市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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2月定例議会県土整備常任委員会質疑詳報(後半)
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    ●2月定例県議会県土常任委員会(3月4日)質疑詳報(後半)

    4.養浜事業
    /掲度予算の砂浜侵食対策費と内訳〜一宮海岸の侵食対策の事業内容
    環境施策の充実について
    「一宮の魅力ある海岸づくり会議」の今後の進め方
    ざ綵酋緡ど佑侶粉僂鯤欷遒垢襪燭瓩坊粉儼弉茵⊂鯲磴寮定に検討について
    5、八ッ場ダム事業と河川整備

    4、養浜事業

    /掲度予算の砂浜侵食対策費と内訳〜一宮海岸の侵食対策の事業内容

    【川本】県土整備部新年度予算での砂浜侵食対策、養浜対策費とその内訳はどうなのか?
     その中での、一ノ宮海岸の侵食対策の事業内容、この2点についてお伺いします。

    【大林河川整備課長】まず、侵食対策として、九十九里浜全体の侵食対策について、吉崎・野手海岸などの北九十九里海岸については、ヘッドランド12基、一宮海岸の南九十九里海岸についてはヘッドランド10基を施工しております。
    22年度を含めて、これまでに侵食対策に要した費用は北九十九里で約84億円、一宮海岸で約67億円で、約151億円です。
    一宮海岸の侵食対策の事業内容ですが、一宮海岸ではヘッドランド10基を施工する予定で全て着手しています。また、南九十九里浜の養浜計画に基づいて片貝漁港や太東漁港の堆積している土砂などをサンドリサイクルして砂浜を回復する養浜に努めています。

    【川本】一宮海岸での「一宮の魅力ある海岸づくり会議」の議事録などを見ると、土地利用のあり方として、単なる砂浜侵食対策ではなくて、「渡り鳥の営巣地」「海水浴場」「サーフィンをする場所」、環境として「アカウミガメが上陸して産卵できる場所」というような、いくつかの目的とする土地利用ごとに、きちんと海岸利用と環境を整備していくという事を位置づけようとする方向にあると思うが、今回の一宮海岸の侵食対策の事業内容において、こうした「渡り鳥の営巣地」「海水浴場」「サーフィン」「アカウミガメが上陸して産卵できる場所」ということをきちんと位置づけた予算内容となっているのかどうなのか、お伺いしたい。

    【大林河川整備課長】「一宮の魅力ある海岸づくり会議」でヘッドランド間にも各いろいろな特徴を持った整備をしていこうということは今後の目標として、今、もっているところです。来年度に予定している事業につきましては、海岸侵食のための緊急的に必要な8号ヘッドランドの延伸である建設や養浜をするということで、今、考えております。

    【川本】この会議の議事録を見ると、例えば、茨城県の鹿島灘では、ヘッドランド周辺の離岸流によって水難事故が多発したことから、ヘッドランド周辺を立ち入り禁止区域に指定しているということが報告されている。ヘッドランドを設置すればするほど 海と人の利用が切り離されていく。ヘッドランドと離岸流と水難事故との関係についてしっかり検討する必要があると思うが、それを検討しているのかどうなのか。
    サーファーにとっては、ヘッドランドの縦堤は別にして、ヘッドランドの横堤は、シーズンによって波が立たなくなってしまうので好ましくないということなので、少なくても横堤の設置については慎重にすべきだと思うが、そういう方向で検討されてきたのかどうか。

    【大林河川整備課長】今の2問は関連しておりますので、一緒に答えさせていただきます。今度の「海づくり会議」で議論したいと思っております6号ヘッドランドの横堤ですが、これについては横堤の影響は、離岸流とか、砂のつき方、サーファーの方の波の影響、これらをシュミレーションをかけて、これからじっくり考えていきたいと考えております。

    【川本】―――要望
    しっかり離岸流と水難事故との問題、サーファーの言われる波の問題を絡めて慎重に検討していただきたい。

    環境施策の充実について

    【川本】もう1つ、環境面との関係で、秋山章男さんという一宮海岸に移り住んで36年ぐらいになる海洋生物学専門の方が、9月19日に開催された第2回の「一宮の魅力ある海岸づくり会議」でも報告されていたが、アカウミガメが、1994年から2008年に212回、一宮海岸へ上陸が確認されたが、うち4割が産卵したが、残り6割が産卵しないで海に戻ってしまったと。海岸侵食によって、十分な砂浜が無いことや、蛇かごの設置などがその要因であると。
    ウミガメが卵を産むのに最適な場所は、海岸の植生帯であり、海岸の保全には海浜植物がカギとなるということを指摘されている。
    そういう面でいうならば、生物の環境調査と共に、どういう海岸を作っていくの、環境そのもの、単に砂浜の問題だけでなくて、そういう植生帯の絡みの中できちんと海岸を作っていくという視点が必要ですが、それについてはどうですか?

