきちんとやるという取り組みがしっかり行われている。この取り組みは、千葉県の課題解決につながると思うがどうですか。 

    【吉開指導課長】
    ご指摘のことは、本当に学力向上の推進上、極めて重要な考えであるという認識を持ちます。学力調査の結果の分析ですが、今、詳細な部分は 進めております。結果がでるのは4月末ですが、直後の教育委員会会議で千葉県の調査結果の概要を報告をしてあり、HP上で公表しております。
    今月の、毎年行われる「ちばっ子まなびフェスタ」という行事があるが、その参加者に対して、この全国学力テストの分析結果の詳細を説明しながら、各学校においての指導内容につながるような説明、周知に取り組んでいきたいと思います。また、教育広報誌の中でも広く県民にも知らせていきたいと思います。
    家庭学習の充実については、先ほど、1部お話しをしましたが、学校と家庭が連携して子どもたちの学習習慣をきちんと身に付けさせることが大事ですので、家庭学習の推進に関わるHPの充実を図りたいと考えております。

    【川本】
    学力調査結果を踏まえた分析等はこれからHPに載せて、対策を具体的に掲載するということだが、秋田のいろいろなことをお聞きして思い出したのは、千葉県において、平成19年、「全国学力・学習状況調査」分析報告書、東京大学の刈谷剛彦さんたちによる「千葉県検証改善委員会」の報告書を思い出しました。ここで指摘された内容とまさに共通するものです。
    この東京大学の刈谷剛彦さんはじめ11人で構成する「千葉県検証改善委員会」は、「学校や市町村の置かれている経済的状況と、生徒の学力には明確な関連が見られる」、これは先ほどの御茶ノ水大学の耳塚さんの研究グループの文科省から委託された調査結果と同じですが、と結論付けて、3つのことを言われている。
    1つ目は、社会経済的に恵まれない地域に対して行財政的な支援を行う。
    2つ目は、塾に通わない生徒が多い学校に教員を増員するとともに、経験豊富な教員を厚く配置する。
    3つ目は、各学校で授業研究や放課後の学習サポートを積極的に実施する。
    これを、「学校改善支援プラン」として提案した。
    私はこの21年度の分析結果報告書をみて、千葉県の教育を改善するには、秋田と基本的には同じだが、19年度に出された検証改善委員会の学校改善支援プラン3つを実施することが非常に重要ではないかと思うが、どう認識しているか。

    【吉開指導課長】
    ご指摘のありました、大きく3つの点がありましたが、教員配置の件は横におきまして、経済状況、恵まれない地域への支援ですとか、学習サポートのお話しでしたが、とにかく、本県内の児童生徒、あまねく、全体に対する学習支援ということで「ちばのやる気学習ガイド」、これは中学生対象ですが、その子の学習内容到達に応じた 学習対応冊子、普通教科5教科で作成をし、昨年度末に・・(不明)・・作成完了した。今年度は「ちばのやる気学習ガイド」に基づいた、共通した評価問題を配信しようと10月からすでにそのシステムを稼動しているところで、そういうところを十分各学校、全県各地域で十分活用し、学力向上に努めていきたいという思いがあります。
     
    【渡邊教職員課長】
    教員配置の件ですが、非常勤講師が小学校で287名、中学校が279名、高等学校509名、特別支援学校101名、合計が平成22年度で、1,228名入っているわけです。平成21年度は、1,176名。こうした非常勤講師ですが、定数配当された職員に加えて、学校でのきめ細かな指導の実現や特色ある学校づくりを進めるために配置をしており、教科指導などでより学校の活性化につながるような活躍をしているところです。 

    【委員長】
    19年度の分析報告と秋田県の分析結果の関係性についての答弁は。

    【吉開指導課長】
    19年度の分析結果報告書と秋田県の取り組みの関係性については、深い分析はしておりませんが、それぞれの個別については、19年度の(不明)、秋田県の取り組みについては、現在、参考にしようということで、関係の書籍等求めるなどして、それを精読して参考にしたいと考えております。

