市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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大震災で問われる下水処理(公共下水道・浄化槽など)のあり方
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      30日夜はNPO法人千葉まちづくりサポートセンターの交流会である「露天風呂」に参加しました。第49回目にあたる今回のテーマは「生活排水処理の主役は浄化槽」です。

     講師の方の事前の案内には、
    「これまで生活排水処理の主役は下水道で、浄化槽は下水道が来るまでのつなぎ役でした。しかし、平成13年度からは新設の浄化槽は、合併処理浄化槽以外は設置できなくなり、水質も下水道と遜色ない状況です。都市部など人口集中地域は下水道、閑散地域は浄化槽という役割分担を明確にすることにより生活排水処理を促進することが可能です。しかし、市町村の計画はいまだ下水道が主体です。このたびの東日本大震災において習志野市、仙台市などは下水処理場が大きな被害を受け、いまだに仮排水の状況です。復興の主役は浄化槽です。仮設住宅などで大活躍しています。浄化槽は製造、設置、保守点検、清掃、法定検査など一連の工程が適切に実施されて始めて、良好な水質が確保されます。今回は、浄化槽の現状と課題について報告します。」
    とあります。

     H17年度の国土交通白書では、既存の公共施設を維持管理するだけでも近い将来、従来の税収入だけでは補えず借金をしなければならないとしていますが、地方財政に重くのしかかっているものの一つが下水道事業ですが、このことは一般市民には周知されていません
     その実態をH20年10月20日付けの毎日新聞は「全国3633事業、下水道残高31兆円 過剰投資重荷に」と報じました。私はその記事を示しながら2年前の県議会決算審査特別委員会で浄化槽を所掌する環境生活部に対し質疑を行いました。(下記参照)

     今回の大震災でも広域に集めて一箇所で集中的に処理する公共下水道が使えなくなった時の日常生活や財政的な負担の大きさが明らかになりました。大地震動の時代、平常時、非常時における「集中と分散」の哲学が問われています。

     「露天風呂」報告では「長野県下條村では、公共下水道や農業集落排水の事業計画では、その事業費が約45億円かかる予定でしたが、合併処理浄化槽により整備を行った結果、事業費は約6億円となりました。国庫補助金等により、村は後年度負担なしで、約2億円の支出で829基を整備(約24万円/基)することができました」という事例が行われました。

     公共下水道、浄化槽、農業集落排水設備について、設置時の税負担(国、地方自治体)と個人負担、維持管理更新時の税負担と個人負担、震災時の対応、環境面への影響について情報をすべてオープンにした議論が求められます。と同時に、土木、農業、環境の3つの管轄にまたがりバラバラに行われているものを総合的に取り組むことが不可欠です。

    【参考】 千葉県の生活排水対策、浄化槽設置について
    〜09年度決算審査質疑から(2010年10月22日)

    1.21年度末における浄化槽の設置基数、今後の計画、検査について

    【川本】
    21年度末における浄化槽の設置基数、これは単独処理、通常型合併処理、高度処理型合併処理それぞれと、今後の設置計画。21年度における法定検査結果、受検促進対策の効果はどうだったのか。

    【矢沢水質保全課長】
    21年度末における浄化槽設置基数は、単独処理浄化槽は41万6,462基、合併処理浄化槽は、19万7,166基です。この合併処理浄化槽のうち、窒素、リンなどの除去効率が高い、高度処理型合併処理浄化槽は、数として10万738基です。
    今後の設置計画ですが、千葉県の場合、市町村が設置を行う合併処理浄化槽設置促進事業に対して、県が市町村に補助を出していますが、22年度ですが、その補助金を対象として、1,793基の合併処理浄化槽の設置補助を予定しております。
    法定検査の中には設置して初めて受ける法律による第7条の7条検査というものと、毎年1回検査を受ける法律の第11条に基づく11条検査の2種類があります。2つ合わせて21年度においては、4万900基の検査を行っており、97.9%が適正、又は、概ね適正の結果が出ております。
    法定検査の受検促進対策としては、補助金を交付する浄化槽については、補助金申請の際に7条の検査の費用を納付していただくということと、11条検査の受検に係る誓約書を添付していただくという条件をつけています。
    それから、毎年受ける11条検査ですが、従来よりもより簡便な方法で、外観検査だけでなくて、(不明)利用を分析して、外環検査の方を省略するという簡易な検査、BOD検査というものですが、これを導入するとともに、受検料の引き下げを行っております。
    それから、21年度からになりますが、県下、11ヶ所で浄化槽の使用者に対する講習会を開催しています。また、啓発用パンフレットを作成して、各種各社、各所に配布しています。この結果は、先ほど21年度の検査数を申し上げましたが、平成20年度が3万7,319基の検査でした。21年度は先ほど申し上げましたが、4万900基ということで3,581基の増加検査の基数で増えています。

    【矢沢水質保全課長】
    浄化槽に関する答弁で数字に誤りがございました。申し訳ございません。先ほど、高度処理型合併処理浄化槽の基数を10万738基と回答いたしましたが、正式には、2万2,449基でございます。訂正させていただきます。

    【川本】
    浄化槽の法定検査、数は増えているが、受検率はどうなのかというところを教えてください。

    【矢沢水質保全課長】
    浄化槽の法廷検査の受検率について、7条検査について、20年度が44.5%、21年度は57.2%。11条検査は、20年度は5.5%から、21年度は5.9%と上昇しております。

    2.流域下水道計画との調整について

    【川本】
    10月20日の毎日新聞の記事にあるように、下水道のあり方というのは、相当地方自治体の財政に大きな影響を及ぼす、そういう意味で、県の流域下水道計画を必要に応じて高度処理型合併処理浄化槽などに変えていくということも必要だと思うが、そこら辺で流域下水道計画について市町村との調整はどうなのか。

    【矢沢水質保全課長】
    合併浄化槽の対象といたしましては、基本的には下水道事業計画区域以外を対象としていますが、下水道計画区域であっても下水道整備が7年以上見込まれない地域については、補助の対象としております。どの地区を下水道にして、どの地区を合併処理浄化槽による個別処理区域にするかというのは、それぞれの市町村が費用比較や地域特性等を踏まえて、計画として汚水処理施設整備計画を策定しているが、合併浄化槽の性能もよくなっておりますので、合併浄化槽のメリットについては、市町村においては十分認識して承知しているのではと認識はしております。

    【川本】―――要望
    10月20日の毎日新聞にもあったような流域下水道の規模の大きなものでは、相当維持費がかかる。そして、一般会計からの持ち出しが多いという中で、市町村の下水道計画のあり方を 今、国交省なども含めて検討に入っているということなので、県としても流域下水道にこだわるのではなく、きちんと支援をしていただきたい。

    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 19:25 | - | - | - | - |
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