市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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後藤健二さんの願いを踏みにじる安倍首相の「復讐の誓い」発言〜「ダイヤモンドより平和がほしい〜子ども兵士・ムリアの告白」(汐文社)を読んで
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    安倍首相は、「日本人も血を流さなければアメリカと対等な関係にはなれない」と、米国のために自衛隊や私たちの子ども、孫たちから戦死者が出ることを待望し続け、戦死者を出すための施策を着々と進めています。

    2月1日、後藤健二さん殺害に対する声明で「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせる」と表明したことから、安倍首相の発言は「復讐の誓い」として世界に波紋をよんでいます。こういう場合は、「日本国憲法の非軍事主義の立場から、生命の権利を尊重し、人道主義にのっとって対応する」と表明するのが日本のトップとしての作法でしょう。
    憲法九条を武器に、対話による平和の土俵をつくるために世界で中心的役割を果たすことこそが日本国憲法が求める「積極的平和(=非軍事)主義」です。

    私は、安倍首相は「犠牲になった後藤健二さんはどう思うだろうか」など考えもしなかっただろうと思いながら、今朝は、起きてすぐ後藤健二さんの「ダイヤモンドより平和がほしい〜子ども兵士・ムリアの告白」(汐文社)を読みました。

    世界で一番品質がいいと言われるダイヤモンドの産地である西アフリカのシエラレオネで10年近く続いた内戦では、反政府軍は抵抗する人たちをとらえ、手や足を切り落とす残虐な行為を繰り返し、その兵士の中には10才〜16才の子ども兵士も多数いました。ダイヤモンドを売った利益は武器購入など戦争の費用にあてられました。
    このシエラレオネを後藤さんが子ども兵士を取り上げた番組をつくるため2004年末〜2005年はじめに訪ね、反政府軍の子ども兵士に襲われ右手、両耳を切り落とされた被害者の男性や元・子ども兵士らを取材してできたのがこの本です。

    「もし今、目の前に子ども兵士がいたら、言いたいことは何かありますか?」という後藤さんの問いに、被害者男性は、自分たち一人一人が、今とこれからのためになにをするかが大事だとし、「何も知らずに兵士として使われたんだろう。もし、その子がおれの目の前にいたとしてもおれは彼を責めない」「おれはこの国に平和がほしいんだ。何よりも平和なんだ。それがすべてさ」「彼らを許さなきゃならない。でも絶対に忘れることはできない。もともとおれには二本の手があったんだ。」と話しています。

    この話を後藤さんから聞いた元兵士の少年は、「たとえば、今もしあなたの言うその人がぼくの家族を殺したとしても、ぼくは許す。なぜなら、まだ戦争は続いていて、だれの家族だって殺されるかもしれないんだ・・・」「ぼくたちは誘拐されて、好きで兵士になったわけじゃない・ぼくたちを許してほしい。あの時は・・・自分が何をしていたのか・・・わからなかったんだ。」と語ります。後藤さんは最後に、この元・子ども兵士が、自分が他の人の家族を殺して傷つけるような恐ろしさと痛みの中で生きていかなくてもいいんだ、ということを知り、今、生まれて初めて自分のために生きていく喜びを感じていると、結んでいます。

    政治家の役割、大人の役割は、子どもたちに戦争の不安なく希望をもって生きていく喜びを与えることです。後藤さんは、安倍首相の言葉に、深い悲しみと怒りを感じていることでしょう。

     
    Posted by : 川本幸立 | 活動記録 | 22:09 | - | - | - | - |
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