市民活動家・研究者(前千葉県議会議員)

◆ 川本幸立のブログ

こんな議会に誰がした!県議会質問  医療制度改革、関与した厚生官僚も「やってはならないことに手を染めた」と反省
0
      24日から県議会本会議の質問が始まった。あえて言えば、時間が「もったいない」。課題山積の千葉県だが、質問内容で、少しヒアリングすれば済むようなもの、辟易するほどの部分(選挙区)利益の偏重と道路信仰にしがみついたおねだり・懇願調のもの、財源面や施策の優先度の検討放棄など総合的な視点の欠如、行政の代弁らしきもの・・・が目立つ。これは、片山善博・前鳥取県知事のいう「八百長と学芸会」の世界だ。そもそも、行政に対する議会のスタンスが感じられない。これこそ「責任会派」の責任だ。
    ● 後期高齢者医療制度〜小泉「改革」の予算削減まずありき
                 
     後期高齢者医療制度も県議会の質疑で取り上げられているが、自民・公明のスタンスは「国民への説明不足」を問題とし、高齢化による医療費増加への備えとしては最適というものだ。しかし、これは制度策定経過などをみれば、そうとは言えない。
    ・医療費の額は政策スタンスで決まる
    すでに以前のブログで紹介したが、「高齢化で医療費はどんどん膨張する」というのは非常識であり、「医療費増に高齢化の影響はほとんどない」のが常識だという。(「医療クライシス」 毎日新聞 6月17日)
    つまり、「医療費は野放図には伸びない」し、「医療費の自然増の最大要因は高価な薬や機器、治療手段が開発される医療の進歩であることは明白」であり、「高齢化が医療費を増やすように見えるのは見掛けの関係で、医療費の増加率は国民所得の増加率で決まる」という。医療費の額は結局、社会のパイの中からどれだけ使うかという政治的判断、つまり医療への政策スタンスで決まる。(毎日新聞、同)
    ・導入の目的は「高齢者に痛みを感じさせる」こと
    「03年3月、75歳以上を独立保険とすることなどが柱の改革方針が閣議決定された。05年9月、郵政選挙で圧勝した小泉元首相は「小さな政府」路線をひた走った。最大のターゲットが医療費で、25年度に56兆円になる給付費を48兆円に抑えるのが主題。そこでは、高齢者の窓口負担増が中心。「いい医療をどう実現するかが欠落している」(厚生族)などの指摘は大きな声にならず、05年12月、医療制度改革大綱が決まった。」
    「厚生省の審議会委員を長く務めた医事評論家の水野肇さんは、「小泉元首相がやったのは政府の予算を削ることだけ。後は財務省に丸投げした。こんな安易な方法では、低成長下での社会保障や医療制度の問題は解決しない」と批判する。」(毎日新聞、6月7日)
    「厚労省の担当幹部は1月、講演で「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自らの感覚で感じ取っていただくことにした」と語った。」(毎日新聞、6月4日)
    ・療養病床の6割減も、まず3000億円削減ありき
     後期高齢者医療制度とセットで出された高齢者の長期入院施設、療養病床を6割減の15万床に減らす方針について、「当時保険局に財務省から課長補佐として出向していた村上正泰氏は、中央公論3月号で「医療費削減ありきだった」と暴露。3000億円削減の目標が設定され、そのため療養病床をどれだけ減らすか、というつじつまあわせをしたというのだ」
    「改革に関与した元幹部は「物価はどんどん上がったらどうなるのか。弱者の側に立つ厚生官僚として、私はやってはならない政策に手を染めた」と話す。(毎日新聞、6月23日)
    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:46 | - | - | - | - |
    指定管理者導入の議案が提出されている県スポーツセンターを視察
    0
        25日朝の議会開会前の時間を利用して、山砂運搬ダンプによる木更津の高専生死亡事故の件で県警交通企画課の担当者から大野博美県議とともに議会控え室で報告を受ける。
      現在捜査段階にあるが、事故を起こした「白ナンバー」ダンプは会社所有であり、運転席の窓ガラスにシールが貼られていたことは確認スミということだった。会社の指示により羽田事業で木更津港まで2回山砂を運んだ後、富津の採取場に向かう途上ダンプで込み合う交差点を避けての事故発生、21歳の運転手に過密なスケジュールを強いていなかったのか、勤務状況、会社と運転手との雇用関係も調査が必要だと思う。
      23日午後のヒアリングで県土整備部担当者は、羽田事業とは異なる仕事で採取場に向かう途上での事故(このこと自体確認が必要だが)なので、羽田事業とは無関係だと答えた。
      しかし、交差点の混雑は羽田工事と無関係ではないハズだ。木更津では多くの高校生が16号を経由して自転車通学している。「(左折時)羽田ダンプは右ばかり見て、左を見ない」という声も聞かれる。羽田事業による混雑を避けて羽田事業以外のダンプが生活道路などにまわる可能性も高い。住民の生命の安全と健康を第一とするならば羽田事業以外の山砂運搬ダンプの走行ルート指定も必要だろう。ともかく事故原因を単なる「運転手の不注意」だけでおわらせてはならない。
      ● 指定管理者導入の議案が提出されている県スポーツセンターを視察
      24日本会議終了後、県総合スポーツセンター(千葉市稲毛区天台町)を吉川洋県議と視察する。敷地面積は43任如■11年建設のスポーツ科学センター、H17年に約20億円かけて改修した陸上競技場を除き、他の施設は建設後約40年経過し、老朽化が著しい。また今後耐震改修が必要なものもある。屋内屋外の水泳場(H15年まで使用)、相撲場は使用をやめている。
      21名の正職員に嘱託4名、非常勤職員1名、再雇用者3名体制で、事業収入(施設使用料)は年間4千万円〜5千万円、支出は4億〜5億である。
      指定管理者制度の課題は、仝共性をどう確保するか(施設の使命を実現するものとなっているか、市民としっかり向き合い、市民との協働を実現するか)、現状の管理運営の課題を抽出し、それらを解決するものとなっているか D庄弔隼慊蟯浜者を比較検討し、優劣の根拠が明確に示されているか、し佝饑畍困サービスの低下、不安定な雇用関係やワーキングプアを広げるものとならないか、ィ魁5年毎の更新で長期的なビジョンに基づく安定した管理運営ができるか、などが挙げられよう。
      総合スポーツセンターの場合、県の総合的なスポーツ政策(総合型地域スポーツクラブ事業など)、センターの将来計画(ハード、ソフト両面)の明確化と県民との共有が不可欠と思われる。
         
