市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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2月県議会県土整備常任委員会報告
〜アクアライン社会実験と木更津市の地域振興
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      9日朝刊は、神奈川県の不正経理問題で、神奈川県警が県税務課の元職員2名を4千万円の詐欺容疑(預け→プール金の私的流用)で逮捕したことを報じている。

     一方、千葉県の不正経理4月1日のブログで、内部告発に基づき県職員生協(理事長は県総務部長)に「供給未収金(請求控)」の写しの提供を求めたことを記したが、6日夕、生協副理事長の須藤英徳氏より、「生協内で検討した結果、生協は民間業者と違いはないので開示はできない」との返事があった。

     県生協に派遣された2人の給与は県の一般会計から支出されており、その点からも県職員生協の事業に公務労働の側面が皆無ということはないと思う。オープンにして疑念を払拭すべきだ。

    ●アクアライン社会実験と活用戦略

    木更津市の最新(98年見直し)の目標人口は、2015年に17万人(1973年の当初は34万人)、それに対し、10年2月現在の人口は、127826人(04年122807人)である。人口が増加しているというが、97年12月アクアライン開通時(122000人)と比較すると6000人程度増加したに過ぎない。

     アクアラインが開通した97年と5年後の02年の比較では、木更津市の卸売・小売業は年間販売額で540億円減16%減となっている。「半島性の脱却」政策が木更津の優位性を失わせ商圏の縮小を招き、アクアラインによるストロー効果により、対岸の川崎に事業所が吸収統合化されていく。(「東京湾横断道路の木更津市地域経済への影響に関する実証分析」川村久幸、安田八十五、関東学院大学「経済系」第223集、2005年4月) 

    金田地区への三井不動産による全国最大級のアウトレットパーク(敷地21ha、12年春一部開業)進出計画について、木更津市長は「地域の活性化につなげたい」と張り切っているというが中心市街地の一層の疲弊が進みことが容易に推測され、周辺地域ではアウトレットパークそのものも過剰気味である。地域振興も外部資本頼みの「競争」信仰から「共生」へと頭を切り替える必要がある。中心市街地は文化継承の中心地でもあり地域文化そのものが衰退する。

     2月県議会の県土整備常任委員会で、アクアライン社会実験と活用戦略について質したので以下に質疑概要を紹介する。
     
    ・アクアラインの交通量はすでに飽和状態ではないか?

    【川本】15億円を財政調整基金から海のものとも山のものとも不明な社会実験投入することの問題点、地方財政法上の疑義、23年度はどうするかなどの課題については、すでに代表質問、予算委員会などで指摘された。 一方、社会実験の結果が確定したものが出されていないにもかかわらず「料金引き下げの効果を県経済の活性化や地域振興に確実に結び付けていくため」として、行動計画が示され、その中に県土整備部所掌の様々な新年度事業が列挙されている。そこで、社会実験とその活用戦略について伺う。
     アクアライン料金値下げ社会実験の中間報告についてどう評価するのか。

    【金谷道路計画課長】中間報告に向けて協議会の中で議論しております。データを含めてとりまとめている最中ですが、社会実験の成果については、交通、観光、企業立地、物流、環境の観点から検証することとしており、この中で年度内に定量的に効果が把握できるものについて中間とりまとめを行っていきたいと考えております。
    まず、交通分野では、社会実験開始から2月末までのアクアラインの交通量が前年比で5割増加、特に大型車が倍増しているなど大変順調に推移しています。
    アクアラインの上下線別の利用状況として、木更津側への下り線と、川崎側への上り線の午前中における交通量の比率が、小型車・平日で約6・4、休日で約7・3となっております。木更津側への比率が大きいことから、対岸川から千葉県に来られる方が多いと推測されます。
    また、観光分野では、千葉県に旅行した方へのアンケート調査によれば、約4割の方が千葉県への旅行頻度が増加する、または、増加したと回答し、アクアラインを利用した方の約半数が、料金値下げ分で飲食代やおみやげ代を増やしたと回答しており、一定の経済的な効果が現われているものと考えています。

