市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

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医療、福祉、教育の県民要求に背を向け、財政危機を加速させた18年度決算認定に反対討論
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      冬になると毎深夜、私の布団の中に13歳のメス猫「ケーキ・マーブル」が入ってきて、私から枕を奪う。私は布団の半分のスペースで横を向いて寝るしかない。寝返りをしてマーブルにぶつかるとその度にマーブルの鼻息による怒りの「声」を耳にし、目が覚める。したがって冬は睡眠が不足がちになる。
    写真の枕に傷みがみえるのは猫の前足のツメによるものだ。

    さて、昨日14日、12月県議会が終了した。
    私は18年度決算認定に反対の討論を行った。以下に私の討論原稿を掲載する。
    ● 堂本県政6年間で借金が5400億円増加、一方、長野県は1300億円の減少

    18年度決算認定について、「議会が財政危機打開のための改革の主役である」という議会の本来の使命に照らして、そして地方自治法第1条、同じく第2条に照らして反対の討論を行います。
    18年度決算では県債残高いわゆる借金が1年間で約460億円増えました。堂本知事が就任する前の2000年度末の県債残高が1兆87百億円、就任した2001年度以降では毎年借金は増え続け6年間で約5400億円増加し、平成18年度末の県債残高は約2兆4千億円に達しました。
    こうした巨額の借金を抱え財政運営の危機に直面しているのは全国の自治体に共通することです。なぜこうなったのか、バブル崩壊後の90年代、政府が音頭をとった景気対策にのって全国の自治体は多額の地方債を競い合うように発行して公共事業を拡大させたこと、それに反して地方交付税の額は大幅に削減され、その結果、地方債の元利償還の見通しが立たなくなったからです。
    この教訓から何を学ぶのか?
    片山前鳥取県知事が指摘するように、まず、地方債と連動する「地方交付税」の先食いという「モラルハザード」とは縁を切ることです。
    次に、公共事業を量質とも抜本的に見直し、本当に必要な公共事業を精選しその事業決定過程を透明化すること。
    3番目に、地方分権の時代、この財政危機打開のための改革の主役として議会がその責任を果たさねばならないということです。
    しかし、千葉県では「モラルハザード」は継続し、つくばエキスプレス沿線開発、かずさアカデミアパークなどの大規模開発、北千葉道路、圏央道、八ツ場ダム、酒々井インターチェンジ計画などは抜本的に見直されることなく進行しています。
    財政危機から抜け出す改革の主役という議会の使命に照らした時、これらの貴重な教訓から学ばず財政危機を加速させた18年度決算を容認する訳にはいきません。
    次に、地方自治法第2条に規定する「地方公共団体はその事務を処理するにあたっては、最小の経費で最大の効果をあげるようにしなければならない」、この「最小の経費で最大の効果」が得られるような税金の使い方がされたのかということです。
    その判断基準の一つが公共事業の適正な入札であり、もう一つが無駄な公共事業が行われなかったのかということです。後者についてはすでに触れましたので、入札、落札率について触れます。
    本12月議会でも昨年度の外郭団体への発注の58%が随意契約であり再委託時の不透明性などが指摘されました。18年度決算の県の建設工事3765件の単純平均の落札率は95%です。日本弁護士連合会の入札制度改革に関する調査報告書では「落札率は談合しているかどうかを判断するための主な基準になる」とされ、全国市民オンブズマン連絡会議では、95%以上を「談合の疑いが極めて高い」、90%以上を「談合の疑いがある」としています。
    長野県では18年度予定金額982億円に対して落札金額775億円で落札率は80.4%でした。余談ですが長野県は2001年度から2006年度の6年間毎年借金を減らし6年間では1300億円減らしています。
    長野県ベースの落札率を実現すれば少なくとも千葉においては100数十億円節約できたことになります。決算審査特別委員会では高い落札率について合理的な説明はありませんでした。地方自治法第2条の「最小の経費で最大の効果」という規定に、高落札率は限りなく反する疑いがあります。
    最後に、地方自治法第1条の「住民の福祉の増進を図ることを基本とする」こと、すなわち地方自治体の使命である「住民の安全を確保する」ことに照らしてどうかということです。
    平成18年に実施された第32回県政に関する世論調査の「県政への要望」によると、トップは「高齢者の福祉を充実する」2番目は「医療サービス体制を整備する」3番目は「災害から県民を守る」4番目は「次世代を担う子どもの育成支援を充実する」でした。医療については再三本議会でも指摘されました。耐震改修の進捗状況、県立学校バルコニーからの転落事故に対するハード面での予防策、既存道路の補修、交差点の改修や信号機の設置などの交通安全対策など人命・災害にかかわる施策が後回しにされたことは看過できるものではありません。県管理の約3400kmの既存道路について補修要望が106劼紡个靴修6割しか補修されませんでした。道路補修費用は平成10年11年度の半額以下になっています。県立学校バルコニー転落事故は平成6年〜19年で26件発生し内3件の死亡事故は平成17年2件、19年1件です。ハード対策をとらなかった県教委の姿勢が厳しく問われるべきと考えます。
    アレモコレモからアレカコレカの選択の時代に、大規模公共事業が優先されたことにより、県民が本当に望む医療、福祉、災害対策、教育の分野が削られています。
    以上、県議会の使命、地方自治法第1条、第2条に照らして18年度の決算認定について反対を表明します。
    なお、18年度決算を踏まえ、20年度予算編成について、いわゆるシーリング方式ではなく一つひとつの事業をきちんと査定すること、そして県民への説明責任を果たすために予算編成過程及び査定内容を公開することを強く要望いたします。
    以上で、討論を終わります。
    ご静聴ありがとうございました。

    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 12:53 | - | - | - | - |
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