         県総合スポーツセンター
      Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:46 | - | - | - | - |
      暫定税率期限切れ間近 自公提出意見書への21日の質疑
      0
          ガソリン暫定税率の維持を盛り込んだ政府の租税特別措置法改正案の年度内成立が困難な中、暫定税率が3月末で期限切れとなりガソリン125.1円の値下げの可能性が大きくなった。期限切れとなれば、国・地方あわせて年間2兆6000億円の税収減となり、千葉県の道路整備費は07年度612億円が08年度288億円と324億円の減額が見込まれる。
         21日に可決された県08年度予算の道路関係経費は、
        歳入                                 1258億円
          一般財源:                        167億円、
            特定財源:                        470億円(暫定税率分218億円)、
          国庫補助金:                     111億円
          地方道路整備臨時交付金:     74億円
          地方自立活性化交付金:          2億円
          その他特定財源(負担金等):  90億円
          地方債:                           344億円
        歳出                                 1258億円
           道路新設改良:                  382億円
          直轄負担金:                     173億円
          街路・区画整理:                 174億円
          農道ほか:                          27億円
          公債費:                           501億円
        である。
         歳入の4割約500億円を一般財源と借金で確保し、歳出で同額が過去の道路建設の借金返済に消えている。
        地方自治体の財政難には、「政府は、バブル崩壊後の景気対策のため、地方には国の補助金を受けずに自治体が独自に行う事業を奨励した。事業費の4分の3を借金で賄い、それを返す費用の一部も地方交付税で補う仕組み。手元資金が乏しくても実施できるおいしい話だった。自治体は次々と飛びつき、各地に『ハコ物』が林立することになった。」(毎日新聞3月24日)という国の「オイシイ話」にのった地方の「モラルハザード」がある。
        千葉県も92年から98年にかけて多額の建設地方債を発行し、この時期に1兆円借金を増やした。そのつけとも言える過去の道路建設の借金500億円、国主導の道路建設の負担金(直轄負担金)173億円で歳出の半分を占める。
         今後2020年までの道路予算の見通しはどうか。平成17年度の国土交通白書で示されている試算によれば、公共事業予算が国交省分毎年3%、地方分5%削減されれば、2020年には既存施設の維持更新すら賄えなくなるという。一方、道路をつくればその分維持管理・補修更新費は確実に増加する。
         千葉県における直轄道路事業負担金(平成20年度〜10年間)の見込みは、
                圏央道      770億円
                外環道      490億円
                北千葉道路   80億円
                その他      460億円
                 計       1800億円
         で年間180億円である。
         2008年度の歳出予算から公債費を除けば700億円、2020年には予算削減で400億円台を余儀なくされるとすれば、県管理分道路修繕費・安全対策・更新費、直轄負担金すら賄えなくなる可能性が大きい。
         10年先を見通して、暫定税率期限切れのこのタイミングで、圏央道、北千葉道路、外環道路、銚子連絡道路、酒々井ICなど高規格道路建設計画を抜本的に見直せばどうか。
        ● 道路特定財源をめぐる自民・公明会派への質疑
        さて、21日の議会最終日には、自民・公明両会派提出の発議案「地方自治体の安定的財政運営と道路特定財源の確保を求める意見書」の質疑を行ったので以下に掲載する。
        質疑に対するかみ合った答弁はなかったが、公明党議員の答弁要旨については当日傍聴した福谷章子千葉市議のブログに質疑答弁とも要領よくまとめられているのでそちらをご覧いただきたい。
          
