市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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| main | 3.11原発震災で東電が放出した放射性物質は
すべて東電が責任を持って回収を >>
廃棄物処理法の「廃棄物」規定と東電主張
「原発から飛び散った放射性物質は
東電の所有物ではない。
したがって東電は除染に責任をもたない」
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     ● なぜメディアは汚染米報道で東電の責任ある対応を求めないのか?!

    農水省の収穫前後のチェックで「汚染米はなし」としていた福島県で、大波地区のコメから最大で1270ベクレル/kgが検出され、28日には隣接する伊達市でも最大で1050ベクレル/kgが検出されたと報じられています。

    法令で定める一般人の被曝限度1ミリシーベルト/年を厳守するには、主食であるコメは40~50ベクレル/kg以下、細胞分裂が活発で放射線感受性が高い乳幼児・子どもは10ベクレル未満に抑える必要があります。そもそも政府が定めた500ベクレル/kgの暫定基準値ではお話になりません。

    この暫定基準値のいい加減さに加え、今回の検出で国の検査の信頼性が地に落ちたといえます。こうした東電による放射能公害(企業災)事件で、なぜ加害者である東電経営陣の「自らの責任についての一言」が掲載されないのか疑問です。当然、汚染米は社長報酬7200万円/年と言われる東電役員が先頭に立って買い取り、社員食堂では福島米を消費し、TCIAの役割を果たしてきた組合幹部や年金生活を送るOBも購入し、自らの責任を反省し償う姿勢を明らかにすべきでしょう。相変わらず、「国策」に服従し金儲け第一とするメディア経営陣と東電の蜜月関係は続いているようです。

    ● 放射性物質や病原体等を含むエアロゾルを「廃棄物」と規定し排出者責任を問うべき

    ところが、福島県二本松市にあるゴルフ場が東電に、汚染(2〜3マイクロシーベルト毎時)の除去や休業中の人件費の支払いなどを求めた東京地裁への仮処分の申し立てに対し、東電が「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない」と主張したそうです。呆れた理屈です。

     そもそも「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」)の第二条で「この法律において『廃棄物』とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。」 と規定されています。

     原子力災害と生物災害(バイオハザード)には多くの共通点があります。2005年に私も参加してまとめたバイオハザード予防市民センターで発表した「法的な基盤整備を含めたバイオハザード対策の社会システム構築のための提言活動」報告書(トヨタ財団市民活動助成)の中で、「感染性廃棄物」への対応強化策として「廃棄物処理法」の「廃棄物」規定の見直しについて以下のように言及しています。

    「2.DNA廃棄物、プリオン蛋白汚染廃棄物など
     厚生科学研究費による「医療廃棄物の処理システムの構築に関する研究班」(班長・松島肇 浜松医科大教授)の98年度及び99年度の研究報告では、分子生物学的技術の利用の結果、必然的に発生する増幅DNA廃棄物、プリオン蛋白による汚染廃棄物、消毒薬を含む廃水の影響と処理の実態の調査が報告されている。
     DNA廃棄物による発ガンの可能性など、医療従事者のみならず、一般市民への被害防止の面からもこれら廃棄物の慎重な処理の必要性が指摘されている。
     一方、廃棄物処理法において、「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く)をいう、と規定され、施設から排気された病原体等を含むエアロゾルやDNA廃棄物は「廃棄物」とみなされてはいない。
     こうしたエアロゾルなどを除外した「廃棄物」規定が、本来の「感染性廃棄物」の範囲を狭めている。」(同報告書35、36頁)

     今回の東電福島原発放射能汚染事件を受けて、「廃棄物処理法」の中の「廃棄物」規定を見直し、「放射性物質及びこれによって汚染された物」や「病原体等を含むエアロゾルやDNA廃棄物」も「廃棄物」に含む規定に見直し、排出者責任を明確にし公衆の厳しい監視体制下に置くべきではないでしょうか。

    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 01:43 | - | - | - | - |
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