    【川本】
    ――意見
    皆さんは、教育に24時間かけられる姿勢をお持ちだと思います。私もこういう報告書を読み、秋田に行って話をしたりして、その結果を伝えています。未だ、秋田の経験や19年度の報告書内容について検討中だとは、なにをやっているんですか。そういうことを踏まえて21年度の千葉県学力向上専門委員会で検討すべきです。学力テスト結果で示された課題を直視し、対応しないと、学力テストを実施する意味はない。やめるべきだ。
    きちんと秋田の経験、19年度の報告書内容を踏まえれば、行財政的支援を改めないとダメですということだ。19年度の報告書に対して、県教委が記者会見で、(新聞に載っていますが)「我々が予想していたものと少し違い、検証委員会の提案は学校現場のみでは対処しきれないことが多かった」と説明している。これは何なのですか。全く、そこで切り捨てているというのが現状です。だからこそ、検討もされていないというのは とんでもない話だと思います。
    そういう意味で、19年度の検証報告書に示された3つの学校改善支援プランの実現、充実させることを求めるということを意見として言わせていただきます。

    .県立高校の中途退学者数の経年変化と対策について

    【川本】
    「貧困でさまざまな保護を受けられない子ほど、高校中退率の高い、いわゆる底辺高に多く存在し、高校が貧困層の再生産の場になっている」ということを埼玉の元教諭が調査報告し、文献が出されている。また、この調査によれば、多くの子が高校中退後、中退したが故に希望する仕事や条件の良い職に就けず、高卒資格の必要性を感じていることも報告されている。もちろん、中退する理由はいろいろあるでしょう。しかし、先のない状態で中退する、そういう子どもたちの中退を防ぐというのは、喫緊の課題だと思います。学校現場だけでは難しいということです。「教育と福祉」が連携した体制を作ることが必要であるということは、一般的に言われていることですが、県立高校の中途退学者数の経年変化と対策について、伺います。 

    【吉開指導課長】
    平成21年度の県立高校の中途退学者の状況は、1,699名で、前年度より443名減少しております。従いまして、平成20年度は、2,142名で、減少しております。中退率は、21年度は1.8%で前年度より、0.5%下がったという状況です。
    対応策は、県立高校の中途退学者を未然に防止するという観点では、現在の中学生が充実した高校生活を送ることは大事ですし、主体的な進路選択を行うための資料提供が大事だということで、中学生の高校の一日体験入学をほとんどの県立高校で実施をしています。保護者の方も多数、体験入学に参加をしているということです。
    入学後については 県立高校の半数を超える67校にスクールカウンセラーを配置して、学校における様々な教育相談体制の充実を図っているところです。

    【川本】
    ――要望
    中途退学者は大分、減少したなという印象を持ちます。ただ、10%以上の中途退学者がいる学校がいくつかある。退学事情は、経済的な理由もあれば、学力面の問題もあると思いますので、それぞれ、1つ1つ確実に対応される体制を取る、小学校教育のところからきちんと見直すという点も長い目で見なければならないものもあるでしょうし、そうした対策をきちんととっていただくことを要望しておきます。

    5.施設整備について

    【川本】
    先ほど、耐震改修の話しが出たが、
     ‖竸眠修は構造的な面で注目されているが、例えば、建物の内装、あるいは、設備の受水層とか、配管などの耐震もある。そういう内装とか、設備関係も合わせて実施しているのかどうなのか。
    ◆仝立学校の老朽化が著しいと先ほども指摘されたが、いただいたデータでは、一定規模の施設が897あるということだが、20年以上経過したものが全体の87%、30年以上が62%、40年以上が24%だ。
    昨年1月に築35年程度経過した県立高校を数校視察しました。それらは校舎が建てられて以降、一度も外壁塗装や屋上防水などの模様替えが行われた形跡もなく、鉄筋の錆が外壁に浮き出て、壁や梁の割れも目に付き、埋立地にある学校では1メートル近く地盤が沈下し杭が露出していました。地震による水平力で、杭が露出していると杭が破壊されて、建物に大被害が出るという危険性がある。これでは施設担当者も「いつ、コンクリート壁の落下などで、自分自身も責任を厳しく問われるだろう」と、おそらく日々暗澹として寝られないのではと思うが、そこで伺います。
    こういった喫緊に改修が必要な施設はどの程度あるのか。またそういうことをきちんと把握されているかどうか、先ほどの話しでは、耐震改修については計画があるが、一方、大規模な改修更新計画を策定する時期だと思うが、そうした予定があるかどうか、お伺いします。