        (3月21日 県議会質疑)
        ・質疑1回目
        千葉市緑区選出、市民ネットワークの川本幸立です。
        発議案27号、「地方自治体の安定的財政運営と道路特定財源の確保を求める意見書案」について、質疑を行わせていただきます。
        19日に福田首相は「全額一般財源化も視野にいれて検討していく」と表明しました。
        この点も踏まえて、発議案提出者におかれましては率直な答弁をお願い申し上げます。
        1.まず、17日の千葉日報は、共同通信社による世論調査で、ガソリン1箸△燭衞25円を上乗せしている揮発油税の暫定税率の撤廃賛成が61%、暫定税率継続が29%と報じています。
        また、3日の毎日新聞朝刊が報じた世論調査でも、暫定税率撤廃賛成66%、継続が27%、10年間で59兆円を必要とする「道路整備の中期計画」に「賛成」19%、「反対」75%でした。
         そこで伺います。
         発議案がよって立つ立場は世論調査の結果と相反すると思われますが、この世論調査結果についてどう受け取っておられるのか伺います。
        2.2点目に、中期計画の妥当性について伺います。発議案によれば「今後の具体的な道路整備の姿を示した中期計画において、真に必要な道路の整備・管理に必要な事業量を確保すること」とあります。02年の交通量の推計を基につくられた中期計画については、2030年の交通量について02年推計値より8.7%も減少するとした07年の推計値で見直すべきといわれています。また、交通量の減少により高速道路網187区間の内、68区間で経済効果が整備費用を下回る可能性を指摘する試算もあります。
         そこで、伺います。
         10年間59兆円の中期計画については、少なくとも07年3月の推計値や費用便益分析をめぐる議論を踏まえて、まず中期計画そのものを再評価する必要があると思いますが如何か。
         また真に必要な道路をどのように評価し判断するのかお伺いします。
        3.3点目に、道路特定財源の利用実態とその妥当性について伺います。
        発議案によれば
        道路特定財源の利用実態を是とした上で、暫定税率の延長を求めているように読み取れます。
        しかし、特定財源の支出実態について、数千億円単位の河川整備や地下鉄建設への転用、公務員宿舎の建設、レクレーション費用など国土交通省の裁量による流用が目立ち、国交省の都合のよい「財布」になっている実態が明らかになっています。
        また、発議案にある「地方道路整備臨時交付金制度」は道路整備特別会計からの支出であり、この道路整備特別会計から国交省は自由に道路以外の公共事業にも支出してきました。そこで伺います。
        道路特定財源といいながら国交省の「一般財源」となりさらに天下り先の確保などに使われているという実態をまず正すことを求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
        4.4点目に、道路特定財源の一般財源化について伺います。
         発議案によれば一般財源化は考慮の外にあるようですが、2000年4月に施行した地方分権一括法で、地方自治体は各省大臣の下級機関という性格を払しょくしたはずです。地方分権の時代、当然、財源の使い道は自治体の首長と議会が決めるもので、『特定財源』として国から使い道を指定されないと駄目だというのでは、地方分権に逆行するものです。
        そこで伺います。
        地方分権の観点からも国に対しては道路特定財源の一般財源化をこそ求めるべきと考えますがいかがか。
        5.5点目に先ほどの討論で触れましたが、「県都1時間構想」に基づき、千葉県では高規格道路の建設が行われてきましたが、この構想の妥当性についてどのようにお考えか伺います。
        ・2回目
         ご答弁ありがとうございました。
         2回目の質疑を行います。
        1.世論調査結果についてどう受け取っておられるのか答弁がありませんでしたので、再度お伺いします。
        2.暫定税率撤廃や中期計画反対の世論調査結果から読み取れるのは、払った税金の使途が不透明、不公正であるという不信感を多くの国民が持っていることです。
         福田首相も中期計画について「新需要予測データ等を基礎に計画の期間を含め見直す」意向を示しました。今、県民の中で何が何でも道路をつくれという世論が多数を占めるとは思えません。そこで伺います。
        県議会として政府に求めることは、特定財源の維持や確保ではなく、国民の不信感を払しょくする施策や制度を実現することだと考えますがいかがでしょうか。
        2.「暫定税率を延長すること」を求めておられますが、そもそも暫定税率はオイルショックの74年に2年間の臨時措置として導入されたもので、これを08年度からさらに10年間延長することの妥当性は乏しいものです。必要というのであれば本則の税率に変えなければならないと思います。
        そこでお伺いします。
        暫定税率の延長はいつまでなのでしょうか。
        3.千葉県財政は将来とも厳しい状況にあります。福祉、教育、医療分野も予算が不足しています。平成19年第34回世論調査の「県政への要望」でも1位から5位は災害安全、福祉、医療、教育、であり、県民の県政に対する世論調査をみても、「道路の整備」は15番目です。道路だけを特別扱いする余裕はないと思います。
        そこで伺います。道路も一般財源の中で地域のニーズに応じてまかなえば何の支障もないと思いますが如何か。
        4.道路以外の物に使うと「受益と負担」の原則を崩すという議論があります。
         しかし、クルマ利用に伴うクルマの社会的費用を適切に負担していない。
             ほとんどの国民がクルマに乗り、また乗らなくてもタクシーの利用などで間接的に負担している。
         などを考慮すると、国民全体が負担していると考えられます。
        道路特定財源を一般財源化しても「受益と負担」を崩すものではないと考えるがいかがか。
        5.道路は地域を活性化するというが、地方を疲弊する要因ともなっています。
        道路計画においてきちんと事業評価が必要と考えるがいかがか。
        ・3回目
         19日に福田首相は「全額一般財源化も視野に」「中期計画の見直し」「予算の厳格化、透明化」を表明しました。
         また分権化することと、特定財源を求めることは相反することです。
         こうした点でこのタイミングでこの意見書を県議会として提出することは好ましくないと考えるがいかがか。
        Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:17 | - | - | - | - |
        「県都1時間構想」の幻
        0
            昨日21日に08年度一般会計予算案など計85議案を可決し、2月定例県議会が閉会した。2月議会の常任委員会で、請願者が参考人として意見陳述する場を持てたことは小さな前進(申請者6人の内3人しか認められなかったことは今後の課題)だが、「わからない予算書」「水面下の交渉での決着」「政務調査費の全面公開」などは今後の課題として残った。
          さて、最終日は議案に対する討論、質疑ができるので少数会派の出番となる。私は、意見書の「新型インフルエンザ対策」「道路特定財源の一般財源化」について討論し、自民・公明が提出した「道路特定財源の確保」を求める意見書について質疑をした。
          19日に福田首相も「全額一般財源化も視野にいれて検討していく」ことを表明したが、千葉県では「県都1時間構想」が道路整備の柱にすえられている。21日の県議会の討論でこの「県都1時間構想」が「まぼろし」であることを主張したので以下に紹介する。
          (3月21日県議会 発議案21号)
          発議案21号についての賛成討論を行います。
          千葉県において道路特定財源の堅持を求める柱に「県都1時間構想」に基づく高規格道路網の実現があります。
           この「県都1時間構想」に基づく高規格道路が他の施策よりも優先して建設される明確な根拠があるのかを問いたいと思います。
            
