市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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経団連の米倉弘昌会長らの品の無さ
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      2月19日のブログで、明治期の日本の資本主義経済の急速な発展の原動力の一つが農民からの収奪によって確保した財政を生産施設・設備に投資し、それを無償かほとんど無償に近い金額で有力者に払い下げたことにあると記しました。
     この中で、農民からの収奪の仕組み(安定した税源の確保)が「地租改正」です。当時、地租の減租運動として千葉でどんな運動があったのか?現日本国憲法の民主主義(国民主権)思想を形成した自由民権運動とのつながりは?という疑問が浮かびます。

    「房総の自由民権」(佐久間耕治著、崙書房、92年)によると、
    自由党員数(明治17年5月の自由党員名簿):千葉は183名で府県別で全国5位(1位は秋田の428名)
    国会開設の請願書参加者数:千葉が32015人で全国2位(一位は48392名の高知)
    民権結社数:千葉が57社で全国7位(一位は高知の127社)
    です。
    さらに、君塚省三ら夷隅郡の自由党員による減租運動があったこと、当時(1884(明治17)年3月)、千葉県令が内務卿山縣有朋に提出した上申書内容からも夷隅郡だけの取り組みではなかったことが指摘されています。巻末の年表には、「1884年3月、自由党春期大会に君塚省三、石田直吉、三上文太郎ら参加。君塚省三、夷隅郡4000余名の署名をもって減租請願。新地租条例制定。」とあります。
    余談ですが「民権自由論」の植木枝盛は再三千葉を遊説し、1882年12月28日には土気町善勝寺で聴衆250余人を前に演説、また立憲改進党の田中正造も足尾鉱毒問題を取り組み始めた頃の1893年11月に長狭地方を遊説したとのことです。

    ● 法人税減税は国際競争と無関係の利権

    19日のブログでは、原発事故対応で国民に賠償負担を要求する電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)の傲慢な姿勢も批判しましたが、経団連の米倉会長の品(=哲学)の無さも相当なもののようです。
    社民党党首の福島瑞穂さんの「迷走政権との闘い」(アスキー新書、2011年5月)で、福島さんと対談した湯浅誠氏が次のように語っています。

    福島「そして『法人税がこのままでは企業は海外に行ってしまう。法人税を下げなければ』となぜかなるんですよね。法人税を下げても、内部留保にすると言っている企業も多い。そういう状況で、法人税減税を進めたことには大きな疑問を感じます。
    湯浅「法人税減税の財源を確保するために、企業の租税特別措置(ナフサ免税)に手をつけようという話が出たときのことです。そうしたら、経団連の米倉弘昌会長が『そんなんだったら、もう法人税は下げなくていい』と言い出したわけですよ。つまり租税特別措置のうまみの方が大きいということなんでしょう。
    法人税減税という話がでるまでは『日本の法人税は高すぎるから、海外とイコールフッティング(競争条件の平等化)で、平等な競争条件を整えないといけない』とあれほど言っていたのに、租税特別措置見直しの話になった途端に、『そんなんだったらもういいよ』となるのはおかしい。結局、負担を軽くしてほしいだけで、イコールフッティングだとかは、すべて方便に過ぎないと言っているようなもんです。
    財界の言っていることは、ものすごくワガママというか、品がないというか・・・だって、普通に考えて、地元のお金持ちが『オレの所得税下げなかったら隣の町に逃げるけどいいのか』と言い出して、地元の人たちから尊敬されると思いますか。ありえないですよ。
    だけど、そういう言い方が企業については全部まかり通っています。みんなもなぜか『しょうがない。これ以上怒らしちゃいけない。われわれは捨てられてしまう』とびびってひれ伏している。完全な主従関係ですよね。
    偉そうなことを言う企業に対しては、『あなたたち、今まで誰のおかげで商売してこれたのか。誰を相手に商売してきたのか』というふうに言っていいはずなのに、『そんなこと言う人は経済がわかっていない』と逆に怒られる」

    財界が要求している武器輸出三原則の見直しも、結局、大量殺戮で金儲けしたいということです。自由民権運動家の哲学と比べると財界トップの傲慢さと品の無さは目を覆うばかりです。

    Posted by : 川本幸立 | 税金問題 | 11:21 | - | - | - | - |
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