市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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2月県議会最終日反対討論
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     上杉隆氏の原発事故に関する取材報告(http://www.youtube.com/watch?v=0ur1dyhLtys
    で、菅政権・マスコミの初期対応の不味さ、東電による情報隠蔽の実態が暴露されています。上杉氏は、震災による被害国・日本が、世界の財産である海洋に高濃度の放射能で汚染された水を故意に流した4月4日を境に、日本は被害者から加害者(「海洋汚染犯罪テロ国家」と呼ばれているとのこと)になり、先進国→情報最貧国になったと指摘しています。

    さて、大地震が起きた3月11日は、2月県議会の最終日で、私の討論が終わって約10分程度のちに、地震が起きました。討論では、‘始事業のあり方、八ツ場ダム事業、子宮頸がん等ワクチン接種促進基金事業、ぐ榮宛鯣崋崘枷事業、イ弔ばエクスプレス沿線の区画整理事業、Ε▲アライン料金引き下げ社会実験、について反対討論しました。

    ● 2月県議会最終日(3月11日)新年度予算などに反対討論

    市民ネット・社民・無所属の川本幸立です。
    まず議案第1号、平成23年度一般会計予算に反対の立場で討論します。
    4点ほど指摘します。
    まず道路事業のあり方です。
    直轄事業負担金を含めた新年度予算は、圏央道63億6700万円、北千葉道路43億6100万円、外環道30億円と3つあわせて約137億円です。
    一方、緊急に対策が必要な踏切の改善、レッドゾーン対策、バリアーフリー化、道路橋の耐震補強、道路改修は各出先の事務所から上がってきた要望額235億9千万円に対し予算化されたのは161億7400万円と68%に過ぎません。
    圏央道、外環道は、政府が事業実施の可否の基準とした費用便益比1.0を厳密に計算した場合大きく割り込むことが専門家から指摘され、北千葉道路はいつ開通するか定かでなく、神奈川県の調査結果では都心と成田空港間のアクセス向上に目立った効果はありません。
    生活道路をはじめすでにある道路の維持、安全確保が優先されるべきであり、圏央道、外環道は費用便益比計算の見直し、北千葉道路は成田空港へのアクセス効果の検討を行うべきで、事業を推進する明確な根拠はありません。

    2点目に八ツ場ダム事業です。
    新年度予算では本体工事の予算がつけられています。私達は治水、利水に八ツ場ダムは無用であることを一貫して主張してきました。
    問題はダム予算に巨額の公費を投入してきたしわ寄せで、利根川の堤防強化対策がおろそかにされていることです。09年10月の1都5県の知事声明では「利根川の堤防や堤防下の地盤からの漏水がいたるところで発生しており、そのまま放置すれば堤防決壊につながる可能性がある」と指摘していますが、堤防の強化対策はダムではなく、堤防と地盤の強化工事による対策しかありません。
    昨年9月1日の防災の日に、NHKが「首都水没」という番組を放送しましたが、そこでは堤防の安全基準を満たしていないものが利根川で57%、荒川で62%などあり、堤防が決壊し最悪の場合は死者が6300人、孤立者110万人になるという内容でした。
    流域住民の安全を確保することを一番に考えれば、県は八ツ場ダム事業を推進するのではなく、国に対してダム偏重施策を改め、河川改修、堤防の強化をこそ求めるべきです。

    3点目は、25億3,800万円の子宮頸がん等ワクチン接種促進基金事業です。
     小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンを接種後に、乳幼児が死亡するという悲惨なケースが相次いでおり、この2月から3月にかけて6人の死亡が確認されています。ワクチンと死亡との因果関係は今のところ不明ということですが、接種直後に死亡するようなことが偶発的に何度も起きるとは考えられません。
    厚労省は、3月8日に専門家検討委員会を開き、「さらに情報を収集する」として、接種の再開を見合わせていますが、今まで十分な情報を保護者に与えずに、
    安易に接種を進めた責任は重大です。肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」の添付文書には、「2歳未満の者では、含有される「きょう膜型抗原」の一部に対して十分応答しないことが知られており、また本剤の安全性も確立していないので投与しないこと」と書いてあるのです。こんな危険性のある薬剤に対して、公費助成というお墨付きを与えた議員の皆さん、わが子をなくした親の無念をぜひ感じていただきたい。
     また、子宮頸がんワクチンについても、一昨年12月から昨年の10月までに副作用は189件にのぼり、そのうち失神という重篤なケースが21件報告されています。接種時の強い痛みが原因と報道されていますが、開発からまだ6年余りのこのワクチンに関し、副作用や有効性についての検証は全く不十分なままです。そもそも、子宮頚がんを引き起こすヒトパピロ―マウィルスには何種類ものタイプがあるのに、日本で承認されているワクチン、サーバリックスは2種類のタイプにしか効果を発揮できません。しかも、ワクチンを打っても万能ではなく、毎年子宮頚がんの検診を受ける必要があると厚労省も認めています。
    しかし、千葉県内の受診率はいまだ20%台という低さです。今私たちがやるべきことは、危険な副作用のあるワクチン接種を拙速に公費で進めるのではなく、がん検診の受診率を高めることではないでしょうか。
     以上の点から、本予算に反対します。

