市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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消費税増税推進論などの背後にあるメディアと国家の共犯関係  〜日本には「自由なメディア」はないのか?!問われる騙される側の国民の責任
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      原発事故・電力エネルギー問題、消費税増税論議、中国脅威論、TPP、インフルエンザワクチン礼賛・・・・、これらについて70年前と同様の「メディアと国家権力の共犯による言論統制」(「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」(下)NHK出版)を感じるのは私だけではないと思います。

     今朝4日の「毎日」朝刊には、国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事の記者会見での発言が「財政健全化『消費税15%必要』」の見出しで無批判に紹介されています。
    法の下の平等や個人の尊重、生存権の保障などを定めた日本国憲法の精神に忠実であれば、「応能負担」に基づく多国籍企業や富裕層に対する増税、不公平税制の是正をこそ求めるべきで、最初から「応能負担」を除外しているのは理解に苦しみます。
    法人税減税(43%→30%)や所得税減税(最高税率75%→40%)により企業の内部留保は190兆円(2002年)→280兆円(2008年)となる一方、消費税を上げても全体の税収は増えてこなかった実態にきちんと向き合うべきでしょう。

     一方、歳出の抑制どころか、野田政権による来年度予算案は新たに44兆円の借金で借金依存率は史上最高の49%です。
    全体の税収を増やし、無駄な支出を減らすことにより借金に依存しない財政構造となることを内外にアピールすることが「国債暴落」の防止になるハズです。

     1989年の消費税導入時、消費税導入の「7つの大罪」(仝約違反、国会決議違反、5嫂弊負担、す駝雲験茲琉鞠、ッ羮零細企業いじめ、Α峭睥隹充匆顱廚里燭瓩箸いβ腑Ε宗↓Д螢ルート疑惑で汚れた政権による実施)が指摘されました。(「消費税廃止読本」谷山治雄編著、新日本出版社)
     それから23年、だまされるだけの国民の責任が今、厳しく問われています。

     「政治家は民意に逆らえない。独裁政権だって例外じゃない。ただしこの場合は、権力側が情報をコントロールして民意を誘導する。恐怖による支配ではなく情報統制による支配です。だからデモクラシーを担保するためには、自由なメディアの存在が重要なんです」(「世界と僕たちの、未来のために」森達也対談集、p.20、作品社)
    メディアはデモクラシーを破壊する側に立っています。

    そこでこれに抗すために、「とけ・九条の会」ニュース第37号を発行しました。
    それにしてもる政党、政治家の情報収集・分析能力の無さ、消費税増税阻止に向けた気迫の無さを痛感します。
    ニュース作成では「消費税のカラクリ」(斎藤貴男著、講談社現代新書)が大いに参考になりました。

    【とけ・九条の会第37号】消費税増税論にだまされるな!

     民主党・野田政権、自民党、マスコミ、専門家による、「消費税増税しないと財政破たんする」「国債大暴落で債務不履行に陥る」「税と社会保障の一体改革で若い世代を含めた国民の不安を解消し希望をもてる社会を」の大合唱が目に余ります。
     そもそも消費税は1950年代初頭から富裕層が自分たちの税負担を軽減する代替財源として提唱してきた経緯があり、トヨタをはじめとする輸出大企業にとっては「輸出戻し税」という名の「輸出補助金」(09年で上位10社で8千億円)に他なりません。
     
     消費税とは、「弱い立場にある中小・零細事業者、とりわけ自営業に、より大きな租税負担を課し、あるいは雇用の非正規化を促進するなどして、社会的弱者が辛うじて得ていた生活費までも吸い上げ、社会全体で産み出した富を多国籍企業やそこに連なる富裕層に集中させていくシステム」です。(「消費税のカラクリ」斎藤貴男著、講談社現代新書)

    ■消費税を上げても全体の税収は増えてこなかった

    全体の税収を増やし、無駄な支出を減らすことにより借金に依存しない財政構造となることを内外にアピールすることが「国債暴落」の防止になるハズです。
    しかし、消費税を上げても全体の税収は上がってきませんでした。

