市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

<< 核発電事故問題では「責任・倫理・道徳」を無視する政界・経済界・メディア 〜国際シンポジウム「福島原発で何が起きたか〜安全神話の崩壊」報告 | main | 政府のパブリックコメント(意見公募)で9割近くが「原発ゼロ」支持〜内閣府事務局も「思いがそれぞれの言葉で書かれていた」と指摘〜(とけ.9条の会 第39号) >>
野田、谷垣、石原、安倍、町村・・皆、国民の生活よりも米国の主張をうのみにする人たちばかり
0
     ●「下痢との闘い」に敗れた安倍晋三〜「大言壮語するばかりで地道な仕事は何一つしなかった無能な人物」

     「とけ・九条の会」のニュースを読み直していたら、5年前の07年9月19日発行の第15号の私自身の以下の一文を見つけました。

    「【私も一言】安倍辞任と自民党の責任
     貧困層の拡大、福祉・医療の崩壊、年金問題をさしおいて、「戦前復帰」を優先した安倍晋三が突然政権を投げ出しました。その後が、2代目の福田、3代目の麻生では変わり映えしません。
     北海道大学の山口二郎さんの言葉(2007/9/17「東京新聞」)を借りれば、
     −『大言壮語するばかりで地道な仕事は何一つものにならず、挙句の果てはいやになって投げ出した。自民党はこんな無能な人物を首相にしたことを国民にわび、下野した上で、速やかに総選挙を行うべきである。メディアも総裁選挙など無視して、早期の解散を要求すべきである』」

     確か、安倍晋三は表向きは「お腹が痛い」(最新の週刊金曜日の「大藤理子の政治時評」によると、安倍は「テロとの闘い」ならぬ「下痢との闘い」に敗れたとある)を理由に投げ出したハズで、当然、大恥を世界にさらした責任をとって政界から引退するだろうと誰もが考えました。
     ところが、今、自民党は総裁選挙で、この「大言壮語するばかりで地道な仕事は何一つしなかった無能な人物」を担ぎ出そうという動きが盛んに報道されています。

    安倍は「維新のパワーが大きな壁を突破していく上では必要」と語り(9/4「毎日新聞」)、憲法改悪をはじめ、米国政府と一体となって戦争できる国家づくりを、関経連らとつるんだ「瞬間芸」の橋下らの「大阪維新の会」と目指す姿勢が露骨です。沖縄や原発推進政策への反省もなく、景気回復、雇用創出、エネルギー政策の転換などの「地道な仕事」には相変わらず関心がないようです。総裁選有力候補として名前が挙がっている石破茂前政調会長、石原伸晃幹事長らも同様です。

    こうした自民党総裁選や民主党総裁選の動き、メディアの報道をみても日本が「対米従属」以外に選択肢がないかのような論調が支配しています。

    国際政治学者の進藤栄一氏はその背景に「体制順応的な日本人のメンタリティー」「対米コンプレックス」「自民、民主どちらも日米安保を機軸とする外交の選択肢以外提示できないこと」を挙げ、「ほとんどマインドコントロールに近い」状態にあると指摘しています。(週刊金曜日07.10.19)

    竹島、尖閣、などの「領土」問題での中国・韓国などとの緊張関係を「軍事」で解決などできるハズがありません。進藤栄一氏は、自ら外交史家として徹底的に調査した結果として、北朝鮮、中国、冷戦時代のソ連を含め、「いつの時代でも『脅威』とはすべて虚構だ」と断言しています。

    ●「米国からの圧力」を軸に戦後政治を考える〜孫崎享著「戦後史の正体」(創元社)

     日本の言論界で最大のタブーの「米国からの圧力」を軸に、日本の戦後史(1945〜2012)を読み解いた話題の書「戦後史の正体」(創元社)で、著者の孫崎享氏(元外務省・国際情報局長、元駐イラン大使など)は、次のことを指摘しています。

    1. 米国は歴史的に国際的な約束より自国の決定が優位に立っていると考えてきた国だ。日本経済の低迷は1985年のプラザ合意にはじまるが、本来はドルを切り下げすればいいだけの話だった。日本の金融機関の凋落はBIS規制(バーセル合意)が大きな要因となったが、日本の銀行の競争力を弱め、利益を意図的に奪うという米国の対抗手段だった。

    2.冷戦終了後、「同盟国に公平さを求めれば、米国自体が繁栄する」という時代ではなくなり、米国は露骨に自己の利益をゴリ押しするようになり、米国にとって理知的な首相は
    もう不要となり、ことの是非は判断せず、米国の言い分をそのまま受け入れる首相が必要になった。

    3.「在日米軍問題(米軍の撤退)」と「中国問題(中国との関係改善)」が日本にとって踏んではいけない米国の「虎の尾」である。
    どんな時代であれ、日本が中国問題で一歩でも先に行くことは、米国大統領が警戒するレベルの大問題になる。

    4.「自主」と「対米追随」の差は、,弔佑吠胴颪箸隆愀犬鯲氷イ砲垢襪海箸鬚瓩兇垢里、⊂々米国とのあいだに波風を立てても、日本の国益上守るべきものがあるときや、米国の言いなりになると国益上マイナスになるときは、はっきりと主張するか、というところにある。

    5.他国の主権を侵害する対外工作(裏工作)が道徳的に許されるという米国の考えは、「国家は自衛のためには軍事力さえ使うことを許されている、だから軍事力以下の形での干渉、つまり違法行為をともなう裏工作についても、自衛のためなら当然許されるはずだ」ということに基づく。

    6.日米行政協定は、安保条約に基づいて駐留する在日米軍と米兵他の法的地位を定めた協定(全29カ条)で、新安保条約の締結と同時に「日米地位協定」と名称を変えたが、「米軍が治外法権をもち、日本国内で基地を自由使用する」という実態はほとんど変わってはいない。米国の本当の目的はこの米軍の日本駐留のあり方を取り決める行政協定にあった。
    行政協定第二条は、「日本は合衆国に必要な施設および区域の使用を許すことに同意する」と規定している。
    政府間の「協定」であれば国会での審議や批准の必要はないため都合の悪い取り決めは全部この行政協定のほうに入れてしまった。つまり、行政協定のための安保条約、安保条約のための平和条約でしかなかった。
     現在の地位協定でも両国の合意が成立しない限り、米国は基地の使用を無限に継続する権利をもっている。

    7.植民地から撤退するときは、あとに紛争の火種をのこしていくのが国際政治の常識で、日本と周辺国の関係を見てもロシアとは北方領土、韓国とは竹島、中国とは尖閣諸島と、解決困難な問題が残されているがこれは偶然ではない。日本ほど、その解決に向けて政府が動けない国はない。それは米国に意図的にしくまれている面があるからだ。


     自民党の谷垣、石原、安倍、町村にしろ、民主の野田にしろ、維新の橋下にしろ、米政府にとっては「ことの是非は判断せず、米国の言い分をそのまま受け入れる」という「対米追随」派に他なりません。これでは99%の国民にとって未来はありません。

    Posted by : 川本幸立 | - | 17:07 | - | - | - | - |
    TOP