           17日の常任委員会の質疑でこの県都1時間構想の達成度と今後の見通しについて尋ねました。答弁によると、
          未達成の割合は県土面積で33%、人口で28%
          構想完成時期は不明、おそらく県全域で実現することは困難であること。
          今後必要な建設コストは計画が認可された道路についてはトータル千数百億円であること。
          地域振興や環境への効果について詳細には検討していないこと
          最新の交通センサスでの評価はこれからであること
          というものでした。
           
          県都1時間構想、それに基づく高規格道路網の妥当性について、
          ‐来の建設、維持管理などのコストの見通し
          地域振興を含めた費用便益分析B/C
          4超への影響
          の3点について最新の知見をもとに県民の批判に耐えうる評価を行う必要があると考えます。
          まずコストの見通しですが、平成17年度の国土交通白書は、公共事業予算を現在のように国の管理主体分を3%ずつ削減し、地方分を5%ずつ削減すると国交省所管施設で2020年以降、道路を含む既存施設の維持管理・更新費すら賄えなくなるという推計をしています。千葉県も同様ではないでしょうか。増大する既存道路の維持管理費、生活道路の整備、安全対策は手を抜くことができません。維持管理・更新費すら賄えない状態で新たな高規格道路の整備が可能でしょうか。不足分を教育・医療・福祉の予算を削って行うのでしょうか。
          次に費用便益分析です。最新のセンサスでの評価、走行時間短縮便益の算定手法についてそれらを見直して評価することは当然です。高規格道路の建設は地域振興につながるのではなく、その逆にストロー効果による人口流出で地域の活力を奪い、疲弊させる例は県内でも見受けられます。中心市街地の疲弊はその地域が育んできた文化の衰退でもあります。こうした道路による地域の衰退を予防するためにも、従来の道路そのものを独立して評価する費用便益手法ではなく、土地利用や誘発交通、公共交通機関など考慮した交通の総合的な評価や経済評価が不可欠です。
          さらに環境への影響です。道路やネットワークをつくれば渋滞が解消すると考えるのは実は「非常識」と言えます。国土交通省の国土交通政策研究所の2005年の「経済成長と交通環境負荷に関する研究」によれば、2030年までの首都圏3環状、9放射道路に第二湾岸の整備を前提に評価した結果、1995年と2030年との比較で「誘発交通の発生により自動車交通需要が大幅に増加し、交通ネットワーク全体として総所要時間が上昇する。その結果、17%近くCO2排出量が増加する」としています。
          以上の3点をみても、「地方の活性化のためには高規格道路の建設が不可欠」とは言える実態にはなくまたその評価も行われていないこと、また、財政で高規格道路をつくり続けることは非常に困難であることが予測されます。
           少なくとも、県都1時間構想をタテに福祉や医療、教育よりも優先して高規格道路をつくる根拠を見出すことはできません。県都1時間構想の実現を理由として道路特定財源の堅持を訴えるその明確な根拠はないと言えます。
           なお、最後になりますが、上乗せ分の税率の撤廃により、国立環境研究所は短期では800万トン、長期では2400万トンのCO2排出増となること試算しています。
          また、道路以外のものに使うと、「受益と負担の関係を崩す」という議論もありますが、クルマ利用による大気汚染、健康・生命の安全を脅かすことに対する適切な「社会的費用を負担」しているとはいえない現状にあります。
          暫定税率分廃止に伴い、地球温暖化防止の視点、クルマの社会的費用の適切な負担の視点から、環境政策のための目的税とする議論を国民の世論に負託して進めることが不可欠と考えます。
           以上で発議案21号に対する賛成討論をおわります。
           ご静聴ありがとうございました。   
          Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:16 | - | - | - | - |
          わからない予算書〜議員は本当に予算内容を審査してきたのか?!
          0
             県議会は、12〜14日の予算委員会も終わり、17日は午前10時から8つの常任委員会が一斉に開催された。私が属する県土整備常任委員会の主な議題は、/掲度の予算案、八ツ場ダム計画の工期5年延長案、だった。
            実は、予算書(概要書、予算に関する説明書、議案説明資料)を受け取り驚いた。どこを開いても事業の項目と予算額、前年度との比較がわかる程度のもので、これだけではとても県民から付託された審査などできるシロモノではない。職員からヒアリングしても不十分で、どうも職員は事業毎に詳細に作成した「個票」と呼ばれるものを持っているようだ。
            さっそく議会事務局の調査課を通じて情報提供を求めたが、書類量が膨大などという口実でなかなか出てこない。
            そこで、委員会で私は質疑のはじめに、予算の編成の手法と議員への情報提供について問うた。
            Q.私は12月議会の最終日の討論で、シーリングベースではなく、一つ一つの事業をゼロベースにして予算を組んだらどうか、という提言をした。この予算を見ると7%カットベースのシーリングで、国の補助金、交付金事業にあてはめながらつくられたという印象があるが、そういう組み立て方をしたのか?
            Q.受領した予算書では、各事業の内容を理解したり、最少のコストで最大の効果のある予算が組まれているのかを読み取ることは不可能だ。予算編成の基礎データの提供を強く求める。
            Q.各課が財政課に予算要求する段階から広く県民に公開することを検討すべきだ。
             情報提供と公開については、いずれもそれほど否定的な回答ではなかったが、議会のスタンスとしてきちんと請求してこなかったことこそ問われるべきだ。
            ●「トップは予算責任を明確にし、職員機構を補助補佐機構に純化する」
             2年前の2006年秋に、千葉市の徴税事務の不正を直接請求などで追及した「千葉市・納税者市民の会」の集会で、「市政改革への基本視点と展望」のテーマで講演した千葉大学法経学部の新藤宗幸さんは、予算書、編成のあり方、議会の役割などについて話をされた。その一部を紹介する。
