市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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権力と結託したメディアによる「言論統制」とその脅しに過剰に反応する国民 〜「権力にとっての国益」を担ぐ「変節メディア」と易々と騙される主権者一人一人の政治責任をあいまいにしてはならない
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      総選挙がおわりました。
     今回ほど、NHKをはじめ大新聞などがなりふり構わず露骨な1%勢力(対米従属、市場競争第一主義、軍産複合体で利益を追求する勢力)の躍進のための大本営発表の政局広報を垂れ流したと感じたことはありませんでした。まさに「言論統制」そのものです。

     メディアは、権力にとっての「国益」である「対米従属・憲法改悪・消費増税・原発稼働・TPP推進」を推進するため、総選挙は「安倍自民」「野田民主」と第三極「石原橋下維新」の三者の闘いとし、「国益」に反対する勢力を徹底的に無視し、かつ自らの政局広報の垂れ流しの効果を確認するに過ぎない意図的な「世論調査」でこれら反対勢力に投票しても「無駄」であるとの宣伝を大規模に行いました。
    そもそも、世論(ポピュラー・センチメンツ)は「空気」の調査に過ぎず“それがあることで得をする人々が作り上げた意見”であり、この世論を「民意」と置き換えているにすぎません。(「日本人はなぜ戦争へと向かったのか(下)」NHK取材班編著、NHK出版、2011年)
     
     どういう訳か、日米の軍産複合体にとって都合よく、北朝鮮の「ミサイル」問題、中国の尖閣諸島「領空侵犯」も「勃発」しました。

     その結果、投票率は戦後最低記録を更新し、59.32%(女性58.55%、男性60.14%)でした。
     小選挙区制度の問題もあります。吉川ひろし氏からの「選挙結果と選挙制度」に関するメールによると、480議席の全部を政党の比例得票率で比例按分してみると、自民党は27.6%の得票率で、61%の議席を得、自民党・維新あわせて47.9%の得票率で72.5%の議席を得たということです。

     これで議員定数削減で比例定数がさらに削減されれば、野田らが目指した21世紀の戦時体制・大政翼賛会の完成となるのでしょう。
         
    ●国民の運命を狂わせる変節メディアを放置していいのか?!

     今朝の「毎日新聞」朝刊を開くと、
    「当選者アンケート〜集団的自衛権『見直し』78%、9条改正『賛成』72%」
    「社会保障 生活保護削減対象に」
    「TPP 年度内 判断できるか」
    「エネルギー 原発ゼロ見直し確実」
    「『ポスト白川』同意人事」
    「『政財』パイプ再び太く〜安倍総裁、広い人脈」
    「国債増発44兆円超えも〜石破氏、大型補正で示唆」
    などとあり、驚くべきことに日銀総裁人事では「悪魔のサイクル」を主導した「シカゴ・ボーイズ」の竹中平蔵の名前も挙げられています。

     同じく「毎日」の社説「安倍政権に望む」では、日米同盟関係の再構築を最優先し、中国の一層の市場経済の導入を主張しています。一方、国内経済に関しては、「経済は有権者が最も重視したテーマだった。具体的に何を託したか推察することは困難だが」と支離滅裂な内容となり、露骨に消費増税やTPP推進を主張できないものの、「民間主導の経済成長を後押しするような規制改革や構造改革こそ、本気で取り組んでもらいたい」とし、市場原理主義、功利主義の立場を主張しています。原発ゼロには一切触れていません。

     こういう愚かな実態を目の前にして、私は、次の一文をかみしめます。
    「ジャーナリズムの役割は本来、世の中に起きている森羅万象を的確に把握し、それをチェックして、国民が冷静な判断を下すための材料を提供することにあります。しかし戦争を迎える時代のメディアのありようを見ると、メディアの変節は国家の変節に直結するということがよくわかる。わずかな期間のうちに、国家の運命は狂わされてしまうのだ。メディアはそうした力があることを、私たちは思い知らなければならない」(「日本人はなぜ戦争へと向かったのか(下)」NHK取材班編著、NHK出版、2011年)

    ●過去の侵略戦争についてメディアと日本国民の責任を問うことからはじめる

     前掲書では、満州事変以降、戦時経済のバブル的好況の中で、日本のメディアが急成長をとげ、収益が日米開戦の1941年にピークに達したこと、この時期にメディアと国家権力の間の共犯による「言論統制」がおこなわれたこと、1945年8月15日あるいは9月2日に発行をやめた新聞は一つもなく、ほとんどのジャーナリストは戦後も同じ職にとどまって仕事を続けたことが指摘されています。メディアは「あの戦争の被害者」などではなく推進者に他ならず、嬉々として大本営発表を垂れ流し収益を手にしました。その体質は戦中、戦後、今と連続しているのです。

     この体質が今回の選挙で如何なく発揮されただけなのです。
     国民自身の「だまされて熱狂し煽った責任」とともに、過去の戦争責任と照らし合わせながら変節メディアの責任を問うことを私の使命としていていきたいと思います。

    Posted by : 川本幸立 | - | 10:51 | - | - | - | - |
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