    【大林河川整備課長】
    ウミガメへの影響ということですが、今回、この一宮海岸では侵食対策ということで砂浜の復元に向けて、鋭意努力しています。砂浜が復元できれば、ウミガメへの影響も少ない、緩和されるだろうと考えております。

    「一宮の魅力ある海岸づくり会議」の今後の進め方

    【川本】これは、「一宮の魅力ある海岸づくり会議」の今後の進め方にもなるし、県としての姿勢の問題もあるが、三番瀬において、県の自然保護課、あるいは、生物多様性センターのメンバーも加わって、自然環境面からの評価を行いながら検討したということを、きちんとこの「一宮の魅力ある海岸づくり会議」の場でも考えていく必要があるのではないか。単なる土木工学的な面だけでなくて、県としてきちんと自然環境の専門知識のある方が加わって、そして、海岸を作っていくということが必要だと思うが、そういう予定はないのですか?

    【大林河川整備課長】「一宮の魅力ある海岸づくり会議」では、底生生物の専門家である清野先生、九十九里の生態系や生物環境に詳しい秋山先生、これらの環境に詳しい方のご意見をうかがいながら、海岸侵食対策について協議をされているところでございます。

    【川本】県の体制の問題を私は言っているのですが、今の先ほどのお答えからみると、砂浜の環境を回復するというような認識でおられるということだけれども、実際、秋山先生が言われたのは、砂の粒径と生態環境とは、密接な関係があると。地中に埋まった卵からコガメが孵化するためには、通気性と保水性、その関係でどういう粒径のものが生態環境にどうなのかという点での検討が必要だと指摘されている。一方で砂が侵食されないためには、一定の粒径が必要であることはたしか、宇多さんが言っておられる。
    土木的な面と、生物的な環境的な面と両方きちんと県の体制としてこれを検討する、そういうものを整備する必要があると思うが、それはどうですか。

    【大林河川整備課長】粒径のお話しがありましたが、養浜に使っている砂は、太東漁港とか、片貝漁港の九十九里から流れてきた砂を使っていますので、環境には大きな影響はないと考えております。
    また、平成17年度、18年度に実施した試験養浜の時の調査では、投入土砂の粒径については、変化が見られないとの調査結果が出ております。

    【川本】―――要望
    総合的な評価をズーッと何年間か継続してやるという事をしないとダメですよね。そういうことをしないで環境面であたかも十分対応しているかのようなことは、私は非常に問題があると思います。環境面でしっかり県としての対応を整えていただきたいと要望します。

    ざ綵酋緡ど佑侶粉僂鯤欷遒垢襪燭瓩坊粉儼弉茵⊂鯲磴寮定に検討について

    【川本】先ほど、景観法、景観計画、景観の姿勢などの話をされましたが、九十九里の景観を保護するための景観計画、条例の制定の検討をそろそろきちんと検討すべき時ではないかと。
    今、アクアラインの社会実験、圏央道の開通、九十九里を1つの観光地と考えるときに、私は2回ほど一宮海岸に行って見たのですが、そこはサーファーにとっては、コンクリートポイントと呼ばれていて、世界のサーフィンの大会も行われるというところですが、景観を見ると台無しだなと。一面に海と砂浜が広がる光景ではなくて、様々な障害物が林立しているという状況です。こういう意味で、景観形成事業の予算を見ると、今回536万円ついているということですが、この九十九里浜大体60キロぐらいあり、複数の市町村にわたるということから、九十九里浜海岸の景観を改善する、計画をきちんと作るという取り組みも一方で必要だと思うが、どうですか?県としての主体制、指導制を考えておられるのか、どうなのか。