            ・誰でもわかる予算書を 予算書を読める議員はいない
            「予算書のことですが、正直言って予算書を読める議員はいません。今の予算書は地方自治法施行令で様式が決まっています。様式は施行令を改めなければ改めることはできませんが、少なくとも中学生でも読めるもう一つの予算書をつくることはいずれの法律も禁止してはいません。たとえば歳出面においても予算書をながめても計画道路の範囲や構造を読み取ることは不可能です。また学校給食など一食当たりがいくらなのかということなどもわからない、今の予算書を前提に要求しても明らかになりません。」
            「要するに、政府の会計と家庭の家計の違いですが、歳出予算は何かに100万ついていたら100万まで使える権限を与えています。一方、歳入は見込み額です。だから見かけを良くしようと思えば税収を高めに見込んでおいて、年度途中になったら歳入が少ないことを理由に借金することも可能になります。誰でもわかる予算書をつくらせることによって、歳出の権限を与えていいのかどうか、歳入額(見積額)は妥当なのか、その根拠は何のかということを明確にさせる必要があります。」
            ・補助金による霞ヶ関の集権体制と地方分権一括法
            「日本のすべての補助金について霞ヶ関の精巧な集権体制ができあがっています。我々市民のコントロールがまったくきかない政治や行政の意思決定の仕組みを明治近代130年の間につくってきたということです。」
            「2000年4月の地方分権一括法の施行で、各省大臣の千葉市における下級機関という性格を払しょくしました。つまり昭和22年から続いてきた機関委任事務制度がなくなりました。この制度は、個別の仕事毎に法律あるいは政令で知事、市長、村長等を各省大臣の地方機関と位置づけて仕事を行なわせる処理方式のことです。」
            「確かに建前上は千葉市長は政治的代表機関だったが制度上ではそうではなかったということです。私たちが地方自治や自治体の政治を考える時に、きわめて基礎的な話ですが、市長、県知事は何よりも市民の政治的代表機関なんだということ、制度的にもやっとのことで保障されたんだということを大前提にしておくことが必要です。その上で、首長がすべきことは、まさにそのことを前提にして予算責任を発揮することです。」
            ・一般財源化とトップのリーダーシップ
            「職員たちは補助金があるから補助金を使わなければ損だという発想で市長や知事に進言する、議会のほうもなぜ補助金を使わないのかという話になる、最近でいうと学校の耐震工事やアスベスト工事はその典型です。補助金があるから使わなければ損、ないものについては発想が無いということで、これを多くの首長も受けてきて結構承認してしまうのです。そのことが職員の側からみるとそれによって組織が守られているんです。たとえば児童福祉課は、厚労省の補助金を使うことによって児童福祉課はなくならない。すべての国庫補助負担金約22兆円を一般財源化すれば、一番困るのは所管別の課です。」
            「今、補助金を使うにしても全体的な政策の体系をまずリーダーシップを発揮して示して、なぜ使うのかを明らかにしていこうということです。鳥取の片山さんがやりだしたことは各課とのやりとりを全部公開していること、全面的にいつでも見たい人は予算査定のやりとりを見れる、このことで、予算責任を明確にし、職員機構を補助補佐機構に純化することが可能になります。」 
            Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:15 | - | - | - | - |
            不明朗な県議31名の選挙カーの燃料代 〜上限額66150円に対し、川本の選挙カーは19702円
            0
                8日の朝日、11日の毎日新聞は、昨年4月の県議選当選者95人の内、自民23、民主7、公明1の計31名(後日、訂正した5名を含む)が選挙公費負担のガソリン代上限額66150円(1日あたり7350円で9日間、但し選挙カー1台に限る)か上限に近い金額を申請したことを報じ、「政治とカネ」に対する議員の認識の甘さを問うている。
               私のガソリン代は19702円で上限額の3割である。毎日目一杯、広い緑区内を走り回った結果だ。その感覚からするとどう走れば上限額になるのか首をひねらざるを得ない。
               66000円を申請した公明県議の場合、選挙カーは小型乗用車であり、燃費1箸△燭7舛箸垢襪繁萋388舛鯀った計算になるという。1日10時間走るとして時間39舛箸覆襪、これでは車の速度が速すぎて街宣する意味がない。行政の税金の使途を厳しく監視する立場にある議員がこれでは、「おねだり=陳情」議会になるのも当然だ。
              ● H20年度舗装道路修繕、交通安全対策、橋梁補修事業の当初予算 
               道路財源問題が焦点となっているが、高規格道路の建設に重点がおかれ、既存道路や橋梁の改善、安全対策はそのしわ寄せをうけてきた。
               H20年度当初予算と各地域整備センターからの要望(カッコ内)の比較は以下の通りである。
              ・舗装道路修繕事業
                  予算額         41億円(58億円)  
                  予定箇所   302箇所(499箇所)
                  予定延長     78.9km(125km)
              ・交通安全対策事業
                  予算額         65億円(85億円)
                  歩道等整備  101箇所(254箇所)
                  交差点改良     39箇所(63箇所)
                  道路案内標識       71基(135基)
                  道路照明灯       188基(331基)
              ・橋梁修繕事業
                  予算額         12億円(27億円)
                  予定箇所      45箇所(117箇所
              Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:14 | - | - | - | - |
              産廃処分場計画を中止させた現場で市民の力で植樹祭開催〜緑区小山町
              0

