市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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150億円を投入した九十九里浜のヘッドランド事業
推進者が牛耳る会議では、県民への説明責任を果たせない
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      昨日9日午後は、京葉線南船橋駅近くの家具店IKEAとララポートに家族に誘われるままに行きました。ララポートは恐らく10数年ぶり、IKEAははじめてです。三連休ということもあるのでしょうが、その賑わいぶりには驚きました。
    一方、私が住む土気では団地中心部の商店の閉店、東急ストアの撤退や不動産取引の状況などをみると、明らかに右肩下がりの状況です。人口減少・少子高齢化社会、拠点開発の横行の中で、相互の連携に乏しい郊外の住宅団地の将来はこのままでは緑に還るしかないだろうナーと改めて考えさせられました。
     
    ●「一宮の魅力ある海岸づくり会議」の進め方への疑問
    〜現行計画推進の露骨な発言が目立つ宇多高明氏ら

     屏風ヶ浦(銚子市)と太東崎(いすみ市)の崖が荒波に削られて生まれた大量の土砂が、沿岸流の力で移動堆積するという数千年間の営みで形成されたのが全長60kmに及ぶ遠浅の九十九里浜でした。しかし今、海岸線が最大で100m後退したり、小さな崖ができるなど砂浜消滅の危機にあります。最も大きな要因は、戦後、屏風ヶ浦と太東崎の崖の侵食を防止するため消波堤が築かれ土砂の供給量が著しく減ったことによります。(「九十九里浜やがて消滅か」2010年9月1日「毎日新聞」千葉版)

     つまり大自然の数千年の営みが数十年の人為的行為により危機に陥っているということです。
    この対策として次の3つの選択肢が考えられます。
    ,海里泙淙置する。
     ∈本要因である屏風ヶ浦と太東崎の崖の侵食を防止するための消波堤などを撤去する。
     新たな土木工学の知見を生かし、侵食防止対策事業を行う。

     この問題について私は県議時代、常任委員会の質疑で何度も取り上げてきました。
    砂浜消滅の危機に対する今年2月県議会県土整備常任委員会で私の質疑に対する県の答弁は、
    「九十九里浜全体の侵食対策について、吉崎・野手海岸などの北九十九里海岸については、ヘッドランド12基、一宮海岸の南九十九里海岸についてはヘッドランド10基を施工しております。22年度を含めて、これまでに侵食対策に要した費用は北九十九里で約84億円、一宮海岸で約67億円で、約151億円です。
     一宮海岸の侵食対策の事業内容ですが、一宮海岸ではヘッドランド10基を施工する予定で全て着手しています。また、南九十九里浜の養浜計画に基づいて片貝漁港や太東漁港の堆積している土砂などをサンドリサイクルして砂浜を回復する養浜に努めています」

    というものでした。
     つまり150億円の税金を投入して、上記の選択肢により対策を行ってきたというものです。

     しかし、ヘッドランドは景観面のみならず、「渡り鳥の営巣地」「アカウミガメが上陸して産卵できる場所」などの生態環境の面でも悪影響を与えるばかりか、肝心の砂浜侵食防止効果に乏しく、さらに離岸流などによる「サーフィンスポットの喪失」「水難事故の多発」の危険性も指摘されました。
     そしてヘッドランド工事の一部中止を求める署名が4万5千集まり、一宮町は昨年6月に「一宮の魅力ある海岸づくり会議」(委員26名、会長:近藤建雄日大理工学部海洋建築工学科教授、副会長:宇多高明日大理工学部海洋建築工学科客員教授、事務局:一宮町、県長生土木事務所)を発足させました。

     規約によれば会議の目的(第2条)は、「一宮町の海岸において、防護、利用及び環境を考慮した海岸侵食対策について協議を進め、魅力ある海岸づくりに資すること」とあり、協議事項(第3条)は、ヽご濘食状況の把握、海岸侵食対策について、その他、会議が必要と認めた事項について、とあります。

     9月3日午後に開かれた第5回「一宮の魅力ある海岸づくり会議」を傍聴しました。当日の主要な議題は「6号ヘッドランドをどうするか?」ということでした。
    結局、事務局が4つの案(“庄澤船悒奪桧董↓∪菽七曽案、8醜垠弉莪董↓げD蘋堤案)について、構造面、漂砂制御性能、波の変化、離岸流の発生、経済面・コストなどについて評価した結果をもとに検討した結果、現行計画通りということになりました。6号ヘッドランドはさっそく工事が開始されるということです。

     会議を傍聴して奇異に感じたことは以下の点でした。
     ゞ綵酋緡い遼寨茲里△襪戮姿、今までの侵食対策事業の課題と限界、について突っ込んだ議論が行われたようには見えないこと。
    ◆。完動奮阿料択肢、景観面、生態環境面、についてまともに検討されていないこと。
     副会長の宇多氏は、ヘッドランド建設推進の中心人物であり、「今までやってきたことを否定されては困る」「日本はヘッドランドの先進国で世界から評価されている」「計画通り工事が認められなければ、今後予算がつかなくなる」などと副会長にあるまじき発言が目立ち、現行計画に疑問を呈する発言を露骨に封じ込めけん制する役割を果たしていたこと。会長の近藤氏も宇多氏と同じ立場であることは一目瞭然だったこと。結果として、ヘッドランドありきの前提で進められていること。
    ぁ。瓦弔琉討良床舛蓮▲悒奪疋薀鵐匹鮨篆覆靴討た県の県土整備部によって土木工学的視点のみについて行われたものであり、その客観性、妥当性が第三者的立場にある専門家により検証されていないこと。
    ァ_馗垢醗貮瑤琉儖との間に、砂の運搬をめぐる首をかしげるやりとりが見られたこと。



    米国報告
     滞在中は車で片道20〜30分のところにある郊外の巨大な商店に何度も足を運びました。人口密度の低い地域なのに多くの郊外店を目にしましたので、よく経営が成り立っているものだと不思議に思いましたが、施設の簡素化、省力化は徹底されているように感じました。
     一方、村の中心部にある商店は日本と同様、空き店舗が目立ちます。知人によれば明らかには郊外店の進出の影響ということですが、ウォールマート進出の折りは、3〜4年間、地元と話し合いが行われ、ウォールマート側は雇用、税収面での地域社会のメリットを主張してきたそうです。

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    村の中心部にある商店は空き店舗が目立ちます

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    巨大な郊外店舗

    Posted by : 川本幸立 | 公共事業と環境問題 | 17:43 | - | - | - | - |
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