市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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千葉の凋落のはじまり?! 〜故・沼田武元知事時代の愚策(=「千葉新産業三角構想」)の抜本的見直しを
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      2017年にピークを迎えると推計していた県の人口が、昨年、1920年の統計開始以来初めて減少したことから「千葉離れ」「千葉の凋落の始まり」などという言葉が囁かれているといいます。千葉は放射能のイメージが強くて子供を連れてきたがらず、千葉に転勤する場合、単身赴任が増えている、また、首都圏の家探しも東京→神奈川→埼玉→千葉の順だそうです。(「毎日」千葉版21日朝刊)

     そこで、森田知事は県庁内に新組織を設けて、「人口減少によって生じる課題を整理したり、経済や産業面などで県が従来通りの活力を維持するための方策を再検討する」ことにしたそうです。
     東電福島第一原発事故による放射能汚染については文部科学省による航空機モニタリングによっても柏・流山などの一部地域で一般人とりわけ乳幼児などが生活すべきではない管理区域相当の数値が計測されています。 
     知事は「従来通りの活力」と言いますが、3.11以前にそれほどの活力があったのか?!の検証が必要です。本来、「従来の方策」についての検討は2年前の県総合計画策定時に行うべきことでした。

    そもそも「千葉の原風景」は干潟・九十九里など海岸と海であり、谷津田・里山です。千葉県の「活力の源」はこの豊かな生態環境、自然環境に依存した一次産業のハズです。
     実際、前掲の「毎日」記事は、食王国・千葉の豊かさを絶賛しています。
    国の開発計画に忠実な1950年代からの臨海開発、1980年代からの千葉新産業三角構想(成田空港、上総アカデミアパーク、幕張新都心の拠点開発と高速道路ネットワーク、内陸部開発)事業が進められる中、一次産業は衰退し、県内の地域格差は広がりました。
     これは原発が過疎地に立地された構造と根は同一です。「復興のまちづくり」などと言われていますが、原発に頼らざるを得ない状況に立地自治体を追い込んだ国の地域振興策の根本的な見直しが不可欠であり、平時において過去の振興策・事業の評価と見直しの方策が検討されてしかるべきでした。

    2007年に「私が目指す千葉県像」で私は以下のことを指摘しました。
    −県基本施策で一番に是正すべきものとして、幕張・上総などの「外来型の拠点開発」と県都1時間構想による「高規格道路ネットワーク」事業が挙げられます。これらは県財政の2兆数千億円にのぼる借金の主要な要因の一つとなり、後者は「ストロー効果」による地域の疲弊を加速します。国の補助金目当てに開発型公共事業を推進する県行政、それらに依存する地方、という構図ではいずれ破たんすることは明らかです。
     一方、少子高齢化や過疎化の中でも元気な地域に共通するのは、伝統文化や自然環境などの地域の資源を活用し、住民自ら工夫して新たな「個性」を創出していることです。トップダウンの「外来型開発」から、住民が主役で中小零細業者を含め地域が元気になる「まち育て」へと公共事業、地域振興のあり方を根本から見直す時期です。

     しかし、森田知事は毅然とした放射線被ばく防止方針もなく、アクアラインマラソンや「カジノ施設構想」(昨年11月にはシンガポール訪問)の推進しか目がないようです。
    知事は県庁の職員の方々がささやいている通りの「二分三行」のひとです。
    かといって今の県幹部たちも故沼田武元知事時代に端を発した県庁不正経理問題を「見逃し」た程ですから元知事時代(オガタ氏やカツマタ氏に代表される県の経済界も関与)の愚策の見直しなどはできそうにありません。

    下手をすれば不要不急の公共事業の推進などで一層の県財政の悪化も危惧されます。
     来年は知事選です。「県民レベルに相応しい知事だ」と冷めた目でみている訳にはいかないようです。

    Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 14:12 | - | - | - | - |
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