    【石野財務施設課長】
    耐震の関係で、内装と設備等ですが、耐震に合わせてできるところは、やっております。
    大規模改修は、建物・設備・有効活用・長寿命化ということも喫緊の課題ということです。特に千葉県の場合、昭和50年代の人口急増・生徒急増ということで建てられたものが30年経っている。これも計画的に行わなければならないと考えております。考え方は、まず、30年以上経過した建物で これまで、耐震改修とか、大規模改修も何もしていないところをピックアップして、現地に行きどうか、本当にすぐしなければいけないのか、少しは待ってもらえるのか、ということを考えて、外壁、内装、特にトイレ、配管が入っているので、そういうものについて、計画的にやっていこうと内々に考えております。
    数字では、30年以上経過した建物は、2階以上、または200平米以上の建物は554棟、このうち、これまで大規模改修や耐震改修を行っていない建物は306棟ある。すぐにはできないが、耐震改修の目途がたってこれば、それとも補完しながら、工事も一緒にやれるものは合わせてやると、すぐにはできないが、耐震の目途が立ってきたら、次に導入していこうということで、当面の対策として、中・長期的なもので考えているところです。

    【川本】
    ――意見
    耐震改修の方にばかりに目がいっているが、大規模更新の方が相当喫緊の日々の問題だということで、その必要性は高いと思いますので、ぜひ、大規模更新についてもきちんと計画を作って、そして、予算取りをする、そうしたことを含めて迅速な対応を求めたいと思います。

    6.セクハラの実態と対策について

    【川本】
    _甬3年間のわいせつ、セクハラによる懲戒処分件数について。
    浦安私立小学校における、元教諭による知的障がいを持った少女に対する性的虐待事件の浦安事件、この教訓をどうとらえているか。
    市町村教委で セクハラ等の調査実施をしていると思うが、まず、実施しているかどうかということ。県教委としてその調査結果を把握しているかどうか。
    以上、3点をお伺いします。

    【渡邊教職員課長】
    _甬遏3年間のわいせつ・セクハラのよる懲戒処分件数は、平成19年度は7件、平成20年度は5件、平成21年度は9件、本年度は途中ですが、平成22年度は11月5日現在4件です。
    浦安事件の教訓ですが、このような事件がおきたことは、遺憾であると思っております。
    教職員による児童生徒に対するセクハラ行為は、児童生徒の人格を傷つけるものであり、絶対許されないものと認識しております。
    障がいがある児童生徒を含め、生徒がセクハラについての正しい認識を持ち、そして、相談窓口の周知を図れるよう、「なくそう! セクハラ」リーフレットを配布するとともに、「不祥事根絶パンフレット」の改訂版を全職員に配布し、指導しているところです。
    市町村教育委員会でのセクハラの調査実施状況と県教委としての調査結果の把握ですが、平成21年12月18日、各教育事務所管理課長あてに、中学生及び中学校職員を対象とする「セクシャル・ハラスメントに関する実態調査実施要綱」を配布し、市町村教育委員会を通じ、セクハラ調査の実施を指導したところです。
    平成21年度の実施率をみると、小学校では、児童0.3%、職員97.4%、先ほどの中学校では、生徒99.1%、職員98.8%の実施率です。

    【川本】
    市町村教委での調査結果の状況はどうでしたか。

    【渡邊教職員課長】
    市町村教委での調査については、小中学校の服務監督権者である市町村教育委員会が内容については、実態を把握していると考えています。

    【委員長】
    連携については?

    【渡邊教職員課長】
    連携については、この実施率を私どもも把握しているところです。

    【川本】
    実施率を把握していればそれですむ問題ではないと思います。調査を実施してどうだったのか、というところをきちんと把握することが、セクハラのような、例えば教師による犯罪とか、浦安事件のようなことを繰り返さないことです。何故、把握しないのですか。全くわからないですが。理由をもう1度お伺いしたい。

    【渡邊教職員課長】
    (不明)の小中学校においては、服務監督者がいますので、服務監督者の指導の中に、指導範疇に入っていますので、というふうに考えております。
    ただ、セクハラ調査については、私どもが、教育事務所を通して実施をするように指導しているところですので、その指導結果については、把握するように取り組んでいるところです。

