市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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〜09年度決算審査特別委員会詳細報告
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09年度決算審査特別委員会詳細報告
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国土の崩壊と飢餓、財政破綻を招くTPP協議参加の即時撤回を!
09年度決算審査特別委員会詳細報告
「農林水産部」
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    16日の「毎日」社説は、「APEC横浜、自由化の弾みをいかそう」との見出しで、
    TPP(環境太平洋パートナーシップ協定)について、「TPPの交渉国が、『来秋までの妥結』方針を決めたことで、APEC全体の自由化がTPPを軸に進む可能性が高まった。いつまでも参加を留保したままでは、日本不在のまま枠組みが出来上がってしまう。受け身の対応から脱却するためには、国内農業の競争力強化や規制緩和を急ぐ必要がある」とし、関税100%撤廃が原則のTPP交渉に参加することを手放しで礼賛した。

    菅首相はTPPを「平成の開国」と評価し、政府は9日の閣議で、TPPの協議を開始する基本方針を決め、交渉中の関係9カ国に方針を報告したという。
    しかし11月10日の「毎日」朝刊は、「農業強化展望なく」という見出しで、この閣議決定を報じ、「TPPにより農家の収入源の補填には『10年間で40兆円の財政支出が必要』と指摘される。先進国で最悪の財政状況の中、財政確保は難題」とした。

    食料・農業・農村政策審議会委員を歴任した鈴木宣弘・東大大学院教授は、TPPについてその問題点を次のように指摘する。
    ’誠緇併饂困任蓮⊃料自給率が40%から14%まだ下がる。「戦略物資」である食料をリスクにさらすことは、日本が「弱い危うい国」になることだ。

    農家を支えるために毎年約2兆円必要となり、財政負担が大きい。

    F本は「農業鎖国」どころか農産物の平均関税率11.7%であり、世界で最も開かれた国であり、世界一の農産物輸入国である。高い関税で守っているのはコメなど農産物の1割に過ぎない。

    ぃ圍丕个忙臆辰靴突益を得る企業は、日本全体で見れば二千分の一に過ぎない。すでに大手の輸出産業は、直接投資、現地生産が相当進んでいる。

    タ料は投機マネーの対象となり、輸出規制で価格が吊り上げられる。またどの国も自国民を放置して「飢餓輸出」するとは考えられない。海外から安く、安全なものを買えば良い、という主張は非現実的な空論だ。

    κ萄遒蝓農業の衰退で、340万人の雇用が失われる(農水省試算)。田んぼが崩壊するだけでオタマジャクシが400億匹死んでしまう。国土が維持できなくなる。

    さっそく、19日早朝、土気駅で配布した「とけ・九条の会」ニュース第36号でTPP参加問題を訴えた。TPPは千葉県の地場産業である農業の崩壊、地域崩壊に繋がる。
    それにしても、沖縄・普天間基地問題といいTPP問題といい、大手メディアの姿勢は「米政府に魂を売った」という印象だ。

    ●09年度決算審査特別委員会詳細報告「農林水産部」(11月1日)


    質疑の順番が最後で午後5時前となり、質疑応答の時間を20分と制限されたことから、10項目用意した大項目の内、以下の6項目しか質疑できなかった。質疑できなかった大・中項目は、「手続き漏れ、虚偽報告」「農協・漁協・農共組合の09年度検査結果」「農道橋梁の点検状況」「有機農業」「水産基礎整備(漁礁の設置)の評価」などである。

    1.契約、人員配置と業務量のバランスについて
    2.農道整備と評価について
    3.一ノ宮海岸侵食と保安林について
    4.三番瀬のアマモの問題
    5.種苗放流の評価と費用対効果について
    である。

