市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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〜09年度県議会決算審査特別委員会詳細報告
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〜09年度決算審査特別委員会詳細報告
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千葉県の公共事業の実態と政策を質す
〜09年度決算審査特別委員会詳細報告
「県土整備部・前半」
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    8日の「県教育庁」「病院局」の審査で、09年度の決算審査の質疑がすべて終わった。

    私は6日のブログで、09年度の決算審査を、「地域振興策の根本的な見直しを求めることを柱の一つに位置づけた」と記したが、もう一つの狙いは千葉県の公共事業政策を分析することだった。
     そのためには膨大なデータが必要だが、私は以下の情報の提供を県に求め、職員の方々の多大な協力で多くのデータを入手することができた。

    1.公共事業全般
    (1)09年度千葉県公共工事契約一覧
      工事毎の入札種類、予定価格、当初契約金額、現在契約金額、業者区分(県内・外)
    (2)入札参加者有資格名簿
    (3)07年度〜09年度発注工事及び委託受注業者受注額上位30社
       業者名、件数、契約金額

    2.入札、落札について
    (1)部局別契約件数、落札率、当初契約金額、現在契約金額、契約変更件数(一般競争入札、指名競争入札、随意契約毎)
    (2)県土整備部、農林水産部の出先機関毎の契約件数、落札率、当初契約金額、現在契約金額、契約変更件数、変更差額、変更理由について
    (3)低入札価格調査制度及び低入札工事について
    …稙札価格調査制度の適用要件
    ∪度適用件数と開札調書及び低入札価格審査議案兼審査書
    8発注工事落札率80%未満の一覧(予定価格300万円以上)
    ・開札調書、担当部・課、落札率、現在契約金額、入札方法、業者区分(県外、県内)
    (4)総合評価入札について
    〜躪臧床粗札方式の件数、効果、落札率、辞退業者数
    評価項目と採用数
    5嫖祥郢イ侶鐃瑤罰札調書
    つ稙札調査案件の件数と開札調書
    (5)談合情報(発注機関、工事名称)、及び調査の詳細について
    (6)入札監視委員会の活動の詳細と県施策への反映状況について
    (7)入札参加資格の審査状況について

    もちろんこれらのデータを分析した成果の一部は決算審査で活用したが、総合的な分析はこれからである。
    千葉新産業三角構想が地域に及ぼした影響とともに、千葉県の公共事業政策の初歩的な分析の成果物を年内に公表したいと考えている。

    さて、公共事業の中枢である県土整備部の決算審査の詳細を2回に分けて報告する。

    ●09年度決算審査特別委員会ァ峺土整備部」(前半)(10月22日)

    県土整備部の審査では、
    1.契約について
    (1)21年度の所属ごとの落札状況と変更件数・金額、入札差金管理について
    (2)一般競争入札を「1千万円以上」に拡大するのに必要な県費は
    (3)公社との入札について
    2.明許繰越と手続き漏れ
    3.道路公社について
    4.道路事業について
    5.区画整理事業について
    6.下水道事業について
    7.海岸侵食対策について
    8.公共事業の評価について
    を質した。

    前半(1〜3)と後半(4〜8)にわけて報告する。

    1、契約関係について

    【川本】
    21年度の県土整備部の契約2,847件中、業者の一般競争入札161件の落札率は90.5%、指名競争入札2,109件の落札率は93%、随意契約577件の落札率は95.5%で、一般競争入札→指名競争入札→随意契約となるにつれて落札率が高くなっている。
    県土整備部の当初契約金額の合計は587億円で、2,847件中、契約後金額に変更があったものは35%の1,016件で、変更後の金額は603億円と、当初契約金額より16億円増となっている。
    一方、所属別発注状況を見ると、出先機関で、もちろん金額が小さいということもあるでしょうが、落札率や変更後の増額が大きくなる傾向がある。そこで伺います。

    。横映度の所属ごとの落札状況と変更件数・金額、入札差金管理についての見解をどう思っていられるのか?
    ■横映度の決算について監査委員の意見書でも『一般競争入札を拡大すると共に、随意契約については関係法令の趣旨を十分に踏まえ適正に執行されたい』とあります。
    一般競争入札を拡大する上で障害となる理由が、その分、事務作業が増えるからだということだったのですが、一般競争入札を『1千万円以上』に拡大するのに必要な経費の概算はいくらになるのか?
    8社の入札に関して、公社自体が自立経営を目指すということですが、その中で一例としてまちづくり公社について、19年度から21年度に競争入札で受注した37件の開札調書を見ますと、9件を除く28件で予定価格以下が街づくり公社1社ということです、これはどうかと思いますが、これに対する見解はどうなのか?