    【川本】
    要は、把握するつもりはないと、言うことですね。市町村教委の自主性を尊重することと、調査結果を県教委として把握しないことと、何の関係もないですよ。1番尊重されるべきは、当事者の教師であり、子どもたちです。そのために県教委と市町村教委は互いに尊重しつつ、連携をしなければならない、連携とはそういうことです。そうでないか、お伺いします。

    【渡邊教職員課長】
    私どもはその実態調査を企画し、教育事務所を通して、実施を依頼しているので、その意味でセクハラを含めて不祥事撲滅に関しては、市町村教育委員会と連携をして、その不祥事の根絶について努力して参りたいと考えております。

    【川本】
    全く、答弁になっていないですね。答弁していてそう感じておられると思いますが、浦安事件の教訓について聞いたのは、浦安事件でも加害者である元教員の方が、前任地でも同様の行為を、前任地の父兄の方から、指摘されていた。
    浦安教委に3月末に行き「この浦安事件の責任は誰だ」と聞いた時に、浦安教委の担当者が、「この教諭の人事権は県にあるから、県の責任です。」と言われた。私はこのことを一般質問で取り上げた。それに対して、きちんと受け止めるのであれば、県も情報を共有することが浦安事件の教訓ではないですか。お伺いします。
     
    【渡邊教職員課長】
    ご指摘いただきましたように、こうした不祥事はあってはならないことと認識しておりますので、それについて、市町村教員の服務監督権者である市町村教委と連携しながら不祥事撲滅に努力したいと考えております。

    【委員長】
    今ので いいですか?

    【川本】
    とんでもない

    【委員長】
    今、県の監督責任を踏まえてどうかと質問したんです。

    【渡邊教職員課長】
    委員がおっしゃられるように 任命権はもちろん県にあるので、移動を含めて教職員を把握しているということは(不明)全く市町村教委に任せるというのではなく、私どもも教育事務所を通じて市町村教委と情報交換をしていきながら、不祥事の根絶について努力している状況はあります。

    【委員長】
    今回の件については?

    【渡邊教職員課長】
    今回の件については、委員からご指摘をいただきましたが、前歴等の状況については、私どももそういったことも含めて、伺っているが、そういったことは、私どもの調査の上では、あがってこなかったということもある。こうした浦安の教訓については、こうしたことが起こらないように、指針とか、指導とか、教育事務所を通じて、市町村教委におろしていきたいと、これが浦安で起きたことに関して 2度とおきないように努力をしていきたいと考えております。

    【川本】
    浦安事件の教訓を学ぶのであれば、浦安市教委は「任命権のある県教委がこんな教員を派遣した、任命した県の責任だ」といっている。とんでもない。
    市町村教委でセクハラ調査をしたのであれば、その状況をきちんと、その調査結果を把握すべきではないですか、ということです。していないでしょう。教育事務所を通じて 知っているかのような答弁でごまかそうというようなことを言われたのですが、違う。しっかりと把握をして、市町村教委と県教委が連携するというのは、そうした人達が、こうした性的虐待被害で嫌な思いを二度とされないことを1番に考えるなら、調査結果を把握するのは当たり前ではないか。それをやらなければ、繰り返されますよ。それが浦安事件の教訓の1つではないですか。そうは思いませんか、答弁してください。

    【渡邊教職員課長】
    調査結果を把握していないということはありません。市教委からの不祥事等の連絡はきておりまして、その市町村教委と県教委は連携してそういうことに対応しています。私の答え方が全く把握していないというような印象を与えたとしたら、大変、申し訳なかったと思います。市町村教委からの(不明)を受けて、連携をしていることは事実です。

    【川本】
    実態として個々の市町村教委毎のいろいろな性的被害の問題とか、あるいは嫌な思いをしたとか、それをきちんと各市町村毎に把握した結果を県教委は受け取って、それを見たかということです。

    【委員長】
    このやり取りで大分時間が経ちまして、もう少し的確に、簡潔に ご答弁願いますでしょうか。

    【渡邊教職員課長】
    大変、失礼いたしました。
    実際に起こっている不祥事、それと、セクハラ実態調査であがってきたものについて私の説明が足らなくて誤解をされているようです。実際に起こっている不祥事については、私どもは、(不明)としてきちんと対処しております。セクハラ実態調査については、市町村教委の中で実施をして、その結果について私どもにあげて頂いて、その中の個々の問題について、問題がある場合については(不明)調査を掛けてやっているところです。 