    1、契約、人員配置と業務量のバランスについて

    【川本】
    「21年度の農林水産部の公共工事の契約は、484件、当初契約金額124億6千万で、うち、一般競争入札67件で落札率90.1%、指名競争入札357件で落札率93.6%、随意契約60件で落札率94.7%だ。契約変更は約半分の237件で生じ、現在契約金額は当初契約金額より3.5%増、約4億5千万円増ということです。当初契約後の変更による増額の割合が大きいのが特徴です。
    こうした点で、21年度の所属ごとの落札状況と変更件数・金額、入札差金管理についてどうのように見解をもたれるのか。
    今回、手続き漏れがありました。こういう中で、繰越明許については先ほど出ましたが、そもそも出先機関、検査機関などの人員の配置と業務量のバランス、これについてきちんとチェックをされたのかどうなのか。」

    【加藤岡農林水産政策課長】
    入札差金について、所属別ということで、主な所属別では、10センターある 農林振興センターでは、278件中、180件の契約変更を行っており、その金額は3億6千万円 委員のおっしゃった、約8割ぐらいを占めています。3事務所ある林業事務所では、104件中、28件が契約変更を行い、その金額は約4千万円の増額となっています。2事務所ある漁港事務所では、100件中、29件について契約変更を行っており、その金額は約5千万円の増額となっています。
    人員の配置と業務量のバランスということですが、農林振興センターではほとんどが基盤整備、いわゆる公共事業の中でも土地改良部分が非常に多くなっています。ここについて、人員配置と業務量につき、19年度と21年度を比較しますと、概ね予算額が23%減、工場地区数は16%減、これに対して土地改良の職員数は21%減という状況になっています。検査官の人員配置については、1月以降、検査件数が非常に増えます。そのため、出先機関の検査体制に加え、本庁からも10名程度の検査監を増員して検査体制の充実に努めています。」

    【川本】
    「契約変更の件ですが、変更に予定金額をオーバーした件数は、東葛飾農林振興センターで8件中5件、印旛農林振興センターで16件中8件、長生農林振興センターで16件中5件、安房農林振興センターで25件中14件、南部林業事務所で15件中9件で予算をオーバーしている。そういう意味では、これらは、入札差金は0に等しいわけですね。予定金額をオーバーする件数が多いということは、異常ではないかと思うが、これについてどう考えておられるか?」

    【木林耕地課長】
    「土地改良事業は、特に、ほ場整備事業は水田の辺土、移動などを行う土を相手にした工事が多く、多種多様な現地の自然、環境条件、例えば、地質、湧水、また天候の状況等で特殊性があるという認識をしております。当初は、そういったものが、ある程度調査等が上がってくるのは見込めるが、工事の時にわかってくるものについては、変更になってしまうというのが、実情です。」

    【川本】
    「私の方で農林水産部の変更理由書を全部、目を通しました。理由は「現場発生土が当初予想より軟弱であった」「想定していなかった湧水が出た」「コンクリートガラの処理の変更」「現場地盤と設計高さの相違」があげられているが、これを私から見ると、
    当初設計段階での現地確認、検討が不足しているということではないか、ということです。先ほど、いろいろな検査部門の件、人員配置などありましたが、そういう意味からすると、きちんと設計計画段階で予算を組む前の基礎調査が、出先機関では、不足しているのではないかと思うが、どうですか?」

    【木林耕地課長】
    「工事の中で、いわゆる河川的な大きな改修とか、また、幹線的な道路、こういうものについては縦横断や路線などきちんと測量をして、調査も掛けて設計をしていくというのが一般土木的なやり方ですが、土地改良事業の ほ場整備の場合は代表地点で土質調査をするということと、全部作り変えますので、現状のものというのは全部なくなってしまうだろうと、いうような条件ですので、地質調査についてもそこまで細かい調査はできないというのが実態です。」

    【川本】――要望
    「そういう意味での変更というのは、スケジュールもそうです、予算もそうです。両方きちんと管理するということから、前提となるところのものをきちんと調査をしなければならない、私は(それは)できると思います。それはできない、それが当たり前というのは、おかしいではないですか。根本的に業務のあり方をもう1度チェックをしていただいて、人員配置と業務量のバランス、設計段階での調査をきちんとやることを時間も無いので、要望という形にしておきます。」

