市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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6月県議会一般質問(6月4日)報告
〜中央博物館の自然系部門は、知事部局が抱える自然環境の課題の取り組みを
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      昨日14日は、県土整備常任委員会が開催された。虚偽報告・繰越手続き問題、公社等外郭団体の不正経理問題の私の質疑で、組織的な不正行為が行われたこと、にもかかわらず監理監督責任をはじめ綿密な調査が行われてはいないことが判明した。詳細な調査を行い、報告書として提出することを強く求めた。
    さて、委員会の審議の最中に、突然、自民会派がこれらの問題について閉会中の審査をおこなうことを提案し、賛成多数で可決してしまった。自ら閉会中に審査する気などはサラサラない。不正経理調査特別委員会の再設置を阻むことが目的である。自分たちの使命が「県幹部を守ることだ」という錯覚がこうした行為にはしらせるのだろう。

     14日の委員会では、一ノ宮海岸の海岸侵食対策として実施されているヘッドランド工事がアカウミガメやミユビシギなどの生態環境に与える影響について調査することも求めた。
     本来、自然保護課の生物多様性センター、多数の自然系研究員を擁する県立中央博物館が加わることが望ましい。しかし、博物館の管轄が教育庁であることがこうした知事部局が抱える自然環境の課題に取り組む「障害」となっている。県民利益を優先するなら、02年の行財政改革の博物館統廃合計画を抜本的に見直すとともに、滋賀県の琵琶湖博物館のように一部を知事部局管轄とすることを検討する時期ではないか。
     
    ●6月4日一般質問質疑応答

    【川本】次に、博物館行政と生物多様性について伺います。
     今年は国連が定める国際生物多様性年であり、COP10も名古屋で開催されます。千葉の原風景である里山・谷津田、干潟は生物多様性の宝庫であり、これらを保全・保護し次世代に引き継ぐことは千葉県にとって大きな課題であり、そのために、知事部局の自然保護課の生物多様性センターと教育庁管轄の中央博物館の一層の連携が求められます。
     私は、2002年の県の行財政改革で県立博物館の統廃合が提案された折、まちづくりNPOの一員として千葉県のみならず全国から博物館の役割に期待する500を超える人々の声を踏まえた「博物館構想に関する県民提言」の策定に参加しました。この県民提言は、特に中央博物館が千葉県行政が抱える自然環境に関する課題に向き合うことを強く求めました。その後、県立博物館の外部評価委員として各博物館の評価に関わりました。これらを踏まえて博物館行政の充実と転換を求める立場から以下質問します。

    ・施設更新計画、人材育成計画とともに県民・NPOの参加で博物館ネットワーク構想の策定を

    まず、博物館ネットワークの再整備と市への移譲に伴う県の支援について伺います。
    日本博物館協会の08年度末の調査で博物館が07年度費21館減少の4041館となり戦後初めて博物館の数が減ったと報じられています。
    「博物館先進県」と言われた千葉県でも、2002年の行財政システム改革の「市町村との役割分担を明確にし、県内博物館ネットワークの再整備の観点から、統廃合や市町村への移譲を進めるとともに運営方法の見直しを行います」との方針がだされ、その結果、10館体制が5館となり、01年度と10年度の比較では予算ベースで35.5億円が22億円(約4割減)となりました。資料や情報を後世に伝えるには人材育成が不可欠ですが、中央博物館自然系専門職員(海の分館含む)では、06年から10年度で50名から43名に減り、99年以来、採用のない状態です。これでは次の世代に自然や文化を伝えたり生涯学習を支援することができません。このように人材育成計画をつくる余裕もなく、県立博物館全体の博物館員は209人から135人と3分の2になりました。まさに千葉の博物館は厳しい「冬の時代」にあります。
    そこで以下伺う。
    一点目に、2002年の行財政改革後の「県内博物館ネットワーク構想」は未だ策定されていない。今後の策定計画はどうなっているのか?

