市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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直ちに原発ゼロを! たかが電気をつくるために、生命を危険にさらしてまで稼働する価値はない
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      内閣府のエネルギー・環境会議が公表した「エネルギー・環境に関する選択肢」(2030年での原発比率の3つのシナリオ=0%、15%、20〜25%)に対するパブリック・コメント提出締切日の12日に「エネルギー政策を考える千葉市民の会」として意見書を提出しました。

    ●「エネルギー政策を考える千葉市民の会」パブリックコメント

    (意見の概要)
    私たちは、第1案を支持します。但し、2030年までにではなく、直ちに原発0%を求めます。

    (意見及びその理由)
    1.3つのシナリオにある再稼働、稼働延長、増設のワナ
    第3案(原発比率20〜25%)のみならず、第2案(同15%)も原発再稼働、稼働延長、場合によっては原発増設を前提としたものであり、第1案も2030年を目標とする限り、再稼働を前提とし、稼働延長をも否定してはいない。深刻な危害を及ぼす可能性のある原発再稼働、稼働延長は許されるものではない。エネルギー環境会議は、3つのシナリオに対応する50の原発の再稼働、稼働延長計画をそれぞれ提示すべきである。

    2.生命を危険にさらしてまで原発を稼働する価値はない
    原子力発電所は、人の生命、身体のみならず生態系全体に深刻な危害を及ぼしてきたし、処理不可能な毒物=「死の灰」を作り出してきた。そして被曝労働を前提としている。
    今後も最高技術の設備をもってしても「取り返しのつかない惨禍」を生み出す恐れがあることから、未然防止のためには即時稼働停止しかない。
     たかが電気をつくるために、近代の人権宣言が基本的人権の筆頭に位置付ける人格権(人間の生命、自由、幸福追求の権利)を犠牲にすることは許されない。
    (参考:新潟地判昭和四六・九・二九判時六四二・九六)

    3.原発は温暖化対策にならず、持続可能なエネルギーでもない
     原料のウランは100%輸入であり、石油と同様限られた資源である。ウラン鉱石の採掘、運搬、ウラン燃料の濃縮、燃料棒の運搬など発電する前と発電後の後処理で膨大なCO2を放出する。さらに補助ボイラーの運転や定期検査時においてCO2を放出しており、「発電段階でCO2を排出しない」は、事実ではない。大島堅一氏はJacobsonの研究結果から「原子力発電は炭素フリーな電源ではないし、CO2排出量の点で再生可能なエネルギーより優れているとは言いがたい」と指摘している。
     また原発は発電時に発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換できるのは30%に過ぎず非効率であり、温排水により直接的な熱汚染をもたらしている。その上、100万年にわたる管理が必要と言われる核分裂生成物=「死の灰」を生み出す。
     なお、原発頼みの日本の温暖化対策は、2000年以降の原発増設にもかかわらずCO2排出量の増加がやまないことからも、その失敗は明らかである。エネルギー消費の格差是正を基本に、ヨーロッパの先進例に学び、税制度(炭素税など)の導入、再生エネルギーの支援や省エネルギー政策などに直ちに方向転換すべきである。

    4.原発ゼロでも電力は不足しない
    関西電力は7月前半で8%の供給力不足になるとして大飯原発再稼働を強行したが、その後、火力発電所8基を休止して「電力不足」を演出しようとしたにもかかわらず、3・4号機を稼働しなくとも充分余力があることが明らかにされている。直ちに大飯原発を停止すべきだ。
    このように当分の間、既存の火力発電に依存することで原発分は十分賄うことができる。
    また、需要電力がピークとなる真夏の数日間の午後への対応(需要の9割以上は業務用・産業用)は、ピークの消費を下げて消費を平準化する仕組み(電力料金を高くする等)を積極的に普及することで対応できる。

    5.経済性におとる原子力の発電コスト
    試算(大島賢一氏「原発のコスト」岩波新書)によれば、発電の実際のコスト(直接コスト+政策コスト)は、水力が最も安く、原子力が最も高いという試算がある。これに本来は、原発の場合、保険の引き受け手がないほどの算定不能な事故時のコストが加わるから、原子力発電は経済性がないことが明らかである。

    6.今後のエネルギーについて
    再生可能エネルギー(太陽光、風力、中小水力発電、地熱など)の積極的な導入に向けて諸制度を整備し推進することが不可欠である。
    一方、当面は非再生エネルギー(石炭、天然ガスなど)を利用した火力発電に頼らざるをえない。
    その場合、石油から天然ガスに転換、またSOx、NOxを除去した高効率な石炭火力の導入などを中心にすえることとなる。長期的には「シェールガス革命」という言葉も生まれているように非在来型天然ガスの活用も検討に値する。原発の多い米国でも、原発による発電供給量を天然ガスで賄えるようになると考えられている。
     
    7.原発依存では立地自治体の未来はない
     原発立地による交付金に依存したままでは自治体の未来はない。極端な箱もの行政が推進された結果、その維持管理コストが確実に自治体財政の重荷となっている。「持続可能な地域社会」に向けて地域住民自身が主役となってまち育てのビジョンを練り上げることが地域再生への第一歩である。そのための支援あるいは法整備を政府は考えるべきである。

    8.アジアの原発ゼロを促す
    中国、韓国、台湾等での原発事故は日本に深刻な事態を及ぼす可能性が高い。これを未然に防止するには、唯一の被爆国であり福島第一原発事故を経験した日本がアジアの原発ゼロを実現するために先頭に立って取り組むことである。そのためには日本が直ちに原発ゼロを実現し、世界にアピールすることが不可欠である。当然のことながら日本企業の金儲けのために原発輸出を推進することなどは論外である。

    以上
    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 19:26 | - | - | - | - |
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