    2.農道整備と評価について

    【川本】
    「農道整備については、昨年11月、行政刷新会議の事業仕分けでも、『農道整備事業は単独の事業として行う歴史的意義はもはや終わった。農業農道を一般道と区別する意義はうすい。』と評価され、結局、成果、必要性、緊急性についてデータの意味づけを再検証し、やり直すべきとされた。その一方で、ちょうど12月22日に開催された千葉県公共事業評価委員会第28回農林委員会で事業費3億1千万円の『根形地区』一般農道整備事業の事後評価が行われ、3Aの評価を受けている。そういう意味で、行革刷新会議の評価と、この県の公共事業評価委員会での評価の妥当性についてお考えかうかがいます。」

    【木林耕地課長】
    「農道整備事業は農業側の必要から造っている事業でして、その効果は農産物の輸送等でまかなわれていくものです。「根形地区」についても地元から聞く限り、本事業については、農産物の農業輸送軽減が図られたほか、日常生活における通行の利便性や歩行者の安全が図られたことにより、農村生活が向上したということで公共事業評価委員会も評価結果は適切であると、計画以上の効果がみられているという評価を受けているところです。
    道路はいわゆる、国交省で一本化すべきだという考え方からすると、そういう仕分けのような考え方が出るのかもしれませんが、あくまで我々は農業のための道路を造るということで、このように作物輸送や地域住民の通行に立派に寄与していると熟知しているところです。」

    【川本】
    ,海旅埓刷新会議の議事録を見ると、広域農道、車道幅員5m以上については、全国で約7千kmの整備が行われているが6割以上が、その後、市町村道に転換しているとなっている。千葉県ではそういう転換があるのかどうか。
    行政刷新会議の場で、11月の仕分けで、農林水産大臣の政務官が、一般道と変わらないような幅員の広い、いわゆる広域農道みたいなものは大胆に見直して、広域農道はもうやらないという判断も含めて検討していかなければならない、と発言しています。それについて、どう思われるか。

    【木林耕地課長】
    〇堋村道となっている農道は、1路線です。
    広域農道等は本来は地域幹線道路ということで、位置づけた道路について、農業用の必要性から先に工事をさせていただくという国交省の了解のもとにやっているものですので、本来は、地域の幹線道路、それを農業側の予算でやったということで、幅員等も県道級もしくは幹線道路級というのが事業条件になっているところです。

    【川本】
    根形地区の評価を見ると、今後の状況等の中で 営農面では農業従事者の高齢化など 農業を取り巻く状況の変化により、作付け体系が変わったことや 作付け(不明)の現状が、農業経営向上効果、総合経費の減少を招いているというような形で、道路を造ったものの、実は生産性というのは、農業をやる方の減少することによって、かならずしも生産高とか、そういうものに結びついていないと指摘されている。
    農道の目的である生産性・売上高・生産高の向上という本来のことからすると、ちょっと違っていて、むしろ、農道を特別扱いすべきではなく、市町村道としてきちんと評価して整備するということを求めているわけですが、そこはどうなのか。私はこういう視点をしっかり見たうえで今後の千葉県の農道整備を考えるべきだと思うがいかがでしょうか。

    【木林耕地課長】
    確かに高齢化が進んだりして、作付け、特に大根などの重い作物が作られなくなったという実態はありますが、これも農地を流動化させるとか、ここの地区の場合は、農政側が直売所「ゆりの里」を作って、そこへの出荷を受益農家に呼びかけ、現在は65名の方が出荷をするということで、新しい消費地をきちんとつくってきております。この評価時点では、その効果までは評価はできませんでしたが、今後、葉菜類を中心に作付けは増えていくという可能性は十分あると理解しています。

    【川本】――意見
    意見を言わせていただきますが、県の公共事業評価委員会の評価の書類を読ませていただきますと、どうもそこら辺が農道の本来の目的から離れたところでの、例えば、道路が安全に通行できるようになったとか(をみると)、市町村道の整備そのものの評価ではないかというところがあります。そういう意味で行革推進会議を踏まえたところできちんと考え方を整理して、説明責任を果たせるような道路評価のあり方を求めたいと思います。

