市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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6月県議会県土整備常任委員会(6月14日)報告
〜安房農林振興センターの虚偽報告と安房地域整備センターの繰越手続き問題
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      17日で常任委員会が終わった。
    委員会では、虚偽報告と繰越手続き問題も審議された。県は一貫して職員のコンプライアンス意識の低さが原因としているが、どういう法令の第何条に反するのか明確にしない。

     安房農林振興センターの虚偽報告の農道整備事業(工期09年9月26日〜10年3月25日)の検査手続きの流れは、以下の通りだ。

    3月25日 工事完成通知書
    (請負業者→県知事(安房農林振興センター)
    3月25日 工事完成報告書
    (安房農林振興センター所長→県土整備部技術管理課長)
    3月25日 工事検査実施通知書
    (県土整備部技術管理課長→安房農林振興センター所長)
    3月29日 工事検査実施
    3月29日 工事検査調書
    (技術管理課発行)
    3月31日 工事認定通知書
    (技術管理課長→安房農林振興センター所長)
    4月09日 工事中止
    (農水部耕地課が現地確認し、安房農林振興センターに指示)

     地方自治法第234条の2(契約の履行の確保)で、地方公共団体は契約の適正な履行を確保するため、必要な監督または検査が義務づけられている。監督または検査の方法は契約書、仕様書および設計書その他の関係書類に基づいて行われなければならない。(令167条の15)
     検査等にあたる職員は、「故意又は重大な過失により」その義務を怠ったり、手抜き工事を見逃す等によって地方公共団体に損害を与えた時は損害賠償責任を負う。(自治法第243条の2(職員の賠償責任))
     地方自治法第234条の2、同243条の2から虚偽報告、繰越問題をとらえる必要がある。

    ●県土整備常任委員会(6月14日)質疑応答詳細
    ・安房農林振興センターの虚偽報告問題

    【川本】安房農林振興センター虚偽報告問題について技術管理課の対応と責任はどうか。

    【荒木技術管理課長】技術管理課は、事務所からの検査依頼に基づいて検査業務を実施しています。本件についても、安房農林振興センターからの工事完成報告に基づき、検査を実施しております。現地検査時において未完成部分があることが判明しましたので、竣工部分を確認する出来形検査として実施しました。本来は、出来形検査として必要な書類を整えてから、検査を実施すべきであり、完成報告と相違するのでこの判断は適切と言えないと考えます。今後は、検査書類に不備がないかどうか検査前に確認するなどチェックを徹底してまいります。

    【川本】技術管理課の対応は、「千葉県建設工事検査要綱」「土木工事標準仕様書」に逸脱するものと考えるがどうか。

    【技術管理課長】
    検査については、建設工事検査要綱に基づき、事務所からの報告書による検査依頼に基づいて実施しています。今回、現地検査の一連の流れの中で、実施現場が完成していなかったということで書面が不備なまま修正せずに手続きをしてしまいました。それについて責任はあると考えています。

    【川本】3月25日付けで安房農林振興センターからの完成報告書を受理したとのことだが、1枚の紙だけか、添付する書類は他にあったのか?

    【技術管理課長】完成報告書1枚でした。

    【川本】現地の検査のどの段階で未完成に気づいたのか。
     検査の順番として、1、総括説明、2、資料検査(11の書類)、3、実地検査があるが、どの段階か。

    【技術管理課長】検査監から細かい話は聞いていませんが、書類検査、実地検査のときに未完成だと判明したと思われます。

    【川本】安房農林振興センター所長名で、「工事完成報告書」が技術管理課長あて3月25日付けで出されている。土木工事共通仕様書の1-1-20工事完成検査では、請負者は監督職員にすべての工事が完成後「工事完成通知書」を提出とあり、今回はセンター組織としての虚偽報告であると考えるが、技術管理課としてそのように受け止めているか?

    【技術管理課長】調査により整理していきます。

    【川本】3月29日付の検査監作成の「工事検査調書」によれば、「完成検査を実施したところ、未竣工工種があり、出来形検査として実施した」とある。
    また、「3月29日設計図書(出来形調書)に基づき検査の結果、下記のとおり出来形を認める」とある。これには、技術管理課長、副課長、主幹、室員の4人の印がある。この出来形検査を4人が追認したとのことだが、技術管理課として追認したことになるのではないか。

    【技術管理課長】現場で工事が完成していないということで完成検査を出来形検査に変えたことについては、検査監と安房農林振興センターとの間の両者との話ということになります。完成という形では認められないので出来形を認めたことになります。

    【川本】検査監を指揮監督する立場(検査要綱第4条)にある技術管理課長は、検査監からどのような報告を受けたのか、またそれを受けて、どう対処したのか?