                  8日午前は、緑区小山町観音地の植樹祭(主催:千葉市板倉大椎土地改良区、共催:緑の環・協議会)に参加した。土地改良区の方が冒頭あいさつで「平成18年9月、水源涵養の為の緊急措置として産廃業者と競り合い落札した。地元の自然観察の関心が高く、無残な姿にある土地に植樹をして森林を復元したい」と語った。
                 
                   このイベントはG20のサイトイベントで、県、千葉市、ちば生物多様性県民会議、里山シンポ実行委員会が後援、苗や堆肥の提供、観察指導員派遣などの支援を受け、100名近い方が参加した。全国最低水準の森林率31%で、広大な土砂採取場を抱える県にとって森林復元は大きな課題である。しかし、地球温暖化防止や生物多様性などのキャンペーンや啓蒙活動には熱心だが、肝心の現場における森林復元の予算は数百万円規模でしかない。
                 
                    7日の県議会本会議で、森林の間伐事業予算との関係でこうしたキャンペーンや啓蒙活動の実効性を問われた堂本知事は、県の予算編成は縦割りであり細かいことまで知事は関与していないという驚くべき答弁をした。これでは知事は予算指揮権を放棄していると言われても仕方が無い。
                 
                  緑区小山町の植樹祭の模様と周辺の谷津

                ● 県こども病院20周年記念講演
                  
                 8日午後は、千葉市内で開催された千葉県こども病院開設20周年記念講演会を傍聴する。クリニクラン(臨床道化師)の塚原成幸さん「すべての子供にこども時間を」、チャイルド・ライフ・スペシャリストの藤井あけみさん「こどもが主役の医療を求めて」を聴く。
                「こどもの心を守る−気持ちはすべて尊重されるべき
                          感情はすべて許される、行動は制限される
                          怖い、いやだ、嫌いを大切に
                          気持ちを否定すること=こども自身を否定すること
                          否定的感情の時のこどもこそ100%受容する」
                 子ども医療の現場だけでなく、学校現場、大人の世界にも共通するものだと思う。
                 講演会の冒頭、子ども病院長が冒頭挨拶で紹介した「千葉県子ども病院の開設目的」の中の「千葉県こども病院の基本理念」に感心する。
                −「私達は、県立の小児医療施設職員としての自覚を持ち、「児童の権利に関する条約」の基本理念のもと、すべてのこどもの基本的人権を擁護し、すべてのこどもが私達に実現可能な最高水準の医療と保健サービスを受けられるように日々努力し、未来あるこども達の心身の健全な育成をめざします」
                 そうであれば、今後の20年を見据えて小児医療を取り巻く現状、医師不足が招く医療崩壊の現場、厚生労働行政の失政と県の医療行政の未来についても語り合うべきではなかったか。

                Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:13 | - | - | - | - |
                堂本知事は「道路教」信者 特定財源の一般財源化にも反対?!
                0
                    4日から県議会の本会議質問が始まった。新年度予算案は145億円の財源不足、借金は一般会計2兆5千億円、利子6200億円、特別会計5150億円、利子1000億円の計3兆7350億円になる見込みという。これだけ借金が膨らんだ大きな要因の一つが高規格道路事業である。
                   今後、毎年財源不足が予測される中、高規格道路やダム、大規模開発などの公共事業の抜本的見直しが不可避な状況だ。
                   しかし、堂本知事は、議会初日のあいさつで、道路整備について、
                  「例えば、道路特定財源の暫定税率が延長されない場合、圏央道の全線開通は大幅に遅れるとの試算も出されています。千葉県の発展を支える道路、安全・安心な道路整備は、未だ十分とは言えません。20年度以降も暫定税率を延長し、財源を確保すること、また、現在の目標期間内の道路整備等を国に強く働きかけてまいります」と話した。これでは一般財源化にも反対なようだ。「地方分権」の理解が薄いとしかいいようがない。
                     3日の毎日新聞朝刊によれば、世論調査で、4月以降暫定税率継続の「反対」66%、「賛成」27%、10年間で59兆円を必要とする「道路整備の中期計画」に「賛成」19%、「反対」75%だった。
                  4日の答弁で知事は、道路が大事な理由として―詑擇多い安全安心な道路生活道路が必要、の3点を挙げた。5日は、高速道路、高規格道路には熱心でも道路の維持管理や生活道路の改善など安全・安心な道路づくりをないがしろにしているという指摘に、「見解の相違」「道路は大事」と答弁した。新しく道路をつくることで、交通量の増加を誘発し渋滞が生じる可能性もあり、まちのスプロール化、中心市街地など地域社会の疲弊につながる可能性も大きい。
                  ● 勝浦有料道路が無料開放 しかし、赤字(未償還金)総額は約60億円
                   千葉県道路公社の勝浦有料道路(3.6km)が料金徴収期間30年を経過したことにから今年4月5日より無料となり、県に移管される。周辺開発が計画通りに進まなかったので60億円もの赤字となったという。道路をつくれば地域経済が活性化する訳ではない見本といえよう。
                   約60億円の未償還金の充当は、
                     公社の他路線の損失補填金 約46億円
                     県の補助金        約10億円(県に返還する出資金相当額)
                   などで賄う計画だ。29年間の維持費実績は13億3千万円だった。今後これらの維持管理費は県の負担となる。県道路公社の財務状況も検討してみたい。
                  Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 13:12 | - | - | - | - |
                  八百長議会を清算できるか?!〜矢祭町の議員報酬「日当制」が問いかけるもの
                  0