    【川本】アクアラインは土日と盆休みで4万5千台では渋滞が発生しており、平日は2万6千台程度に落ち着いている。
    片側2車線でスムーズに走れるのは4万台から5万台が限界ではないか。平日は増える余地はあるものの、全体としてアクアラインの交通量の大幅な増加は見こめないのではないか。

    【道路計画課長】今後の交通量の予測は、道路だけで交通量を議論するのは難しく、むしろ千葉県側の観光、企業立地動向などに左右されるものでして、議論は控えたいと思います。
    一方、アクアラインの渋滞について、日交通量が45000台などになり連休中で渋滞が発生していることは事実です。日交通量についてもデータをとって分析しているところですが、時間ごとの交通ピークに注目すると1時間あたりで2500台集中しますと速度が低下して渋滞が発生するというメカニズムが見えてきています。
    今までも渋滞対策として海ほたるでの駐車場を拡大したり、トンネン内でも速度低下しないように注意喚起をしたりしておりますが、これらのデータをもとに発生するメカニズムについて、社会実験協議会のメンバーと調整し、今後に備えて効果的な渋滞対策を検討してまいります。

    ・湾岸からのシフトは?交通需要のコントロールを

    【川本】 湾岸からのシフトと渋滞解消、大気環境の改善が国の協力の大きな前提だった。しかし、全体として湾岸(東関道と京葉道)の交通量が2%台の減ということだが、これで、今回の社会実験が湾岸へのシフト、大気環境の改善に効果があるといえるのか。
    むしろ、社会実験が公共交通の利用から車利用を促しているのではないか?

    【道路計画課長】 湾岸部について、効果を期待しており、ETCデータで過去に湾岸部を通った車両がアクアラインに転換したことなど、車両等を特定してデータの分析を行っているところです。
     また、アンケート調査ではアクアラインを利用した方が、従来は湾岸ルートを利用していたがアクアラインルートへ転換したと回答を得ています。
     ETCデータ等を用いた分析により、アクアラインへの交通の転換と湾岸部の交通との関連について調査しているところであり、これらの分析・調査を深めながら、交通転換が湾岸部の渋滞緩和や環境改善にどの程度寄与しているか、把握してまいりたいと考えております。

    ・金田地区開発は住宅地供給過剰に拍車をかける

    【川本】11年度以降、国策として800円化を求めるのであれば、「無政府的な車需要」ではなく、交通需要をコントロールする施策が求められることを指摘しておく。
     次に、アクアラインの活用戦略の一つである金田地区開発事業と木更津地域の地域振興について伺う。
    金田東と西あわせて2万戸の住宅地を造るとしており、アクアライン社会実験の効果で高まる土地需要の受け皿になる用地を早期に確保する必要があるとあるが、そもそも木更津市の住宅地の供給需要はひっ迫しているのか。

    【松井都市整備課長】 木更津市においては、木更津駅の東側を中心に21地区で区画整理により整備が進められ市街地が形成されているところですが、現在施行中の地区は金田2地区を含め3地区となっています。
     金田地区については、羽田・横浜・東京に近いということから、広域性の高い交通利便性を活かした商業や流通機能などが集積する拠点の形成を目指して整備を進めているところです。
     金田の住宅用地については、アクアラインの着岸地としての高いポテンシャルや対岸地に無い自然環境が豊かであるなどの地域特性に加え、東京方面への高速バスターミナルを利用できるということで新たな土地需要が見込まれると考えています。

    【川本】住宅需要がひっ迫しているかについては回答がなかったが、木更津の既存の区画整理事業23地区の計画人口は13万8千人で、以前からの6万3千人を加えるとだいたい20万人となり、2月時点の市の人口が12万8千人であることを考えると今回の金田地区がなくとも十分余る。その辺にもチェックを入れてバランスを取った上でやらないと、社会実験だからいいというものではない。

    【都市整備課長】既存の内陸部での開発は完成していますが、入居の状況は良いとは言い難いと思います。ただし、金田地区はアクアライン着岸地としての場所・地域特性を活かした開発と考えています。

    【川本】金田地区開発は住宅地供給過剰に拍車をかけるものだ。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)2010年02月定例 | 10:43 | - | - | - | - |
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