市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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東アジアの平和な共同体づくりに視点をすえて尖閣、竹島を考える
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     尖閣、竹島をめぐり政府間の対立の深刻化が危惧されています。
    経済文化を含め市民交流も国境を越えグローバル化する中、それぞれの政府、政治家(「政局屋」ではない)や市民、ジャーナリズム(視聴率アップや購読者数増などの事業性を優先する「煽り立てメディア」ではない)の「品格」が問われているように思います。そういえば、NHKの朝ドラの「カーネーション」で、「人は品格と誇りを持って、はじめて希望が持てる」というセリフがありましたが・・・。

    どうすればよいのか?

    19日に尖閣の魚釣島に日本の地方議員ら10人が上陸したことについて、新崎盛暉・沖縄大教授は、「日本と香港など中国側が互いに尖閣諸島に上陸し、挑発し合っても何も意味もない。上陸した人間たちの自己満足で、地元としては迷惑な限りだ」「(日本政府は)『領土問題は存在しない』と主張しているが、それだけでは何も解決しない。互いに強硬な姿勢を取り合えば戦争になるだけで、政府は中国側と冷静な話し合いの場を持つべきだ」と話しています。(「毎日新聞」8月20日朝刊)

    経済、文化交流が国境を越えた今日明日直ちに解決する課題ではなく、少なくとも十数年単位、あるいは数十年単位で取り組む覚悟が求められるのでしょう。

    その点で、昨晩のBS朝日「いま世界は」はなかなか聴きごたえがありました。領土問題という政治課題と経済政策を切り離す、それぞれの国民が自国のみならず他国政府の主張の根拠をまず知ること、EUと同様に東アジアの共同体構想を持つこと、アジアの懸案の領土問題を解決するために第三者機関を設けること、などが「提起」されていました。

    これに私が付け加えるとすると、
        国境を越えた市民・NPO交流をより活発にし、政府間の対立を戦争に発展させないために連帯して取り組むこと。
        各国・市民の日本政府に対する不信(そもそも日本国民の多くが無知であることが課題)の根底にある過去の「侵略と植民地支配」の責任を清算すること。
    の2点です。

    前者については、私が県議時代に取り組んだ「日韓の平和と市民自治のためのネットワーク運動」を継続、発展させたいものだと思います。

    ●東郷和彦氏の3つの提言

    後者については、外務省条約局長などを務めた東郷和彦氏の月刊誌「世界」9月号の「『村山談話』再考〜名誉ある歴史認識の構築のために」が注目されます。

    東郷氏は、B級戦犯として刑死した学徒兵の遺書の「日本は負けたのである。全世界の憤怒と非難の真只中に負けたのである。日本がこれまであえてしてきた数限りない無理非道を考える時、彼らの怒るのは全く当然なのである。今私は世界全人類の気晴らしの一つとして死んでいくのである。これで世界人類の気持ちが少しでも静まればよい。それは将来の日本人の幸福の種を遺すことなのである」「苦情を言うなら、敗戦と解っていながらこの戦を起こした軍部に持っていくより仕方ない。しかしまた、更に考えを致せば、満州事変以来の軍部の行動を許してきた全日本国民にその遠い責任があることを知らねばならない」(『新版きけわだつみのこえ』)などを紹介しつつ、「和解」に向けて日本が考えるべき現実的な方向性として以下の3点を提言しています。

        「道徳的観点」から教育問題の一層究明
        2011年夏韓国側より提起されている慰安婦の問題などの新たな視点(道徳的観点など)での究明
        「侵略と植民地支配」について、政策を導いた指導者と一般国民の間での責任の重みの線引きについての究明。

    大いに検討に値すると思います。

    Posted by : 川本幸立 | 日本とアジア諸国 | 11:21 | - | - | - | - |
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