市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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9月県議会閉会 知事とリーダーシップ
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     昨日15日に9月県議会が閉会した。最終日は議案、発議(意見書)案の採決が行われるが、その前に「市民ネット、社民、無所属」会派の私以外の3人が討論、趣旨説明で登壇した。大野ひろみ県議は三番瀬漁業補償の損害賠償債務66億円を支払う調停案、及び国有林「きなだ山」の土砂採取の請願に対する反対討論(三番瀬について下記参照)を行った。
    閉会後、会派控え室に来た知事は「きなだ山」の件を問われて、「市民に頑張ってもらわないと、知事には何も出来ない」旨の発言をした。関係する審議会で通ったとしても環境面などを根拠に知事は拒否できるハズだ。私の代表質問に対する答弁もそうだったが、首長のリーダーシップをあからさまに否定されては一票を投じた有権者は浮かばれない。その意味では知事の「環境派」「市民派」の虚像がより明らかにされた県議会だった。
    そうした中で議会運営について従来の「慣習」を改める2つのことがあった。
    一つは、登壇時、従来「質疑」において認められていたパネルや資料の持込が「討論」でも認められたこと、二つ目は、議案等に対する態度が会派内で異なる場合、それに応じた採決区分が行われたことだ。(従来の会派毎の採決区分では会派内の少数派は「退席」するしかなかった)
    ● 66億円の三番瀬漁業補償損害賠償調停案に、地方財政法、地方自治の本旨に照らして反対
    以下三番瀬関連の反対討論原稿
    議案第4号、23号、24号について、委員長報告に反対の立場から討論を行います。
    本議案は三番瀬漁業補償問題に係る損害賠償債務として2つの漁協に対し、あわせて66億円を県が調停に応じて支払うというものです。しかし、県民からすれば転業準備資金の支払い済みの利息分56億円とあわせると122億円もの公金が埋め立てもしていないのになぜ支払われるのか納得できるものではありません。
    実際、この利息56億円の県の肩代わりにつながった千葉県企業庁、漁協、金融機関の1982年の「3者合意」について、2005年10月の千葉地裁判決は、地方公営企業法第3条に反するなどの違法性を認めました。
    したがって、損害賠償債務の調停に際しては、少なくとも「3者合意」に関わった関係者の責任の所在、県民への説明責任が果たされねばなりません。
    しかし、本会議の代表質問に対する知事答弁、商工労働常任委員会の質疑を通して、次の3点が明らかになりました。
    1点目は、漁協の主張の妥当性について、県として何ら検証していないこと。
    2点目として、調停委員会は、「約30年間の長期間にわたる労苦と様々な負担等を考慮」という自らの所見の根拠、調停額の内訳を何一つ示していないこと。
    3点目に、違法性のある「3者合意」にかかわった当事者の責任の所在について、調停の場では一切話し合われていないこと、です。
    地方財政法第3条では、予算計上にあたっては「合理的な基準によりその経費を算定」することと定めています。しかし、行徳漁協について県が補償アドバイザーの提言に沿って提示した額と調停額との差額4.4億円増の根拠、あるいは転業準備資金借入金等の合計額45億円と調停額との差額分15億円の根拠について、地方財政法に定める合理的な算定根拠を県は示すことはできません。
    さらに、県議会は執行機関への監視機能を発揮し、県民に直接説明責任を負うものですが、説明不能な調停案に基づく本議案では、その責任を果たすことはできません。本議案を可決することは、調停の名による県議会及び地方自治の軽視を認めることに他なりません。
    以上より、地方財政法、地方自治の本旨に照らして、本議案に反対します。
    Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 17:17 | - | - | - | - |
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