市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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〜文科省による航空機モニタリング測定結果(9月29日発表)
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推進者が牛耳る会議では、県民への説明責任を果たせない >>
IAEAの使命と東電福島原発事故の背景にある
「科学の政治化」「国土開発の失敗」
〜「原発事故を問う〜チェルノブイリから、もんじゅへ」
(七沢潔著、岩波新書、1996年4月)を読み直す
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     ● IAEAの使命は「原子力推進体制を守る」こと

    「チェルノブイリ原発事故は、予想を越えた事故だと言われた。その予想とは、科学という言葉のもつ本来の意味とはほど遠い、きわめて政治的な思考によってつくられた原子炉の神話のようなものでしかなかった」
    「事故を起こした大背景となった〈科学の政治化〉が、事故から十年たった今も、原子力を取り巻く世界を覆っているのである」
    「もはや市民社会から隔たったまま突き進もうとする科学技術に未来はない。人類はいま、チェルノブイリの破局を直視し、新たなシステムを構築する岐路に立っているのである」

     これは、十数年ぶりに読み直した「原発事故を問う〜チェルノブイリから、もんじゅへ」(七沢潔著、岩波新書、1996年4月)の中の一文です。1986年4月26日深夜のチェルノブイリ原発事故の真の原因(=「技術的に不完全(構造的な欠陥)な原子炉が実用化されたこと」)は、1986年8月にウィーンの国際原子力機関(IAEA)で行われた「チェルノブイリ原発事故国際検討会議」でも、「発電部署の要員による指示違反、運転規則違反」にすり替えられました。
     その背景として、「8月の国際検討会議は、IAEAとソ連、さらに各国政府の『原子力推進体制を守る』という共通した利害の上に成立していたこと」「国家として失策を隠し、事故の影響を極力小さく見せたいソ連政府の思惑、アメリカの外交戦略、そして原子力利用を推進する各国の利益を代表するIAEAの立場、こうした政治的思惑が複雑に交錯した舞台裏の駆け引き」が指摘されています。
     またIAEAの目的について、当時のブリックス事務局長の次の発言が紹介されています。「IAEAとは、加盟国の政府の利益と意向を代表する組織であり、各国の国民や、世界の市民のための組織ではありません」

    ●自民党歴代政権の責任〜国土計画の失敗
     
     一方、原発立地に利用される地方の窮状とその背景にある国土開発の失敗も指摘されています。
    「つけこまれる『地方の窮状』・・・・、その背景には、同じく過疎地脱却の切札とうたわれたもうひとつの国策の失敗と、その後の後始末を背負わされた地元自治体の苦悩があったのである。
    『原発立地が過疎を解消する』というキャッチフレーズも、実は、先発地の福島県や福井県の事例から必ずしも真実ではないことが今日、明らかになっている。それでも他に代案もなく、原発にすがる道を選択する地方自治体の追い詰められた『貧しさ』に、私はこの問題の根深さを見る思いがした。それは、『一極集中と膨大な過疎』という、戦後の日本国家の国土計画の失敗の結果だった。そして国家は、みずからの失敗の結果としての『地方の貧しさ』を利用して、原発の立地を推し進めようとしている。それによって苦しむのは原発のつくり出す巨大な電力とは縁もゆかりもない小さな村の人々なのである」
     
     私たち市民は、今までの国土計画、地域振興計画や各事業を厳しく評価し、根本的に見直すことをあわせて主張していく必要があります。

    ●野田政権、一般住民の生命や健康より「経済性」「責任回避」を優先する方針

     さて、6日の朝刊「毎日」によると、文科省の放射線審議会(会長・丹羽太貫京都大名誉教授)の基本部会は、一般住民の年間被曝線量の限度について、原発事故などからの復旧期は、年1〜20ミリシーベルトの間に設定することを許容する考え方を提言する方針であることが明らかになった、と報じられています。一般住民の限度は、国の告示などで年1世板蠅瓩蕕譴討い泙垢、国際放射線防護委員会(ICRP)は、緊急事態からの復旧期は、「現存被曝状況」と位置づけ、地域住民の健康などを考慮して年1〜20ミリシーベルトの間のできるだけ低い値を目指すべきと勧告しているそうです。

     住民の生命と健康の安全よりも「経済性」「責任回避」を優先する姿勢が露骨です。これでは政府の使命を放棄することに他なりません。こんな政権はいらない!そろそろ一人ひとりが声を大にして訴える時がきたと思います。



    米国報告
     31年前もそうでしたが、外食では油ものが多いのと、量が多いのには閉口(但し、ビールは除く)しました。米国人の巨人化・肥満化はこうした食生活と大いに関係があるのでしょう。
    ウイスコンシン州は寒冷地ですから、体温調節の観点から「ベルクマンの法則」=「寒冷な地方では体が大きくなり、熱帯地方では小さくなる」の影響もあるのでしょうが、男女を問わず体重が百数十キロはあると思える人を頻繁に目にしましたから、車社会と食生活によるものが大きいと思います。

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     日本時間の8日早朝、MLBナリーグの中地区のプレーオフ第5戦が行われた斎藤のいるミルウォーキーブルワーズのの本拠地ミラーパーク。

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    シカゴの中華街。紹興酒を注文したら、「置いてない」と言われました。

    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 15:44 | - | - | - | - |
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