市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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真の「主権回復」は、日米安保条約第10条に基づき安保条約終了を国会で決議して米国に通告してから一年後だ!〜「万歳三唱」で露呈したアベコベ首相や国会議員らの薄っぺらさ
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      先日のブログで、憲法(第41条)によれば「政府の最高機関」は選挙で国民から信託された「国会」であることを指摘しました。しかし、今の国会が「政府の最高機関」に相応しいものかどうかを検討する必要があります。

    ● 現国会は、国民から信託されているのか?


     これについては、1票の格差について昨年12月の衆院選をめぐる全国訴訟で、「選挙無効」判決が相次ぎ、小選挙区の区割りを「違憲」あるいは「違憲状態」との判断が続いています。小選挙区そのものも死に票が大きく、有権者の意向と議員の意向とは相当かけ離れたものになっています。これではとても国民から信託されているとは言えません。その上、信託されてもいない政府が、「壊憲」、TPP、原発再稼働などを国民の声を無視して遮二無二進めていることは立憲主義、国民主権、民主主義に反するファッショ的暴挙と断定せざるをえません。

    ●「政府の最高機関」に相応しい実態があるか?

     先月28日の政府主催の「主権回復の日」式典で、日の丸をバックに天皇皇后に向かってアベコベ首相や伊吹衆院議長をはじめ多数の国会議員、知事らが「天皇陛下バンザーイ」の万歳三唱をしたそうです。
    昭和天皇は憲法に違反して「沖縄を半永久的に軍事占領してほしい」とGHQに進言し戦後の日米関係に深く関与していました。(「マッカーサー元帥のための覚書」1947年9月20日) 
    本来、サンフランシスコ講和条約では、「日本国民の完全な主権」が承認された(但し沖縄を除く)ハズであり、日本国憲法が文字通り「国の基本法」として機能するハズでした。しかし、講和条約と同日に発効した日米行政協定(現・日米地位協定)・日米安保条約により、「日本の領土、領海、および領空は、米軍が他国を攻撃するための出撃地点や通過地点としてつねに利用」(「日米地位協定入門」前泊博盛著、創元社)され、「国家権力の行使を制限すべき「憲法」が、まったく機能しない」(同)状態で今日に至っています。
    琉球大学の高嶋伸欣名誉教授は、「万歳三唱」について、「今回発声した張本人だけでなく、大半の議員が沖縄の人の神経を逆なでしたことに気付いていない。世代交代が進んで歴史を教える人がいなくなった今、議員は勉強会でも何でも開いて、一から歴史を学びなおす必要があるのではないか」と提言しています。(「東京新聞」5月1日朝刊)
    今の国会は「無知の結集の場」と言えそうです。

    ● 日米安保条約第10条に基づき条約終了を決議する国会が「政府の最高機関」に相応しい

    鳩山首相は普天間基地を「県外または国外に移転させる」といっただけで辞任においこまれ、ハワイでは無期延期となっているにもかかわらず、日本へのオスプレイ配備問題について野田首相は「アメリカにどうこう言える立場にない」と日本が米国の属国であることを明らかにしました。

    最高裁は、1959年に砂川判決で米国務省の指示に基づき、「安保条約のごとき、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係をもつ高度な政治性を有するものが、違憲であるか否の法的判断は、(略)裁判所の司法審査権の範囲外にある」との判決を下し、安保を中心としたアメリカとの条約群が日本の法体系よりも上位にあるという戦後日本の大原則を確定させました。(「日米地位協定入門」前泊博盛著、創元社)

    そして今や、首都圏の上空は米軍が支配管理し、横須賀、横田、座間、厚木の各基地が首都圏を占拠しています。これでは日本は「主権国家」とはいえません。
    「主権回復」を本気で考えるなら、米軍基地を撤去させたフィリピンやイラクに学んで、日本も米軍基地撤去と米国との対等な関係を目指す以外方法はありません。(フィリピン、イラクはその後米国との関係が悪化したということもなさそうです。)

    そのためには何をすればよいか?
    日米安保条約第10条には「この条約が10年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行われた後1年で終了する」とあります。
    つまり、政府の最高機関たる「国会」が、安保条約を延長しません、という決議をすれば1年後には安保条約と条約第6条に基づく地位協定は終了します。

    アベコベ首相や石原慎太郎らが、権力欲と自らのおいしい生活のために米政府に土下座していることを覆い隠すために、壊憲、靖国信仰、日の丸・君が代強制、侵略戦争・「慰安婦」問題否定などで「偏狭なナショナリズム」をアピールしていることに私たち主権者はごまかされてはなりません。
    日本は属国のままでいいのか?私たち主権者は米国や多国籍企業の植民地政策のために戦争する国になることを阻止しなければなりません。そのためには安保条約・日米地位協定を終了させ、文字通り日本国憲法を「国の基本法」として機能する条件を整える必要があります。安保条約・日米地位協定破を破棄する、そうした「政府の最高機関」に相応しい国会すべく、常に厳しく監視し愚かな議員をリコールしていくことが主権者の責務だと考えます。

    Posted by : 川本幸立 | 憲法 | 13:55 | - | - | - | - |
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