市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

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知事、教育長あての浦安事件「被害者とその家族を支える会」からの要望書全文
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      今朝15日の「毎日新聞」の「経済観測」で伊藤隆俊氏(東大公共政策大学院副院長)が、「黒字事業と赤字事業をくっつければ、赤字補助の税金を節約できる、という発想」を経済学では「内部補助」というが、このモデルの最大の問題点は、赤字事業において効率化の努力が失われることだ、内部補助を導入しても、税金が節約されるわけではない、と指摘し、郵政や関西圏の空港運営をめぐる動きを批判している。
     
     これを読んで、今、社会実験で話題のアクアラインを思い出した。
     99年度の決算で、料金収入144億円(実績1万1900台/日平均、一方、75年の推定開通時交通量7万台/日で普通車2100円、97年の推定は2.5万台/日で4900円)、管理費54億円、建設費借金の返済金利だけで404億円で、収支はマイナス314億円という巨大赤字となった。もちろん、このコストには自然破壊、騒音、大気汚染の社会的費用は含まれない。
     そこで、当時の道路公団は2000年度から、アクアライン、アクアライン連絡道、千葉東金道路、京葉道路の各有料道路を「千葉プール」に一括してしまい、アクアラインの膨れ上がる赤字を隠してしまった。(「道路をどうするか」五十嵐敬喜、小川明雄著、岩波新書、3-4頁) 

     これは効率化の努力云々の問題どころではなく、デタラメな公共事業(デッチあげる構造)を隠蔽し、推進した者(民間を含む)を免責することが目的であると見られ、伊藤氏は「内部補助」の最大の問題を挙げるならば、この点をまず指摘すべきである。アクアラインは中曽根政権時、「民間活力利用」のスローガンで推進され、70年代には新日鉄など大手企業による「東京湾横断道路研究会」が過大な需要予測をデッチあげたことを忘れてはならない。郵政民営化、小泉改革、規制緩和推進者と思われる伊藤氏は、「千葉プール」について是非批判してもらいたいものだ。 

     さて、13日のブログで紹介した森田知事、鬼沢佳弘教育長あての浦安事件「被害者とその家族を支える会」からの要望書の全文を以下に掲載する。

    【参考】森田知事、鬼沢佳弘教育長あての浦安事件「被害者とその家族を支える会」からの要望書(2010年4月12日)

    「浦安市立T小で起きた担任教諭による知的障がいのある女児への強制わいせつ事件」に関する要望

    <要望趣旨>
     3月24日、浦安事件の民事控訴審(東京高裁)判決において、浦安市と千葉県の控訴は棄却され、民事一審(千葉地裁)で認定された3点に加え新たに3点のK元教諭による被害少女への性的虐待行為が事実として認められました。高裁は、市と県に一審の60万円を上回る330万円の賠償を命じ、さらに「本来は尊敬すべき教師から暴行行為や虐待行為を受けたものであり、許し難い」と断じました。
     事件発覚後、市や県が被害事実を認めなかったために、被害少女とその家族は、刑事・民事と6年にわたる裁判を闘わなければなりませんでした。それは、本当に長く厳しい闘いでした。

    千葉県は、被害少女を救済することなく、市と共にK元教諭を擁護し続け、加害事実の係争中(2007年)にK元教諭の依願退職を認め、再び教員の職に就ける機会を与えてしまいました。さらに、民事一審判決を不服として「3点の事実認定に疑義あり」と控訴し、被害少女とその家族にさらなる苦難を強いてきたのです。

    千葉県が、その過ちを認め、対応を改めない限り、学校内における同様の事件や被害、二次被害を防ぐことはできません。
    よって私たちは、県に対し、民事控訴審判決の重みを真摯に受け止め、以下の内容を速やかに実行するよう、強く要望します。

