市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

<< 千葉県が正すべき喫緊の課題は、
仝幹部と議会多数を占める自民党の馴れ合い
60年間、まともな地域経済波及効果の検証も行わず推し進めてきた中央依存(=中央利権と結びついた)の地域開発
| main | 知事や県議会の体たらくぶり、変革の主体は県民だ
〜知事、県議の資質・能力を見抜く目を持ち、常に監視を怠らず問題があればリコールを >>
東京湾アクアライン、かずさアカデミアパークによる
地域振興効果がみられない木更津市、君津市の統計データ
0

     元旦付けの「ちば県民だより」1月号の表紙で、森田知事が「企業誘致や観光の振興に大きく寄与している東京湾アクアラインなど、千葉県のポテンシャルはますます高まっています。2年目となる総合計画『輝け!ちば元気プラン』を着実かつ効果的に推進することで、次の世代に向けて光り輝く千葉県を築いてまいります」と語っています。

    東京湾アクアライン、かずさアカデミアパーク構想は千葉県民にとってプラスなのでしょうか。

    「かずさアカデミアパーク」は、バイオテクノロジーなどの研究開発拠点を目指して1991(平成3)年に着工しました。09(平成21)年までに千葉県は1100億円を投入したものの、未だ150haの企業用地の内66haが未利用のままです。借地88haの賃借料だけでも転貸料差し引きベースで毎年約4億円の支出が余儀なくされます。2010(平成22)年1月には中核施設で開業以来18年間赤字の第三セクターが経営破たんしました。これによる県民の損害は60億円です。しかし、その責任は不問とされました。

    この木更津市と君津市にまたがる上総丘陵の開発区域の計画就業人口16000人に対し、実際は10分の一にも達してはいません。バイオテクノロジー推進の象徴的存在であるDNA 研究所への県の補助金累計は約280億円で、今後も毎年十数億円を補助しなければ経営は成り立ちません。
    実は、この研究開発拠点計画自体が、アクアライン建設をにらんで土地を買占めて経営難に陥っていたJ・D社(新日鉄子会社)に対する当時の沼田県政(1980年〜2000年)による救済策と批判された経緯がありました。

    一方、東京湾アクアラインは建設費1兆4千億円、1997(平成9)年12月に開通しました。事後評価委員会は供用後40年で便益が3.3兆円、費用便益費(B/C)が1.9と試算しました。しかし、この結果には疑義が示され、厳密に評価するとB/Cは0.18となるとの指摘があります。1よりはるかに小さいということは、そもそもアクアラインが建設に値しないことを示しています。
     
    2009(平成21)年8月から国25億円、県25億円を負担して普通車800円化などの社会実験が実施されていますが、50億円を使う価値があるかどうかその効果については今月末に発表される予定の報告書待ちです。
    ところで、社会実験で通行量が増えたといいますが、1日4万5千台程度が交通渋滞の点で上限となっています。しかし、1兆4千億円を投入したアクアラインの採算ベースは通行料金が3千円〜4千円で通行量は7〜8万台/日というものでした。このことからも当初の計画がいかに杜撰なものであったかが理解できます。

    91(平成3)年からの「かずさアカデミアパーク構想」、97(平成9)年開通のアクアラインは、地元の木更津市、君津市にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。

    工業統計、商業統計、地価、人口、市町村税収などの推移からは、プラスの影響はみられません。逆に地元木更津市では、例えば、商店数と年間販売額(飲食店除く)を見ると、82年1983店2580億円、91年2226店3892億円、97年1459店3372億円、07年1306店2916億円と、91(平成3)年以降、下降傾向にあります。

    以下に工業統計(事務所数の推移・従業者数の推移・製造品出荷額等の推移)、商業統計(事務所数の推移・従業者数の推移、年間商品販売額の推移)、漁業統計(経営体数の推移・就業者数の推移)を示します。なお、工業統計の「製造品出荷額等の推移」で、H13〜19と変化が見られますが、ゲーム機(木更津)と鉄鋼(君津)の出荷増によるもののようです。
    木更津・君津データ(工業)
    木更津・君津データ(商業)

    木更津・君津データ(漁業)








    Posted by : 川本幸立 | アクアライン問題 | 00:18 | - | - | - | - |
    TOP