市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

<< わずか55年で日本を破滅に追い込んだ「明治憲法」体制 | main | 有権者は、「アベアベ詐欺」集団に、まだ騙されたいのか?! 〜99%の人々から生活費までも吸い上げ、多国籍企業とそれに連なる1%の富裕層に富が流れる無節操な窮民化政策〜 >>
「住民の安全の確保」を放棄した市議会、県議会、知事、政府 〜川内原発再稼働に鹿児島県知事が同意表明
0
    「安全は、事故の前に止まること」
    「止まらないシステムは安全ではない」
    「安全は確認して改めて「安全」と認められる」
    「安全が確認できないとき(不安)、危険とみなす」
    「停止リスクで真のリスクマネジメント」
    「人間は自分の命を守る義務がある」
    「“安全確認型”が国際(グローバル)基準、しかし日本は世界に通用しない“危険検出型”」
    「シンドラーエレベータ事故 便利のために安全装置を無効にする日本」
    「混迷する日本のモノづくり、設計の一般原則の欠如 日本製だけが国際規格を無視」
    「モノづくりに、安全が教えられてこなかった」
    ・・・・。
    5日の千葉大での明治大学の杉本旭教授(安全学)の講義は「目からうろこ」でした。

    ●日本社会の構造―「安全のためにカネ儲けできないことは認めない」

    今日の朝刊「東京新聞」一面見出しは、「川内再稼働 知事が同意」「避難・設備・火山 不安残し」「事故の責任、国に」と、九州電力川内原発1、2号機の再稼働について、鹿児島県の伊藤知事が「安全性が確認された」として再稼働に同意したことを伝えています。

    伊藤知事は記者会見で「資源が限られた日本で、今の国民生活のレベルを守り、産業の活性化を図るにはどうするか。安全性がある程度約束されるなら、当分の間は原発の活用はやむを得ない」と述べ、規制委を「産業技術の最高の人たち」と表現し、事故が起きた場合の最終的な責任は「国にある」とした上で同意に踏み切りました。

    事故の前に止められない原発は「危険」そのものであり、「国が責任を負う」ということは、「国が原発を止める」こと以外にありません。
    東京電力福島第一原発事故の処理は「制御不能状態」であり何万もの人々が今も故郷を追われたままです。東京や千葉が「無人の街」になるという「最悪のシナリオ」に至らなかったのは偶然の出来事のおかげでした。未だ、事故の全容も事故原因も未解明のままです。
    一方、公表された「吉田調書」から福島事故は“accident”ではなく“injury”(=防ぐことの可能な事故)であったことがより明確になりました。
    にも関らず、未だ誰も事故の責任も問われないまま、ツケは被害者、住民、環境へとしっかりまわされています。
    そもそも地方自治体、首長の一番の任務は住民の生命、安全の確保ですが、伊藤知事はいとも簡単に自らの任務を放棄し、コアチャッチャーがないなど安全思想が欠落した日本の原発の売り込みに熱心な安倍政権に委ねてしまいました。

    また、原子力規制委員会は安全に責任を負う「認証機関」ではなく、単に審査書が(不十分きわまる)規制基準に適合するかどうかを判断する組織です。田中俊一委員長も適合の判断が「安全を保証するものではない」と明言しています。
    火山噴火の危険性については、「巨大噴火の予知は不可能」であることが火山噴火予知連絡会の見解であり、神戸大学の巽教授(マグマ学)らは、御嶽山噴火の10万倍にあたる百万立法前幣紊痢峙霏腑ルデラ噴火」が今後100年間に起きる確率を約1%とする試算をまとめました。火山、地震など、日本に原発を設けることそのものが無謀そのものであることがより明確になりました。ところが、これら指摘に対し、規制委員会は火山噴火に関する無知をさらけ出し、田中委員長は、記者会見で逆切れするという醜態をみせました。規制委員会委員の面々は、審査に不可欠な「安全学」についての知見も乏しいのは明らかですが、それぞれの「専門分野の知識」と「審査で問われる知識」がマッチングしているのかどうか検証が必要です。
    伊藤知事は規制委を「産業技術の最高の人たち」と評したその根拠を示すべきです。

    さて、死亡者40人、負傷者200人を出した2011年7月の中国温州市鉄道衝突脱線事故で、事故車両を穴に埋めて2日後に運転再開したことを杉本教授の資料では、「安全のために遅れるのは認めない 中国の安全の構造(?)」としています。
    日本では中国をタタく材料として使われたようですが、川内再稼働表明に至る経過を総括すると「安全のためにカネ儲けできないことは認めない 強欲が支配する日本の構造」といえるでしょう。

    ●愚かな政府、知事、県議会、市議会をつくった責任は有権者の責任

    過去の公害事件、自然災害事件を振り返って思うことは、自分自身や家族の生命、健康に関わることは決して国・政府、自治体、役人、有力者、専門家に委ねてはならない、自分で情報を集め、最後は自分の頭で考え判断するしかない、ということです。
    しかし、こうした問題を深く考えず、平気で「お上」に委ねて「心の平安」を保とうという人々が多数を占めるようです。

    安倍自民党、伊藤知事、再稼働を容認する県議会、市議会を選んだのは有権者一人一人です。生命や健康よりカネ儲けを優先する「愚かな地方自治体・議会、政府」をつくってしまったのは、有権者の責任です。市民が市民を問いただして「責任ある主権者として公共を担う」市民社会をつくりあげるしか方法はないでしょう。

     
    Posted by : 川本幸立 | 東北・関東大震災と原発問題 | 17:18 | - | - | - | - |
    TOP