市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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首都圏を壊す危険のある東電福島第一原発4号機の脆弱性
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      1日夜も福島県沖を震源とするM5.9の地震がありました。地震のたびに多くの人が心配するのは東京電力福島第一原発4号機の核燃料プールの崩壊です。

     昨年10月13日付けの保安院の「東電福島第一原発 現状の原子炉建屋の耐震性について」では、東電の報告書を検討した結果として、4号機の燃料プールも含めて「今後発生する可能性のある地震(基準地震動Ss)に対して、耐震安全性の確保ができないおそれがある箇所はないことを確認した」と評価し、「問題ない」と結論づけています。

     しかし、東電の報告書では、
    ・「倒壊に至るまで安全」という誤った考え方を前提にしていること、
    ・3.11では基準地震動600ガルを上回る地震動675ガルが観測され、基準地震動を根本から見直して再評価することが求められていること、津波高さも同様であること
    ・外観確認して損傷をチェックしたというが鉄筋などの状態(弾性、塑性)は目視では判断できないこと、さらに材料の経年劣化も考慮する必要があること、
    など、すべてが甘く見積もられているように思います。

     ちょうど2日の「毎日新聞」朝刊「風知草」で、「宙に浮く燃料プール」のタイトルでこの燃料プールのことが書かれています。

    「東電は大丈夫というが、在野の専門家のみならず、政府関係者も「やはり怖い」と打ち明ける。どう怖いか。
     4号機は建屋内のプールに合計1536本、460鼎發粒貿確舛ある。建屋は崩れかけた7階建てビル。プールは3,4階部分にかろうじて残り、天井は吹っ飛んでいる。
     プールが壊れて水がなくなれば、核燃料は過熱、崩壊して莫大な放射性物質が飛び散る」
    「政府がまとめた最悪のシナリオも4号機プール崩壊を予測。さらに各号機の使用済み燃料も崩壊し、首都圏住民も避難を迫られるというのが最悪のシナリオだ」

     東電の判断で、「石棺」のように固めず支柱の耐震補強工事にとどめたのは、「石棺はダムを一つ造るようなもので高くつく。株主総会(昨年6月)前だったから、決算対策で出費を抑えようとしたと思います」と当時の事情を知る政府関係者が語るといいます。人命より我が身、カネを優先する東電のトップの救いようのない体質です。
    さらにこの関係者は、プールの強度について
    「海水を注入しており、部材の健全性(コンクリートの腐食、劣化)が問題。耐震強度の計算にも疑問がある。応急補強の間にプールから核燃料を抜くというけど、3年かかる。それまでもつか」と語っています。(「毎日新聞」4月2日朝刊「風知草」より)
    実際には3年でおわる目途もまったくないようです。

    稼動していない原発も膨大な量の使用済み燃料を抱えており、大地震、津波、ヒューマンエラーなどでいつ大惨事がおきるかわからないから日本全国どこに逃げても同じ、と言う人もいますが、しかしそれでも最も危ういものの一つが4号機であることに間違いありません。

    ●「資本主義宗教」にどっぷりつかった事業者、政府、原子力複合体の人々

    イタリアの哲学者のジョルジョ・アガンベンさんの発言が、壊れゆく「資本主義宗教」という見出しで紹介されています。(「毎日新聞」3月24日)
    「資本主義は経済思想というよりも一つの宗教だ。しかも、ただの宗教ではなく、より強く、冷たく、非合理で、息の詰まる宗教だ。資本主義を生んだキリスト教のような救済、しょく罪、波紋もない。」
    「(フクシマで明るみにでたのは)資本主義を率いてきた人々の思慮のなさだ。それが、国を破壊するということでさえ、日常のことのように思う感覚をもたらしたのだろう」
    「そこにもまさに資本主義宗教の非合理性が見える。国土がさほど大きくない国に50基もの原子炉を築いてきたという行為は、国を壊す危険を冒しているのだから」

    ともかく崩れゆく「資本主義宗教」にどっぷりとつかった事業者や政府、原子力複合体の人々と共倒れになるのはゴメンです。

    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 09:01 | - | - | - | - |
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