    3、一ノ宮海岸侵食と保安林について

    【川本】
    九十九里の一ノ宮海岸などの海岸浸食をめぐって、今、一ノ宮の会議が開催されているが、砂浜幅を確保する手法としてセットバック(土地利用等の後退)が有効な手法として挙げられている。その場合、どうしても保安林との調整が必要となる箇所もあると思う。セットバックなど九十九里海岸保安林と海岸侵食対策との調整についてどのように考えているのか。

    【梅山森林課長】
    九十九里海岸、特に南部地区において侵食傾向が続いていて、今のところ保安林区域が直接的に侵食を受けて保安林の土地が失われているという箇所はございません。しかしながら、今後、保安林まで侵食を受け、白浜青松の言葉に代表されるように海岸地域を一体のものとして考えていった場合には、海岸保全区域との調整を考えながら治山事業等による保全工事について検討してまいりたいと思います。

    4、三番瀬のアマモの問題

    【川本】
    過去、三番瀬において広くアマモが繁藻していたことから、県は03年からアマモ移植に取り組んできたということだが、しかし、その結果はかんばしくなく、アマモは毎年のように枯死してきたといわれる。県はモニタリングなどによりその原因を調査してきたというだが、そこでお伺いしたい。
    〇鞍崟ゥ▲泪發梁だ試験結果と県の投入金額累計と今後について、どう考えるか。
    △泙浸邯碍覯未ら明らかになった三番瀬環境改善のための課題について、お伺いします。

    【漁業資源課長】
    三番瀬のアマモについて アマモの造成試験は平成15年度から試験を開始しまして、21年度までの事業費は1,776万9千円です。これまでの調査から、三番瀬ではアマモの繁茂が難しくなる、水温が28度以上の日が夏場に続くこと、赤潮の発生のより透明度が約1.5mと極端に低下することなどからアマモが夏に枯れてしまい、年間を通じたアマモの維持は困難との結果が得られている。
    これらの結果から、アマモの場造成のための課題としては、まず海水交換や流れの増進が必要であること、2つ目は水質改善による赤潮の発生抑制が必要だということが考えられている。

    【川本】
    三番瀬アマモの件ですが、そうすると、アマモの造成試験というのは、高水温や透明度の低さということから、一応、中止するということなのかどうか。
    それから、基本的には三番瀬に流入する河川の水の水質浄化対策、春木川、国分川、海老川、これの水質が悪いということが上げられる。その水質浄化を優先して取り組むべきと考えるがどうか。

    【山崎漁業資源課長】
    過去の試験結果を見て、委員おっしゃる通り、アマモの年間を通じた維持は困難という結論が出ています。これについては、新しい試験は行わないつもりです。
    アマモが回復するために河川の水質浄化が必要ではないかということだが、三番瀬の漁場はいろいろな(不明)からダメージを受けています。この漁場の回復を目指して、今、漁業者、学識経験者、こういう方たちと『三番瀬漁場再生検討委員会』が開かれています。この中で、いろいろな提言がされているので、そのようなものを1つ1つ増やしていこうかと考えています。

    5、種苗放流の評価と費用対効果について

    【川本】
    アワビ、ハマグリ、アサリ種苗の放流、マダイ、ヒラメ、クルマエビ放流などで数億円規模が投入されているがこの評価、費用対効果についてはどうなのか?

    【山崎漁業資源課長】
    この評価を、いわゆる混獲率、漁獲量の取った魚の中で、実際放流した魚がどのくらい住めているのかということで評価すると、アワビの漁獲量は、125t、このうち31%、3個に1個ぐらいが放流したアワビといわれています。マダイについては156tのうち、約21% 、5尾に1尾ぐらいです。ヒラメは、284tのうち、約13%、7尾に1尾が放流した種苗であると、調査結果からわかっています。これらを踏まえまして、費用対効果は、生産金額と増産した金額の比、B/Cは、アワビが2.9、マダイが2.1、ヒラメが1.0で、いずれも 事業効果は確保されていると考えております。

    Posted by : 川本幸立 | ◆)09年度決算審査特別委員会 | 20:39 | - | - | - | - |
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