    一般会計税収と消費税税収推移
     
    法人税減税(43%→30%)や金持ち減税(最高税率75%→40%)をしてきたことが一つの理由です。
    今回も、民主党政権は富裕層や大企業には年間1.7兆円もの新たな減税をばらまこうとしています。
    大企業や高所得者にも応分の負担を求めるなど、納税者の担税能力に相応して徴税する「応能負担」に従い不公平税制を是正することが全体の税収を上げる基本です。
    「応能負担」は法の下の平等や個人の尊重、生存権の保障などを定めた日本国憲法の精神に合致しています。

    ■消費税を上げると景気が悪化し、財政出動による借金で未来へのツケが膨らんできた

    株価は景気を先導する役割があるといわれますが、消費税を上げると経済活動が縮小萎縮してきたことがわかります。

    一般会計税収推移と各年度終日日経平均株価推移

    そして97年の消費税3→5%のアップによる景気悪化に対して「景気対策」のための財政出動で国と地方の借金は4年間で200兆円も膨らみました。結果として消費税増税が未来の世代へのツケを大きくしてきました。

    低所得世帯と中小・零細業者、自営業者を直撃するということは高齢化社会をささえるに地元の商店がなくなること、地域経済が崩壊することに他なりません。自殺者3万人時代といいますが自営業者の自殺増加の背景に消費税増税・滞納をめぐる問題も指摘されています。

    ■2011年度の試算では、大企業や高額所得者の大減税をやめれば28兆1108億円の財源創出できる〜不公平な税制をただす会/財源試算研究会試算(週刊金曜日879号より)

     この試算は、大企業や高額所得者への減税となる租税特別措置(648項目)の5%程を検討しただけで、残りの95%を検討すればさらに膨大な財源が生まれそうです。政治家や御用評論家はそのことを十分承知のハズです。(879号記事より)

    ■無駄な支出を削減せず、来年度は新たに44兆円の借金

     「もんじゅ」を含めた原子力推進予算4200億円、未完成の次期戦闘機F35総費用1兆6千億円、整備新幹線着工する3区間の総工費は3兆円、八ツ場ダムに来年度56億円(国費ベース)、東京外郭環状道路(外環道)は1兆3千億円を推進し、政党助成金320億円は削らず、来年度予算案の借金依存度は史上最高の49%です。

    ■国税庁も認める「消費税は消費者からの『預かり金』ではない」

     消費税は憲法違反かどうかを争った裁判で、司法(1990年3月・東京地裁判決、1990年11月大阪地裁判決)は国税庁の主張に沿って、「消費税のつもりで消費者が払う金額は物価の一部であり、消費者からの『預かり金』などではない。売る側の腕次第で消費税分の上乗せや便乗値上げができるが、劣れば消費税分を自分で被るしかない」という趣旨の判決を下し、この判決は確定されました。
    中小事業者が価格に転嫁できなくとも、弱肉強食の世界だから仕方がないというものです。

    ■日本の税率5%はヨーロッパでは10%以上に相当?!

     日本の消費税率5%の内国税になるのは4%ですが、国税収入に占める割合は24%です。一方、ヨーロッパの付加価値税率は17〜25%ですが国税収入に占める割合は22〜27%と言います。ヨーロッパは生活必需品や食料品には軽減税率が採用され、非課税品目も少なくありません。 

    ■輸出大企業にとっては「笑止税」=輸出補助金

    もともと消費税のモデルであるEC型付加価値税は、輸出企業に補助金を交付することを禁じた「ガット協定」に違反せずに輸出補助金を確保するために導入された経緯があります。
     09年分の消費税の還付金は輸出大企業10社に8014億円です。(税理士・湖東京至さん試算)

    Posted by : 川本幸立 | - | 08:28 | - | - | - | - |
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