    【石田建設不動産業課長】
    (神21年度の所属ごとの落札状況と変更件数・金額について
    21年度における県土整備部の県全体の発注状況は5,438件、落札率は92.6%となっています。このうち1,450件が契約変更になっています。
    県土整備部における発注状況は、32所属で、2,847件、587億1千万円を発注しており、落札率は92.8%です。このうち1,016件について契約変更を行い、その金額は約15億5千万円の増額となっています。
    一般競争入札を1千万円以上に拡大するのに必要な県費の算出は、しておりません。ただ、21年度で見ますと、対象件数が現行制度では一般入札315件。これが1千万円以上にしますと8.4倍の2,634件になります。事務作業については指名競争入札を一般競争入札にした場合は、公告の作成、入札参加資料の受付・審査、技術資料の受付・審査等の事務が主に増えます。また、1件当たりに要する日数は、執行伺いから契約まで、指名競争入札では約2週間程度であったものが、一般競争入札では2ヶ月程度必要となり、約4倍の日数を要することになります。金額については算定困難であるが、相当の事務量が増えると認識しております。

    【栗原県土整備政策課長】
    ‘札差金の管理について
    入札差金については、減額補正又は不用額処理するのが原則と考えています。しかしながら、その後の事情により、変更契約が必要になった場合、早急に発注しなければならない場合には、財政当局と協議の上、予算の範囲内で予算執行することもあります。
    まちづくり公社の入札の結果については、競争入札の結果であると思っています。

    【川本】
    21年度の入札状況において 公共工事1件ごとを見ていくと、安房地域整備センターの例を詳細に見ていくと、275件の落札率が94.7%、38億円。この内69件の変更でトータル7,500万円の増となっています。69件の内46件で変更後の金額が予定価格を超えている。通常、予定価格を超えないように管理をするのが一般的だと思います。工事毎の『変更理由書』の詳細を見ますと、当初の事前調査が不足しているように思われます。
    これは安房地域整備センターだけでなくて、山武地域整備センター、夷隅地域整備センターなども落札率が高く、変更の金額の増加率が高いというところがあるので、このへんはしっかり、予定価格の算定、入札差金の管理を、当初の事前調査がどうだったのか、という立場からきちんと考えなければダメではないか。変更が必要な工事は当然出るとしても その分途中で変更が出ればスケジュールにも影響が出るわけですから、そのように思われないですか?

    【石田建設・不動産業課長】
    設計変更について質問ですが、確かに当初の発注にあたっては、あらゆることを見込んで設計を組むということで、変更は当初見込めなかったようなものに限っての変更というのが話の筋ではあると思います。
    ただ、現場においては多々いろいろな局面があると思いますが、そのような原理原則を踏まえながら予定価格を組んでいくように指導していきたいと思います。

    【川本】
    県の監査委員の意見書でも 21年度の決算について『一般入札を拡大するとともに』という意見があるのですから、実際それが事務量に反映されるのか、検討すべきではないでしょうか。
    平成21年度の県全体の指名競争入札は3,466件で契約金額は623億円です。全部が1千万円以上というわけではないと思いますが、これが1%下がると6億円。どこまでの事務量とのバランスで可能なのかということをそろそろ検討すべきだと思いますが、どうでしょうか。

    【石田建設・不動産業課長】
    一般競争入札の拡大についての事務量関しては、今後、段階をおって一般競争入札の拡大に努めていくということでございます。執行状況を勘案しながら検証していきたいと思います。

    【川本】
    まちづくり公社の入札に関しては、37件中9件を除く28件で 予定価格以下がまちづくり公社1社しかなかったということは 予定価格そのものの算定がおかしいのか、それとも他の要因があるのか。県民感覚から見ると私は疑問に思います。それについて、どう思われますか?

    【栗原県土整備政策課長】
    まちづくり公社の入札につきまして 平均的な落札率をみますと 大体90%台前半という数字になっております。この数字を見ましても、適切な入札結果であろうと考えております。

    【川本】
    特に出先機関の入札差金の管理のあり方 きちんと管理をしていただきたい。
    一般競争入札の拡大についてはその方向で事務作業量を含めて検討をしっかりしていただきたいと思います。
    公社の問題について他の公社については、私もまだ見ていませんが、言ってみれば談合ではないかと、その疑念はあるので そのことをしっかりと見据えていただきたいと要望しておきます。

    2、明許繰越と手続き漏れ問題について

    【川本】
    明許繰越は土木費でその割合が多いということですが、土地の交渉とか 関係機関の調整などで時間がとられるとの事ですが、もう一つは、予定価格をオーバーするような変更が多いというところで事前の準備作業というところで繰越手続き漏れ問題もそうですが、出先機関とか検査機関などの人員の配置、業務量のバランスについて、こういう点も含めて検討する必要があるのではないかと思いますが、それについてどうですか?

