市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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道楽三昧の非常勤知事らの跋扈と、「脱成長主義の社会」へ向けた地域社会像
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      昨日朝、TVのニュース速報では、「11月12日、内閣府が発表した7─9月期実質GDPは前期比マイナス0.9%、年率換算マイナス3.5%の大幅悪化となった」ことを報じていました。
     輸出が5%減、個人消費0.5%減、企業の設備投資3.2%減が要因ということですが、今後10−12月も、米軍産複合体の掌で踊った石原慎太郎の「尖閣発言」が発端となったいわゆる日中間の「慎太郎不況」の影響が顕在化するため、「マイナス成長」から脱け出すことは困難とみられています。

     さて、先月の知事辞任のニュースの折は、石原がこの責任を取ってやめたのかと思いましたが、あろうことか国政に進出するという「80の老害」話にあいた口がふさがりませんでした。
    憲法学者の水島朝穂氏は「今週の直言」で、次のように指摘しています。
    ―「4期目は都政に関心がなく、「週1度しか登庁しない知事」(一説には週2、3日登庁)として有名だった人物が、あるときは「東京オリンピック」に熱をあげて都民の税金をたくさん使い、あるときは経営不振の「新銀行東京」に1400億もの税金をつぎ込み、またあるときは米国の軍需産業をバックにした保守系財団で講演して「尖閣を買う」と叫んで日中関係を危機的状況に陥らせる原因を作り…、そしてついに突然の記者会見(10月25日)で「都知事を辞職して、新党を作る」と辞表を懐から出す。
     齢80の、とうに引退の年齢に達した石原慎太郎氏をメディアは新人扱いして持ち上げる。およそ政治家が口にできない汚い言葉を頻用する「演説」を、テレビは延々と垂れ流し、翌日の新聞は一面トップで報ずる(26日付各紙)。自分で始めたことをすべて途中で放り出し、「占領憲法の廃棄」を叫ぶ。」

     政策、歴史、文化などにまともな見識がなくても週一度の非常勤で誰でもできる知事職、しかも税金で道楽三昧、一方、主権者意識がとぼしい多くの有権者にとって選挙は「旦那選びの人気投票」程度の認識しかないとくれば、ジャーナリズム精神の乏しいメディアの露出頻度の高い芸人が選挙に手を挙げるようになる・・・、これも石原の「犯罪」の一つで、森田、橋下、東国原らがその例でしょうが、問題はこういう方々に一票を投じる有権者が多数いるという現実でしょう。

     中国にある日系企業2万3千社について、「本当に中国に必要なものだけを残して、不要な企業を入れかえる」ための企業調査を中国で始めているという話(週刊金曜日 2012.11.9)もあります。そのうち、日本の有権者の歴史認識も吟味されることになるでしょう。

    ●「脱成長主義の社会」へ向けた地域社会像の構想を
    〜佐伯啓思著「経済学の犯罪〜稀少性の経済から過剰性の経済へ」(講談社現代新書)から


     しかし、そもそも成長・効率性最優先のグローバル経済を放任したままで地域の未来はあるのでしょうか?

     ちょうど話題の書である佐伯啓思氏の「経済学の犯罪〜稀少性の経済から過剰性の経済へ」(講談社現代新書)を読み終えました。
    佐伯氏曰く、
    「経済の活性化は、消費者の欲望とそれを裏付ける貨幣(所得)に依存しているのであって、「欲望」と「貨幣」が活性化しなければ経済は常に供給過剰となる公算が高い」
    「成熟社会においては、潜在的な生産能力が生み出すものを吸収するだけの欲望が形成されない。それゆえ、この社会では生産能力の過剰性をいかに処理するかが問題となってくる」
    「「過剰性の経済」においては、「経済」についての考え方を改める必要がある。「効率性」や「競争」や「成長」の追求は今日のような「過剰性の経済」においては、適切な価値ではなくなる。求められているのは「効率性」と「成長」に代わる新たな価値にほかならないだろう。「稀少性の原理」から出発してはならないのだ」
    「もはやGDPを増大させ、成長させるというこれまでの経済第一主義の価値観は通用しなくなってきている」
    「ポスト工業社会では、人々の生活を豊かにし、社会的な意義を持ったものこそが「価値」あるものとなる。この高度な産業社会の段階においては、人々は、もはや物的な富の増加よりも、より質の高い生活環境や行政サービスの提供、人々の交わりなどに関心を向けるようになるだろうからである」とあります。

    そして、佐伯氏は日本がとるべき「第三の道」として
    ・公共的なシステムを整備すること。つまり「脱成長主義の社会」へ向けた社会像を構想し、その方向へ向けた「公共計画」を官民協調のもとで実現すること。
    ・「ネーション・エコノミー」を強化することにつきる。つまり、国内の生産基盤を安定させ、雇用を確保し、内需を拡大し、資源エネルギー・食糧の自給率を引き上げ、国際的な投機的金融に翻弄されないような金融構造を作ること。
    などを提案しています。 

    Posted by : 川本幸立 | 日本とアジア諸国 | 19:39 | - | - | - | - |
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