市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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日米安保条約、日米行政協定(現・日米地位協定)発効の日がなぜ「主権回復の日」なのか?!〜領土、国民は二の次で「統治権」しか頭にないアベコベ首相
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      国家が成り立つには「領土、国民、統治権」の3要素が必要と言われます。とはいうものの、土地とそこに住む人々は国家以前から存在するものです。したがって、土地と人を支配する統治権力が現れることで国家が成立するという話ですから、「国家を国家たらしめる本質的な要素」は「統治権」(=権力)ということになります。権力とは、他者に服従を強制しうる力ですから、結局、国家とはそのための装置つまり人工的な強制装置ということになります。(「全訂 憲法学教室」浦部法穂著、日本評論社、第1刷10〜11頁)

     さて、今日4月28日は61年前の1952年にサンフランシスコ講和条約・日米安保条約・日米行政協定(現・日米地位協定)が発効した日です。
    アベコベ政権が「主権回復の日」として本日、記念式典を天皇皇后も出席させて都内で開催することに対して、講和条約により米軍の「軍事植民地」となり、日米安保条約・日米地位協定(旧・日米行政協定)による「治外法権」の被害を受けてきた沖縄の人々は、この日を「屈辱の日」とし、記念式典の開催にノーをつきつけています。(「東京新聞」28日朝刊)
     
     沖縄では「琉球民族独立総合研究学会」設立の動きなど、独立に向けた社会変革の取り組みが今後活発になりそうです。

     ところで、なぜ、安倍はサンフランシスコ講和条約・日米安保条約・日米行政協定の発効の日を「主権回復の日」としたのでしょうか?
     一つは、安倍には、国あるいは国家について、上記の「領土、国民、統治権」の3要素の内、「統治権」しか頭にないからだと思います。このことは、自民党や維新の会らが日本国憲法を「壊憲」し、権力者が好き放題権力を振り回すことができる中央集権的な明治憲法下の社会を志向していることと共通します。
     二つには、日米同盟によって、安倍及び安倍につらなる勢力が統治権を獲得でき、経済的利益を得てきたということでしょう。
     なお、日米安保条約は、米国に日本の防衛義務を定めてはいませんし、領土紛争への軍事的「支援」もあり得ません。
     
     今、第96条をめぐる「壊憲」論議が盛んです。「壊憲」というと第九条がすぐ頭に浮かびます。しかし、日本国憲法の重要なポイントの一つは、明治憲法下の「国家統治」(=天皇・官僚支配国家)ではなく、国民主権に基づく「市民自治」社会を目指したことです。日本国憲法の国民主権、第8章「地方自治」(第92条〜95条)から導かれるものは、「憲法は、市民の自助・共助、つまりみずからの自治・共和をめざして、政府をつくるための市民間のルールという国レベルの基本法です。憲法は、国家統治の基本法ではなく、市民自治の基本法です」(「日本の自治・分権」松下圭一著、岩波新書)ということになります。

     自民、維新の会らの「壊憲」の「動き」について、明治憲法下の「国家統治」か「市民自治」かがもう一つの重要なポイントだと思います。

    Posted by : 川本幸立 | 憲法 | 13:10 | - | - | - | - |
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