    4点目に、1億円の移動交番車配備事業に反対します。
     県下38警察署にそれぞれ移動交番車を1台配備する計画に基づき、今回は未配備であった13署に配備するものです。その目的は「事件事故の多発地域や交番新設要望地域において、地域の実情に沿った犯罪抑止活動や情報発信活動を展開する」とありますが、費用対効果の点ではなはだ疑問です。
     まず、活動内容ですが、子どもの登下校の見守りやパトロール、住民への防犯・交通安全講話、警察安全なんでも相談などが主であり、別にデラックスな移動交番を仕立ててやるほどのことではありません。
     犯罪抑止効果についても、毎月の行き先と時間をあらかじめ広報しているのですから、抑止効果は不明です。また、犯罪の多くは夜間発生するのに、移動交番は基本的に昼間しか活動しておらず、抑止力は更に薄れます。ちなみに大野県議が代表質問で言及した佐倉市の草笛の丘、ここは入場料を払って入るレジャー施設です。なぜ、事件事故の多発地域に配備されるべき移動交番車が、草笛の丘に毎月行くのでしょうか?
     13台で2億5千万円にものぼる高い車両代も問題ですが、人件費も見過ごせません。1台につき、専従警察官2人、相談員1人の計3人が配備され、人件費は年およそ7億7千万円かかります。
    今県民が欲しているのは、いつでも相談でき、いざとなったら駆け込むことのできる常設交番です。しかし、県内で112か所も設置要望があるのに、1年に1か所しか新設できていません。移動交番車にかけるお金があるのなら、まず常設交番を増やすほうにお金を回すべきです。
    以上の点から、本予算に反対いたします。

    次に、議案第18号について反対討論します。
    つくばエクスプレス沿線の区画整理事業に23年度も莫大な予算が計上されています。
    柏北部中央地区では都市軸道路の整備や国道16号沿道の整備等で約37億円。流山市内の運動公園周辺地区の整備に約26億円。さらに流山市の木地区の整備の概要をみると関連道路の整備に約30億円。合計で93億円です。
    上記の3つの総事業費は2003億円にもなりますが、その事業の進捗率は事業計画認可から10年近くも経過するのに三地区の区画整理事業の平均進捗率は平成22年度当初予算ベースでも37.6%に過ぎません。
    また、事業推進に欠かせない予定保留地処分金は1,233億円であり、総事業費の約63%を占めています。その保留地が近隣の土地評価と比較しても高額であり、保留地が売れないことが顕著な状況になっています。
    これでは土地区画整理事業が破綻をしているという地元の方々の指摘が「もっとも」といわざるを得ません。それを端的に現しているのが、使用収益開始指定率であり、その数字は平均13.7%という極低調な状況です。
    地元で平穏な生活をしていた住民の方々は、仮換地先も示されないまま、まさに飼い殺しのような状態であると怒りをあらわにしています。
    県が速やかにおこなうべきことは、事業計画の根本的な見直しをすることであり、これ以上の税金の垂れ流しは許されません。

    最後に、議案第75号、76号について反対討論します。
    アクアライン料金引き下げ社会実験を今後3年間継続するために年15億円を県が支出する議案です。
    しかし、社会実験と言いながら、料金引き下げを3年間継続するだけで、肝心の何を評価し実験するのか、きわめてあいまいであることです。
    1月に発表された中間報告について、議会質疑の中で3つの課題が明らかになりました。
    第一に、湾岸地域の交通が平日8千台、アクアラインにシフトしたというものの、国支援の前提とされた「物流による東京湾岸の道路渋滞解消に大きく役立つ」と言う点は確認されてはいないことです。
    そもそも、湾岸ルートの1日の交通量は約15万台、一方、片側2車線のアクアラインは4万5千台/日であり、「湾岸ルートの渋滞の大幅緩和」を実現するには交通量を制御、誘導する施策を併せて実施する必要があります。

    第二に、経済効果358億円という試算が、仮説に基づく予測額にすぎず、本来は額よりも費用対効果に注目すべきです。一次、二次の波及効果の詳細な根拠をシンクタンクに問いましたが回答はありませんでした。
     社会実験の費用の一部の負担を東京都や神奈川県などにも求めるべきとの意見も県議会では出されていますが、千葉で消費した分を地元で消費を差し控えたのでは、限られたパイを1都3県で取り合っていることになり、負担を求めることなど出来ません。
     さらに、値下げで増加した交通量によるCO2増や、公共交通機関の減少分などマイナスの経済効果を考慮してはいません。

    第三に、利用圏域が南房総地域に限定されていることです。
     投入額に見合う税収増があるなど、県全体の利益につながっていることが今後検証される必要があります。

     そもそも、課題山積の医療、福祉、教育よりも優先して、アクアラインに45億円を投入する根拠が不明です。そして、社会実験と言いながら、中間報告の3つの課題を評価・検証するものではなく、政府や近隣都県を説得し、県民に説明責任を果たす姿勢が見られません。
    議案第75号、議案第76号に反対します。

    以上で、議案に対する討論をおわります。

    Posted by : 川本幸立 | ◆)2011年02月定例 | 01:37 | - | - | - | - |
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