                      25日午後は、県庁中庁舎で開催された「第4回千葉県人権施策推進委員会」を傍聴する。子どもの人権について、当事者等からのヒアリングが行われた。対教師暴力による補導事件、障害児の人権侵害などの事例に改めて驚く。
                    26日早朝は鎌取駅前での12月県議議会と市議会の速報のセット配布、午前は「千葉市地域で生きる会」の千葉市担当課との子どもルーム交渉に同席する。午後は「みどりネット」主催の千葉市企画調整局企画課の出前講座「千葉市第2次5か年計画の見直し」に参加した。千葉市は05年度決算の実質公債費比率が23%となり3月に策定した「公債費負担適正化計画」を遂行するために06年〜10年度の第2次5ヵ年計画を見直し、事業費4123億円の3割を「削減」する案を作成し、現在パブリックコメント募集中である。
                    そもそも財政危機を生み出した要因には手がつけられていない。千葉都心、幕張新都心、蘇我副都心の開発や整備はそのまま、5ヵ年508事業の内「中止」は2事業でしかなく「モノレール」延伸など大半は「先延ばし」に過ぎない。行政の自浄力、議会の監視力が有効に機能しない現状では一定の額の地方債の発行(例えば10億円以上)については住民投票にかける制度も必要だろう。少なくとも10〜30年後を見据えて、持続可能な発展、コンパクトなまちづくり(=クルマでの移動をこれまでよりも少なくさせる、まとまりのある土地利用密度の高いまちづくり(市川嘉一著「交通まちづくりの時代」ぎょうせい、61頁))、人口減少社会、地域再生、温暖化対策の視点から千葉市のまちづくりのあり方の根本的な見直しが不可欠である。1年半後の市長選の大きな争点としたいものだ。
                    ● 非常識がまかり通る県議会・常任委員会の実態

                    雑誌「世界」の1月号で前鳥取県知事の片山善博氏が、「八百長議会が自治体の信頼を失わせる」として「八百長議会の清算を」と訴えている。
                    さて、福島県矢祭町の町議会(定数10)が25日、議員報酬に日当制(日額3万円)を導入することを町議全員で構成する特別委員会で可決した(26日・毎日新聞)。これにより町議の報酬は年間340万円が90万円(議員活動年間30日間として)になるという。提案理由は「日当制は透明度が高く、議員活動の対価という意味合いが厳格化される」というものだ。矢祭町は議員の費用弁償も政務調査費をゼロという。財政規模など自治体ごとに異なるが、そもそも「議員活動とは何かという根本的な議論」も必要だ。
                    自治体が「住民の安全の確保」という使命を果たしているかどうか、そのために税金を「最少の経費で最大の効果」を生み出す使い方をしているかどうか監視することが議会の使命である。
                    千葉県の場合、現状は使命を間違えた「個別の口利き」議員が多数を占める「翼賛」議会である。自治体財政危機を加速こそすれ歯止めを役にはなっていない。12月議会でも「おねだり」質問の連続だった。政務調査費一つとっても領収書の全面公開すら先延ばしされた。実質の審議をする場である常任委員会では、県の施策を厳しく追及する質疑は異常に嫌悪される。委員相互の議論は乏しく請願者の意見陳述すら認めない。多数会派が提出した意見書の出所は中央組織からトップダウンのものが多く、質疑をしても提案会派の委員はまともに答えられないことが多い。
                    「通常自治体の多くは、議会が開会される前に、予算案や条例案など議会に提案する議案について事前に根回しを行い、少なくともいわゆる与党と呼ばれる多数会派の了承を得た上で議会を開会する。
                    そしていよいよ議会が開かれるのだが、多数会派に属する議員も質問はするものの、決して議案の欠陥を指摘することはない。彼らは議案の全てを無傷で通すことを既に請け負っているからである。」(片山義博の「日本を診る」、雑誌「世界」1月号95頁)という実態は千葉県も例外ではない。
                    これでは県民から千葉県議会にも「日当制の導入を」という声がわき起こってもおかしくないと思う。

                    Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 12:55 | - | - | - | - |
                    医療、福祉、教育の県民要求に背を向け、財政危機を加速させた18年度決算認定に反対討論
                    0

                        冬になると毎深夜、私の布団の中に13歳のメス猫「ケーキ・マーブル」が入ってきて、私から枕を奪う。私は布団の半分のスペースで横を向いて寝るしかない。寝返りをしてマーブルにぶつかるとその度にマーブルの鼻息による怒りの「声」を耳にし、目が覚める。したがって冬は睡眠が不足がちになる。
                      写真の枕に傷みがみえるのは猫の前足のツメによるものだ。