    <要望内容>
    1.被害少女とその家族への謝罪
     児童に危害を加える教員を採用し、前任校でも前々任校でも問題があった教師をたらいまわしにし、そのK元教諭の加害行為を明かにしないまま、依願退職を認めてしまったこと。また、事件発覚後、一貫して浦安市と同調し、被害少女とその家族を長年にわたり苦しめたこと等、千葉県の責任は、非常に重いといわざるをえません。
     被害者家族は「形式だけの謝罪は不要」とおっしゃっています。K元教諭の暴行と性的虐待の事実をきちんと認め、千葉県の責任を明確にし、その対応を深く反省したうえで、謝罪をしてください。

    2.再発防止に早急に取り組むこと
     被害少女とその家族が民事訴訟を起こしてまで厳しく辛い裁判を闘ってきたのは、知的に障がいのある子どもたちの訴えが真実であることを明らかにすることに加え、二度と学校内で同様の教師によるわいせつ事件等が起きないよう、浦安市と千葉県が再発防止に真剣に取り組むことを望んでいたからです。
    被害少女やその家族、「支える会」や県民の意見を十分に取り入れた、第三者委員会等の設置を求めます。また、他の再発防止策があれば、速やかに実行してください。(県は全国に先駆け「障がい者差別禁止条例」を制定し、学校における児童へのわいせつ被害を防ぐための指針を作成していますが、未だ学校現場に周知徹底されていません。早急に周知徹底させてください。)

    3.K元教諭を絶対に「採用」しないこと
     民事一審と控訴審の判決で事実認定されたK元教諭の性的虐待や暴行は、本来ならば懲戒免職を免れない行為です。
    K元教諭は、前任校でも前々任校でも、体罰やスクールセクハラで問題となり、刑事事件で逮捕された時には、家宅捜査で多数の児童ポルノが押収され、刑事二審(東京高裁)判決で、幼児性愛癖(ペドファイルを訳したものであるが、正確には幼児性虐待者)も指摘されています。
    しかし、それを承知しながら、私たちの「懲戒免職の要求署名」を無視して、2007年3月にK元教諭の依願退職を、早々と認めてしまった千葉県の責任は、重大です。
    本来は守るべき児童たちを脅し、性的虐待を加え、己の性器を見せるような教師が、なぜ教員免許を剥奪されずにいるのか、私たちには、まったく理解できません。今後、学校や子どもに関係する児童館、学童保育、学習塾、NPOなどの場で、K元教諭が、再び同様の暴行や性的虐待行為をしない保証は、どこにもないのです。
     子どもの安全を保障すべき千葉県は、K元教師を、学校や子どもに関係する施設等で、絶対に採用しないと約束してください。また、他県での再発も防止してください。

    4.K元教諭に「求償権」を必ず行使すること
     このような教師のために、県民の血税を使うことは、絶対に許されることではありません。330万円と利息の全額を、国家賠償法1条2項に基づき、K元教諭に請求し血税を返還させてください。「求償権」の行使を怠り、これ以上の血税を費消することは許されるものではありません。

    子どもの頃に受けたわいせつ被害は、長く深い爪あとを被害者に残します。被害少女は、今なおPTSDに苦しんでいます。その事実から目をそらさず、猛省してください。被害少女や家族に、6年もの間、多大なる苦しみ、悲しみ、怒りを与え続けてきたのは、まぎれもなく、千葉県であり、浦安市です。
     K元教諭は、「言ったら殺す」と少女たちを脅していました。それでも、事件は発覚したのです。学校に言っても、ダメ。教育委員会に訴えても、ダメ。やむなく被害少女とご両親は、裁判という辛く険しい道を歩むことになりました。そして、苦難の末、やっと手にした3月24日の判決。
    千葉県は、この判決に従い、速やかに私たちの要望を実行してください。また、市に同様の要望書を提出しているので、直ちに両論併記による「事故報告書」を提出するよう、また、二度と被害者を出さぬよう、市を厳しく指導・監督してください。
    以上
    Posted by : 川本幸立 | - | 10:29 | - | - | - | - |
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