市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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消費増税法成立で結束した民(=自民党野田派)自公、大手メディア、日本経団連、中央官僚の4者〜日本国憲法など眼中になく、多国籍企業と1%(エリート)が得をする社会づくり
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      ロンドンの「国家権力対抗世界大運動会」にばか騒ぎしているすきに、ついに10日、消費増税法が民主(=自民党野田派)・自民・公明の大連立と密室の談合で成立してしまいました。現在の5%から2014年4月に8%、2015年10月に10%へと2段階で引き上げられ、「消費税2ケタ時代」への突入です。選手たちの人生をかけたメダル争いに熱狂している間に地域、自分と子孫の生活基盤が根本から崩されかねない事態に私たちは直面しています。

    大手メディアは露骨な消費増税キャンペーンを推進してきたくせに、今になって「重荷次々暮らし直撃」「年収500万円の家庭、年30万円の負担増」「不安感 消費に冷や水」などの見出しをのせています。(「毎日新聞」8月11日朝刊)

     国会論戦の中で、3党合意の法案の付則18条2項「事前防災や減災などに質する分野に資金を重点的に配分する」が、消費増税分を防災に名を借りた大規模公共事業にばら撒くことを宣言していること、自民党が「国土強靭化基本法案」で10年間で約200兆円の投入を想定し、公明党は「防災・減災ニューディール推進基本法案」で10年間で100兆円を投じるとしていることが追及されていました。

     一方、「税との一体改革」といいながら肝心の「社会保障制度」改革の全体像は示されず、所得税の最高税率や相続税増税も先送りされました。原子力複合体へのバラマキは変わらず、リニアやダム、高速道路など公共事業利権は維持されたままです。
     このままでは消費税還付金のタダどりでホクホクの日本経団連らが主張する法人税の減税や公共事業利権で消費増税分はチャラになりそうです。

    私は地域の「九条の会」のニュースでも、消費税が「社会的弱者が辛うじて得ていた生活費までも吸い上げ、社会全体で生み出した富を多国籍企業やそこに連なる富裕層に集中させていくシステム」(斉藤貴男「消費税のカラクリ」講談社現代新書)に他ならないこと、格差・貧困の深刻化と景気悪化、日本の経済・雇用を支える中小企業の倒産、財政再建どころか国・地方の借金財政がさらに巨大化すること、を指摘してきました。

     実は、「応能負担」こそが法の下の平等や生存権の保障を定めた日本国憲法の精神に合致し、大企業や高額所得者の税負担を軽くしている不公平税制を是正するだけで、消費増税しなくても税収は確保できます。
     
    ●「ペテンと詐欺」の自民党野田派政権を称賛する大阪市長・橋本徹、その橋下・「維新の会」を持ち上げる大手メディアという構図

     ところで、増税一辺倒の財務省と、命より「カネ」の経団連に忠実であることに「政治生命をかけた」という野田首相は、記者会見の冒頭で09年の衆議院選の民主党マニフェストに消費増税を明記していなかったことを「深く国民におわびしたい」と陳謝したそうです。前回総選挙で国民が拒否した自民・公明と「連立」し、約束もしていない消費増税を実現しようとし、その理由が原発再稼働と同じく「国民のため」というのだから野田首相は「ペテン師」「詐欺師」そのものです。

     この自民党「野田派」政権を、大阪市の橋下市長が10日、「野田首相はすごい。税を上げて、社会保障の議論もしていく。確実に『決める政治』をしている」と評価したそうです。

     この橋下を盛んに大手メディアが持ち上げています。たとえば今朝の「毎日新聞」朝刊でも、2面「動き出す『大阪都構想』」「維新塾に地方議員68人〜衆院選 全国に『即戦力』」
    と頻繁に登場させています。
     橋下が関経連の期待に応えて大型公共事業の推進、道州制の導入、憲法改悪、核武装、徴兵制などを主張するなど1%の側に軸足を置き、輿論(パブリック・オピニオン=意見)ではなく世論(ポピュラー・センチメンツ=空気のような感性的なもの)に影響がある限り橋下はメディアに利用されるでしょう。

     そもそも橋下はサラ金の代理人弁護士時代、悪徳業者とのつながりが指摘されるなど「正義感とは無縁の弁護士」で(一ノ宮美成他「橋下『大阪改革』の正体」講談社)、お笑い芸人の紳助に瞬間芸を学び、その延長で首長をしているように見えます。

     ある弁護士は、
    「橋下弁護士は、メディアや世間でもてはやされているように庶民的でもなければ、弁護士仲間に親しまれているような人でもなく、その正反対にいる人物。一言で言えば幼稚ですわ。それをメディアがまるで大阪の救世主かのようにちやほやするため、少しでも批判すると、知事本人もキレるし、世間のパッシングに遭う。それで誰もが口を閉ざすしかなくなる。今の大阪は、橋下知事とメディアが共演して恐怖政治がつくられている」(市民オンブズマン活動の弁護士)と語ります。(前掲書)

    ●大手メディアは、1%に軸足を置き金儲け、利権を手にする

     そういえば、森達也氏が先日NHKBSで、メディアとジャ-ナリズムは違うこと、メディアは事業性=金儲けを優先するが、ジャーナリズムは「体をはる」ことが求められる、という意味のことを語っていました。
     橋下を持ち上げる、消費増税を推進する、原発再稼働容認の背景にはジャーナリズム精神を失った金儲け主義に走る大手メディアの姿が浮かび上がります。

    Posted by : 川本幸立 | 税金問題 | 23:58 | - | - | - | - |
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