                      さて、昨日14日、12月県議会が終了した。
                      私は18年度決算認定に反対の討論を行った。以下に私の討論原稿を掲載する。
                      ● 堂本県政6年間で借金が5400億円増加、一方、長野県は1300億円の減少

                      18年度決算認定について、「議会が財政危機打開のための改革の主役である」という議会の本来の使命に照らして、そして地方自治法第1条、同じく第2条に照らして反対の討論を行います。
                      18年度決算では県債残高いわゆる借金が1年間で約460億円増えました。堂本知事が就任する前の2000年度末の県債残高が1兆87百億円、就任した2001年度以降では毎年借金は増え続け6年間で約5400億円増加し、平成18年度末の県債残高は約2兆4千億円に達しました。
                      こうした巨額の借金を抱え財政運営の危機に直面しているのは全国の自治体に共通することです。なぜこうなったのか、バブル崩壊後の90年代、政府が音頭をとった景気対策にのって全国の自治体は多額の地方債を競い合うように発行して公共事業を拡大させたこと、それに反して地方交付税の額は大幅に削減され、その結果、地方債の元利償還の見通しが立たなくなったからです。
                      この教訓から何を学ぶのか?
                      片山前鳥取県知事が指摘するように、まず、地方債と連動する「地方交付税」の先食いという「モラルハザード」とは縁を切ることです。
                      次に、公共事業を量質とも抜本的に見直し、本当に必要な公共事業を精選しその事業決定過程を透明化すること。
                      3番目に、地方分権の時代、この財政危機打開のための改革の主役として議会がその責任を果たさねばならないということです。
                      しかし、千葉県では「モラルハザード」は継続し、つくばエキスプレス沿線開発、かずさアカデミアパークなどの大規模開発、北千葉道路、圏央道、八ツ場ダム、酒々井インターチェンジ計画などは抜本的に見直されることなく進行しています。
                      財政危機から抜け出す改革の主役という議会の使命に照らした時、これらの貴重な教訓から学ばず財政危機を加速させた18年度決算を容認する訳にはいきません。
                      次に、地方自治法第2条に規定する「地方公共団体はその事務を処理するにあたっては、最小の経費で最大の効果をあげるようにしなければならない」、この「最小の経費で最大の効果」が得られるような税金の使い方がされたのかということです。
                      その判断基準の一つが公共事業の適正な入札であり、もう一つが無駄な公共事業が行われなかったのかということです。後者についてはすでに触れましたので、入札、落札率について触れます。
                      本12月議会でも昨年度の外郭団体への発注の58%が随意契約であり再委託時の不透明性などが指摘されました。18年度決算の県の建設工事3765件の単純平均の落札率は95%です。日本弁護士連合会の入札制度改革に関する調査報告書では「落札率は談合しているかどうかを判断するための主な基準になる」とされ、全国市民オンブズマン連絡会議では、95%以上を「談合の疑いが極めて高い」、90%以上を「談合の疑いがある」としています。
                      長野県では18年度予定金額982億円に対して落札金額775億円で落札率は80.4%でした。余談ですが長野県は2001年度から2006年度の6年間毎年借金を減らし6年間では1300億円減らしています。
                      長野県ベースの落札率を実現すれば少なくとも千葉においては100数十億円節約できたことになります。決算審査特別委員会では高い落札率について合理的な説明はありませんでした。地方自治法第2条の「最小の経費で最大の効果」という規定に、高落札率は限りなく反する疑いがあります。
                      最後に、地方自治法第1条の「住民の福祉の増進を図ることを基本とする」こと、すなわち地方自治体の使命である「住民の安全を確保する」ことに照らしてどうかということです。
                      平成18年に実施された第32回県政に関する世論調査の「県政への要望」によると、トップは「高齢者の福祉を充実する」2番目は「医療サービス体制を整備する」3番目は「災害から県民を守る」4番目は「次世代を担う子どもの育成支援を充実する」でした。医療については再三本議会でも指摘されました。耐震改修の進捗状況、県立学校バルコニーからの転落事故に対するハード面での予防策、既存道路の補修、交差点の改修や信号機の設置などの交通安全対策など人命・災害にかかわる施策が後回しにされたことは看過できるものではありません。県管理の約3400kmの既存道路について補修要望が106劼紡个靴修6割しか補修されませんでした。道路補修費用は平成10年11年度の半額以下になっています。県立学校バルコニー転落事故は平成6年〜19年で26件発生し内3件の死亡事故は平成17年2件、19年1件です。ハード対策をとらなかった県教委の姿勢が厳しく問われるべきと考えます。
                      アレモコレモからアレカコレカの選択の時代に、大規模公共事業が優先されたことにより、県民が本当に望む医療、福祉、災害対策、教育の分野が削られています。
                      以上、県議会の使命、地方自治法第1条、第2条に照らして18年度の決算認定について反対を表明します。
                      なお、18年度決算を踏まえ、20年度予算編成について、いわゆるシーリング方式ではなく一つひとつの事業をきちんと査定すること、そして県民への説明責任を果たすために予算編成過程及び査定内容を公開することを強く要望いたします。
                      以上で、討論を終わります。
                      ご静聴ありがとうございました。

                      Posted by : 川本幸立 | ◆)その他 | 12:53 | - | - | - | - |
                      TOP