    【栗原県土整備政策課長】
    明許繰越については、本庁と出先機関の連携を密にする意味合いで、平成19年に『公共事業進行管理調整会議』を設置し、その中で事業の進行管理を行っています。
    出先機関の人員配置については、各出先機関からの個別の細かい事務状況等の報告を受けながら、人員配置を行っているところです。

    【川本】
    繰越手続き漏れ問題を踏まえたこれからの対応として、『地方自治法の234条の2』の管理監督の問題、『4千葉県建設工事検査要綱』の検査のあり方の問題、農水の虚偽報告の絡みもあるが、千葉県の『建設工事請負業者等指名停止措置要領』など、今後はしっかり厳格な適応をしていくことが必要と思うが、これについてお伺いします。

    【荒木技術管理課長】
    公共工事の適正な履行を確保するための取組みとして、執行管理に係る新たなチェックリストを作成し、設計から工事完了までの各段階において、工事施工上のポイントとなる事項をチェックし、工程管理の徹底を図ることとしています。さらにこのチェックリストの情報の共有化を図るため、今年の7月から各所属の共有パソコンで管理して、所属長を含めた関係職員が情報を共有し工程管理の徹底を図るということにしています。
    また、検査担当者に対しては、厳正かつ効果的で的確な検査を実施するための研修、また、工事監督担当者に対しては、コンプライアンス意識及び実務処理に関する研修を実施することとし、検査監研修についてはすでに2回実施しております。今後、年度末検査を控えた時期にさらに2回研修を予定しています。
    工事監督担当者に対する研修についても既に2回実施したところで、さらに各所属において職場内研修を実施し、全ての職員の適正な履行の確保を周知徹底して参りたいと考えております。

    【委員長】
    今、答弁されたのは、現状の部分だと思いますが、当初から検討できませんかというご質問についてはどういう答弁なのでしょうか。 予算を策定するときから、明許繰越にならないように検討すべきではないかというご質問だったのですが

    【荒木技術管理課長】
    そういう意味では 工程関係をしっかりいたしまして、できるだけ繰越が発生しないように管理してまいりたいということで、チェックリストはまさに工程管理を厳格に 進めていきたいということで、今回新たに作成したものです。

    【石田建設・不動産業課長】
    指名停止の関係ですが、停止措置の決定に当たりましては、新聞などですとか、事実が確認できる書類等により得られた情報の中で、『千葉県建設工事請負業者等指名停止措置要領』により運用していることころで、今後とも適正な運用に努めてまいります。

    【川本】
    是非、『地方自治法』『千葉県建設工事請負業者等指名停止措置要領』の厳格な適用を求めたいと思います。
    出先機関、検査部門の人員配置と業務量のバランスですが、9月16日の第4回行革推進委員会、私も傍聴しましたが、その時に県が提示した資料を見ますと、決算額と土木費の推移によると、職員数と業務量の割合を比較すると、平成元年と平成21年度は変わりなし。一方、地域整備センターについてみると、平成16年度と平成21年度では、予算の割合が1.07と少し増えている。その分、職員の負担が大きくなっているのかなというところがあって、行革推進委員会では、人員の配置と業務量のバランスについてしっかり把握することを求める方向になったと思うが、そういう意味で、先程の契約金額の変更の件も含めて、チェックリストを作るのであれば、人員の配置と業務量のバランスについてもしっかりと把握することが必要だと思いますが、それについてどう思われるか?

    【栗原県土整備政策課長】
    出先機関の業務量については、詳細なデータは今、手元にございませんが、県土整備部の土木技術職員について考えると、現在 団塊の世代の大量退職期を迎え、なかなか難しい人事をおこなっているところです。業務量については、各事務所の実態等を把握しながら適正な配置に努めているところです。大量退職期を迎えた人員減の中での配置ですので、これからも事務改善等に努めながら、人員配置に進めてまいりたいと思います。

    3、道路公社について

    【川本】
    道路公社の9路線ある中で計画交通量が大きく上回っているのが、東総、銚子新大橋、九十九里の3つですが、現況の料金収入状況で料金徴収期間完了後、未償還金の残る可能性のある路線と未償還予想額はどうなのか、お伺いしたい。

    【鯉渕道路計画課長】
    有料道路の料金収入の状況は、昨今の経済状況などの影響から計画に対して、低迷している路線もあります。将来の収支見通しについては、利用交通量に影響する県内外の経済状況や周辺道路の整備状況など不透明な部分が多くあることから、現時点で未償還額を予測することは困難と考えています。

    【川本】
    未償還金予想額などは算定できないということですが、例えば、無料解放予定日が平成30年から31年、これから8年から9年後ですが、東総、房総スカイライン、鴨川有料道路ぐらいは 現状と傾向として大きく変わるわけではないので、できるのではないか、どうなのか?

    【鯉渕道路計画課長】
    道路公社の関係ですが、ご指摘の通り、東総、房総スカイライン、鴨川有料道路については、平成31年ごろ、無料化が近づいています。
    対前年度の交通状況をみると、100%を超えていますが、計画交通量を下回っているところもあるので、今後、経営改善や利用促進の検討について、道路公社に協力しながら、未償還額が発生しないように道路公社と考えていきたいと思っております。

    【川本】
    道路公社に関しては、是非、未償還額を県として、きちんと把握をした上で 対策をきちんとしていただきたいと思います。

    Posted by : 川本幸立 | ◆)09年度決算審査特別委員会 | 08:51 | - | - | - | - |
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