    【田中公園緑地課長】九十九里浜につきましては、県を代表する重要な景観資源であることは充分に認識している。一方、良好な景観形成については、住民生活に密接に関わる課題であり、また、地域の特色に応じたきめ細かな規制誘導が有効という事から地方自治体である市町村が景観行政を行うことが望ましいとされています。
    また、先に実施した市町村等へのアンケートにおきましても九十九里浜に面した市町村を含め、景観行政団体に移行したいという市町村は少なくございません。こうした事から、県としては、まずは市町村の景観行政団体の移行を支援して、その促進を図ると共に、九十九里浜の景観保護のような広域的な課題につきましては、必要に応じて広域的見地からの調整に努めてまいりたいと考えております。

    【川本】―――要望
    是非、干潟、谷津田、九十九里浜というのは、千葉県の一つの宝でもあるということから、景観をきちんと、景観というのは、見てくれだけでなくて、その生態環境も含めて、しっかりそれを守る、極端に言えば再生するという取り組みを県として、主体的な役割を果たしていただきたいと思います。

    5、八ッ場ダム事業と河川整備

    【川本】八ッ場ダム事業と河川整備との関係で、八ッ場ダム事業に関しては、散々今まで言ってきましたので、これ以上は言わないが、一方で堤防整備がは、私は非常に重要だと思う。江戸川の堤防整備状況を前回の12月議会でも常任委員会の場で指摘したが、これの新年度、直轄事業負担金も含めて、新年度の整備をすると堤防の整備状況、整備率はどうなるのか伺いたい。

    【大林 河川整備課長】堤防の整備状況というご質問ですが、国の説明によりますと、利根川の堤防の整備状況は約6割、それから江戸川は約3割の堤防が完成していると聞いております。ただこの数字は今回の八ッ場ダムの検証において点検されると聞いております。来年度の堤防強化の後に江戸川の整備率がいくつになるかということについては承知しておりません。

    【川本】私自身は、前回お話したが、河川整備計画での基本高水、22,000㎥/秒のうち河川改修で16,500㎥/秒、上流ダムで5,500㎥/秒、これをカバーする、元々そうなっていた。ところがダムで5,500㎥/秒カバーするといっても、(既存6ダムの1,000㎥/秒に)八ッ場ダムの600㎥/秒を加えても1600㎥/秒で、残り3,900㎥/秒が不足する。極端にいえば八ッ場ダムをあと15くらい新しく作らなければ河川整備計画でダムに期待される治水対策はできないということになる。一方で、八ッ場ダムと言ってもそこにたくさん雨が降る場合は当たるわけで、他の部分についてはダム自体はカバーできないということになると、やはり河川改修をしっかり、県として、国の事業だが、位置付けながらそちらもしっかりとやっていく。ダムと河川改修とのバランスをしっかり取りながら進めていくということを国に対して求めていくことが必要だと思うがどうか。

    【大林 河川整備課長】利根川洪水を下流まで安全に流下させるためには、委員がおっしゃったとおり河道改修、それからダム等の洪水調節施設をバランスよく配置することが重要であると考えております。県としましては、国との直轄事業の説明の中でバランス良く整備をするようにと申し上げております。

    【川本】去年の9月1日の防災の日に、NHKがスペシャル番組で「首都水没」という番組を放送したということですが、千葉県だけでなく関東全域、利根川や荒川の堤防の半分以上で決壊の恐れがあるということで、堤防強化の安全基準を満たしていないのが利根川が57%、荒川が62%、最悪の場合は死者が6,300人、孤立者が110万人という、河川改修の必要性、現状の危険性を指摘する番組が流れた。これを考えると、八ッ場ダムというよりも堤防補強にしっかりお金をまわすべきだと私は強く考えるが、それはどうですか。

    【大林 河川整備課長】治水の基本は、洪水位をなるべく下げるということが基本でございまして、洪水の被害を少なくするためには、ダム等の洪水調節施設の整備、それから河川の整備をバランスを取りながら治水対策を行うということが重要と考えております。

    【川本】―――指摘
    再三私たちが言っているように、八ッ場ダムの治水効果は検討するに値しない。むしろ河川整備をしっかりやる、そちらを優先する、今回も八ッ場ダムの本体工事に金がつけられているが、むしろ利根川などの河川改修のほうを充実しないと、本当の評価すべき所にお金が回されないと言うことを指摘させていただく。
    Posted by : 川本幸立 | ◆)2011年02月定例 | 22:20 | - | - | - | - |
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