    【川本】
    実態調査に関しては、実施率だけでなく、市町村教委から県教委に調査結果について報告があがっているのか。

    【渡邊教職員課長】
    実施については、実施したか、しないかについては、先ほど答えたとおり、伝えられますが、内容については 課題のあるものについて報告を受けて連携をとるという体制ですので、セクハラ実態調査の中身の1つ1つについては市町村教委に指導をお願いしているところです。

    【川本】
    要は、ほとんどあがっていないということですか。
    教育長に聞きたいのは、1番大事にされるべきは当事者の方々だと思います。そういう方々が性的虐待やセクハラで嫌な思いをされる、それを予防する、起こっていることに迅速に対応するためには、そうした情報をきちんと詳細に至るまで県教委と市町村教委が連携して共有しなければダメだと、いうことだから、少なくとも実態調査については県教委がきちんと詳細を把握するということが、浦安事件の教訓であると思うが、教育長はどう思われるか。

    【鬼澤教育長】

    ご指摘の通り、児童生徒あるいは教職員に対するセクハラ、児童生徒に対する虐待を未然に防ぐ、あるいは、根絶するために様々な実情を把握することは大変大事な事だと思っています。
    市町村との関係については、先ほどご指摘のありましたように、お互いの立場を尊重しながら、連携していくということだが、4万人の教職員一人一人について、セクハラに関することについて個々に調査することはなかなか難しいことなので、まずはこういうセクハラ調査である程度匿名性も尊重しながら調査しているというのが実態です。その中で、課題のあるものについては、最終的には一人一人の教職員を指導する立場、あるいは人事を発動する立場から市町村の報告を踏まえて、詳細に調査して対処していくという事を考えております。
    市町村教委の調査の設定なり、内容については県教委が個々に県教委が立ち入って申し上げることではないが、市町村が自主的にやったという調査を踏まえて、課題などについては、市教委と連携しながら、そういう問題行為、セクハラ行為の根絶のためにお互いに協調していきたい、そういう関係は県教委で努めているところです。 

    【川本】
    ――要望
    市町村教委が勝手にやったのではなくて、12月18日(付け)の県教委の依頼書にもとづいて実施したことですよね。であれば、その実態をきちんと詳細まで県教委として報告を受けて、共有するというのは、当たり前のことだと思う。浦安事件の教訓からも、県教委として、その姿勢、使命を果たすためには、市町村教委の調査結果をしっかり把握することを強く求めたいし、是非、この委員会としても要請していただきたいと思います。

    **昼休憩***

    【川本】
    市町村教委の調査実施の結果の把握状況について、一言だけ確認したいと思います。市町村教委の調査結果の詳細を県教委として把握しているかどうか、お答えください。

    【渡邊教職員課長】
    詳細は把握しておりません。

    【川本】
    ――要望
    つい、先ほど、要望しましたが、その詳細についてはきちんと把握をするということが、浦安事件を再発させないということであると指摘して、全ての情報を入手することを強く求めたいと思います。

    7.教育委員会会議での教育庁提案の議案採択状況と会議のあり方について

    【川本】
    教育委員会会議がレイマンコントロールに相応しく機能しているのかどうか、私は機能していない実態を本会議で指摘してきたところです。
    21年度は教育委員会会議は17回開かれたということだが、
     21年度における教育庁提案の議案の内、一部修正されたものはあるのかどうか。すべて提案どおり採択されたのかどうか。議案採択状況についてお伺いします。
    委員が提案した議案はあるのかどうか。

    【重栖教育総務課長】
    (神21年度の教育委員会会議における教育庁が提案した議案は118件で、全て提案どおり、可決されています。
    委員が議案として、提案したものはありません。

    【川本】
    教育費の支出の問題、非正規雇用教員の増加の問題、老朽化した施設の深刻化、あるいは、学力テスト結果についての解析の深い検討などは当然喫緊の課題として、教育委員会会議で議論されるべきだと思うが、こうした議論はしたのか、お伺いします。

    【重栖教育総務課長】
    会議では、もちろん議論していますが、重要な方針や施策等については、立案の段階からいかに教育委員があるいは委員長が関わるか、それが大切だと思い、委員勉強会、委員協議会、委員懇談会等でそれを補完してやっているところです。

