市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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教育委員はなぜ責任を追及されないのか?!〜県立高校校舎転落事故などから
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      19日で12月県議会が閉会した。いつものように最終日は我が会派の出番だ。吉川洋県議が07年度決算審査について、大野博美県議が補正予算・請願について、小宮清子県議が意見書について討論で登壇した。
     私は、2名の教育委員継続人事議案について反対討論をした。2名の方の行ってきたことよりも、そもそも教育委員のコントロールの下で教育長が事務方を動かすという前提が成立しておらず、教育委員会システムの土台が崩れていること、それに教育委員会会議の閉鎖性、密室性などが悪い意味での相乗効果を及ぼしていることを指摘した。(下記参照)
     ちょうど、月刊誌「世界」09年1月号で片山善博・前鳥取県知事の「「『1日署長』内閣」に決別を」を見つけたので「1日署長」という言葉を拝借した。
     全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に不参加の愛知県犬山市の地域や保護者も含めた「共に学び、共に育つ」学校改革が注目されている(「学びの学校づくり〜犬山北小学校の改革への挑戦!」小学館)。「学びの保障」が教育の原点であり、「機会の平等」はもちろん「結果の平等」も求められる。校長・PTA・地域・子どもの4者一体の学校運営が行われなければ様々な課題(いわゆる「モンスターペアレント」問題も含む)は解決しないだろう。
    【参考】 県教育委員会委員人事議案の反対討論原稿
    市民ネット・社民・無所属の川本幸立です。
    議案59号、60号、県教育委員会人事議案に反対の立場から討論します。
    教育委員会は、合議制の行政委員会として、地方公共団体の長から独立した中立、公正な職務の執行を確保するよう配慮され、委員の合議により、大所高所から基本方針を決定しそれを教育行政の専門である教育長が執行するという、いわゆる「レイマン・コントロール」の下に運営されねばなりません、と県教委のHPに明記されています。
    教育委員は「レイマン」であり、「レイマン」とは、単なる「素人」ではなく、一般的な学識、経験が豊かであり、人格が高潔な人であるが、教育の専門家ではないという意味で用いられているものです。
    本議案の2名の方が、「レイマン」と呼ばれるにふさわしく過去4年間県教委をしっかりコントロールしてきたのかどうか、どのような教育理念を持ち今後4年間を務めようとするのか、そうしたことを踏まえた上で賛否を決めることは県民への説明責任を果たす上で不可欠なことです。
    しかし、肝心のそうした情報は与えられてはいません。
    そこで昨年度と今年度の教育委員会会議について、私も何回か傍聴しましたが、議事録からその実態を調査しました。その結果、今、国の内閣は人事も予算も役人任せであることから「一日署長」内閣〜一日税務署長・一日警察署長などがありますが〜と揶揄されていますが、教育委員会会議も「レイマン・コントロール」が形骸化した「一日署長」会議の実態にあり、その存在意義そのものが厳しく問われるべきと考えます。本討論では4点ほど、指摘します。
    1点目は、昨年度13回、今年度9回の教育委員会会議が開催されていますが、150議案のすべてが、教育委員会事務方の意向に沿って何の異議もなく全員一致で採決されていることです。
    その一方、県教育委員会会議規則第5条で委員の議案発議が認められていますが、少なくとも過去3年間1件も委員からの議案発議はありません。県教育をとりまく多くの課題が指摘され、発議する議案は数多くあるにもかかわらず、発議ゼロとは驚くべきことです。
    このことは、教育長と事務方が教育行政を動かし、教育委員は名誉職化して意義を発揮しない存在になっていることを表しています。
    2点目に、昨年度今年度の教育委員会会議150件の議案のうち、非公開とされたのが会議規則第13条第1項第4号「知事に対する意見の申出に関する事項」が33件、第1号の「人事に関する事項」が59件のあわせて92件であり、非公開の議案が約6割を占めることです。「知事に対する意見の申出に関する事項」は、条例の原案や本議会でも様々な問題点が指摘された指定管理者の管理についてであり、当然、公開すべきものです。この秘密性、閉鎖性、そして県民への説明責任を果たそうとしない姿勢は改めるべきであり、各委員の見識がとわれます。これは非公開で議事録もないという委員協議会についても同様です。
    3点目に、議事録で発言者が無記名であることです。委員長、教育長以外の委員は誰がどういう発言したか不明です。これでは本議案の対象の2名の方が会議でどのような発言をしたのかわかりません。無記名か記名かの判断は会議の総意によるものであり、自らの発言に責任を負おうとしない委員の見識がこの点でも厳しく問われます。
     4点目に、この間議会でも取り上げられた県立高校校舎転落事故、高校グラウンド削減問題、県立高校入学式排除問題、中途退学と特別指導、学校施設基準、全国学力テスト結果に関する県検証改善委員会の分析結果、学校現場における子どもの人権などについての、教育委員会会議の審議実態です。
    ここでは転落事故について触れます。
     県立高校校舎転落事故は、H11〜16年10件、17年2件(2人死亡)、18年4件、H19年1件(1名死亡)起きています。しかし、この問題はH19年の9月、県立学校の「危険な場所」への安全対策に関する請願が出されてはじめて議題とする他人ごとの対応でした。
    一方、県外の事故ですが、学校の天窓からの転落事故では去る17日、安全対策を怠ったとして校長などが書類送検になりました。安全管理を怠り少なくとも過去全国で10件は発生していた事故事例の把握もせず学校現場に生かさなかったことが指摘されています。この事故事例の情報が掲載されているのが日本スポーツ振興センター発行の「学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点」ですが、学校校舎からの転落事故も1985年〜2005年の21年間で実に死亡者合計62名の事例が報告されています。まさに天窓からの転落事故件数の数倍の事例がありながら、事故事例から学ばなかった責任の一端を厳しく問われるべきではないでしょうか。このことは、去る12月5日辞職された白石真澄氏も含め教育委員全員にあてはまるものです。
     しかし、この転落事故のみならず教育委員はすべての業務について一切責任を追及されることがないようです。なぜ追及されないのか?人事も含めて実質的に「レイマン」としての仕事をしておらず、形式的なトップに過ぎないからです。ここにも会議の形骸化と教育委員の名誉職化をみます。
      
     以上指摘した教育委員会会議の密室性、閉鎖性、無責任性、情報に対する受動的・消極的な実態から、現在の教育委員会は「レイマン・コントロール」が形骸化し、委員は「一日署長」化しているといわざるを得ません。
     
    以上指摘しまして、私の反対討論を終えます。ご静聴ありがとうございました。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 17:24 | - | - | - | - |
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