    【技術管理課長】工事は完成していないので出来形検査としたという報告を受けています。

    【川本】検査要綱の第9条の定めには、「課長は、本庁の検査監が行った検査により、出来形、品質等が契約図書及びその他関係図書と相違し、又は不完全と認められるときは、手直し工事指示書により、主務課長又は所属長(センター長)に指示する」「極めて重大であると認められるときには、遅滞なく県土整備部長に報告する」とあるが、こうしたことは行ったのか。

    【技術管理課長】そのようなことはしていません。今後、このようなことが起きないように再発防止策を検討したいと考えています。

    【川本】技術管理課長、検査監による、「出来形への変更を根拠なく認める」「指示書を出さなかった」「部長に遅滞なく報告しなかった」という点で、「千葉県建設工事検査要綱」「土木工事標準仕様書」に逸脱する行為をとっているといえるのではないか。

    【技術管理課長】経緯等については、これから詳細に調べたいと思います。

    【川本】請負者は虚偽の工事完成通知書を出している。請負者の責任、入札資格、入札時の評価はどうなるのか。

    ・安房地域整備センターの繰越手続き問題

    【川本】安房地域整備センターの繰越手続き漏れ問題について、安房地域整備センターの当該工事の監理責任と請負者の責任についてどうか。

    【大林河川整備課長】工事の監督体制は、所長が総括監督員、担当課長が主任監督員、担当者が監督員として、請負者に対する指示・承諾・協議等の処理を行い、互いに報告や指導をしながら対応しています。また、今回の原因は、県が予算執行上の適切な手続きを怠ったことによるものなので、請負業者の責任は無いと考えています。

    【田中公園緑地課長】今回の原因は、予算執行上の適切な手続きを怠ったことによるものなので、請負業者の責任は無いものと考えています。

    【川本】総括監督員は、重要なものの処理、契約担当者への報告を行い、監督業務の掌理を行う。主任監督員は、総括監督員への報告、監督員の指揮監督並びに現場監督総括業務、一般監督業務の掌理を行う。監督員は、主任監督員への報告、一般監督業務の掌理を行う。(土木工事共通仕様書) 監督員、主任監督員、総括監督員はそれぞれ役割を果たしていたのか。

    【河川整備課長】月々の工程管理の中、報告・打ち合わせがあって工事は進められました。

    【川本】監督員は主任監督員に、主任監督員は総括監督員に工事が終わらないということを伝えていたのか。

    【河川整備課長】2月末までは工期内に終わると思って工事をしていました。多少の遅れは許されるであろうという、コンプライアンス意識の低さから手続きを怠ってしまいました。3月末の時点では、総括監督員まで判っていたと思います。

    【川本】総括監督員である安房地域整備センター所長が繰越手続きを怠ったということか。

    【河川整備課長】多少の遅れは許されるであろうという、コンプライアンス意識の低さから手続きを怠ってしまいました。

    【川本】総括監督員は、重要なものの処理など報告義務がある訳だから、明らかにセンター長として行うべきことをしなかったことについて、その責任が問われるべきと思うがどうか。

    【栗原県土整備政策課長】職員の責任については、総務課等と協議のうえで判断させていただきたいと思います。

    【川本】先ほどの虚偽報告問題と同様、安房地域整備センターの繰越手続き問題についても、監理監督責任という観点から、きちんと調査して、その報告書を公表していただきたい。
     安房地域整備センターは地域整備センターの統廃合で、管理人員が減る一方、事業額が1.4〜1.5倍になっている。今回の問題の要因の一つとして人員配置と事業量のバランスということも考えられるが、実際現場で働いている人たちからヒアリングして調査したのかどうか、その上で人員配置と事業量のバランスで問題なかったのかを伺いたい。

    【政策課長】今回の件に関しては、調査は特別に行っておりません。平常時における人配置ですが、職員の配置にあたっては一人当たりの事業費、あるいは事業の件数などを総合的に勘案し、また現地の実情を伺い、人員配置を行っています。また、安房地域の統合による人員減については、他の地域整備センターと同様の人員配置を行っています。

    【川本】きちんと管理業務ができないといった実態があれば、それなりの体制をとるべきだろうし、もし問題ないというなら、まさに監理者の怠慢以外の何物でもないということになる。ぜひ人員配置と業務量のバランスの面に関しても現地の人からヒアリングして、問題ないかどうか検証することを強く求めたい。
     今回の繰越手続き問題に関係した事業で、すでに未完部分の工事を始めているものはあるのか。国からの補助はどうか。

    【河川整備課長】4月以降工事を行っているものは地滑り対策工事です。国庫補助ベースで約86万円で、これは県の支出となります。

    【川本】県土整備部としてはこれだけということか。

    【河川整備課長】今はそういう解釈であります。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)2010年06月定例 | 00:00 | - | - | - | - |
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