    【鬼澤教育長】
    1 県立博物館については、まちづくりや地域振興の面から、市町村が運営した方が活性化すると考えられる上総博物館や安房博物館を移譲するなど、これまで見直し・再編を行ってまいりました。
    2 これまでの見直し状況を踏まえ、博物館のより一層の利用促進や専門分野の再構築など、今後のあり方について検討を行い、その基本的な方向性を早期にまとめることとしております。
    3 その上で、県内の市町村立や私立の博物館とのネットワークにつきましても、相互の連携による県民サービスの向上や「ちば文化」の多様な魅力を発信する観点から、引き続き検討してまいります。

    【川本】今年度に「博物館ネットワーク」を策定する際、県立博物館のハードの施設整備更新計画、新規採用を含めた人材育成計画を含めて、しっかり検討いただきたい。その際、地域住民を含め、県民やNPOの参加で検討することを要望します。

    ・安房博物館の移譲後も継続的な支援を

    【川本】二点目に、安房博物館の館山市への移譲に伴い、学芸員4人が2人に減り、うち一人は県からの期限付き派遣という。貴重な収蔵品の管理、伝承が将来とも確実に行われるために県はどのような支援策を考えているのか。

    【教育長】
    1 館山市に移譲した安房博物館は、館山市立博物館の分館として、現在、平成23年度のリニューアルオープンに向け準備が進められております。
    2 安房博物館の収蔵資料につきましては、国指定の重要有形民俗文化財「房総半島の漁撈用具」をはじめとして、館山市に移譲したすべての資料が、移譲前とほぼ同じ状態で保管・管理されております。
    3 県教育委員会では、移譲前に館山市の学芸員の研修を行うとともに、移譲後には、資料の特性に伴う取扱いのノウハウなどの円滑な継承を図るため、県から専門職員1名を派遣しております。
     今後とも、資料の保管・活用についての技術的な指導を行うなど、継続的に支援してまいりたいと考えています。

    ・生物多様性センターの一層の充実を

    【川本】次に、生物多様性センターと中央博物館のあり方について伺います。
    08年に策定された生物多様性ちば県戦略の推進を図ることを目的に、環境生活部自然保護課の下に中央博物館が連携して生物多様性センターが設置されました。
    生物多様性センターは生物多様性体験学習推進事業(学校ビオトープ)や、外来種の防除の取組、絶滅危惧種の保護、生物多様性情報の収集・管理・提供、県民参加型のモニタリング調査など多面的な取り組みをしています。
    そこで伺う。
    一点目に、知事部局と教育庁との連携による新しい試みである生物多様性センターは千葉県行政が抱える自然環境に関する様々な課題の解決に向けて、今後人員など含め一層の充実が期待されるがどうか。

    【森環境生活部長】
    1 生物多様性センターは、中央博物館の協力を得ながら、地域や現場において、動植物の生態等に関する専門的・科学的な指導・助言を行うなど、生物多様性の保全に取り組んでいるところです。
    2 今後とも、中央博物館はもとより、大学や 試験研究機関等との連携を更に図り、自然に恵まれた本県の生物多様性の保全に努めてまいります。

    ・中央博物館の自然系部門は、知事部局が抱える自然環境の課題の取り組みを

    【川本】2点目に、中央博物館の組織面も含め今後のあり方が問われているが、自然誌系においては「行政のすべての施策の立案と実施に生物多様性の視点を盛り込む」ために知事部局との連携をより強めることを検討すべきと考えるがどうか。

    【教育長】
    1 中央博物館の自然誌部門は、開館以来、専門的な研究や資料収集を進め、その成果は全国的に有数のものと認められているところです。
    2 これまでも、中央博物館では、その専門的な知見を活かし、千葉県レッドデータブック作成への協力や、学校ビオトープフォーラムの共同開催など、知事部局との連携を図ってきたところです。
    3 県教育委員会といたしましては、今後とも、自然保護や環境保全など、生物多様性センターをはじめ知事部局の行う事業に対して、中央博物館の研究成果や収集データを提供するなど協力してまいりたいと考えております。

    【川本】 自然系博物館では滋賀県の「びわこ博物館」で、自治体が抱える自然環境の課題に取り組むため、組織的には知事部局にウェイトを置いています。
    中央博物館の自然系研究職員には、有害鳥獣対策、干潟など県が直面している様々な課題解決にその専門的知識や能力を役立ててほしいことを多くの県民が求めています。
    中央博物館のあり方を今年度、検討するという話を聞いたが、知事部局も積極的に加わって検討すべきと考えるがいかがか。

    【教育長】 博物館は社会教育法や博物館法で資料の収集や保管、展示、調査研究等を目的とする社会教育機関と位置付けられていることから、基本的に県教育委員会で検討すべきと考えておりますが、見直しにあたっては、必要に応じて、外部有識者や関係団体などの意見も聞きながら検討を進めてまいりたいと考えております。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)2010年06月定例 | 00:00 | - | - | - | - |
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