市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

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脱原発に向けてパブリックコメント提出 〜「エネルギー基本計画」の見直しについて
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     安倍自民党政権は、既得権益を守りたい官僚と電気事業者・産業界の言うがまま、原発再稼働、輸出のゴリ押しにまい進しています。8割以上が原発ゼロを選択した2012年の「国民的議論」を無視し、原発推進派の委員が圧倒的多数を占める審議会を立ち上げました。
     
     「エネルギー基本計画」の見直しについて、パブリックコメントが募集(締切1/6)されていますので、以下のコメントを資源エネルギー庁長官官房総合政策課パブリックコメント担当宛に提出しました。
     
    【意見】
    1.原発と基本的人権・安全は両立しない。
    「安全性を前提」とするなら、原子力の利用そのものは不可能である。
    福島事故の汚染水問題、最終処分問題、プルトニウムの処理など、最新の「科学技術」をもってしても、安全確保は不可能である。そもそも「科学技術」のレベルは未だその程度のものである。
    また、被曝に安全量はない。原発稼働は非常時のみならず通常時も常に被曝労働を前提としており、その点で生命の権利を侵害するものである。つまり原発は生命の尊厳とは相いれないものである。
     
    2.温暖化問題は、エネルギーを浪費する社会構造の問題である
    化石燃料や原子力の燃料となるウランは、何億年もの経過の中でつくられた希少な再生不可能な資源である。温暖化問題の本質はエネルギー浪費社会からの脱却である。問題とされる炭酸ガス放出量は電力、民生、交通、工業などが占めているが、高速道路、空港建設やリニアモーターカー、五輪などの大規模プロジェクトなど交通、工業により吐き出される炭酸ガス量は発電所から出される量の比ではない。原発そのものがウラン採掘、建設の段階から膨大な化石燃料を浪費する構造の中にあり、発電時に炭酸ガスを放出しないに過ぎない。本気で温暖化問題を考えるのなら、リニアモーターカーや大規模プロジェクト、自動車交通などの抜本的に見直しこそ第一に検討すべきである。
     
    3.脱原発と再生可能エネルギーへの転換こそが、経済を活性化する。
    マクロ経済動学を専門とする小野善康・大阪大教授は、「エネルギー転換の経済効果」(岩波ブックレット、2013年1月)で、脱原発と再生可能エネルギーへの転換こそが長期不況下にある日本全体の雇用拡大をつくり、経済活動を刺激する役割を果たし、電気集約産業から電気節約産業への産業構造の転換を促す。これによる経済全体の負担は生じず、あるのは再分配に伴う利害対立だけ」、と指摘している。つまり、構造転換⇒電気料金の値上げ⇒国際競争力が下がる⇒円安の進行⇒電気節約産業の競争力アップ・電気集約産業の競争力ダウン、となる。これに抗して政治的圧力を利用して既得利権を維持しようとすれば、自らの利益分よりも多くの犠牲を全体に強要することとなる。(前掲書60頁)
     
    4.原発は割安ではなく、莫大な金のかかる危険なもの。ツケは結局国民に転嫁されるしかないなら、原発関連の不良債権は税金で処理することとし、脱原発に向け迅速に取り組む
    福島賠償と除染、廃炉、汚染水対策だけでも、政府は低く見積もっても20兆円かかると試算している。一方、事故が起こった場合の数十兆円レベルのツケは、民間保険の引き受け手がないため、電気料金あるいは税金として最終的に国民に転嫁される。であれば、脱原発で負債を抱え込む故に「命よりカネ」とばかりに脱原発に抵抗している電力会社を既得利権から「解放」し、脱原発に向け迅速に取り組むために、この不良債権分を税金で賄うこととする。
     
    5.電気料金が上がっても円相場と比較すれば、国際競争力のダメージは少ない
    10電力会社の企業向け電力売上高は2006〜2010年度の5年間の平均で約7兆5600億円で、同時期のGDPの493兆円の1.5%に過ぎず、電気料金が1.5倍になった場合、製品価格は平均で0.75%の上昇、2倍の場合は1.5%の上昇であり、1ドル80円の円相場が79円40銭、78円80銭になった程度である。再生可能エネルギーへの転換に必要な費用で企業が負担する分を0.5〜1.5兆円とすれば、企業の負担増は0.3%程度で、80円の円相場が79円80銭になった程度にすぎない。(前掲書20頁)
     
    6.エネルギー基本計画は、日本国憲法に基づく、平和主義、基本的人権、地方自治・市民自治、国民主権の観点から検討すべきものだ。情報公開・共有、住民対話、決定への主権者参加(住民投票制度など)がしっかりと位置づけられねばならない。

     
    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 18:31 | - | - | - | - |
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