    【川本】
    教育委員会会議を傍聴している人物がいるが、聞きますと少なくとも会議では、今回喫緊の課題としてでているものについて、深い議論は、全く行われていないという報告を聞いております。
    もう1つ指摘したいのは、浦安事件、上告をしないということを 何故、教育委員会会議で確認しなかったのか、教えてください。

    【重栖教育総務課長】
    教育委員会会議に掛ける議案については、教育委員会の行政組織規則の中に議決事項として定められていて、訴えを提起する場合、あるいは、それを取り下げる場合並びに和解に関することについては、議決すべきとなっているが、判決そのものを受け入れる場合は、議決事項になっておりません。

    【川本】
     ̄紺損件について上告しないということは、確か、委員協議会で決められたということだが、そこで伺いたい。委員協議会は物事を合議する、決める場なのかどうか。
    △發1点、控訴をするということは、会議の中で決める要件であると思うが、控訴段階では教育委員会会議は控訴を追認したが、浦安事件では性的虐待を何故未然に防止できなかったのかということが問われたが、そういう事実(性的虐待)はなかったということで控訴を追認した。ところが実際は、東京高裁で県敗訴の判決が出た。控訴を追認した教育委員会会議は、高裁判決を受けて、実際どうなったかということを、開かれた場できちんと県民に説明責任を果たす役割があると思う。そのために、県教育委員会会議で上告をするかどうかということをきちんと話し合う、合議するそういう必要がある議題ではなかったのかということを伺いたい。

    【重栖教育総務課長】
    ^儖協議会については、教育委員会会議とは違って、意思決定機関ではありません。
    控訴に当たっての会議ですが、教育長の臨時代理という制度があり、日程調整等をしたのですが、教育委員会会議を開くいとまがなかったことから、その臨時代理という制度を利用し、直近の教育委員会会議で県民に公にさせていただいた次第です。

    【川本】
    委員協議会が物事を決定する機関でないというなら、上告しないということも教育委員会会議として、意思決定ではないですか。何故、会議の場できちんと決めなかったのか。
    さきほど、言いましたように、控訴を追認した、その責任について きちんと、上告断念の際に、県民に説明責任をはたすという、きちんと会議で報告をする。それを明確にする必要があるのではないかと思うが、先ほど、この点を問うたことに答弁がないので、お答えいただきたい。 

    【重栖教育総務課長】
    委員協議会の内容については、会議録等詳しいものはないが、それはオープンにしている状態です。それは、県民に知らされているものと考えております。

    【川本】
    まともな答弁ではないですね。委員会会議で議論するというのは、オープンな場で意思決定の経過も含めて議論する。それが県民に対して説明責任を果たすということです。
    委員協議会は必ずしも議事録に残されないし、全くオープンではない。
    協議会という会議は、そういう意味では 全く位置づけが違うと思う。
    委員協議会で是とするということにならないと思うが、どうですか。

    【栖教育総務課長】
    委員協議会は、確かに調査・研究の場であり、会議とは異なる性格を持っています。この場合の協議会の扱いについては、委員協議会においてどの委員からも判決を受け入れるという意思表示があったので、会議にはかけなかった。
    もし、そこで会議できちんとやるべきであるといういろんな意見が出ていれば、当然、会議は直後に開く予定で準備をしていた。

    【川本】
    ――要望
    ということは、教育委員の皆さんが、オープンな場で 会議で これをやる必要がないと、協議会で十分だということを判断したということですね。
    これについては、一言申し上げますと、協議会というのは、調査・研究をする場であって、協議会会議としての意思決定機関でないということからすると、これは全く不当なことだと思う。
    それから、控訴段階において、会議として追認したということについて、県民に対して説明責任を果たしていないというとんでもない話だと思う。今日、いろいろな喫緊の課題が話されましたが、それについてまともな議論がされていないと、県民から見ると、全く形骸化した教育委員会会議、このままでは間違いなく、このままでは県民は間違いなく見放すであろうと思うので、根本的な改革を求めます。

    〜要望〜
    【川本】
    県教委と市町村教委の関係ですが、互いに尊重しながら、しかし しっかりと情報を共有して連携をしていただきたい。

    Posted by : 川本幸立 | ◆)09年度決算審査特別委員会 | 16:01 | - | - | - | - |
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